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☆ □■□ ビジネス・アーカイブズ通信 □■□
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☆ No.87 (2020年10月13日発行)
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☆ 発行:公益財団法人 渋沢栄一記念財団 情報資源センター
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☆ 〔ISSN:1884-2666〕
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この通信では海外(主として英語圏)のビジネス・アーカイブズ(BA)に関する情報をお届けします。
海外BAに関わる国内関連情報も適宜掲載しております。
今号は企業団体情報1件、文献情報1件、行事情報2件です。
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◆ 目次 ◆
[掲載事項の凡例とご注意]
■企業団体情報:イタリアの企業アーカイブズ関連団体〔前編〕
◎イタリア・アーキビスト協会/イタリア企業アーキビスト・グループ
■文献情報:イタリアの企業アーカイブズ関連文献
『ヘリテージ・マーケティング:競争優位性としてのイタリアの企業の歴史』(2007年)
■行事情報:ビジネス・アーカイブズ・カウンシル(BAC)年次大会
◎テーマ:「正しいことをしよう:ビジネス・アーカイブにおける包摂性、公平性、反人種差別」 2020年11月17-18日 オンライン(Zoom)
■行事情報:企業史料協議会第9回ビジネスアーカイブズの日シンポジウム
◎テーマ:「《アーカイブズでつながるコミュニティ》アーカイブズ・コミュニティを目指して」 2020年11月6日 オンライン(Zoom)
リーバイ・ストラウス・アーカイブズ、ロッシュ・アーカイブズ、マッキンゼー・アーカイブズ
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[掲載事項の凡例]
・欧文の場合、日本語で読みやすいものになるように、タイトルははじめに日本語訳を、続いて原文を記します。
・人名や固有名詞の発音が不明の場合も日本語表記を添えました。便宜的なものですので、検索等を行う場合はかならず原文を用いてください。
・普通名詞として資料室や文書室、物理的な記録資料を表現する際は「アーカイブズ」を用います。固有名詞の場合はこの限りではありません。また物理的およびデジタル記録資料の蓄積や組織化に関しては「アーカイブ」「アーカイブ化」「アーカイビング」などの表現を用いることもあります。
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[ご注意]
・受信時にリンク先を示すURLが途中で改行されてしまう場合があります。通常のURLクリックで表示されない場合にはお手数ですがコピー&ペーストで一行にしたものをブラウザのアドレス・バーに挿入し、リンク先をご覧ください。
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■企業団体情報:イタリアの企業アーカイブズ関連団体〔前編〕
◎イタリア・アーキビスト協会/イタリア企業アーキビスト・グループ
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◎イタリア・アーキビスト協会/イタリア企業アーキビスト・グループ
Associazione Nationale Archivistica Italiana(ANAI)/Gruppo Italiano Archivisti d'Impresa(GIAI)
http://www.anai.org/anai-cms/cms.view?numDoc=5&munu_str=
http://www.anai.org/anai-cms/cms.view?munu_str=0_1_2&numDoc=126
国際アーカイブズ評議会(ICA)企業アーカイブズ部会(SBA)運営委員会委員の任期は4年です。当情報資源センターは2008年以来、SBA(前身はSBL)に参加しています。メンバーの出身国をみると、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、アメリカの企業・団体から恒常的に運営委員が出ています。これらの国々には、国内に多数の企業アーカイブズやミュージアムが存在し、企業アーキビストや企業アーカイブズの専門団体も存在します。今号ではイタリアにおける企業アーカイブズ関連団体を、ご紹介したいと思います(今号は前編、後編は次号掲載)。
イタリア・アーキビスト協会 Associazione Nationale Archivistica Italiana(ANAI)は1949年に結成された、イタリアにおけるアーキビストの全国的専門団体です。同協会ウェブサイトの歴史のページによると、この協会のメンバーは1980年代後半まで主として州の公的アーカイブズで働くアーキビストに限られていたのですが、1988年の規約の変更によってあらゆる機関のアーキビストが会員となることが可能になりました。
http://www.anai.org/anai-cms/cms.view?munu_str=0_0_1&numDoc=12
2014年には、同協会の中に、イタリア企業アーキビスト・グループGruppo Italiano Archivisti d'Impresa(GIAI)が作られています。このグループ結成にあたっては、SBAの運営委員であったインテーザ・サンパウロ銀行グループ・アーカイブズのフランチェスカ・ピノがリーダーシップを発揮しています。
http://www.anai.org/anai-cms/cms.view?munu_str=0_1_2&numDoc=126
その後ほぼ毎年企業アーカイブズに関わるワークショップやシンポジウムを開催しています。昨年までの会合のテーマは次の通りです。
【イタリア企業アーキビスト・グループ年次会合テーマ】
*2019年3月20-21日
「グローバル・アーカイブズ:国境を越えてビジネス・アーカイブズを管理する」
Global archives:gestire gli archivi d'impresa oltre i confini nazionali
http://media.regesta.com/dm_0/ANAI/anaiCMS//ANAI/000/1427/ANAI.000.1427.0001.pdf
http://www.anai.org/anai-cms/cms.view?numDoc=1425&munu_str=
*2018年4月19-20日
「アーキビストの比較:生産と記憶の間:サイクルとフローの統合」
Archivisti a confronto:tra produzione e memoria: l'integrazione di cicli e flussi
http://media.regesta.com/dm_0/ANAI/anaiCMS//ANAI/000/1278/ANAI.000.1278.0003.pdf
http://www.anai.org/anai-cms/cms.view?munu_str=0&numDoc=1276
*2018年3月20日
「ワークショップ:食品、産業、 '900年の仕事:企業福祉のアーキテクチャ」
Workshop "Cibo, industria, lavoro nel'900: architetture del welfare aziendale"
http://media.regesta.com/dm_0/ANAI/anaiCMS//ANAI/000/1268/ANAI.000.1268.0001.PDF
http://www.anai.org/anai-cms/cms.view?munu_str=0&numDoc=1266
*2017年12月1日
「銀行と合併:歴史家とアーキビストの比較」
Banche e fusioni: storici e archivisti a confronto
http://media.regesta.com/dm_0/ANAI/anaiCMS//ANAI/000/1207/ANAI.000.1207.0001.pdf
http://www.anai.org/anai-cms/cms.view?munu_str=0&numDoc=1205
*2017年3月8日
「アーカイブズ・プロジェクト:アイデアを実現する」
Progetto archivio trasformare un'idea una realizzazione
http://www.ilmondodegliarchivi.org/images/Formazione%20ANAI/GIAI_Genova_8%20marzo%20convegno.pdf
*2016年2月5日
「「個人機密」人事記録の再編成、目録化、活用
"Riservato personale" riordino, inventariazione, valorizzazione delle carte del personale
http://media.regesta.com/dm_0/ANAI/anaiCMS//ANAI/000/0901/ANAI.000.0901.0001.pdf
http://www.anai.org/anai-cms/cms.view?munu_str=0_14_0_6&numDoc=899
*2014年11月25日
「ネットで失敗する:アーカイブズ、ミュージアム、そしてウェブの挑戦」
Cadere nella rete: archivi, musei e le sfide del web
http://fondazionedalmine.org/it/archivio-eventi/cadere-nella-rete-archivi-musei-e-le-sfide-del-web/
http://www.anai.org/anai-cms/cms.view?munu_str=0_14_0_6&numDoc=917
【ANAIリンク集】
イタリア・アーキビスト協会(ANAI)のウェブサイトでは、リンク集のページが大変利用しやすく、有用です。
http://www.anai.org/anai-cms/cms.view?munu_str=0_4&numDoc=10
大きくは4つの区分でリンク先を分類しています。
・省庁関係
・自治体関係
・教会関係
・外国およびイタリア国内の組織、研究センター、専門家協会
最後の分類には
・オリベッティ歴史アーカイブズ
・ピレリ歴史的アーカイブズ
・企業文化センター
・アンサルド財団 - リグーリア企業の経済アーカイブ
・ナポリ銀行財団 - 歴史アーカイブズ
・コリエーレ・デッラ・セラ財団
・ダルミン財団
・ピアッジオ財団
・イタリア商工会議所アーカイブズ
・ICSIM - ビジネス文化・歴史研究所
・ムゼインプレッサ
など企業関係のアーカイブズ、アーカイブズ関連団体へのリンクが含まれます。
また、このリンク集でとりわけアーカイブズの利用者にとって便利なのは、省庁のカテゴリーの上から2番目にある全国アーカイブズ・システム(Sistema Archivistico Nationale:SAN)ポータルサイトでしょう。
http://www.san.beniculturali.it/web/san/home
次号では、ANAIリンク集の最後のカテゴリーに掲載されているいくつかの団体を紹介します。
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■文献情報:イタリアの企業アーカイブズ関連文献
『ヘリテージ・マーケティング:競争優位性としてのイタリアの企業の歴史』(2007年)
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◎イタリアの企業アーカイブズとミュージアムに関する文献
引き続きイタリアの企業アーカイブズとミュージアムに関する書籍をご紹介いたします。本書はアーカイブズの活用を中心テーマにしています。
■『ヘリテージ・マーケティング:競争優位性としてのイタリアの企業の歴史』(2007年)■
【書誌情報】
タイトル:ヘリテージ・マーケティング:競争優位性としてのイタリアの企業の歴史
タイトル原文:Heritage marketing: la storia dell'impresa italiana come vantaggio competitivo
著者1:マルコ・モンテマッジ Marco Montemaggi
著者2:ファビオ・セヴェリーノ Fabio Severino
出版者:フランコアンジェリ:Milano(FrancoAngeli: ミラノ)
出版年:初版2007年、復刻版2017年
ページ数:162
ISBN:978-88-464-8709-4
版元ウェブページ:
https://www.francoangeli.it/Ricerca/scheda_libro.aspx?Id=15255
【目次情報】
目次 lndice
序論 lntroduzione
第1部 遺産について考える ファビオ・セヴェリーノ
Parte prima. Pensare l'heritage di Fabio Severino
第2部 ヘリテージの組織化 マルコ・モンテマッジ
Parte seconda. Organizzzare l'heritage di Marco Montemaggi
参考文献 Bibliografia
★☆★...著者について...★☆★
第1部著者:
ファビオ・セヴェリーノ:ローマ出身、1974年生まれ。コミュニケーション学で博士号を取得、消費へのアクセスという現象とその方法が専門。他に「文化のためのマーケティング」 Un marketing per la cultura(2005年)、「文化のための7つのアイデア」Sette idee perla Cultura(2005年)、「文化を伝える」Comunicare la cultura(2007年)などの著作があります。(本書刊行時)
https://www.linkedin.com/in/fabio-severino-7518105/
第2部著者:
マルコ・モンテマッジ:リミニ出身、1970年生まれ。ムゼインプレサ(Museimpresa:イタリア・企業アーカイブズ・企業博物館協会)の副会長でキュレーター。エミリア・ロマーニャ州の科学プロジェクト "Terra di Motori-Motor Valley(モーターの地:モーター・バレー) "に参加し、産業文化に関わる優良景観協会 Il Paesaggio dell'Eccellenza の理事を務める。産業遺産に関する数冊の著書があり、ボローニャのアルマ大学院でマーケティング・コミュニケーションの修士課程コースの講師を務めている。1997年にはドゥカティ博物館の設立に関わり5年間の館長を務めた。2001年からは国際的なイベントの企画に携わる。(本書刊行時)
https://www.linkedin.com/in/marco-montemaggi-08659022/
★☆★...編集部より...★☆★
本通信では以前、ドイツにおける企業アーカイブズの活用に関する文献をご紹介したことがあります(「ビジネス・アーカイブズ通信」第42号、2012年12月12日発行。『歴史マーケティング:ビジネスにおいて歴史を扱うためのガイド』History Marketing: Ein Leitfaden zum Umgang mit Geschichte in Unternehmen、2003年)。
https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bn/20121212.html
本日ご紹介するのは、イタリアにおける企業アーカイブズや企業ミュージアムなど企業のヘリテージの活用をテーマにした文献です。ヘリテージ・マーケティングに特化したイタリアでの最初の文献と思われます(第1版2007年、復刻版2017年発行)。
本書の裏表紙(表4)には本書に関して次のような紹介文が掲載されています。
「競争が激化し、原材料の価値と労働力の両面で競争力が低下しがちな時代にあって、イタリアでは多くの企業が、ブランディングと一体化したコミュニケーションのための効果的なツールとして、ヘリテージが持つ競争優位性を利用することができます。企業マーケティングのキラーアプリとしての遺産の競争上の優位性を利用することができます。企業マーケティングのキラーアプリとしての記憶」
ここに表されている考え方は、当財団がICA/SBA(前身はSBL)に参加した2008年以降、ビジネス・アーカイブズの価値、存在意義を企業に向かって(企業内で)根拠づける一つの有力な考え方でありつづけているものです。イタリアに限らず、歴史ある企業において、アーカイブズの意義を説明するにあたって、国境を超えて適用できる考え方です。
本書の前半部分は、消費の社会学、ブランディング、企業文化、アーカイブズや博物館といったヘリテージの価値に関する、現代の企業活動が置かれている理論的な文脈を扱っています。
本書後半では、企業の歴史遺産のイタリアにおける活用事例(特に企業文化を戦略的に活用している事例)を示しています。企業博物館、コミュニケーション、イベント、新製品開発、マーチャンダイジングなどにおいてツールとしてどのように活用されるのかを検討するものです。
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■行事情報:ビジネス・アーカイブズ・カウンシル(BAC)年次大会
◎テーマ:「正しいことをしよう:ビジネス・アーカイブにおける包摂性、公平性、反人種差別」
2020年11月17-18日 オンライン(Zoom)
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◎テーマ:「正しいことをしよう:ビジネス・アーカイブにおける包摂性、公平性、反人種差別」
'Do the right thing: inclusivity, equity and anti-racism within business archives'
https://www.businessarchivescouncil.org.uk/activitiesobjectives/conference/
今年のビジネス・アーカイブズ・カウンシル(BAC)年次大会は、オンラインによって11月17-18日の2日にわたって開催される予定です。
イギリスでは数年前からアーカイブズ専門職におけるマイノリティの問題(雇用など)への関心が高まっていました。今年は、6月に米国で発生した警察官による黒人死亡事件に対する世界的な抗議行動「Black Lives Matter」によって、包摂性(inclusivenessあるいはinclusivity)と多様性(diversity)がいっそう注目されています。英国では、過去の企業活動が奴隷制や植民地主義とかかわりを持つ場合が少なくないため、それらの記録に責任を持つアーキビストは、包摂性や多様性を実現するためにポジティブな役割を果たすことができる立場にいるとも言えます。また一方では、現実の人種差別がアーキビストの雇用においても存在することも指摘されてきました。
10月1日締め切りで募集された発表のテーマ例は次の通りです。
・ビジネス・アーカイブズへのポスト・コロニアルおよび脱植民地時代のアプローチ
・社会正義のための運動と代替的カリキュラムの支援におけるアーカイブズの役割
・アーカイブズ部門における公平性と包摂性のためのガイドラインとアプローチの開発(目録作成に関するプロトコルを含む)
・ビジネス・アーカイブズを通じた修復的な歴史と制度的説明責任
・記録専門職への代替的な参入ルートと労働力の多様化
今後、本通信でも大会での議論の概要をお伝えできればと考えます。
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■行事情報:企業史料協議会第9回ビジネスアーカイブズの日シンポジウム
◎テーマ:「《アーカイブズでつながるコミュニティ》アーカイブズ・コミュニティを目指して」
2020年11月6日 オンライン(Zoom)
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◎テーマ:「《アーカイブズでつながるコミュニティ》アーカイブズ・コミュニティを目指して」
http://www.baa.gr.jp/syousai.asp?id=646
1981年11月5日に設立された企業史料協議会は、2011年に30周年を記念したシンポジウム「ビジネスアーカイブズの日:ビジネスアーカイブズの未来と課題」を開催、これ以降毎年11月5日を「ビジネスアーカイブズの日」と定め、記念行事を開催してきました。今年度は、例年と同じ形式では開催が困難になるとともに、地方からは、経済状況の悪化で企業アーキビストが孤立しがちという声も聞こえてきています。そこで、本年度はビデオ会議システムZoomを用いたオンラインによる開催とし、テーマもアーカイブズ、アーキビストの「つながり」に焦点を当てたものになりました。本通信編集部も基調講演、シンポジウム・モデレータとして協力します。
《内容》
リモートワークが日常化し、企業アーカイブズはさまざまな制約を受けています。社内の各部門やキーマンなどの協力者たち、社内外のアーキビストたち、地域と築く、アーカイブズでつながるコミュニティ=「アーカイブズ・コミュニティ」。つながることでお互いの存在価値を高め、情報を発信する「アーカイブズ・コミュニティ」とは何か。企業アーカイブズやアーキビストが孤立しないために、どのように築くのか。松崎裕子氏と地方の企業アーキビストと一緒に考えます。
《概要》
主催:企業史料協議会 http://www.baa.gr.jp/
日時:2020年11月6日(金) 14:10-17:05 Zoomミーティング
定員:120名
申し込み・問い合わせ:info@baa.or.jp
申し込み締め切り:11月4日
参加費:会員無料/一般1名1000円
《プログラム》
【開会挨拶】14:10~14:20
石原邦夫
東京海上日動火災保険株式会社相談役/企業史料協議会会長
【基調講演】14:20~14:50
松崎裕子
公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センター 企業史料プロジェクト担当/企業史料協議会理事
【パネルディスカッション】15:00~17:00
モデレータ
松崎裕子
パネリスト
樋川裕二
グンゼ株式会社 綾部本社総務課課長/グンゼ博物苑前苑長
豊嶋朋子
株式会社アンデルセン・パン生活文化研究所理事/広報室 社史編纂・史資料チームリーダー
中野寛政
TOTO株式会社 TOTOミュージアム館長
【閉会挨拶】17:00~17:05
阿部武司
国士舘大学政経学部教授/企業史料協議会副会長
総合司会
野秋誠治
企業史料協議会理事
《申し込み方法》
下記の必要事項をお書きの上、事務局 info@baa.gr.jp までお申込みください。
1. 機関名・部署名 2. 氏名 3. 連絡先メールアドレス
・先着順で受付
・申し込み締め切り:11月4日(水)(ただし定員に達し次第締め切り)
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[略称一覧]
ACA: Association of Canadian Archivists(カナダ・アーキビスト協会)
ARA: Archives and Records Association(アーカイブズとレコード協会)
ASA: Australian Society of Archivists(オーストラリア・アーキビスト協会)
BAC: Business Archives Council(ビジネス・アーカイブズ・カウンシル)
BACS: Business Archives Council in Scotland(スコットランド・ビジネス・アーカイブズ・カウンシル)
BAS: Business Archives Section(ビジネス・アーカイブズ部会:SAA内の部会)
CoSA:Council of State Archivists(米国・州文書館長評議会)
DCC: Digital Curation Center(英国デジタル・キュレーション・センター)
EDRMS:Electronic Document and Record Management System(電子文書記録管理システム)
ERM:Electronic Record Management(電子記録管理)
ICA: International Council on Archives(国際文書館評議会)
NAGARA: National Association of Government Archives and Records Administrators(米国・全国政府アーカイブズ記録管理者協会)
NARA: National Archives and Records Administration(米国 国立公文書館記録管理庁)
RIKAR: Research Institute of Korean Archives and Records(韓国国家記録研究院)
RMS:Record Management System(記録管理システム)
SAA: Society of American Archivists(アメリカ・アーキビスト協会)
SBA: Section for Business Archives(企業アーカイブズ部会、ICA内の部会)
TNA: The National Archives(英国国立公文書館)
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
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☆★ 編集部より:あとがき、次号予告 ★☆
今号はイタリアの企業アーカイブズ関連団体と文献について、初めてまとまった形でご紹介してみました。いかがでしたか。海外情報収集はどうしても英語圏中心になりがちです。ICA/SBAの運営委員会に新たに加わったマティーニ&ロッシのアンナ・スクデッラーリとのSBAでの交流を通じて、最近のイタリアの企業ヘリテージ分野の情報にふれる機会が増えました。調べてみると、英語圏とはまた違った企業アーカイブズの様子をうかがい知ることができます。ものづくりを得意とする日本企業のアーカイブズには参考になる部分があるように思います。
企業アーカイブズに関わる団体も多様であり、これに関しては次号取り上げたいと思います。イタリアの企業アーカイブズに関わる最近の研修関連情報を一つだけ簡単にご紹介します。2015年にアルベルト・マゾッティ Alberto Masotti によって設立された非営利団体、ファッション・リサーチ・イタリーがファッション・アーカイブズに関するウェビナーを10月21-23日(テーマ「テキスタイルとファッション・アーカイブズを立ち上げる」)と11月11-13日(同「目録作成とデジタル化」)に開催する広報が早くから始まっていました。リンク先をご覧ください。
ファッション・リサーチ・イタリーのアーカイブズ・ウェビナー
https://www.fashionresearchitaly.org/formazione-fashion-marketing/archivi-moda/#corsiattivi
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春から初夏にかけて、コロナウイルス感染症対策のため経済活動が抑制されたことに伴い、各国の企業アーカイブズ、アーキビストたち活動は日本からは見えづらくなっていました。しかし、夏期休暇の時期を過ぎ9月に入り、企業アーカイブズに関わるさまざまな情報の発信が増えてきました。ICA/SBAでも来年6月の会合準備を進めています。
SBA運営委員や例年の会合での常連スピーカー(企業アーキビスト、企業アーカイブズ・マネージャー、企業ヒストリアン)たちのさまざまな業務や活動に関わる発信で最近目に留まったものに次のようなものがあります。
■ブルージーンズとジーンズのアーカイブズに関わるウェビナー
リーバイ・ストラウス・アーカイブズのヒストリアン トレーシー・パネック Tracey Panek は、ブルージーンズの歴史とアーカイブズに関するウェビナーにパネリストとして参加します。
テーマ:「デニム・シンクタンク・ウェビナー:デニム考古学者のクロニクル - デニム・アーカイブを持つことの重要性は何か?」
Denim Think Tank Webinar: Chronicles of Denim Archeologists - Whats the Importance of having a Denim Archive?
日時:2020年10月7日 06:00 PM (イギリス時間)
https://twitter.com/TraceyPanek/status/1311050632896417793
https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_kuqbcLCOQj6l_dGVSzV9Ww
このウェビナーは高品質の木質セルロース繊維メーカーLenzing社のブログ 'Carved in Blue' のチームが主催するものです。Lenzing社の歴史は、1892年にオーストリア・レンツィングで創業した製紙工場にさかのぼります。環境に配慮したイノベーションを追求し、サステナブルな繊維素材とされるTENCEL™リヨセルとTENCEL™モーダルブランドの繊維の世界最大の生産者です。
https://www.lenzing.com/
https://en.wikipedia.org/wiki/Lenzing_AG
■ロッシュ社ラトビア事務所建物の建て替えとアーカイブズ
ICA/SBAの部会長である アレックス・ビエリ Alexander L Bieri がキュレーターを務めるロッシュ社(本社バーゼル)のアーカイブズは、ラトビア・リガの同社オフィスのリニューアル・プロジェクトに大きく関わりました。今年8月にリニューアル・オープンを記念する式典が行われて、ビエリも登壇しています。
ロシア10月革命以後、ラトビア・リガの事務所は、同社のバルト三国における研究開発とソビエト市場での販売事業の中心拠点でした。1930年代に建設された同社リガ事務所の意匠(建築設計はAleksandrs Klinklavs、後に米国シカゴで活躍)は、バウハウス運動の影響を受けたもので、ロッシュ社の企業文化の一つの表現であるとみなされています。この土地建物は1940年代に国有化されて同社の管理の手を離れていました。1998年、土地はロッシュの元に戻り、建物は2016年に、同社がラトビア政府から買い戻しています。デザインコンセプトに関して2017年にコンペティションを行い(建築設計はDidrihsons Arhitekti)、今年4月に竣工し、8月に事務所開きが行われたものです。バーゼルの同社アーカイブズには、1932年の建築に関わるドキュメントが全て残されており、この度のリニューアル・プロジェクトはこれらも参照しつつ行われています。
https://www.linkedin.com/posts/alexander-lukas-bieri-06a38967_riga-roche-inauguration-activity-6706993283853242368-YvKq
ステージ上に見えるのは、ビエリとRiga Stradins大学のProfessor Juris Salaksです。
ラトビア事務所リノベーションに関わる歴史を取り上げた同社の動画
https://www.youtube.com/watch?v=MmLPRb_NeQM
(YouTube動画、長さは7:13)
向かって左側の「未来」と名付けられた人物と右側の「過去」との対話の形でロッシュ・リガ事務所の歴史とデザインについて紹介しています。
■ビジネスの社会的責任に関わるミルトン・フリードマンのエッセイ発表(1970年9月13日)から50年を記念したマッキンゼー記事に対するマッキンゼー企業アーキビストのサポート
SBA運営委員の一人であるマッキンゼーの企業アーキビスト ポール・ラーサウィッツ Paul Lasewiczは、ミルトン・フリードマンによる企業の目的に関わるエッセイ発表(1970年9月13日)から50年を記念したマッキンゼーの刊行物の作成をアーキビストとしてサポートしています。
マッキンゼー&カンパニー「彼方より此処へ:企業の社会的責任を考える50年」
2020年9月11日|記事
From there to here: 50 years of thinking on the social responsibility of business
September 11, 2020 | Article
経済学者ミルトン・フリードマンは「企業の社会的責任とは利益を増大させること」"The Social Responsibility of Business is to Increase its Profits" というタイトルの文章を1970年9月13日付「ニューヨーク・タイムズ・マガジン」に寄稿しました。
http://umich.edu/~thecore/doc/Friedman.pdf
このエッセイは大きな反響を呼び、米国におけるビジネスの目的、企業の社会的責任(CSR)の議論では、これ以降必ず想起され続けてきたといえるでしょう。しかし、本通信82号(2019年8月31日)でお伝えしたように、昨年8月19日、アマゾンやアップル、IBM、JPモルガン、ボーイング、セールスフォース、コカコーラ、フォード社などを含む米国の大企業が参加する経済団体ビジネスラウンドテーブル(1972年10月13日結成)は「企業の目的に関する声明」を発表し、フリードマン流の考え方(企業の目的は株主利益の向上のみにある)を退け、多様なステークホールダーを大切にし、長期的な観点に立った企業経営を行うことが企業の目的であると宣言しています。
https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bn/20190831.html
マッキンゼーが今年9月11日に発表した「彼方より此処へ:企業の社会的責任を考える50年」という文章では、フリードマンのエッセイ発表から50年という記念の年にあたり、マッキンゼー社、そしてビジネス界における「企業の目的」「企業の社会的責任」に関する考え方の変遷をたどっています。この記事によれば、1937年にはマッキンゼーは自社の価値観として「米国企業の収益性と福祉、ひいては国全体の福祉を向上させる」と表明しています。1980年代から90年代にかけては、日本企業がどのように製造業において革命を起こしているのかに関する分析が多数発表されました。1989年11月(ベルリンの壁の崩壊)直後、マッキンゼーのマネージング・ディレクター、フレッド・グラック Fred Gluck(在任1988-94 )は「マッキンゼーは、貧困、欧州統合、環境などのグローバルな問題について、各国の指導者に助言を行うことを目指すべき」と語った記録があるということです。この時代、マッキンゼー・グローバル・インスティテュートが設立されています。
この記事は21世紀に入ってからのマッキンゼーにおける企業の目的、企業の社会的責任に関わる発言の記録をたどりながら、ビジネスラウンドテーブルによる昨年8月の声明で表明された価値観(多様なステークホールダーにとって利益をもたらす長期的視点に立った経営)が、マッキンゼーにおいてもまた共有されていることを確認しています。記事の最後の部分でリンクされている「価値創造の価値」The value of value creation はこの点に絞ったマッキンゼーの考え方を示しています。
McKinsey Quarterly
By Marc Goedhart and Tim Koller
The value of value creation
June 16, 2020 | Article
https://www.mckinsey.com/business-functions/strategy-and-corporate-finance/our-insights/the-value-of-value-creation
ラーサウィッツはエトナ保険の企業アーキビストを経てIBM社アーカイブズのマネージャーとして同社の100周年記念事業の企画運営をリードし、これを成功に導いた後、マッキンゼーのアーキビストに就任しています。経営コンサルティング事業は顧客との間の守秘義務が存在するため、業務の過程で生み出されるさまざまな記録類が展示されたりする機会はほとんど存在しません。企業アーキビストのサポートによって執筆されたこの記事を、本通信の編集者は興味深く読みました。企業理念や経営理念自体を商材の一部とする、コンサルティング企業におけるアーカイブズの仕事の一端をうかがい知ることができるからです。
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次号は2020年12月発行の予定です。イタリアの企業アーカイブズ関連団体〔後編〕他を予定しています。どうぞお楽しみに。
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◆◇◆バックナンバーもご活用ください◆◇◆
https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bn/index.html
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ビジネス・アーカイブズ通信(BA通信) No.87
2020年10月13日発行 (不定期発行)
【創刊日】2008年2月15日
【発行者】公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センター
【編集者】公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センター
「ビジネス・アーカイブズ通信」編集部/
株式会社アーカイブズ工房
【発行地】日本/東京都/北区
【ISSN】1884-2666
【E-Mail】
【サイト】https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/index.html
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