理事長メッセージ

年頭のご挨拶

全国の会員の皆様に、新年のご挨拶を申しあげます。

それぞれに希望を抱いて、さわやかな朝をお迎えになったことと拝察します。 今年も豊かな実りのある一年であるようお祈りする次第です。 一昨年来、私たちを苦しめてきた新型コロナウイルス感染症ですが、終息の兆しも見えてきたようです。 とはいえ、新たな変異株も発生しており、気を緩めることなく、ご自愛をお続けください。

さてご承知のとおり、渋沢栄一は九十一年にもおよぶ長寿に恵まれましたが、その晩年近くの逸話です。 経済社会の現役リーダーであるひとりの実業家が、渋沢の長寿への抱負と意欲を耳にして、苦笑しつつ溜息をついたというのです。 「こりゃ大変だ。わしはもっと働かねばならないな」と。その心はといえば、こういうこと。 渋沢翁が、矍鑠として世を牽引するならば、これからもまださまざまに奉加帳が回って来て、財布の紐を緩めねばなるまいと。 渋沢は高齢になっても、社会慈善活動などのために、要人たちに協力・支援の寄金を求め続けたようです。 そんな内情を語る逸話なのでしょう。

この逸話に登場する人たちは、友人や先輩・後輩と分け隔てなく、力を寄せ合い、豊かな人間関係の社会を築きあげたいと願ったはずです。それが、渋沢の生涯にわたる基調音でした。コロナ禍の厳しい現状ではありますが、そんな豊かな社会となることを夢見ています。


2022年1月
公益財団法人 渋沢栄一記念財団
理事長 樺山紘一