世界/日本のビジネス・アーカイブズ

 ビジネス・アーカイブズ(BA)機能の構築、企業記録の保存・管理、活用に積極的に取り組む優良事例、およびビジネス・アーカイブズに関連する海外文献をご紹介します。

世界と日本の優良事例集 - Best Practices in Business Archives in Japan and Around the World

 企業はモノの生産やサービスの提供などの事業により価値を創造し、社会の中で重要な役割を担っています。そして、事業を継続し価値を創造し続けることを通じて社会に貢献していく「公益」の追求こそが企業の使命といえます。

 ビジネス・アーカイブズとは、このような使命を持つ企業において、創業から今日に至る会社と事業の歩みを示す長期保管記録です。アーカイブズは説明義務への対応(アカウンタビリティ)、企業アイデンティティの確立、継続性の担保に欠かせない貴重な経営資源です。

 本ページにおいて優れた活用事例としてご紹介する各社の取り組みは、アーカイブズの活用が企業の社会的・公益的な活動に貢献している点を示すものです。


トヨタ自動車株式会社の社史編纂の歴史とアーカイブズ
/公益財団法人渋沢栄一記念財団 実業史研究情報センター

 1937年創業のトヨタ自動車株式会社は2012年に創業75年を迎え、これを記念して75年史を編纂し、会社ウェブサイト、DVD、書籍で公開しました。75年史刊行までの社史編纂の歴史、50年史(1987年)以後のミュージアム開設による歴史遺産の展示活動の展開、積極的な社内史料の収集によるアーカイブズの構築への歩み、グローバリゼーションの進展のなかで社史編纂の位置づけがどのように変わってきたのかをご紹介します。(2014年9月3日発行)

地方史か会社史か : 多国籍企業海外現地法人アーカイブズの責任ある管理
/エリザベス・W・アトキンス著

 グローバルに事業展開する多国籍企業の記録には、企業、地域社会、アーキビスト、歴史家をはじめとする多様な人々がかかわりをもっています。企業アーカイブズ管理の成功には、専門的人材の配置と支援のほかに、すべての利害関係者(ステークホルダー)の利害を自覚して、それらに対して敏感であることが必要です。(2008年1月発行)