ビジネス・アーカイブズ通信(BA通信)

第82号(2019年8月31日発行)

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☆      □■□ ビジネス・アーカイブズ通信 □■□

☆       No.82 (2019年8月31日発行)

☆    発行:公益財団法人 渋沢栄一記念財団 情報資源センター

☆                        〔ISSN:1884-2666〕
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この通信では海外(主として英語圏)のビジネス・アーカイブズ(BA)に関する情報をお届けします。

海外BAに関わる国内関連情報も適宜掲載しております。

今号は行事情報2件です。

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◆ 目次 ◆

[掲載事項の凡例とご注意]

■行事情報:ICA/SBA主催 ビジネス・アーカイブズ国際シンポジウム
◎テーマ:「ビジネス・アーカイブズと次のゴールドラッシュ」
     2019年9月17-18日
     リーバイ・ストラウス社(米国カリフォルニア州サンフランシスコ)

■行事情報:独立行政法人 国立公文書館、ICA東アジア地域支部(EASTICA)主催 EASTICA総会及びセミナー
◎テーマ:「アーカイブズのこれから ― 膨張する多様な記録にどう向き合うか」
     2019年11月25-27日
     ホテルメトロポリタンエドモント(日本・東京)

☆★ 編集部より:次号予告 ★☆

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[掲載事項の凡例]

・欧文の場合、日本語で読みやすいものになるように、タイトルははじめに日本語訳を、続いて原文を記します。
・人名や固有名詞の発音が不明の場合も日本語表記を添えました。便宜的なものですので、検索等を行う場合はかならず原文を用いてください。
・普通名詞として資料室や文書室、物理的な記録資料を表現する際は「アーカイブズ」を用います。固有名詞の場合はこの限りではありません。また物理的およびデジタル記録資料の蓄積や組織化に関しては「アーカイブ」「アーカイブ化」「アーカイビング」などの表現を用いることもあります。

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[ご注意]
・受信時にリンク先を示すURLが途中で改行されてしまう場合があります。通常のURLクリックで表示されない場合にはお手数ですがコピー&ペーストで一行にしたものをブラウザのアドレス・バーに挿入し、リンク先をご覧ください。

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■行事情報:ICA/SBA主催 ビジネス・アーカイブズ国際シンポジウム
◎テーマ:「ビジネス・アーカイブズと次のゴールドラッシュ」
     2019年9月17-18日
     リーバイ・ストラウス社(米国カリフォルニア州サンフランシスコ)

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◎ICA/SBA国際シンポジウム「ビジネス・アーカイブズと次のゴールドラッシュ」プログラム
Program: ICA/SBA Conference "Business Archives & the Next Gold Rush"
2019年9月17-18日、リーバイ・ストラウス社(米国カリフォルニア州サンフランシスコ)
September 17-18 at Levi's Plaza, 1155 Battery Street, San Francisco

http://archivistconnection.com/icasba2019/index.php/program/

2019年9月に予定されている国際アーカイブズ評議会(ICA)企業アーカイブズ部会(SBA)とリーバイ・ストラウス社アーカイブズ共催による国際シンポジウムのプログラムをご紹介します。


[プログラム]
http://archivistconnection.com/icasba2019/index.php/program/

■9月16日(月)■

*プログラムの変更があります。この日予定されていたヒューレットパッカード(HP)ガレージの見学は、同ガレージ改装工事の遅れによりキャンセルとなりました。そのためリーバイ・ストラウス社アーカイブズでは、HPガレージ見学に代え、ICA/SBA国際会議参加者のコンピュータ史博物館(Computer History Museum: CHM)入場料を半額とするアレンジを行っています(CHMは月曜、火曜休館)。シンポジウム主催者とCHMは参加者名簿を共有しますので、CHM受付で「ICA/SBAシンポジウム参加者です」と名乗り出るとディスカウントを受けることができます。

***CHMウェブサイト***
https://www.computerhistory.org/
CHMはグーグル本社の近くに位置します。


◇14:00-16:30◇
ICA/SBA運営委員会(理事会)
ICA/SBA Steering Committee Meeting
会場:Levi's Plaza

◇16:30-18:30◇
エンウォーブン Enwoven社とプリザービカ Preservica社提供によるハッピーアワー
会場:Homage(88 Hardie Place, San Francisco)

***エンウォーブン社ウェブサイト***
https://www.enwoven.com/

***プリザービカ社ウェブサイト***
https://preservica.com/

*エンウォーブン社とプリザービカ社の提携に関するブログ記事
https://blog.enwoven.com/home/2018/10/9/enwoven-x-preservica-partnership-ensuring-company-knowledge-lives-forever


■9月17日(火)■

◇8:30-9:00◇
受付と軽食

◇9:00-9:15◇
開会

◇9:15-9:45◇
基調講演タイトル:ゼロに向かってデザインする
Keynote title: Designing to Zero
講演者/所属等:ポール・ディリンジャー/リーバイ・ストラウス社グローバル・プロダクト・イノベーション ヘッド
Speaker: Paul Dillinger, Levi Strauss & Co. Head of Global Product Innovation

<参考>
***ポール・ディリンジャー氏 リンクトイン・ページ***
https://www.linkedin.com/in/paul-dillinger-08a70a1b/
同インスタグラム
https://www.instagram.com/padillinger/


◇9:45-10:15
はじめに

◇10:15-11:15
◆◆セッション1:将来の動向:テクノロジー・ビジネス・アーカイブズにおける新しいモデル
Session 1: Future Trends: New Models in Technology Business Archives

<パネリスト>
パウラ・ジョブローナー/コンピュータ史博物館シスコ・ヘリテージ・センター(米国 カリフォルニア)
Paula Jabloner, Center for Cisco Heritage @ the Computer History Museum, California, USA

ステファニー・ウォズロン/コンピュータ史博物館シスコ・ヘリテージ・センター(米国 カリフォルニア)
Stephanie Waslohn, Center for Cisco Heritage @ the Computer History Museum, California, USA

ペニントン・アールストランド/アーカイブズ・コンサルタント(米国 カリフォルニア)
Pennington Ahlstrand, Archives Consultant, California, USA

ミシェル・ウィン/アーカイブズ・コンサルタント&プロジェクト・マネージャー(米国 カリフォルニア)
Michele Winn, Archives Consultant & Project Manager, California, USA

<参考>
***コンピュータ史博物館 シスコ・ヘリテージ・センター ウェブページ***
https://www.computerhistory.org/ciscoarchive/


◇11:15-11:30
休憩

◇11:30-12:30
◆◆セッション2:ゴールド・スタンダード:あなたのコミュニティを巻き込む
Session 2: Gold Standards: Engaging Your Community

<パネリスト>
バーバラ・ロミンスキー/サンフランシスコ・オペラ(米国 カリフォルニア)
Barbara Rominski, San Francisco Opera, California, USA

デメルツァ・ファン・デア・マース/ハイネケン・ヘリテージ・コレクション(オランダ アムステルダム)
Demelza van der Maas, Heineken Heritage Collection, Amsterdam, The Netherlands

マーサ・ローレンス/クリックファイラ社(米国 ジョージア)
Martha Lawrence, Chick-fil-A, Inc., Georgia, USA

<参考>
***サンフランシスコ・オペラ ウェブサイト***
https://sfopera.com/

***ハイネケン・コレクション財団 ウェブサイト***
https://heinekencollection.com/en

***クリックファイラ社 ウェブサイト***
https://www.chick-fil-a.com/


◇12:30-13:30
ランチ

◇13:30-14:30
◆◆セッション3:秀逸なオペレーション活動
Session 3: Operational Excellence Activity

<パネリスト>
リンダ・エッジェリー/ウィンスロップ・グループ(米国 ニューヨーク)
Linda Edgerly, The Winthrop Group, New York, USA

セラ・ポリアー/シグナ(米国 コネティカット)
Sarah Polirer, Cigna, Connecticut, USA

ティム・シャンツ/ヒストリー・ファクトリー(米国 ワシントンDC)
Tim Schantz, History Factory, Washington, DC, USA

<参考>
***ウィンスロップ・グループ ウェブサイト***
http://winthropgroup.com/

***シグナ ウェブサイト***
https://www.cigna.com/

***ヒストリー・ファクトリー ウェブサイト***
https://www.historyfactory.com


◇14:30-15:30
◆◆セッション4:新しい技術を身に付ける
Session 4: Harnessing New Technology

<パネリスト>
アンナ・ホール/サンフランシスコ連邦準備銀行(米国 カリフォルニア)
Anne Hall, Federal Reserve Bank of San Francisco, California, USA

キャット・セイリーバイ・マクドウェル/GSKヘリテージ(米国 ノースカロライナ)
Cat Saleeby McDowell, GSK Heritage, North Carolina, USA

フレッド・ジェイコブズ/BMW (ドイツ ミュンヘン)
Fred Jakobs, BMW AG, Munich, Germany

<参考>
***サンフランシスコ連邦準備銀行 ウェブサイト***
https://www.frbsf.org/

***GSKヘリテージ・アーカイブズ ウェブサイト(英国本社)***
https://www.gsk.com/en-gb/about-us/our-history/gsk-heritage-archives/

***BMWグループ・アーカイブ ウェブページ***
https://www.bmwgroup-classic.com/en/offers-and-services/bmw-group-archiv.html


◇15:30-15:50
休憩

◇15:50-16:45
◆◆セッション5:ゴールド・スタンダード:あなたのアーカイブズを適切に位置付ける
Session 5: Gold Standards: Positioning Your Archives

<パネリスト>
アンダース・ヘアマン/ストックホルム経営史センター(スウェーデン ストックホルム)
Anders Sjöman, Centre for Business History, Stockholm, Sweden

ロビサ・セヴェリン・クラゲルード/アブソルート・カンパニー - ペルノ・リカール(スウェーデン ストックホルム)
Lovisa Severin Kragerud, The Absolut Company - Pernod Ricard, Stockholm, Sweden

ポール・ラーサウィッツ/マッキンゼー&カンパニー(米国 フロリダ)
Paul Lasewicz, McKinsey & Company, Florida, USA

テッド・ライアン/フォード自動車(米国 ミシガン)
Ted Ryan, Ford Motor Company, Michigan, USA

<参考>
***ストックホルム経営史センター ウェブサイト***
https://www.naringslivshistoria.se/en/

***アブソルート・カンパニー - ペルノ・リカール ウェブサイト***
https://www.pernod-ricard.com/the-absolut-company/

***マッキンゼー&カンパニー ウェブサイト***
https://www.mckinsey.com/

***ザ・ヘンリー・フォード ウェブサイト***
https://www.thehenryford.org/


◇16:45-17:00
まとめ

◇18:00-20:00
カリフォルニア開拓者協会 Society of California Pioneersでの夕べの集い
飲料は米国で最古のクラフトビール製造業者であるAnchor Brewingの提供

■9月18日(水)■

◇8:30-9:00◇
受付と軽食

◇9:00-9:15◇
開会

◇9:15-9:45◇
基調講演タイトル:コンピューティングの未来
Keynote title: The Future of Computing
講演者/所属等:サンディープ・ゴピセッティ/IBM基礎研究所 - アルマデン エンタプライズAI、システム&ソリューション研究ディレクター、IBM基礎研究所優秀技術者
Speaker: Sandeep Gopisetty, Director of Enterprise AI, Systems & Solutions Research, and an IBM Research Distinguished Engineer, IBM Research - Almaden

<参考>
***サンディープ・ゴピセッティ氏 IBMウェブページ***
https://researcher.watson.ibm.com/researcher/view.php?person=us-sandeep.gopisetty


◇9:45-10:45
◆◆セッション6:エンターテインメント・アーカイブズでデータを活用する
Session 6: Leveraging Data in Entertainment Archives

<パネリスト>
シャロン・ドーバス/モデレーター/ピクサー・アニメーション・スタジオ(米国 カリフォルニア)
Sharon Dovas, moderator, Pixar Animation Studios, California, USA

ローレン・ゲイロード/ピクサー・アニメーション・スタジオ(米国 カリフォルニア)
Lauren Gaylord, Pixar Animation Studios, California, USA

ティム・マップ/ルーカスフィルム(米国 カリフォルニア)
Tim Mapp, Lucasfilm, California, USA

シャロン・ミゾタ/ウォルト・ディズニー・リサーチ・ライブラリー(米国 カリフォルニア)
Sharon Mizota, Walt Disney Animation Research Library, California, USA

ニッキー・グエン/ウォルト・ディズニー・アーカイブズ(米国 カリフォルニア)
Nikki Nguyen, Walt Disney Archives, California, USA

<参考>
***ピクサー・アニメーション・スタジオ ウェブサイト***
https://www.pixar.com/

***ルーカスフィルム ウェブサイト***
https://www.lucasfilm.com/

***ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ ウェブサイト***
https://www.disneyanimation.com/

***ウォルト・ディズニー・リサーチ・ライブラリーに関するNerdist記事(2017年2月7日)***
https://nerdist.com/article/heres-what-its-like-to-visit-the-disney-animation-research-library/

***ウォルト・ディズニー・アーカイブズ D23 ウェブサイト***
https://d23.com/walt-disney-archives/


◇10:45-11:00
休憩

◇11:00-12:20
◆◆セッション7:定石を変えろ
Session 7: Mix It Up

<パネリスト>
オーブリー・キャリアー/ウェルズ・ファーゴ・コーポレート・アーカイブズ(米国 カリフォルニア)
Aubrey Carrier, Wells Fargo Corporate Archives, California, USA

キャロル・クイン/アイリッシュ・ディスティラーズ - ペルノ・リカール(アイルランド ダブリン)
Carol Quinn, Irish Distillers - Pernod Ricard, Dublin, Ireland

エミリー・コットル/ヴァンガード(米国 ペンシルバニア)
Emily Cottle, Vanguard, Pennsylvania, USA

キアラ・キング/バラスト財団(英国 グラスゴー)
Kiara King, The Ballast Trust, Glasgow, UK

ポール・グリッパルディ/デジタル・レボリューション(米国 カリフォルニア)
Paul Grippaldi, Digital Revolution, California, USA

スコット・グリムウッド/SSMヘルス(米国 ミズーリ)
Scott Grimwood, SSM Health, Missouri, USA

<参考>
***ウェルズ・ファーゴ・コーポレート・アーカイブズ ウェブページ***
https://www.wellsfargohistory.com/our-story/#archives

***アイリッシュ・ディスティラーズ - ペルノ・リカール ウェブサイト***
https://www.irishdistillers.ie/

***ヴァンガード・グループ ウェブサイト***
https://investor.vanguard.com/corporate-portal/

***バラスト財団 ウェブサイト***
http://ballasttrust.org.uk/

***デジタル・レボリューション ウェブサイト***
http://www.the-digitalrevolution.com/

***SSMヘルス ウェブサイト***
https://www.ssmhealth.com/

***SSMヘルス・アーカイブ情報ページ***
https://www.stlarchivists.org/directory/ssmhc.html


◇12:20-13:20
ランチ

◇13:20-14:15
◆◆セッション8:ビジネス・アーカイブズの将来動向 パネル・ディスカッション
Session 8: The Future Trends in Business Archives Panel Discussion

<パネリスト>
フランツィスカ・エギマン/ゲオルク・フィッシャー社・アイアン・ライブラリー財団(スイス シャフハウゼン)
Franziska Eggimann, Georg Fischer Ltd and Iron Library Foundation, Schaffhausen, Switzerland

グリン・エドワーズ/スタンフォード大学図書館 特殊コレクション&アーカイブズ、ePADD(米国 カリフォルニア)
Glynn Edwards, Stanford University Libraries, Special Collections & Archives, ePADD, California, USA

ライアン・ドネガン/ヘリテージ・ワークス(米国 ジョージア)
Ryan Donegan, Heritage Werks, Georgia, USA

<参考>
***ゲオルク・フィッシャー社・アイアン・ライブラリー財団 ウェブページ***
https://www.georgfischer.com/en/about-gf/foundations/iron-library.html

***スタンフォード大学図書館 特殊コレクション&大学アーカイブズ ウェブページ***
https://library.stanford.edu/spc

***スタンフォード大学図書館ePADD ウェブページ***
https://library.stanford.edu/projects/epadd

***ヘリテージ・ワークス ウェブサイト***
https://www.heritagewerks.com/


◇14:15-15:10
◆◆セッション9:ゴールド・スタンダード:あなたの存在・働きがふさわしいこと、必要であることを示す
Session 9: Gold Standards: Demonstrating Your Relevance

<パネリスト>
ナタリー・ローレンツ/スワロフスキー(オーストリア ヴァッテンス)
Natalie Lorenz, Swarovski, Wattens, Austria

ヴルンダ・パターレ/ゴードレージ・アーカイブズ(インド ムンバイ)
Vrunda Pathare, Godrej Archives, Mumbai, India

エリン・ナーロック/リーボック・ブランド・アーカイブ(米国 マサチューセッツ)
Erin Narloch, Reebok Brand Archive, Massachusetts, USA

<参考>
***スワロフスキー・コーポレート・アーカイブ ウェブページ***
https://www.swarovskigroup.com/S/aboutus/Swarovski_Archive.en.html

***ゴードレージ・アーカイブズ ウェブページ***
http://archives.godrej.com/

***リーボック・ブランド ウェブページ***
https://www.adidas-group.com/en/brands/reebok/


◇15:10-15:20
解散そしてウェルズ・ファーゴ・ミュージアム見学に関して説明
Bon voyage and Wells Fargo Museum tour logistics

◇15:30-16:10
ウェルズ・ファーゴ・ミュージアム見学 第1班
Wells Fargo Museum, first tour group

◇16:20-17:00
ウェルズ・ファーゴ・ミュージアム見学 第2班
Wells Fargo Museum, second tour group

<参考>
***ウェルズ・ファーゴ・ヒストリー ウェブサイト***
https://www.wellsfargohistory.com/


◎---お知らせ---◎

>>>■ライブ・ウェブキャスト■<<<
*当日参加できない方々のためにライブ・ウェブキャストが予定されています。登録が必要です。終了後はいつでも視聴することができます。 #ICASBA2019
https://levis.brand.live/business-archives-2019

>>1日目の視聴登録
https://levis.brand.live/c/business-archives-the-next-gold-rush-sept-17

>>2日目の視聴登録
https://levis.brand.live/c/business-archives-the-new-gold-rush-sept-18


★☆★...編集部より...★☆★

//...「デザイン」が今年のアーカイブズ界での重要コンセプト...//

リーバイ・ストラウス社グローバル・プロダクト・イノベーション ヘッドであるポール・ディリンジャーによる1日目の基調講演のタイトルは「ゼロに向かってデザインする」。ゼロとはおそらくWaste(廃棄物)がゼロ、環境へ配慮をしたサステナブル(持続可能)なデザインをもとめて、と編集部では理解しました。

<参考>
Lehmann, Steffen, and Robert Crocker. Designing for Zero Waste: Consumption, Technologies and the Built Environment. Florence: Taylor and Francis, 2013. Print.
http://www.worldcat.org/oclc/956708016
https://www.amazon.co.jp/dp/1849714355

これに関連して、廃棄物を出さない、環境と調和したファッション創造のためには、デザインの段階から考えていくことが必要です。Redressという香港のファッション関係者の取り組みの動画がこのことをよく伝えています。
https://www.youtube.com/watch?v=oo2BZ-FyeZo
https://www.youtube.com/watch?v=cUgmBVI73ic
https://www.redressdesignaward.com/home

ICAも今年は「デザイン」を重要なテーマに掲げています。10月にオーストラリアのアデレードで開催されるICAの年次大会のテーマは、「アーカイブズをデザインする」です。
Designing the Archive
Adelaide, South Australia, from 21 to 25 October 2019
https://www.ica.org/en/conference-ica-adelaide-2019

アーカイブズとデザイン、どんな関係があるのでしょうか。

当情報資源センターが昨年日本語へ翻訳して紹介したイギリス国立公文書館(TNA)の「デジタル戦略」がヒントになります。
https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bunken/doc016_tna01.html
https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bunken/doc017_tna02.html

さまざまなアーカイブズのなかでもとりわけ公文書館は全ての人への奉仕、全ての人のアーカイブズへのアクセスの保障を目指します。その実現のためには利用者視点に立ったアーカイブズであることが重要であると「デジタル戦略」では指摘していました。同戦略の中では、インターネットを介したアーカイブズの「利用者経験」(ユーザー・エクスペリエンス)の向上も重視されていました。

今年6月のTNA のブランドロゴの変更も、この「アーカイブズのデザイン」と密接に関係しています。基本のコンセプトは「すべての人のためのアーカイブズ」archives for everyone。新しいロゴデザインは、このコンセプトを表現したものと説明されています。
http://www.nationalarchives.gov.uk/about/news/the-national-archives-rebrands-for-the-first-time-in-16-years/
http://www.nationalarchives.gov.uk/about/our-role/plans-policies-performance-and-projects/our-plans/archives-for-everyone/

このように、アーカイブズの仕組み全体のデザイン、あるいはウェブサイトのインターフェイスのデザイン、こういったものへの関心が、現在世界のアーカイブズ関係者の中で高まっていると言えるでしょう。

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翻って、サンフランシスコでのビジネス・アーカイブズ国際シンポジウム「ビジネス・アーカイブズと次のゴールドラッシュ」で提供されるアイデアや事例を、企業と企業アーカイブズの未来、そして多様なステークホルダーに対する企業の貢献に、どのような形でつないでいけるでしょうか。編集部では、日本の企業アーカイブズのデザインへの参考になるものをこのシンポジウムの中から汲み取って、読者の方々にお伝えできるようにと考えております。


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■行事情報:独立行政法人 国立公文書館、ICA東アジア地域支部(EASTICA)主催 EASTICA総会及びセミナー
◎テーマ:「アーカイブズのこれから ― 膨張する多様な記録にどう向き合うか」
     2019年11月25-27日
     ホテルメトロポリタンエドモント(日本・東京)

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◎国際アーカイブズ評議会(ICA)東アジア地域支部(EASTICA)総会およびセミナー開催
http://www.archives.go.jp/news/20190610.html

ICAの地域支部の一つ、東アジア地域支部(EASTICA)の総会およびこれに合わせてのセミナーが11月25-27日に東京で開催されます。この総会及びセミナーはEASTICAメンバー国の持ち回りで毎年開催されているものです。日本開催は2015年10月に福岡で開催されて以来となります。

[プログラム]
http://www.archives.go.jp/news/20190610.html

■11/25(月)
EASTICA理事会

■11/26(火)
◆開会式/EASTICA総会
◆昼食

◆◆セッション1(講演1・講演2)
基調講演 ※各講演タイトルは仮題、※日英同時通訳付き
★講演1
アンセア・セレス(ICA事務総長)
「すばらしい新世界:AIとアーカイブズ」

★講演2
ローレンス・ブリュア(米国国立公文書記録管理院(NARA) 首席記録官)
「米国の公文書管理改革 --- デジタルアーカイブのこれからを創る」

◆◆セッション2(講演3・パネル・ディスカッション)
★講演3
高野明彦(国立情報学研究所教授)
「デジタル技術によるアーカイブズの開き方 --- Japan Searchが目指す世界」

★パネル・ディスカッション
パネリスト:講演1~3の講師
モデレーター:杉本重雄(筑波大学名誉教授・特命教授)

◆国立公文書館主催夕食会

■11/27(水)
◆◆セッション3(国・地域別報告)

◆閉会式
◆昼食
◆視察
◆EASTICA主催夕食会


★☆★...編集部より...★☆★

今回のセミナーは、AIとアーカイブズ、米国国立公文書館のデジタルアーカイブズと公文書管理改革、そして日本におけるジャパンサーチの3つの講演を一度に聞くことができる貴重な機会です。

ICA事務総長のアンセア・セレス氏は、2018年にICA事務総長に就任前、イギリス国立公文書館でデジタル文書移管マネージャーを勤めていました。同館は世界の国立公文書館の中でもデジタル・トランスフォーメーションにおいて先頭を走っています。実務経験を踏まえたAIとアーカイブズに関する講演を期待します。
<参考>
https://www.linkedin.com/in/anthea-seles-65267b43/
https://www.ica.org/en/anthea-seles-presentation-on-artificial-intelligence-and-archives

一方、ワシントンDCの地元紙によるNARAのフェリーロ館長へのインタビュー記事によると、同館長はNARAが所蔵するすべての記録資料(150億点を超える紙・羊皮紙文書、写真画像4300万点、数え切れないほどのフィルムとビデオなどのすべて)をデジタル化してオンラインで提供したいと語っています。
<参考>
https://www.washingtoncitypaper.com/arts/museums-galleries/article/21082714/the-10th-archivist-of-the-us-on-the-national-archives

さらに、今年2月にベータ版の運用が始まったジャパンサーチ。「ジャパンサーチは、日本が保有する書籍、文化財、メディア芸術等の様々なコンテンツをまとめて検索できる『国の分野横断統合ポータル』です。」(「カレント・アウェアネス・ポータル」2019年2月27日)高野明彦国立情報学研究所教授は、このジャパンサーチ開発にデジタルアーカイブジャパン実務者会議座長として関わって来られました。ジャパンサーチが目指す世界はどういうものなのか、必聴です。
http://current.ndl.go.jp/node/37670


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[参加登録サイト]
https://va.apollon.nta.co.jp/eastica2019/
*11月25日と26日のセミナー・セッションは無料で参加が可能です。その他への参加には参加登録料16,500円 が必要になります。

◎参加申込期限:2019年10月18日(金)23:59(日本時間)

*参加登録申し込みページ
https://va.apollon.nta.co.jp/eastica2019/sanka
*ホテル予約申し込みページ
https://va.apollon.nta.co.jp/eastica2019/shukuhaku
*予約確認・変更ページ
https://va.apollon.nta.co.jp/eastica2019/kakunin
*支払いに関するページ
https://va.apollon.nta.co.jp/eastica2019/kessai


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[略称一覧]
ACA: Association of Canadian Archivists(カナダ・アーキビスト協会)
ARA: Archives and Records Association(アーカイブズとレコード協会)
ASA: Australian Society of Archivists(オーストラリア・アーキビスト協会)
BAC: Business Archives Council(ビジネス・アーカイブズ・カウンシル)
BACS: Business Archives Council in Scotland
(スコットランド・ビジネス・アーカイブズ・カウンシル)
BAS: Business Archives Section
(ビジネス・アーカイブズ部会:SAA内の部会)
CoSA:Council of State Archivists(米国・州文書館長評議会)
DCC: Digital Curation Center(英国デジタル・キュレーション・センター)
EDRMS:Electronic Document and Record Management System
(電子文書記録管理システム)
ERM:Electronic Record Management(電子記録管理)
ICA: International Council on Archives(国際文書館評議会)
NAGARA: National Association of Government Archives and Records
Administrators
(米国・全国政府アーカイブズ記録管理者協会)
NARA: National Archives and Records Administration
(米国 国立公文書館記録管理庁)
RIKAR: Research Institute of Korean Archives and Records
(韓国国家記録研究院)
RMS:Record Management System(記録管理システム)
SAA: Society of American Archivists(アメリカ・アーキビスト協会)
SBA: Section for Business Archives
(企業アーカイブズ部会、ICA内の部会)
TNA: The National Archives(英国国立公文書館)

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☆★ 編集部より:あとがき、次号予告 ★☆

米国の経済団体ビジネスラウンドテーブル(1972年10月13日結成)が「企業の目的に関する声明」を8月19日に発表しました。この声明にはアマゾンやアップル、IBM、JPモルガン、ボーイング、セールスフォース、コカコーラ、フォード社などを含む米国の大企業181社のCEOが署名しています。

米国企業は長らく企業活動のステークホルダーの中、株主を最重要視し、株主利益向上・短期的なリターン回収を経営理念の不動の軸としてきました。しかし、今回の声明では、これまでの原則を見直し、多様性を尊重し、透明性を高め、サステナビリティに配慮して、株主以外のステークホルダー、特に社員を大切にすること、そして何よりも長期的な観点に立って企業経営を行うことを企業の目的と宣言しています。

https://www.businessroundtable.org/business-roundtable-redefines-the-purpose-of-a-corporation-to-promote-an-economy-that-serves-all-americans
https://opportunity.businessroundtable.org/wp-content/uploads/2019/08/Business-Roundtable-Statement-on-the-Purpose-of-a-Corporation-with-Signatures.pdf (PDF)


8月20日の日本経済新聞夕刊の一面記事にも取り上げられていました。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48745980Q9A820C1000000/

国連が掲げるSDGsの取り組みでは米国はかなり遅れをとっているというブルッキングス研究所のレポートや新興経済メディアQuartz (2012年創業、2018年に日本企業の株式会社ユーザベースが買収)の報道もありました。
https://www.brookings.edu/research/us-global-leadership-through-an-sdg-lens/
https://qz.com/1328895/un-sustainable-development-goals-the-us-and-russia-are-doing-the-least-among-g20-nations/

ヨーロッパや日本の企業に比べると、米国企業は企業の社会的責任(CSR)やESG投資にこれまであまり積極的に取り組んできませんでした。

今回の声明の理念に沿って、米国企業が長期的な視点に立って経営を行うことは、気候変動や貧困問題といった国連SDGsで指摘されるグローバルな問題への取り組み推進にも寄与することになると思われます。

私益だけではなく公益の追求に目を向け始めた米国企業の取り組みに、渋沢栄一の姿が重なります。

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次号は2019年10月上旬発行の予定です。どうぞお楽しみに。

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ビジネス・アーカイブズ通信(BA通信) No.82
2019年8月31日発行 (不定期発行)
【創刊日】2008年2月15日
【発行者】公益財団法人渋沢栄一記念財団事業部情報資源センター
【編集者】公益財団法人渋沢栄一記念財団事業部情報資源センター
      「ビジネス・アーカイブズ通信」編集部/
      株式会社アーカイブズ工房
【発行地】日本/東京都/北区
【ISSN】1884-2666
【E-Mail】
【サイト】https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/index.html

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