理事長メッセージ

年頭のご挨拶

渋沢栄一の事績を活かす新展開に期待

 明けましておめでとうございます。会員の皆様が、おそろいで、お元気に新しい年を迎えられましたことを、心からお喜び申し上げます。

 昨年11月には、デジタル化された『渋沢栄一伝記資料』のインターネット公開が始まりました。個人の業績の記録としては、質・量とも他に類がないものと、かねてから高い評価を受けてきたこの資料に対して、全世界から瞬時のアクセスが可能となったことは、画期的な成果であり、栄一の生涯ならびに、日本の近代化の研究へのさらなる貢献を期待しております。

 また明治初年、近代経営の基本的な理念として栄一自身が提唱した合本主義に関する国際的共同研究の結果が、来る3月末、「道義的資本主義(Ethical Capitalism)」と題して英文で刊行され、ハーバード大学ならびに、トロント大学などで、記念のシンポジウムが計画されております。今年は没後86年を迎える栄一が、この出版を通して、リーマンショック以降、混迷を続ける世界経済に、新しい方向をもたらすことを願っております。

 なお今年は、大正6年に当時の清水組(現在の清水建設株式会社)が、栄一の長年の支援への感謝を込めて建築、贈呈した「晩香廬」が、築後100年を迎えます。不思議なほど近代的で斬新な意匠が凝らされ、栄一自身もこよなく愛し、国の「重要文化財」の指定も受けたこの建物を、改めてご覧いただければありがたいと思っております。


2017年元旦
公益財団法人 渋沢栄一記念財団
理事長 渋沢雅英