ビジネス・アーカイブズ通信(BA通信)

第88号(2021年3月12日発行)

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☆      □■□ ビジネス・アーカイブズ通信 □■□

☆       No.88 (2021年3月12日発行)

☆    発行:公益財団法人 渋沢栄一記念財団 情報資源センター

☆                        〔ISSN:1884-2666〕
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この通信では海外(主として英語圏)のビジネス・アーカイブズ(BA)に関する情報をお届けします。

海外BAに関わる国内関連情報も適宜掲載しております。

今号は文献情報1件、企業団体情報2件です。

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◆ 目次 ◆

[掲載事項の凡例とご注意]

■文献情報:渋沢栄一記念財団情報資源センター「社史プロジェクト」
◎実業史リンク集アップデート

■企業団体情報:イタリアの企業アーカイブズ関連団体(後編)
◎ムゼインプレーザ(イタリア)

■企業団体情報:欧州銀行金融史協会(eabh)
◎銀行アーカイブズ関連ウェブセミナー

☆★ 編集部より:あとがき、次号予告 ★☆

企業史料協議会オンライン講座&セミナー、国立公文書館50周年記念新キャッチコピーなど

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[掲載事項の凡例]

・欧文の場合、日本語で読みやすいものになるように、タイトルははじめに日本語訳を、続いて原文を記します。
・人名や固有名詞の発音が不明の場合も日本語表記を添えました。便宜的なものですので、検索等を行う場合はかならず原文を用いてください。
・普通名詞として資料室や文書室、物理的な記録資料を表現する際は「アーカイブズ」を用います。固有名詞の場合はこの限りではありません。また物理的およびデジタル記録資料の蓄積や組織化に関しては「アーカイブ」「アーカイブ化」「アーカイビング」などの表現を用いることもあります。

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[ご注意]
・受信時にリンク先を示すURLが途中で改行されてしまう場合があります。通常のURLクリックで表示されない場合にはお手数ですがコピー&ペーストで一行にしたものをブラウザのアドレス・バーに挿入し、リンク先をご覧ください。


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■文献情報:渋沢栄一記念財団情報資源センター「社史プロジェクト」
◎実業史リンク集アップデート

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◎実業史リンク集アップデート
https://www.shibusawa.or.jp/center/shashi/shashi05.html

「実業史のためのインターネット・リソース・ガイド」をアップデートしました。渋沢栄一関連企業のヘリテージ関連ページ(歴史コンテンツ)、国内外の企業史料・アーカイブズ関連サイト・ページへのリンクを拡充しました。それぞれがどのようなサイトか分かる解説付きです。ビジネス・アーカイブズや企業の研究にご活用ください。項目は下記の通りです
https://www.shibusawa.or.jp/center/shashi/shashi05.html

◆企業史料・アーカイブズ関係
  国内団体
  海外団体・機関・サービス
  国内個別企業アーカイブズ/ヘリテージ関連等
◆諸団体/企業資料コレクション・データベース
◆大学・学術機関/企業資料コレクション・データベース
◆その他学術サイト
  国内
◆出版された社史関連サイト
◆その他


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■企業団体情報:イタリアの企業アーカイブズ関連団体(後編)
◎ムゼインプレーザ(イタリア)

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◎ムゼインプレーザ Museimpresa
https://museimpresa.com/

今回ご紹介するのは、15万を超える中小企業、大企業が参加し、加盟企業の従業員総数5,437,488人(2021年2月)にのぼるイタリアの産業団体イタリア産業総連盟(Confindustria)と、イタリア北部の企業経営者協会アソロンバルダ(Assolombarda、ミラノ市と近郊の約6,800社、41万人以上の従業員を抱える。イタリア産業総連盟の主要構成団体)が主導して、2001年にミラノで設立された企業アーカイブズと企業博物館を主たる会員とする協会ムゼインプレーザ(Museimpresa)です。現在のムゼインプレーザ会長であるアントニオ・カラブロ(Antonio Calabro)はアソロンバルダの副会長です。

■協会概要
https://museimpresa.com/chi-siamo/

[目的]
2001年9月15日の設立趣意書によれば、同協会は企業のアーカイブズや博物館の設置、そのクオリティに関わる基準の普及、企業の文化的責任概念の普及などを目的としています。

[ミッション]
ウェブサイトでは協会のミッションとして次の点を掲げています。

・企業アーカイブズと企業博物館の強化ならびにクオリティに関する標準規格の普及を通じて企業文化を向上させる。
・イタリアにおけるものづくりと実業史の表現である企業博物館と企業アーカイブズを体系的な視点から可視化すること。
・博物館界、企業、文化機関、一般市民との間で、知識や経験の交流と普及を促進すること。
・博物館学とビジネス・アーカイブズの分野における調査、研修、開発、研究を行うこと。
・協同活用強化の観点から、国内および国際的な領域で活動している企業やアーカイブズとの関係や交流を深める。
・重要な企業資産の散逸を防ぐために、様々な機関による企業文化への投資を促すこと。

[会員、友の会]
会員は、会の趣旨に賛同し、入会を申し込み、会則を尊重し、会費を納入し、会の発展に寄与する個人、団体、機関、協会、財団、企業博物館・企業アーカイブズ、公共の博物館、学術機関、公共の文化機関全般を対象としています。このほか、ムゼインプレーザ「友の会」もあり、こちらは経済的な支援や該当する資料や物品の寄付などを通じた参加形態です。

[企業アーカイブズと企業博物館:入会資格(ガイドライン、品質基準)]
企業アーカイブズと企業博物館は、入会するためには、ガイドラインに示された要件と定義を満たす必要があります。

★ガイドライン★
1. 制度的な基盤(企業、法的に認められた団体など)を持っていること。
2. 機関の使命、機能、規程を記載した文書を作成し、公開して相談に応じることができるようにしておく。
3. 施設に責任を持つ学芸員または専門的な資格を持った連絡担当者を少なくとも1名置くこと。
4. 機関の種類に応じて適切な公開を行い、ホスト構造のニーズに適合していること。
5. つねに最新であるためおよび/または発展するための継続的な資料収集方針を持っている。
6. コレクション、建築物、文書の保存とセキュリティのための適切な規定と仕組みを持つこと。
7. 有効活用のためのプロジェクト(展示・研究・教育・コミュニケーション)を持つこと。
8. ビジターサービス施設があること。

★定義★
「博物館」については国際博物館会議(ICOM)「職業倫理規定」における定義を用いると述べています。

「博物館とは社会とその発展に奉仕する一般に公開された非営利の恒久的な施設で、人々とその環境の有形および無形の証拠を研究、教育および娯楽のために収集、研究、伝達および展示をおこなうものである」(この日本語訳はICOM日本委員会による訳https://icomjapan.org/wp/wp-content/uploads/2020/03/ICOM_code_of-ethics_JP.pdf を参照しました。)

一方、「アーカイブズ」または「アーカイブズフォンド」に関しては、国際アーカイブズ評議会(ICA)の国際標準アーカイブズ記述の一般原則:ISAD(G)の用例に依拠して「アーカイブズとは、形式や媒体を問わず、(記録)作成主体の活動の過程や機能において自然的かつ有機的に作成され、蓄積された文書の総体である」と定義しています。

そのうえで、企業博物館と企業アーカイブズを、「企業や地域の経済活動、あるいは地域との重要な結びつきを持つモノづくりの伝統の表現、あるいは企業の文化政策の優れた表現である機関や構造物」と定義し、入会にあたっての基準としています。


■機関会員紹介
https://museimpresa.com/associati/

プルダウンメニューによるフィルタを利用した検索が可能です。
*アルファベット ALFABETICO (全部、A-Z)
*種類別 TIPOLOGIA (全部、アーカイブズ、アーカイブズ+ミュージアム、ミュージアム)
*地域別 REGIONE(全部、州名)

ここでは日本でも知られている企業やブランドに関わる会員をいくつかピックアップしてみました。
(サイト右側の INFORMAZIONIの下のVisita il sito が会員アーカイブズ・ミュージアムへのリンクです。)

【アルキビオ・ストリコ・バリラ(バリラ歴史アーカイブズ)】
Archivio Storico Barilla
https://museimpresa.com/associati/archivio-storico-barilla/
1877年創業の食品会社バリラ社のアーカイブズ。
リンク先:https://www.archiviostoricobarilla.com/en/

【アルキビオ・ベネトン(ベネトン・アーカイブズ)】
Archivio Benetton
https://museimpresa.com/associati/archivio-benetton/
ベネトン・グループのアーカイブズで2009年にオープン。
リンク先:http://www.benettongroup.com/it/gruppo/profilo/archivio-benetton/

【ギャレリア・カンパリ(カンパリ・ギャラリー)】
Galleria Campari
https://museimpresa.com/associati/galleria-campari/
1904年に建設された最初のカンパリ工場敷地内にブランドの150周年を記念して2010年にオープンしたギャラリー。
リンク先:https://www.campari.com/it/inside-campari/campari-gallery

【アルキビオ・ストリコ・Eni(Eni歴史アーカイブズ)】
Archivio Storico Eni
https://museimpresa.com/associati/archivio-storico-eni/
(上のページには日本の特許庁長官の署名がある証書記録が用いられています)
エネルギー関連企業Eniのアーカイブズは2006年に設置され、書架延長5キロメートル超の文書、約5,000の視聴覚記録、50,000の技術プロジェクト図面、および500,000の写真を保持。
リンク先:https://www.eni.com/en-IT/home.html

【アルキビオ・ストリコ・フェンディ(フェンディ歴史アーカイブズ)】
Archivio Storico FENDI
https://museimpresa.com/associati/archivio-storico-fendi/
1965年から2019年にかけて作成された、約9,000の製品、100,000を超える文書と歴史的写真、カール・ラガーフェルドによる約35,000のオリジナルスケッチなどを収蔵。
リンク先:https://www.fendi.com/it/

【ムゼオ・サルバトーレ・フェラガモ(サルバトーレ・フェラガモ博物館)】
Museo Salvatore Ferragamo
https://museimpresa.com/associati/museo-salvatore-ferragamo/
サルバトーレ・フェラガモ社の創設者一族により1995年に開設。
リンク先:https://www.ferragamo.com/museo/en/usa

【FILA博物館財団】
Fondazione FILA Museum
https://museimpresa.com/associati/fondazione-fila-museum/
地元(ピエモンテ州)に起源を持ち、スポーツウェアや靴の分野での国際的な成功に至ったFILAブランドの歴史を保存し、その価値観の継承を目的として2010年に開設。
リンク先:https://www.fondazionefila.com/

【アンサルド財団:レオナルド・グループ】
Fondazione Ansaldo - Gruppo Leonardo
https://museimpresa.com/associati/fondazione-ansaldo-gruppo-leonardo/
起業家、産業、労働の記憶の保護を目的に、レオナルド(旧フィンメカニカ)、ジェノヴァ市、リグーリア州が共同で2000年に設立(2011年東京で開催したICA/SBL国際シンポジウムでも紹介)
リンク先:https://www.fondazioneansaldo.it/

【ナポリ銀行博物館歴史アーカイブズ】
Museo Archivio Storico del Banco di Napoli
https://museimpresa.com/associati/museo-archivio-storico-del-banco-di-napoli/
16世紀以来の資料を所蔵。2015年に設立。
リンク先:http://www.ilcartastorie.it/

【アルキビオ・ストリコ・インテーザ・サンパオロ(インテーザ・サンパウロ歴史アーカイブズ)】
Archivio storico Intesa Sanpaolo
https://museimpresa.com/associati/archivio-storico-del-gruppo-intesa-sanpaolo/
イタリア商業銀行の歴史アーカイブズとして1984年に設立、1472年以来の文書を所蔵。
リンク先:https://asisp.intesasanpaolo.com/intesa-web/

【イタルガス歴史アーカイブズとヘリテージ・ラボ】
Archivio Storico e Heritage Lab Italgas
https://museimpresa.com/associati/archivio-storico-e-museo-italgas/
イタルガスの歴史アーカイブズは1984年に設立され、1800年代以降のガス灯生産・流通のためのイタルガスの文書等を所蔵。
リンク先:https://www.italgas.it/it/

【カーザ・マティーニ】
Casa Martini
https://museimpresa.com/associati/casa-martini/
マティーニ創設者のイニシアティブ、世界的な拡大、革新的なコミュニケーションといったものを展示。
リンク先:https://www.martini.com/casa-martini/

【ピレリ財団】
Fondazione Pirelli
https://museimpresa.com/associati/fondazione-pirelli/
1872年にミラノで創業したタイヤメーカー、ピレリグループの文化遺産保護のため2008年に設置。
リンク先:https://www.fondazionepirelli.org/it/
https://experience.fondazionepirelli.org/it/

【イタリア郵便歴史アーカイブズ】
Archivio Storico Poste Italiane
https://museimpresa.com/associati/archivio-storico-di-poste-italiane/
1862年5月5日イタリア王立郵便局創設以来の記録資料の保存と展示を行っている。
リンク先:https://www.posteitaliane.it/it/storia-poste-archivio.html

【ダルミネ財団】
Fondazione Dalmine
https://museimpresa.com/associati/fondazione-dalmine/
鋼管製造のグローバル企業テナリスのアーカイブズを保護し、デジタル化を進め、産業、労働、経済、社会史に関する研究を促進し、産業の歴史と文化の普及のためにテナリスの主導で1999年に設立された。
リンク先:http://www.fondazionedalmine.org/it/


■旅行プランのページ ITINERARI
地域ごとの旅行プラン・訪問地リストのページです。訪問してみたい地域(REGIONE)にどのような企業アーカイブズや企業博物館があるかを知るために役立ちます。
(例)
トスカナ州 https://museimpresa.com/itinerari/la-toscana-a-casa/


■最近のニュース「新入会員」
Nuovi Associati
https://museimpresa.com/2021/02/08/nuovi-associati/

今年はムゼインプレーザにとっては結成20年の節目の年です。今年新たに4つの機関・団体が加入することにより、機関会員数が100に達したというニュースが2021年2月にウェブサイトに掲載されました。新たに加入したのは次の4機関です。

*セラ・グループ歴史アーカイブズ Archivio Storico Gruppo Sella
https://museimpresa.com/associati/archivio-storico-gruppo-sella/
*ムシル:産業と労働博物館 musil - Museo dell'Industria e del Lavoro
https://museimpresa.com/associati/musil-museo-dellindustria-e-del-lavoro/
*企業文化センター Centro per la Cultura d'Impresa
https://museimpresa.com/associati/centro-per-la-cultura-dimpresa/
*カッタネオ大学-LIUC大学 映画産業と企業コミュニケーションのアーカイブズ 
Archivio del Cinema Industriale e della Comunicazione d'Impresa della LIUC - Università Cattaneo
https://museimpresa.com/associati/archivio-del-cinema-industriale-e-della-comunicazione-dimpresa/


★☆★...編集部より...★☆★

企業アーキビストや企業史料、ビジネス・アーカイブズに関わる専門的な協会や団体の運営の仕方や活動スタイルは、国や地域によって特色があります。アメリカの場合は、企業アーキビストが個人としてアメリカ・アーキビスト協会の企業アーカイブズ部会の活動に参加する形ですし、イギリスのビジネス・アーカイブズ・カウンシルの場合は、アーキビスト個人のみならず企業や団体といった機関会員も存在します。ドイツ語圏の場合、各地の商工会議所、アーカイブズを持つ企業、そこで専門職として働くアーキビストが、ドイツ・ビジネス・アーキビスト協会の活動に関わっています。

今回ご紹介したムゼインプレーザは、イタリア産業総連盟やアソロンバルダといった経営者団体のイニシアティブで作られ、企業文化の向上を目的とし、アーカイブズや博物館の質の向上を意識するとともに、活動スタイルにおいてはウェブサイトを重要な広報・コミュニケーションツールと位置づけていることが特徴的です。

ムゼインプレーザの場合、会員である企業アーカイブズや企業博物館は財団の形態をとっているところがあります。これは、1990年代以降のイタリアの第3セクター(社団、財団、その他)改革とも関連するとみられます(*)。文化財保護の観点からの公益性を意識しつつ、それぞれの会員機関は歴史に由来する明確なアイデンティティを持っており、企業活動を通じて生み出してきたブランド価値をよく自覚しているように思われます。

ウェブサイトには、上で紹介したページのほかに、文献紹介やイベント告知、終了したイベントに関わる情報、関連するアソロンバルダのポッドキャストのページへのリンクなど、企業のアーカイブズ・ミュージアム、ヘリテージに関わる豊富なコンテンツが掲載されています。イタリアにおける企業アーカイブズ、企業博物館活動を知るのに大いに役立つサイトです。


[関連ページ]
イタリア産業総連盟 Confindustria
https://www.confindustria.it/home

アソロンバルダ Assolombarda
https://www.assolombarda.it/

[参考文献](*に関連して)
独立行政法人経済産業研究所ディスカッションペーパー、後房雄「イタリアにおけるサードセクターの包括的改革とその背景:日本との比較のなかで」(官民関係の自由主義的改革とサードセクターの再構築に関する調査研究プロジェクト)
https://www.rieti.go.jp/jp/publications/dp/17j018.pdf (PDF)
https://www.rieti.go.jp/jp/publications/summary/17030041.html


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■企業団体情報:欧州銀行金融史協会(eabh)
◎銀行アーカイブズ関連ウェブセミナー

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◎eabh銀行アーカイブズ関連ウェブセミナー
http://bankinghistory.org/

1990年11月に欧州の銀行史・金融史研究者、銀行アーキビストたちによって結成された欧州銀行・金融史協会(European Association for Banking and Financial History: eabh)は、新型コロナウイルス感染症対策による活動制限状況のなかにあっても、オンラインでの情報発信、セミナー開催などを続けています。昨年から今年にかけて開催されたウェビナー、今後開催予定のイベント(オンライン他)に次のようなものがあります。

【イベント(オンラインほか)】

◆既開催分(オンラインでアーカイブ動画視聴可能)
http://bankinghistory.org/past-events/

◇「金融と写真」
2020年6月12日
Finance & Photography
12 Jun 2020 at 12:00pm
https://www.youtube.com/watch?v=yuAXOMczBbo

EuropeanaのAdrian Murphy氏が、写真コレクションの可能性を組織が最大限に引き出す方法について語っています。講演の後半部分ではスペイン銀行のElena Serrano氏とPatricia Alonso氏が事例を紹介しています。


◆開催予定
http://bankinghistory.org/events/

◇「貴社のアーカイブズは資産です!自社のヘリテージを企業の戦略資産として利用する」
2021年3月24日
スウェーデン・ストックホルム
Your Archive is an Asset!
Using your heritage as a corporate strategic asset
24 Mar 2021
Stockholm, Sweden

eabhとストックホルムの経営史センターのコミュニケーション担当Anders Sjömanとの対話形式によるウェビナー。すべての組織は固有の歴史を持ち、これは企業の成長のために活用できる戦略的な資産になる、そのためにはアーカイブズの整備が必要、という観点から、専門的なアーカイブズ管理を行っているストックホルム経営史センターでの事例が紹介される予定。

[視聴申し込み]
https://www.eventbrite.co.uk/e/your-archive-is-an-asset-registration-138420097237
(eabh会員は無料、非会員は任意の寄付が求められます)

◇「金融機関の写真コレクション:第2部」ワークショップ
2021年6月11日
ギリシャ・アテネ
Photography Collections of (Financial) Companies. Part II
11 Jun 2021
Athens, Greece

企業の写真コレクションは広範囲にわたるが、マーケティング、リサーチ、デジタルアクセスのための調査はほとんど行われていないといいます。このアーカイブズ・ワークショップは、金融機関の社内写真コレクションの内容、重要性、利用方法を発見することを目的としています。「どこにあるのか」、「どのように利用されているのか」「研究機関にとっての利用価値やマーケティング価値は何か」、「金融史(社会史、政治史など)以外の研究にとって、どのような価値があるのか」、「いかにして、より多くの研究者や一般の人々に利用してもらうことができるのか」といった点を学びます。

[発表申し込み](2021年2月15日締切)
http://bankinghistory.org/wp-content/uploads/PhotographyCollectionsCfP.pdf

(PDF)

◆◆以下のイベントの詳細は今後案内される予定です◆◆

◇「GDPRと歴史アーカイブズ」2021年
ドイツ・フランクフルト
GDPR & Historical Archives, 2021
Frankfurt am Main, Germany

欧州中央銀行とeabhの共催によるワークショップ。一般データ保護規則(GDPR)が歴史アーカイブズに与える影響を明らかにすることを目的としています。歴史アーカイブズにとって、GDPRの何が新しい点なのかを探ります。

基調講演は欧州中央銀行のデータ保護責任者Evanthia Chatziliasi氏、予定されている講演テーマは「情報政策の略史」「現行のGDPR環境におけるアーキビストとレコード・マネージャーの役割」「スペイン銀行アーカイブズの写真と個人情報保護」「民間企業におけるGDPRと歴史アーカイブズ:フランスの銀行アーキビストの考え方」「フィンランド企業記録中央文書館(ELKA)におけるGDPR」「オーラルヒストリーと個人データ:GDPRの下での記録、アーカイブ、再利用」ほかです。

◇「アクセス、復元と歴史アーカイブズ:実例と新たな知見」2022年
スペイン・バレンシア
Access, Recovery & Historical Archives: Practical cases and new findings, 2022
Valencia, Spain
eabhとスペイン銀行(国立中央銀行)共催。

◇「いちかばちか:アーキビストとエコノミストのコラボレーションを強化する」2022年
カナダ・オタワ
Boom or Bust! Empowering archivist and economist collaboration, 2022
Ottawa, Canada
eabhとカナダ銀行(国立中央銀行)共催。


【出版活動より】

eabhでは「ワーキングペーパー」「書籍」「ブレティン」「ファイナンシャル・ヒストリー・レビュー」(ジャーナル)の刊行も行っています。

*ワーキングペーパー
http://bankinghistory.org/publications/eabh-papers/

*書籍
http://bankinghistory.org/eabh-books/

*ブレティン
http://bankinghistory.org/publications/bulletins/

*ファイナンシャル・ヒストリー・レビュー
http://bankinghistory.org/publications/financial-history-review/
https://www.cambridge.org/core/journals/financial-history-review


ブレティンのうち、最近の3号は「建築と金融」をテーマにしたもので、写真資料が豊富に用いられています。建築に関心のある方にお勧めです。

「建築と金融」第1号(2016年)全182頁
Architecture & Finance Vol 1 (2016)
http://bankinghistory.org/wp-content/uploads/EABH-bulletin_small-resolution-with-cover-for-web.pdf

「建築と金融」第2号(2017年)全100頁
Architecture & Finance Vol 2 (2017)
http://bankinghistory.org/wp-content/uploads/EABH-Bulletin2-Web-new.pdf (PDF)

「建築と金融」第3号(2018年)全117頁
Architecture & Finance Vol 3 (2018)
http://bankinghistory.org/wp-content/uploads/EABH-Bulletin3-Web.pdf (PDF)


[関連ページ]
行事情報:欧州銀行・金融史協会(EABH)アーキビストのためのサマースクール
◎テーマ:「準備はできた?それともまだ?デジタル資源マネジメントを強化する」
(本通信第45号2013年6月29日発行)
https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bn/20130629.html


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[略称一覧]
ACA: Association of Canadian Archivists(カナダ・アーキビスト協会)
ARA: Archives and Records Association(アーカイブズとレコード協会)
ASA: Australian Society of Archivists(オーストラリア・アーキビスト協会)
BAC: Business Archives Council(ビジネス・アーカイブズ・カウンシル)
BACS: Business Archives Council in Scotland(スコットランド・ビジネス・アーカイブズ・カウンシル)
BAS: Business Archives Section(ビジネス・アーカイブズ部会:SAA内の部会)
CoSA: Council of State Archivists(米国・州文書館長評議会)
DCC: Digital Curation Center(英国デジタル・キュレーション・センター)
EDRMS: Electronic Document and Record Management System(電子文書記録管理システム)
ERM: Electronic Record Management(電子記録管理)
ICA: International Council on Archives(国際文書館評議会)
NAGARA: National Association of Government Archives and Records Administrators(米国・全国政府アーカイブズ記録管理者協会)
NARA: National Archives and Records Administration(米国 国立公文書館記録管理庁)
RIKAR: Research Institute of Korean Archives and Records(韓国国家記録研究院)
RMS: Record Management System(記録管理システム)
SAA: Society of American Archivists(アメリカ・アーキビスト協会)
SBA: Section for Business Archives(企業アーカイブズ部会、ICA内の部会)
TNA: The National Archives(英国国立公文書館)


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☆★ 編集部より:あとがき、次号予告 ★☆

情報資源センター企業史料プロジェクト担当が基調講演、シンポジウム・モデレータを担当した企業史料協議会第9回ビジネスアーカイブズの日シンポジウムの報告を「情報資源センターだより」69号としてオンライン公開しております。基調講演とシンポジウムの詳しい記録は、同協議会発行『企業と史料』第16集(2021年5月発行予定)に掲載予定です。
https://www.shibusawa.or.jp/center/newsletter/863.html

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昨年(2020年)3月に対面で予定されていたものの、新型コロナウイルス感染拡大のため、いったん中止となった企業史料協議会第8回博物館セミナーが、内容を若干変更の上オンライン開催されます。
http://www.baa.gr.jp/

第8回博物館セミナー「企業ミュージアムでつながる」(オンライン開催)
http://www.baa.gr.jp/syousai.asp?id=653

[概要]
日時:2021年3月25日(木)13:00~17:00
場所:Zoomミーティング
定員:70名(先着順受付)
料金:会員無料、一般2000円
申込:3月17日締切 事務局info@baa.gr.jp
問合せ:事務局info@baa.gr.jp

[プログラム]
13:00~13:05 開会挨拶
13:05~14:05
 講師 石川 貴敏(株式会社丹青研究所 文化空間情報部 部長)
「企業ミュージアムでつながる」
14:15~15:10
 講師 神山 めぐみ(セイコーミュージアム 銀座 学芸員)
 「セイコーミュージアム 銀座の事例:銀座から世界へ 創業の地での"つながる"活動について」
15:20~16:15
 講師 袰地(ほろち) 由美子(たばこと塩の博物館 広報担当主任)
 「たばこと塩の博物館の事例:広報活動 新型コロナで変わったこと、変わらないこと-改めて考えた "つながる" という機能-」
16:20~17:00 交流タイム
******

このほかすでに募集を締め切っておりますが、3月18日(木)に同協議会主催、大阪商工会議所・大阪企業家ミュージアム共催の第5回関西ビジネスアーキビスト研修講座もオンラインで開催されます。プログラムは南山大学経営学部教授沢井 実先生による講義「社史編纂と企業アーカイブズ」、パナソニック株式会社中西雅子氏による講義「事例研究 パナソニック株式会社のアーカイブズと100年史編纂」、株式会社出版文化社白田拓郎氏による講義「企業アーカイブ構築とその目的」、大阪企業家ミュージアム阿部真弓氏による案内解説「大阪企業家ミュージアムのご紹介」です。

詳しくは同協議会ウェブサイトをご参照ください。
http://www.baa.gr.jp/

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国立公文書館が今年2021年に開設50周年を迎えます。これを記念して新たなキャッチコピー(日本語版と英語版)を作成したということです。それぞれ次の通りです。

「記録を守る、未来に活かす」

"Evidence of the Past, Beacon for the Future"

英語版は日本語版の逐語的な訳ではなく、日本語の意味を汲み取って、英語としての分かりやすさ、発信力を重視したということです。Beaconという言葉は政治家の演説などにも用いられる言葉で、「進むべき道を照らす光を表す」ものであると国立公文書館の提案者の方は語っています。
http://www.archives.go.jp/naj_news/25/special.html

上の記事は、国立公文書館ニュース最新号(25号)の一部です。同号にはこの他にも、2020年に初めて誕生した「国立公文書館認証アーキビスト」に関する記事などが掲載されています。下のリンクからどうぞ。
http://www.archives.go.jp/naj_news/25/index.html

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次号は2021年3月下旬発行の予定です。どうぞお楽しみに。

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◆◇◆バックナンバーもご活用ください◆◇◆

https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bn/index.html

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ビジネス・アーカイブズ通信(BA通信) No.88
2021年3月12日発行 (不定期発行)
【創刊日】2008年2月15日
【発行者】公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センター
【編集者】公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センター
      「ビジネス・アーカイブズ通信」編集部/
      株式会社アーカイブズ工房
【発行地】日本/東京都/北区
【ISSN】1884-2666
【E-Mail】
【サイト】https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/index.html

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