世界/日本のビジネス・アーカイブズ

 ビジネス・アーカイブズ(BA)機能の構築、企業記録の保存・管理、活用に積極的に取り組む優良事例、およびビジネス・アーカイブズに関連する海外文献をご紹介します。

世界と日本の優良事例集 - Best Practices in Business Archives in Japan and Around the World

 企業はモノの生産やサービスの提供などの事業により価値を創造し、社会の中で重要な役割を担っています。そして、事業を継続し価値を創造し続けることを通じて社会に貢献していく「公益」の追求こそが企業の使命といえます。

 ビジネス・アーカイブズとは、このような使命を持つ企業において、創業から今日に至る会社と事業の歩みを示す長期保管記録です。アーカイブズは説明義務への対応(アカウンタビリティ)、企業アイデンティティの確立、継続性の担保に欠かせない貴重な経営資源です。

 本ページにおいて優れた活用事例としてご紹介する各社の取り組みは、アーカイブズの活用が企業の社会的・公益的な活動に貢献している点を示すものです。


Communicating the Value of Business Archives to Business Archives: The Shibusawa BA Project and Corporate Archives in Japan
/Yuko Matsuzaki, Business Archives Specialist, Shibusawa Eiichi Memorial Foundation

This article was presented in the panel session, ‘Communicating the Value of Business Archives to Our Stakeholders’, at the 2017 ICA SBA conference “The Future Roles of Business Archives”, held at the Eric Ericsson Hall, Stockholm, Sweden, 5-6 April, 2017. (Published on April 28, 2017)

企業を変える、戦略を生む:ビジネス・アーカイブズとデジタル社会
/公益財団法人渋沢栄一記念財団 情報資源センター 松崎裕子

 本稿は2017年2月11日に岐阜市内で開催された「デジタルアーカイブin岐阜」(主催:NPO法人日本デジタル・アーキビスト資格認定機構、共催:岐阜女子大学)でのパワーポイント講演資料の内容をもとに論旨はそのまま新たに書き起こしたものです。(2017年3月14日発行)

The Shiseido Archives: Sustainability and Top Management Change
/Yuko Matsuzaki, Business Archives Specialist, Shibusawa Eiichi Memorial Foundation

This paper was presented at the International Council on Archives/ Business Archives Section 2016 Symposium in Atlanta, GA,the United States held on April 4 through 5. The theme of the conference was“Sustainability”. This article will focus on how in-house corporate archives can contribute to the sustainability of company beyond the top management change based on the case of Shiseido Co.,Ltd. and its corporate archives and museum. (Published on May 14, 2016)

資生堂のアーカイブズ:サステナビリティとトップ・マネジメント・チェンジ
/公益財団法人渋沢栄一記念財団 情報資源センター 松崎裕子

 経営トップの交代は企業内に大きな変化をもたらします。新しい経営体制の下でアーカイブズが果たす役割への理解が得られないこともあれば、経営に貢献するツールと評価されることもあります。両者を分けるものは一体何でしょうか。本稿では資生堂の企業文化部と資生堂企業資料館を取り上げます。同社のアーカイブズとミュージアムは、新しい経営トップによって会社のサステナビリティを支えるためのツールとしての積極的な評価を得ています。本稿ではそれが可能となった要因について考察します。(2016年5月14日発行)

花王アーカイブズと花王ウェイ:ビジネス環境の変化の中におけるアーカイブズと企業アイデンティティー
/公益財団法人渋沢栄一記念財団 情報資源センター

 企業におけるアイデンティティー・コンセプトの確立と、従業員をはじめとする利害関係者(ステークホルダー)間でのそのアイデンティティーの共有にアーカイブズは欠かせません。企業アーカイブズが企業アイデンティティーの形成と共有に貢献している事例として花王株式会社のアーカイブズを取り上げて見てゆきます。
 なお、本稿は2012年8月にオーストラリア・ブリスベンで開催された国際アーカイブズ評議会(ICA)大会で、Neither Merger, Nor Acquisition, Nor Diversity, Nor Generational Change Can Stay Them: The Indispensible Role of Corporate Archives in the Identifying, Shaping, and Propagating of Corporate Identity と題して発表した後、ICA会誌 Comma 2013/1号 に掲載した記事 Archives and corporate identity in a changing business environment: The Case of the Kao Corporation の日本語版です。(2015年11月18日発行)

Ryugo and the angel: Cross-industrial and cross-sector collaboration on business archives exhibitions in Japan
/Yuko Matsuzaki, Information Resources Center, Shibusawa Eiichi Memorial Foundation

This paper was presented at the International Council on Archives/ Business Archives Section 2015 Symposium in Milan held on 15 through 16. The theme of the conference was“Creating the best business archive” . This article will focus on cross-industrial and cross-sector collaboration on business history exhibitions as a way of maximizing the effect and impact of business archives in advocacy with senior managers and for community involvement. Two examples have been chosen for this paper; those of the collaboration between food manufacturer Morinaga & Co., Ltd. and the Tobacco & Salt Museum, a non-profit affiliate of Japan Tobacco Inc.; and between Shibusawa Warehouse Co., Ltd. and the Shibusawa Memorial Museum, run by the Shibusawa Eiichi Memorial Foundation. (Published on August 22, 2015)

澁澤倉庫株式会社と渋沢史料館:りゅうごと天使 - 連携によるアーカイブズ展示 [後編]
/公益財団法人渋沢栄一記念財団 情報資源センター

 前編に続き、後編では澁澤倉庫株式会社と公益財団法人である渋沢栄一記念財団渋沢史料館の連携を取り上げます。前編・後編いずれのケースとも、営利企業と非営利団体間、相違する産業間の連携という、これまでにない試みとしてさまざまな成果を生み出しました。本稿では連携による展示を実現するに至った道筋を明らかにします。そして展示スペースを持たない企業とそのアーカイブズに対して、外部の博物館との間で相互に利益をもたらす協力を可能とする方法への洞察を提供します。(2015年8月22日発行)

森永製菓株式会社とたばこと塩の博物館:りゅうごと天使 - 連携によるアーカイブズ展示 [前編]
/公益財団法人渋沢栄一記念財団 情報資源センター

 近年、社史編纂以外の方法によって企業史料を活用することへの関心が高まってきています。そのひとつの方法が実業の歴史に関する展示です。本稿では、企業史料の持つインパクトと効果を最大化する方法として、実業に関わる歴史展示―産業間・セクター間の連携による─に取り組んだ事例に焦点をあてます。前編では森永製菓株式会社と公益財団法人たばこ総合研究センターが運営するたばこと塩の博物館の連携を取り上げます。(2015年8月22日発行)

Bank of England Archive
/Yuko Matsuzaki, Information Resources Center, Shibusawa Eiichi Memorial Foundation

The Bank of England was established in 1694 as the central bank of the United Kingdom. Although it had a section for archives and managed its records as far back as the 1930s, it was not until 1972 that professional archivists were employed to pursue a mission of preservation, collecting and cataloguing, and provision to the general public. This article gives a brief overview of the Bank and its Archive as well as looking at the relationship between the Archive and the BOE Museum and between records management and archives systems, archives provision policies and related rules and regulations, digitization and active information disclosure, and digital provision of information and records. (Published on July 25, 2015)

イングランド銀行アーカイブ Bank of England Archive
/公益財団法人渋沢栄一記念財団 実業史研究情報センター

 イギリスの中央銀行・イングランド銀行(1694年設立)は1960年にアーカイブズ部門を設置、資料整理を開始し、1972年以降アーキビスト専門職が「保存」、「収集・目録作成」、「一般への提供」の3つの使命遂行に携わってきました。この記事では博物館部門との役割分担、記録管理システムとアーカイブズ管理システムの関係、資料提供に関する考え方と関連法規、デジタル化とインターネットの利用による積極的な情報開示・情報発信などについて報告します。(2014年12月16日発行)

トヨタ自動車株式会社の社史編纂の歴史とアーカイブズ
/公益財団法人渋沢栄一記念財団 実業史研究情報センター

 1937年創業のトヨタ自動車株式会社は2012年に創業75年を迎え、これを記念して75年史を編纂し、会社ウェブサイト、DVD、書籍で公開しました。75年史刊行までの社史編纂の歴史、50年史(1987年)以後のミュージアム開設による歴史遺産の展示活動の展開、積極的な社内史料の収集によるアーカイブズの構築への歩み、グローバリゼーションの進展のなかで社史編纂の位置づけがどのように変わってきたのかをご紹介します。(2014年9月3日発行)

地方史か会社史か : 多国籍企業海外現地法人アーカイブズの責任ある管理
/エリザベス・W・アトキンス著

 グローバルに事業展開する多国籍企業の記録には、企業、地域社会、アーキビスト、歴史家をはじめとする多様な人々がかかわりをもっています。企業アーカイブズ管理の成功には、専門的人材の配置と支援のほかに、すべての利害関係者(ステークホルダー)の利害を自覚して、それらに対して敏感であることが必要です。(2008年1月発行)

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