協力事業

ICA SBA(国際アーカイブズ評議会 ビジネス・アーカイブズ部会)

 情報資源センターでは、国際アーカイブズ評議会(ICA)に加盟してビジネス・アーカイブズ部会(SBA)運営委員会に委員を送り、ビジネス・アーカイブズや企業史料関係の国際ネットワークと協力して活動しています。
 また、日本の企業史料関係の情報を世界に発信するとともに、メールマガジン「ビジネス・アーカイブズ通信」を発行し海外の情報を日本語で提供しています。
 2011年5月には部会運営委員会を東京で開催、それに伴い国際シンポジウム「ビジネスアーカイブズの価値」も開催されました。

更新日 2023年11月21日

ICA:国際アーカイブズ評議会

 国際アーカイブズ評議会(International Council on Archives)はアーカイブズ(記録資料・文書館)とアーカイブズを扱う専門家であるアーキビストに関する国際的な非営利団体で、ユネスコの支援のもとに1948年6月9日にパリで設立されました。記録ならびにアーカイブズの管理と活用のため、またアーカイブズ遺産の保存を促進するために、アーカイブズと記録管理に関わる専門的な問題、またアーカイブズ機関の経営と組織に関する経験、研究、アイデアを共有することに努めています。
 ICAは4年に一度アーカイブズ国際会議(コングレス)を開催しています。
その他、2013年から2021年までは毎年会議を、2022年以降は隔年(2年に1度)の会議を開催し、意思決定ならびに、戦略的・専門的な課題を国際的に討議しています。
 また、ICAには地域ごとの集まりである地域支部、専門分野別の集まりである部会が存在します。会員は、A会員(国立公文書館、またはそれに相当する機関)、B会員(専門職・専門機関によって構成される団体、またはそれに相当する団体)、C会員(個別の機関会員)、D会員(個人会員)、いずれかのカテゴリーに登録しています。

SBA:ビジネス・アーカイブズ部会

 ビジネス・アーカイブズ部会(Section for Business Archives) は、企業アーカイブズ部門と企業において作成・取得され長期にわたって保管されるアーカイブズ資料に対する関心を国際的に高めること、さまざまな実務上のガイドラインの開発や研究、公的機関のアーカイブズとの協力を図ることを目的としています。前身にあたるSBL(Section for Business and Labour Archives:企業・労働アーカイブズ部会)を2014年秋に改組、名称変更したものです。旧SBLは1990年に、それまで企業史料に関する事項を扱ってきた委員会が中心となって結成されたものです。

SBAのメンバー

 個人・団体あわせて約100のICAの会員が現在SBAに所属しています。地域的にはヨーロッパの企業アーカイブズ、大学アーカイブズ、個人を中心として、次いで北米大陸のアーカイブズ、アーキビストが多く所属します。近年アフリカ、アジアの企業アーカイブズ、企業史料所蔵機関のメンバーが増加しています。
SBAメンバー一覧

SBA運営委員

 SBAでは約20名のメンバーが運営委員として部会の運営に当たっています。運営委員会の会議は毎年1~数回、世界各地で開催されます。
SBA運営委員

SBAの活動

 部会運営委員会では『ビジネス・アーカイブズ国際比較』(第3版)(Business Archives in International Comparison, 3rd edition, 2021)[PDF1.34MB]という国別の企業史料、ビジネス・アーカイブズ活動の現況に関する調査を行いウェブ上で発表しているほか、アメリカ・アーキビスト協会(SAA)のような各国の専門職団体や歴史家協会、ビジネス・アーカイブズ関連機関と協力して、セミナーやシンポジウムを開催しています。企業アーカイブズとアーキビストに関する社会的関心を向上させ、企業アーカイブズの価値の普及と実務を支援する重要な活動と位置付けられています。

▼ 2023年度

 2023年度は9月にスコットランド・エジンバラ市内のホテル図書室で部会運営委員会を開催するとともに、ディアジオ社ジョニーウォーカー・プリンセスストリートを会場に2日間の国際シンポジウム「アーキビスト会議2023:オーディエンスとの関わり方」を開催しました。

▼ 2022年度

 2022年度もなお新型コロナウイルスの世界的大流行の影響で、SBAによる集会は対面・オンラインとも開催には至りませんでした。
 ただし、ICA本体が9月に「アーカイブズ:断絶に橋をかけるもの」のテーマでイタリア・ローマにおいて開催した隔年次会合で、SBA委員が発表を行ったほか、同会合に参加できた少数の委員で次年度以降のSBAの活動について検討を行いました。

▼ 2021年度

 2021年度も新型コロナウイルスの世界的大流行が続くなか、6月3、4日に予定されていた国際シンポジウム「無形のものを形あるものにする(Making the Intangible Tangible)」は中止となりました。SBAは、シンポジウム開催に代えて、SBA部会長アレクサンダー・ビエリ氏が所属するロッシュ社の「125年史」執筆者チームによる125周年史作成をテーマにしたパネル・ディスカッションのウェブストリーミング・プログラムを後援しました。
 8月には『ビジネス・アーカイブズ国際比較』(第3版)(Business Archives in International Comparison, 3rd edition, 2021)[PDF1.34MB]をICAウェブサイトで公開しました。

▼ 2020年度

 2020年度は9月22、23日にデンマーク・コペンハーゲンで「"ウェザー・レポート":ビジネス・アーカイブズの展望とトレンド("The Weather Report" Outlooks and trends in business archives)」をテーマとした国際シンポジウムの開催計画を立て、運営委員会では2019年9月から準備を行なってきました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の世界的大流行が2019年末から始まったため、SBA運営委員会は2020年5月26日にオンライン会合を開催し、2020年度のシンポジウムの中止を決定しました。

▼ 2019年度

 2019年度は9月にアメリカ・サンフランシスコのリーバイ・ストラウス・アーカイブズを会場に、部会運営委員会と2日間の国際シンポジウム「ビジネス・アーカイブズと次のゴールドラッシュ」を開催しました。

▼ 2018年度

 2018年度は5月に中華人民共和国国家档案局(SAAC)が中国・北京の中国銀行本店を会場に開催した2日間のビジネス・アーカイブズ国際シンポジウム「アーカイブズが促進する企業イノベーションと成長」に、SBAも運営委員を送り、協力しました。
 11月には、イギリス・ロンドンの国立公文書館(TNA)を会場に、SBAはビジネス・アーカイブズ・カウンシル(BAC)と共催で、「あなた、それを信じられる...? ビジネス・アーカイブズと信頼」をテーマにした2日間の国際シンポジウムを開催しました。

▼ 2017年度

 2017年度の1回目の会合はスウェーデン・ストックホルム市内のホテル会議室で部会運営委員会を、エリック・エリクソン・ホールで2日間の国際シンポジウム「ビジネス・アーカイブズの未来の役割」を開催しました。
 2017年度の2つ目の会合はインド・ムンバイのゴードレージ社で部会運営委員会と2日間の国際シンポジウム「ゴーイング・バック・トゥー・ザ・フューチャー:ブランド・アイデンティティと企業文化の再形成における企業アーカイブズの役割」を開催しました。

▼ 2016年度

 2016年度は4月にアメリカ・アトランタのコカ・コーラ社本社を会場にして、部会運営委員会と「サステナビリティ」をテーマにした2日間の国際シンポジウムを開催しました。

▼ 2015年度

 2015年度は6月にイタリア・ミラノ市内で部会運営委員会と2日間の国際シンポジウム「最良のビジネス・アーカイブズを作る:高い利益をもたらす?」を開催しました。

▼ 2014年度

 2014年度は4月にイギリス・ロンドンのロスチャイルド・アーカイブズで部会運営委員会を、ユニリーバ社で2日間にわたる国際シンポジウム「工場からフェイスブックへ:ビジネス・アーカイブズに関わる新たな方法」を開催しました。

▼ 2013年度

 2013年度はスイス・バーゼルのロッシュ社で、2012年度と同様、4月に部会運営委員会開催と合わせて、2日間のシンポジウム「危機、信頼、そして会社史」を開催しました。

▼ 2012年度

 2012年度はデンマーク・コペンハーゲンのA.P.マースク社で4月に部会運営委員会の開催と合わせて、2日間のシンポジウム「絶えず心を配る...21世紀のビジネス・アーキビスト」を、さらに8月にはブリスベンでのICA大会 において、部会として「ビジネス・アーカイブズ:持続可能性、信頼、アイデンティティ」のセッションを開催しました。

▼ 2011年度

 2011年度は5月に東京の渋沢栄一記念財団で運営委員会を開催するのに合わせて、国際シンポジウム「ビジネス・アーカイブズの価値」が開催されました。ここでは世界各国の部会運営委員による発表と議論が行われました

東京にて

▼ 2010年度

 2010年度は、5月にフランス・ブロワ市のサンゴバン社アーカイブズで、部会運営委員会会議とシンポジウム「会社史:経営に奉仕するツール」が開催されました。 さらに8月のワシントンDCにおけるアメリカ・アーキビスト協会(SAA)年次大会では、SAAのビジネス・アーカイブズ・セクションとの共同企画も開催されました。

フランスのブロワ市にて

▼ 2009年度

 2009年度は6月にフィンランドのミッケリ市で部会運営委員会会議と国際セミナー「変化のなかのビジネス・アーカイブズ」が、 12月にはインドのプネーで同じく部会運営委員会会議と国際セミナー「ビジネス・アーカイブズ:実務の現況と課題」が開催されました。その 他、9月にアルゼンチンで開催されたアルゼンチン・アーカイブズ・デーには部会の議長と副議長がビジネス・アーカイブズに関する発表を行っています。

フィンランドのミッケリ市にてインドのプネー市にて

参考資料(英文)

『ビジネス・アーカイブズ国際比較』(第3版)(Business Archives in International Comparison, 3rd edition, 2021)[PDF1.34MB]

ICASBAのメンバー一覧

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