ビジネス・アーカイブズ通信(BA通信)

第45号(2013年6月29日発行)

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☆      □■□ ビジネス・アーカイブズ通信 □■□

☆       No.45 (2013年6月29日発行)

☆ 発行:公益財団法人 渋沢栄一記念財団 実業史研究情報センター

☆                        〔ISSN:1884-2666〕
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この通信では海外(主として英語圏)のビジネス・アーカイブズ(BA)に関する情報をお届けします。

海外BAに関わる国内関連情報も適宜掲載しております。

今号は行事情報2件、文献情報1件です。

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◆ 目次 ◆

[掲載事項の凡例とご注意]

■行事情報:英国国立公文書館公開講演会
  ◎テーマ:「クルマと民主主義:英国によるフォルクスワーゲンの受託経営 1945年~1949年」

■行事情報:欧州銀行・金融史協会(EABH)アーキビストのためのサマースクール
  ◎テーマ:「準備はできた?それともまだ?デジタル資源マネジメントを強化する」

■文献情報:英国(イングランドとウェールズ)法律協会
  実務覚書「公文書館への記録・文書の寄託」(2010年12月15日)

☆★ 編集部より:次号予告 ★☆

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[掲載事項の凡例]

・欧文の場合、日本語で読みやすいものになるように、タイトルははじめに日本語訳を、続いて原文を記します。
・人名や固有名詞の発音が不明の場合も日本語表記を添えました。便宜的なものですので、検索等を行う場合はかならず原文を用いてください。

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[ご注意]
・受信時にリンク先を示すURLが途中で改行されてしまう場合があります。通常のURLクリックで表示されない場合にはお手数ですがコピー&ペーストで一行にしたものをブラウザのアドレス・バーに挿入し、リンク先をご覧ください。

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■行事情報:英国国立公文書館公開講演会
           7月11日 ロンドン(イギリス)

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◎テーマ:「クルマと民主主義:英国によるフォルクスワーゲンの受託経営 1945年~1949年」
Cars and democracy: British trusteeship of Volkswagen 1945 to 1949

http://media.nationalarchives.gov.uk/index/php/cars-and-democracy-british-trusteeship-of-volkswagen-1945-to-1949

英国国立公文書館では一般の市民を対象にした公開講演会を毎週木曜日の14時~15時に館内で開催しています。
http://www.nationalarchives.gov.uk/visit/events.htm

ほとんどの講演会の音声はその後同公文書館のウェブページにてポッドキャストとして視聴できます。
http://media.nationalarchives.gov.uk/index.php/category/audio/

ビジネス・アーカイブズ関係の講演会も過去に何度か開催されています。同公文書館ビジネス・アーカイブズ・アドバイス・マネージャーのアレックス・リッチー Alex Ritchie が「ナショナル・レジスター・オブ・アーカイブズ(アーカイブズ全国登録簿)」、「会社の記録を見つける」、「ビジネス・アーカイブズ:新しい取り組みと展開」を講演しているほか、スイスの医薬品メーカー・ロシュ社キュレーターのアレクサンダー・L・ビエリ Alexander L. Bieri が「第二次世界大戦とロシュ社の西方への拡大:英国におけるスイスの製薬会社」の講演を、キングストン大学(英国)を拠点とする入院に関わる歴史的記録プロジェクトのリーダーであるアンドレア・タナー博士 Dr. Andrea Tanner が「歴史を売る:フォートナム&メイソンにおける過去というものの役割」の講演を行っています。詳しくは本通信第38号(2012年6月21日発行)をご覧ください。
http://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bn/20120621.html

来月11日開催の公開講演会では、ドイツの自動車メーカーであるフォルクスワーゲン社のアーキビスト、ウルリケ・グッツマン博士 Dr. Ulrike Gutzmann が、「クルマと民主主義:英国によるフォルクスワーゲンの受託経営 1945年~1949年」のテーマでお話の予定です。

日時:2013年7月11日 14時~15時

場所:英国国立公文書館2階のTalks Room
The Talks Room, First Floor
http://www.nationalarchives.gov.uk/documents/tna-welcome-leaflet.pdf
(PDFファイル、6ページ目に館内図が掲載されています。)

The National Archives
Kew, Richmond, Surrey, TW9 4DU
The United Kingdom
(ロンドン地下鉄District Line、Kew Garden 駅下車徒歩10分)
http://www.nationalarchives.gov.uk/visit/where.htm

参加費:無料

□...◇ 講演内容について ◇...□

この講演ではまず第二次世界大戦直後のフォルクスワーゲン社(当時のVolkswagenwerk GmbH、現在はVolkswagen Aktiengesellschaft)に対する英国の政策を概観します。同社は1945年12月に生産を再開した後、1947年に輸出を再開し、非ナチ化を図りつつ、1946年に従業員評議会で選挙を実施するなど民主化も進めました。講演では、後のいわゆる経済的奇跡につながるきっかけをもたらした、いくつかの重要な意思決定に関して議論します。

□...◇ ウルリケ・グッツマン博士について ◇...□

ウルリケ・グッツマン博士はフォルクスワーゲン社会社史部門に位置する同社アーカイブズの責任者です。彼女は教員資格を持つほか、キール大学 Kiel University から博士号を取得し、グライフスヴァルト Greifswald とマールブルク Marburg でアーキビストとしての訓練を受けました。

1999年にシュトゥットガルトにある州中央アーカイブズでアーキビストとして働き始め、翌2000年にフォルクスワーゲン社に入社、専門的な企業アーカイブズの構築に携わってきました。2003年以降、ドイツ・ビジネスアーキビスト協会で電子記録アーカイビングに関わるワークショップの講師を務めています。2005年以来ドイツ・アーキビスト協会のビジネス・アーキビスト部門を代表する2人のうちのひとりです。

ドイツ・ビジネスアーキビスト協会に関しては本通信第39号(2012年7月18日発行)をご参照ください。
http://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bn/20120718.html

★☆★...編集部よりひと言...★☆★

この時期にロンドン方面にお出かけの予定の方は、ぜひキューガーデンの国立公文書館まで足を伸ばし、講演会に参加されることをお勧めします。

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■行事情報:欧州銀行・金融史協会(EABH)アーキビストのためのサマースクール
           6月23日-27日 ベネチア(イタリア)

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◎大会テーマ:「準備はできた?それともまだ?デジタル資源マネジメントを強化する」
'Ready or Not? Enhancing Digital Resources Management'

http://venice-summer-school.eabh.info/home/

欧州銀行・金融史協会(European Association for Banking and Financial History: EABH)は、ドイツ銀行の主任アーキビストであったマンフレート・ポール Manfred Pohl が1987年に、来るべき欧州統合のため銀行アーキビストと銀行史家が、ヨーロッパレベルで協力を緊密化させることが必要であると考えたところから出発しました。1990年11月に正式結成、欧州11カ国22行の参加によって活動を開始し、現在は31カ国と国際機関、併せて80以上の金融機関が参加しています。

ICASBLの運営委員、インテーザ・サンパオロ銀行グループアーカイブズのディレクターであるフランチェスカ・ピノをはじめ、欧州の金融関係のビジネス・アーキビストも参加しています。

EABHでは今週、デジタル資源マネジメントをテーマにしたアーキビスト向けのサマースクールを開講しました。そのプログラムを中心にご紹介します。

[概要]

日時:2013年6月23日-27日 June 23 - 27, 2013

会場:ベネチア貯蓄銀行 Cassa di Risparmio di Venezia

住所:
Cassa di Risparmio di Venezia
Campo Manin
San Marco 4216, 30124 Venezia
Italy

主催:欧州銀行・金融史協会 協力:インテーザ・サンパオロ銀行グループアーカイブズ
The European Association for Banking and Financial History (EABH) e.V. in cooperation with Intesa Sanpaolo Group Archives

参加費:
会員 450ユーロ(約57,000円)
非会員 1,000ユーロ(約127,000円)

[プログラム]
http://venice-summer-school.eabh.info/programme/

■2013年6月23日(日) Sunday, 23 June 2013

◇18時◇
インテーザ・サンパオロ銀行グループアーカイブズ提供レセプション
Reception kindly offered by Intesa Sanpaolo Group Archives

■2013年6月24日(月) Monday, 24 June 2013

◇9時‐9時30分◇
開会基調講演 Opening keynote

ベネチア貯蓄銀行頭取 ジョバンニ・サンマルティニ
Giovanni Sammartini, President of the Cassa di Risparmio di Venezia

欧州銀行・金融史協会理事 エドウィン・グリーン
Edwin Green, Member of the board of management of EABH e.V.

◇9時30分‐10時30分◇
タイトル:フレキシブルで持続可能な電子記録管理システムのための標準の役割と提言
タイトル原文:The role of standards and recommendations for flexible and sustainable ERMS
発表者:マリエラ・グエルチョ
発表者原文:Mariella Guercio
発表者所属:ローマ大学サピエンツァ校
発表者所属原文:University of Rome "La Sapienza"
http://venice-summer-school.eabh.info/programme/teaching-session-1/

◇10時30分 - 11時◇
休憩 Coffee break

◇11時 - 12時◇
タイトル:電子文書記録管理システム導入にあたっての組織的リスク要因と人的リスク要因を評価する
タイトル原文:Assessing organisational and human risk factors in electronic document and records management system implementation
発表者:ビクトリア・L・ルミュー
発表者原文:Victoria L. Lemieux
発表者所属:ブリティッシュ・コロンビア大学
発表者所属原文:University of British Columbia
http://venice-summer-school.eabh.info/programme/teaching-session-2/

◇12時 - 13時◇
タイトル:企業という環境のなかでデジタル保存ポリシーを開発する:ギリシャ国立銀行歴史アーカイブズの事例
タイトル原文:Developing a digital preservation policy in a corporate environment: the case of Historical Archives at the National Bank of Greece
発表者:キッタ・イパパンティ
発表者原文:Kytta Ypapanti
発表者所属:ギリシャ国立銀行
発表者所属原文:National Bank of Greece
http://venice-summer-school.eabh.info/programme/teaching-session-3/

◇13時 - 14時◇
ランチ Lunch

◇14時 - 16時◇
タイトル:あなたの現状を記述しなさい(対話型セッション)
タイトル原文:Describe your current situation (interactive session)
司会:フランチェスカ・ピノ
司会名原文:Francesca Pino
司会所属:インテーザ・サンパオロ銀行
司会所属原文:Intesa Sanpaolo
http://venice-summer-school.eabh.info/programme/teaching-session-4/

◇17時◇
聖ロッコ大信徒会館見学
Visit to Scuola Grande di San Rocco
http://www.scuolagrandesanrocco.it/en.html

■2013年6月25日(火) Tuesday, 25 June 2013

◇9時 - 9時30分◇
タイトル:ハイブリッド・アーカイブズ:現在の問題、挑戦と解決
タイトル原文:The hybrid archives: current issues, challenges and solutions
発表者:マリエラ・グエルチョ
発表者原文:Mariella Guercio
発表者所属:ローマ大学サピエンツァ校
発表者所属原文:University of Rome "La Sapienza"
http://venice-summer-school.eabh.info/programme/teaching-session-5/

◇9時30分‐10時◇
タイトル:ビット(2進数)と紙を管理する:イタリア銀行の新しい電子記録管理システム(事例研究)
タイトル原文:Managing bits and paper: the new Bank of Italy's ERMS (case study)
発表者1:アンジェロ・バッティロッキ
発表者原文1:Angelo Battilocchi
発表者2:イザベーラ・チェリオニ
発表者原文2:Isabella Cerioni
発表者3:ジョゼッペ・パルンボ
発表者原文3:Giuseppe Palumbo
発表者所属:イタリア銀行
発表者所属原文:Bank of Italy
http://venice-summer-school.eabh.info/programme/teaching-session-15/

◇10時‐10時30分◇
休憩 Coffee break

◇10時30分‐12時◇
タイトル:記録管理の問題としてのウェブサイト
タイトル原文:Websites as an issue of records management
発表者:マティアス・ウェバー
発表者名原文:Matthias Weber
(所属記載なし)
http://venice-summer-school.eabh.info/programme/teaching-session-8/

◇12時‐13時◇
ランチ Lunch

◇13時‐14時◇
タイトル:デジタル・キュレーション:デジタルなモノをアーカイブ化する
タイトル原文:Digital curation: getting digital objects into the archive
発表者:ロス・ハーヴェイ
発表者原文:Ross Harvey
発表者所属:シモンズ・カレッジ図書館情報学大学院 (GSLIS)
発表者所属原文:Simmons College Graduate School of Library and Information Science (GSLIS)
http://venice-summer-school.eabh.info/programme/teaching-session-6/

◇14時‐15時30分◇
タイトル:事例研究、引き続きデジタル・キュレーション演習(対話型セッション)
タイトル原文:Case study followed by exercises on digital curation (interactive session)
司会:フランチェスカ・ピノ&サラ・ペドラッチーニ
司会原文:Francesca Pino & Sara Pedrazzini
司会所属;インテーザ・サンパウロ銀行
司会所属名原文:Intesa Sanpaolo

◇17時◇
チェルトーザ島見学、引き続きディナー
Visit to Isola della Certosa, followed by dinner

■2013年6月26日(水) Wednesday, 26 June 2013

◇9時‐10時◇
タイトル:デジタル記録の評価選別:理論と実践
タイトル原文:The appraisal of digital records: theory and practice
発表者:レズリー・リッチモンド
発表者原文:Lesley Richmond
発表者所属:グラスゴー大学
発表者所属原文:University of Glasgow
http://venice-summer-school.eabh.info/programme/teaching-session-9/

◇10時‐10時30分◇
休憩 Coffee break

◇10時30分‐12時30分◇
タイトル:電子文書アーカイビングを経営幹部の意思決定過程に組み込む
タイトル原文:Incorporation of electronic document archiving into senior management decision making process
発表者1:ジモン・ドノウジャン
発表者原文1:Simon Donouzjian
発表者2:ニック・ボイル
発表者2原文:Nick Boyle
発表者所属:ドイツ銀行
発表者所属原文:Deutsche Bank
http://venice-summer-school.eabh.info/programme/teaching-session-10/

◇12時30分‐13時30分◇
ランチ Lunch

◇13時30分‐14時30分◇
タイトル:貴行のアーカイブ部署の現状:電子アーカイブズの保管所(対話型セッション)
タイトル原文:The current situation of archive unit(s) at your bank: the storage of electronic archives (interactive session)
発表者:ゲラシモス・ノタラス
発表者原文:Gerassimos Notaras
発表者所属:ギリシャ国立銀行
発表者所属原文:National Bank of Greece
http://venice-summer-school.eabh.info/programme/teaching-session-11/

◇14時30分‐15時30分◇
タイトル:グローバル企業の記録管理:理論と実践の間のジレンマ
タイトル原文:Global corporate records management: the dilemma between theory and practice
発表者:アレクサンダー・ビエリ
発表者原文:Alexander Bieri
発表者所属:ロシュ・グループ
発表者所属原文:Roche Group
http://venice-summer-school.eabh.info/programme/teaching-session-12/

◇16時◇
国立マルチャーナ図書館見学
Visit to Biblioteca Marciana
http://marciana.venezia.sbn.it/

◇19時◇
蝶々夫人(オプショナル)
Madame Butterfly (optional)

■2013年6月27日(木) Thursday, 27 June 2013

◇9時‐11時◇
タイトル:アーカイブズ情報とインターフェイスの将来
タイトル原文:The future of archival information and interfaces
発表者:リサ・スパイロ
発表者原文:Lisa Spiro
発表者所属:独立研究者、アーカイブズ管理ソフトウェア開発者
発表者所属原文:Independent scholar and author of archival management software
http://venice-summer-school.eabh.info/programme/teaching-session-13/

◇11時‐11時30分◇
休憩 Coffee break

◇11時30分‐13時◇
タイトル:デジタル・キュレーション:デジタルなモノを時を超えて保持する
タイトル原文:Digital curation: keeping digital objects over time
発表者:ロス・ハーヴェイ
発表者原文:Ross Harvey
発表者所属:シモンズ・カレッジ図書館情報学大学院 (GSLIS)
発表者所属原文:Simmons College Graduate School of Library and Information Science (GSLIS)
http://venice-summer-school.eabh.info/programme/teaching-session-14/

◇13時‐14時◇
ランチ Lunch

◇14時‐14時30分◇
閉会基調講演 Closing keynote
マルコ・カラッシ Marco Carassi
イタリア・アーキビスト協会 ANAI

◇14時30分‐16時◇
評価 Evaluation
メラニー・アスペイ Melanie Aspey
ロスチャイルド・アーカイブズ The Rothschild Archive

◇17時◇
チニ財団とサン・ジョルジョ・マッジョーレ教会見学
Visit to Fondazione Cini and Basilica di San Giorgio Maggiore
http://www.cini.it/en/

[関連ページ]

EABHホームページ
http://www.bankinghistory.de/

EABH会員ページ(別フレーム利用)
http://www.eabh.info/members/members/

EABHの歴史ページ(別フレーム使用)
http://www.eabh.info/eabh/history-of-eabh/

EABHはや分かりPDF
http://www.eabh.info/fileadmin/pdf/eabh_brochure.pdf

「欧州銀行・金融史協会(EABH)アーキビストのためのサマースクール」
ホームページ
http://venice-summer-school.eabh.info/home/

〔EABH アーキビストのためのサマースクール ちらし:PDF〕
http://venice-summer-school.eabh.info/fileadmin/pdf/Venice_Summer_School_web_2013.pdf

サマースクール講師紹介
http://venice-summer-school.eabh.info/teachers/

当財団実業史研究情報センターだより
「EAJRS参加とヴェネチア国立文書館訪問」
http://www.shibusawa.or.jp/center/newsletter/695.html

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■文献情報:英国(イングランドとウェールズ)法律協会
  実務覚書「公文書館への記録・文書の寄託」(2010年12月15日)

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◎英国(イングランドとウェールズ)法律協会
  実務覚書「公文書館への記録・文書の寄託」
The Law Society, Depositing records and documents with public sector archives

http://www.lawsociety.org.uk/advice/practice-notes/depositing-records-files/

英国(イングランドとウェールズ)法律協会 The Law Society of England and Wales(以下では「英国法律協会」とします) はイングランドとウェールズの事務弁護士(solicitors:法廷での弁論以外の法律事務を取り扱う法律専門職)を代表し、所轄官庁や政府と交渉したり、ロビー活動を行うほか、トレーニングや助言提供活動を行う互助的専門家団体です。1825年6月2日に結成されました。

英国法律協会では会員のために、特定分野でのベストプラクティスに関する協会の見解として、「実務覚書」practice noteを発表しています。この実務覚書に従うことによって、会員は監督機関に対して自らの行動を説明することが容易になると同協会は考えています。

[実務覚書について]
http://www.lawsociety.org.uk/advice/practice-notes/

英国法律協会では2010年12月15日に、実務覚書「公文書館への記録・文書の寄託」を発表しています。目次とおおまかな内容をご紹介しましょう。

◆英国法律協会「公文書館への記録・文書の寄託」◆
Depositing records and documents with public sector archives

2010年12月15日 15 December 2010

http://www.lawsociety.org.uk/advice/practice-notes/depositing-records-files/

【目次】

◆ 1. はじめに Introduction

1.1 誰がこの実務覚書を読むべきか? Who should read this practice note?

事務弁護士(solicitors:法廷での弁論以外の法律事務を取り扱う法律専門職)、オフィスマネージャー、事案ファイルや事務弁護士のファイル・記録の保管に責任を負う担当者。古い記録、文書類の管理に関するあらかじめの知識や経験はないものとする。

1.2 何が問題なのか? What is the issue?

事務弁護士の事務所では大変古い文書を保管していることがしばしばある。それらは個人、家族、地域、企業、法律の発展といった点に関して価値ある情報を含むことがあり、さまざまな調査や研究にとってたいへん重要な情報源となっている。
 
英国法律協会は、そういった歴史的に意味ある法律文書が破棄されたり売却されがちである動向をどうにかして覆そうとしている。事務弁護士たちには、もはや利用されていない文書に関して、破棄・売却以外の選択肢を選ぶことが勧められている。この実務覚書は、古い顧客文書や事務弁護士たちの会社の初期の記録を、地元の公文書館に寄託するにあたってのアドバイスを提供するものである。

◆ 2. 文書館の役割 The role of record offices

(英国には)公文書館のネットワークがあり、それぞれの公文書館は自治体によって運営され、各行政地域ごとにひとつの施設を持っている。

公文書館は、寄贈・寄託された記録へのアクセスを可能にすることによって、地域における人、場所、企業その他の組織の歴史情報を保存・普及するのに重要な役割を果たす。寄託された記録は必要な場合、あるいは元の所有者やその子孫が記録の所有権を主張するならば、弁護士事務所に返還されうる。

公文書館は市民、専門のアーキビストや保存修復家にアクセスを提供し、国家規格に則った環境条件の下での記録の保存といったベストプラクティスに従っている。

記録は多くの場所、組織、人と関係する可能性がある。そのため寄託先にはいくつかの可能性があるだろう。アドバイスを得たいなら、地元の公文書館や英国記録協会に接触しなさい。

◆ 3. 保管するのにふさわしい文書 Documents suitable for retention

事務弁護士事務所には通常、調査研究を行う人々の関心を呼ぶ2種類の文書が存在する。

3.1 顧客文書 Client documents

顧客から預かった遺言書、証書、不動産関係書類や契約書などは事務弁護士事務所のものではなく、顧客の所有物である。これらの文書は売却したり破棄したりすることはできず、処分しなければならない場合はまずは顧客に返還することを試みるべきである。

もし顧客に連絡が取れない場合は、破棄したり長期保管したままにするのでなく、地元の公文書館に寄託することを検討すべきである。

公文書館では寄託者との間で閉鎖期間(非公開期間)に関して合意を得る。文書中に含まれる個人の生存が不明の場合は、生存期間を100年と前提とすべきである。公文書館によっては、当該人物を16歳とみなす。つまり、さらに85年間は非公開であることを意味する。しかし、公文書館によってはそれほど長期にわたる保管を可能にする施設的余裕がないかもしれないことに留意しなさい。

遺言・検認の原本は1858年までは(英国国教会)教区事務所に、1858年からは検認登記所に登録されている。遺言原本はこれらの登記所に所在するはずであり、複写物があるとしても公文書館ではそれは受け入れない。これらの文書に関しては、保管に関する助言を公文書館に求めるべきである。

3.2 あなたの会社の記録 Records about your firm

わが国(英国)の会社とその事業の英国に対する貢献の記録は、英国史の理解にとって決定的に重要である。以下のようなものがそのための重要な記録と考えられる(これらは代表的なもの)。

△コーポレート関係 Corporate:
-会社定款 Memorandum and articles of association
-パートナーシップ(共同出資・経営)関係規約 Partnership agreements
-取締役会議事録と附属資料 
  Board of directors' minute books and supporting documents
-アニュアル・レポート Annual reports
-法律事務所の合併・買収関係ファイル 
  Files regarding mergers and acquisitions of law firms
-役員、共同出資者・経営者の登録証 Register of directors or partners
-危険物登録証と(または)印鑑登録証 Risk and/or seal registers

△経営事務関係 Office administration:
-パートナーシップに関する文書・日記類 Partners' papers and diaries
-経営戦略企画関係文書 Strategic planning documentation
-業務企画会議関係文書 Business planning meeting documents
-プロジェクトに関するファイル Project files
-書簡綴りとファイル Letter books and files
-日誌 Day books (recording daily tasks)

△経理関係 Accounting
-年間予算 Annual budgets
-帳簿類(総勘定、顧客、支払い、他) 
  Ledgers (General, client, disbursement etc)
-顧客会計簿 Client account books
-証書(手形)綴り Bill books
-現金帳簿・仕訳帳 Cash books and journals
-証券に関する帳簿 Brokerage books

△顧客業務関係 Client administration (not client papers themselves)
-書簡綴り Letter books
-証書・遺言書登録証 Registers of deeds, wills etc
-文書スケジュール Schedules of documents

△従業員関係 Staff
-名簿 Registers
-出勤簿(サンプルを選ぶのが適切) 
  Attendance/time books (it may be appropriate to select a sample)

△事業所施設関係 Office premises
-証書、設計書、写真等 Deeds, architectural plans, photographs etc

△その他 Other
-会社刊行物、パンフレット、記念誌、記念行事関係 
  Printed company produced publications, brochures and anniversary papers or events
-会社行事に関する記事切り抜き、会社史 Scrapbooks on events or firm history
-写真 Photographs

3.3 荘園記録 Manorial records

あなたの会社もしくは顧客企業が荘園領主の管財人であった場合、荘園記録を保持しているかもしれない。これらの記録は法的に保護されているので、破棄したり売却したりできない。財産権法144A項を参照のこと。荘園記録を保持する場合は、専門的アーキビストに相談しなさい。また英国国立公文書館荘園文書レジスター(登録簿)に荘園記録に関する多くの情報と寄託先が掲載されている。
http://www.nationalarchives.gov.uk/mdr/

3.4 現用記録 Current records

通常業務に必要とされる現用・半現用記録はその必要性を失うまでは公文書館に移管するべきではない。現用・半現用記録は手元にとどめ置く期間を設定し、自社の記録管理システムのなかで保管、利用、アーカイブズへの移管、アーカイブズ的な価値がない場合の破棄を行わねばならない。

英国国立公文書館が作成している記録管理関係の参考となる手引き類へのリンク
http://www.nationalarchives.gov.uk/information-management/guidance/r.htm

3.5 あなたの文書を保存する Preserving your documents

現用・半現用記録の自社内における保存に関してはその保存環境に注意しないといけない。

英国図書館が作成した手引きへのリンク
http://www.bl.uk/blpac/publicationsleaf.html

◆ 4. あなたの文書を寄託する Depositing your documents

寄託にあたってまず最初にしなければいけないことは、最寄りの公文書館に連絡をとることである。最寄りの公文書館を探すには、国立公文書館のARCHONディレクトリを利用するのがよい。
http://www.nationalarchives.gov.uk/archon/

可能ならば寄託を考えている文書の簡単なリスト・目録を作成する。アーキビストが文書を点検し、寄託が決まったならば文書を移管する。寄託した文書が何であるのかを示す記録や、公文書館との間での取り決めなどはきちんと手元保管する。

もしその公文書館に寄託出来ない場合は、下に示す他の関係方面に相談する。

4.1 支援を行ってくれる他の組織
  Other organisations which can help
 
-英国記録協会(BRA)記録保存部会(PRS)
  British Records Association (BRA) - Records Preservation Section (RPS)
  http://www.britishrecordsassociation.org.uk/pages/RPS.htm

-英国国立公文書館ビジネス・アーカイブズ・アドバイスマネジャー
  National Archives Business Archives Advice Manager
  asd@nationalarchives.gsi.gov.uk or tel 020 8392 5270

◆ 5. その他の情報 More information

5.1 法律その他の要件 Legal and other requirements

-1998年データ保護法 33項 研究、歴史ならびに統計
  Data Protection Act 1998, s33 Research, history and statistics
  http://www.legislation.gov.uk/ukpga/1998/29/section/33

-1922年財産権法 144A項 荘園文書
  Law of Property Act 1922, s144A Manorial documents
  http://www.legislation.gov.uk/ukpga/Geo5/12-13/16/section/144A

-英国法律協会のファイル保管に関する実務覚書
  Law Society's practice note on file retention
  http://www.lawsociety.org.uk/advice/practice-notes/file-retention-trusts/

5.2 その他の成果物やサポート Further products and support

5.2.1 電話による実践的アドバイス Practice Advice Line
  http://www.legislation.gov.uk/ukpga/1998/29/section/33
  英国法律協会提供

5.2.2 役に立つウェブサイト Useful websites

-「英国国立公文書館ARCHONディレクトリ」
  ARCHON
  http://www.nationalarchives.gov.uk/archon/
  最寄りの地方文書館に関する詳しい連絡先情報などを提供

-「ビジネス・アーカイブズ・カウンシル:過去から利益を得る」
  Business Archives Council: profit from your past
  http://www.businessarchivescouncil.org.uk/profit_from_your_past/profitinto/
  アーカイブズの運営の仕方やベストプラクティスに関する情報を提供

-「マネージング・ビジネス・アーカイブズ:連携と協力」
  Managing Business Archives - Partnership and Collaboration
  http://www.managingbusinessarchives.co.uk/getting_started/partnerships_and_collaboration/
  近隣の文書館にアーカイブズ資料を寄託するにあたってのベストプラクティスとしての助言提供

-「セルドン協会」
  Selden Society
  http://www.selden-society.qmw.ac.uk/
  1887年に設立された英国法制史専門の学会・版元

5.2.3 英国法律協会出版物 Law Society publications

-『データ保護ハンドブック 第2版』 Data Protection Handbook, 2nd edition
  http://bookshop.lawsociety.org.uk/ecom_lawsoc/public/saleproduct.jsf?catalogueCode=9781853287732

-『プライバシー法ハンドブック』 Privacy Law Handbook
  http://bookshop.lawsociety.org.uk/ecom_lawsoc/public/saleproduct.jsf?catalogueCode=9781853288432

-『情報自由法ハンドブック 第2版』 Freedom of Information Handbook, 2nd edition
  http://bookshop.lawsociety.org.uk/ecom_lawsoc/public/saleproduct.jsf?catalogueCode=9781853286544

5.3 この実務覚書の位置づけ Status of this practice note

実務覚書は会員による利用と会員の利益のために英国法律協会が発行するもので、ある特定分野におけるグッドプラクティスに関する協会の見解を示すもの。唯一のグッドプラクティスを意味するものではない。必ずしも従う必要はないが、これに従っていれば自社の行動を監督機関に説明することがより容易になる。

実務覚書は法律上の助言でもなく、不適切な行為や不十分な専門的サービスに対する苦情を必ずしも擁護するものでもない。出来る限り正確、最新で有用であるよう配慮されてはいるが、英国法律協会はこれに関してなんらの法的責任を負わない。

5.4 この実務覚書での用語法 Terminology in this practice note
[編集部注:この部分は原文を参照する際にご参考にどうぞ]

-Must...事務弁護士の行動規範、規則の中で求められる特定の要件。特段の理由がないかぎり従わねばならない。

-Should...法律協会の見解として、たいていの場合はグッドプラクティスにあたる。従わない場合は、監督機関に対して従わない理由を弁明せねばならない。

-May...自分の責務を果たすための選択肢に関する非包括的リスト。どれを選択するのかは個々の実務、顧客、報酬のリスク因子による。なぜこの選択肢を選んだのかを監督機関に対して弁明できなければならない。

5.5 謝辞 Acknowledgements

 英国法律協会はセルドン協会、英国記録協会、そしてロンドン市ロンドン・メトロポリタン・アーカイブズの上級アーキビストであるリチャード・ウィルトシャー Richard Wiltshire に感謝する。

★☆★...編集部よりひと言...★☆★

イングランドとウェールズでは、国立公文書館やビジネス・アーカイブズ・カウンシルが中心になり、「ビジネス・アーカイブズのための全国的戦略」が2009年以降実施されてきました。今回ご紹介したのは、法律関係者との連携による記録保全の取り組みです。弁護士事務所では古書マーケットへの売却や文書破棄によって記録が失われつつある、という事態がその背景にあります。

記録とは、まずは作成した組織の情報資産・情報資源です。しかしさまざまな理由でこの資産・資源を処分する必要に迫られた時、日本では大学や大学図書館などがひとつの受け皿になっています。名古屋商工会議所が図書室を閉鎖した時、所蔵資料は愛知学泉大学に引き取られました。山一証券や横浜正金銀行の記録の場合は東京大学でした。

この実務覚書は、地域の人々への情報サービスの強化や地域おこしへの貢献を考える地方の公文書館や民間アーカイブズ機関が、民間記録である企業記録の保全に関わるための枠組み作りを考えるためのヒントとなるかもしれません。

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[略称一覧]
ACA: Association of Canadian Archivists(カナダ・アーキビスト協会)
ARA: Archives and Records Association(アーカイブズとレコード協会)
ARC: ARC magazine: archives - records management - conservation
(SoAが発行する月刊ニュースレター)
ASA: Australian Society of Archivists(オーストラリア・アーキビスト協会)
BAC: Business Archives Council(ビジネス・アーカイブズ・カウンシル)
BACS: Business Archives Council in Scotland
(スコットランド・ビジネス・アーカイブズ・カウンシル)
BAS: Business Archives Section
(ビジネス・アーカイブズ部会:SAA内の部会)
CITRA: International Conference of the Round Table on Archives
(アーカイブズに関する国際円卓会議:ICAの年次会議)
CoSA:Council of State Archivists(米国・州文書館長評議会)
DCC: Digital Curation Center(英国デジタル・キュレーション・センター)
EDRMS:Electronic Document and Record Management System
(電子文書記録管理システム)
ERM:Electronic Record Management(電子記録管理)
ICA: International Council on Archives(国際文書館評議会)
LSE: London School of Economics and Political Science
(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス)
MLA: Museums, Libraries and Archives Council
(英国 博物館、図書館、アーカイブズ評議会)
NAGARA: National Association of Government Archives and Records
Administrators
(米国・全国政府アーカイブズ記録管理者協会)
NARA: National Archives and Records Administration
(米国 国立公文書館記録管理庁)
RIKAR: Research Institute of Korean Archives and Records
(韓国国家記録研究院)
RMS:Record Management System(記録管理システム)
SAA: Society of American Archivists(米国アーキビスト協会)
SBL: Section for Business and Labour Archives
(企業労働アーカイブズ部会、ICA内の部会)
SoA: Society of Archivists(イギリス・アーキビスト協会)
TNA: The National Archives(英国国立公文書館)

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☆★ 編集部より:あとがき、次号予告 ★☆

さて、今年は徳川幕府最後の将軍徳川慶喜没後100周年にあたります。当財団が運営する渋沢史料館では、6月8日(土)から8月11日(日)まで「収蔵品展『徳川慶喜公伝』と渋沢栄一」を開催中です。
http://www.shibusawa.or.jp/museum/special/collect.html

渋沢栄一は25年の年月をかけて、かつて仕えた慶喜の伝記である『徳川慶喜公伝』全8巻の編纂に取り組みました。「収蔵品展『徳川慶喜公伝』と渋沢栄一」をご覧になっていただくと、栄一が伝えたかった思いに触れることができます。

「私が旧主徳川慶喜公の御伝記を編纂するやうになつたのも、一に謝恩の為めである。
  私は素より一橋家譜代の臣でも無ければ、又その禄を食んだと申しても、前後を通じて五年にすぎぬのだが、死ぬべき生命を慶喜公によつて助けられ、私の今日あるのは、一に一橋家士官時代に発したものと思ふので...」(『実験論語処世談』)

「世間に慶喜公を誤解して居る人々が多く、若しや誤つて後世に伝へらるゝやうなことになりでもすれば、誠に御気の毒でもあり、遺憾でもあり、後世を誤ることも多からうと存じ、私が進んで慶喜公の御伝記を編纂することにしたのである」(同上書)

つまり、栄一が『徳川慶喜公伝』編纂・公刊に取り組んだ理由は、慶喜から受けた恩に報い、世間の誤解を正すためでした。

さらに、『徳川慶喜公伝』自序のなかで、栄一は慶喜の記録の保存に関して次のように述べています。

「今の間に存在する史実を集めて、せめては記録にても遺して置かねば、遂に真相を失って後世に誤謬を伝へる事と存じます。つまり私の期待する所は、現世にあらずして百年の後にある...」

企業の記録、アーカイブズの保存と管理にもぴったりと当てはまる意見ではないでしょうか。多くの企業は事業を通じて社会に貢献し、利益を生み出し、それを基にさらに事業を継続することを目的としているはずです。厳しい競争を勝ち抜いて、百年後、二百年後も継続していくことは多くの企業が目標とするところであると思います。

グローバル化が本格化した80年代後半からすでに四半世紀が過ぎました。この間飛躍的に海外での事業を拡大した企業活動の記録も、「今の間に存在する史実を集めて、せめては記録にても遺して置かねば、遂に真相を失って後世に誤謬を伝へる事」が予想されます。

事実に依拠した企業アイデンティティの確立の観点からも、証拠としての記録の保全による説明責任への対処という観点からも、「遂に真相を失って後世に誤謬を伝へる」ことが望ましくないのは明らかです。自らの経営が百年後に評価されるためには、評価を行うための記録が必要なのです。

「年史編纂の予定はないので社内資料の担当を置く必要はない」「古い記録は今現在の事業とは関わりがない」といった見方に今こそ別れを告げましょう。

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次号はICASBLシンポジウム「信頼、危機、会社史」特集です。7月2日発行予定です。どうぞお楽しみに。

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◆◇◆〈渋沢栄一記念財団からのお知らせ〉◆◇◆

■『渋沢栄一を知る事典』(東京堂出版、2012)

2012年10月19日に公益財団法人渋沢栄一記念財団編『渋沢栄一を知る事典』が刊行されました。本書は渋沢栄一の事績を網羅的に解説した初めての事典となります。第1部では栄一の生涯と活動を100の項目に分けてわかりやすく紹介し、第2部では栄一をより深く理解するための資料と情報をまとめました。

なお、実業史研究情報センターでは、項目の執筆のほか第2部「資料からみた渋沢栄一」の編集を担当いたしました。ご高覧いただければ幸いです。
http://d.hatena.ne.jp/tobira/20121102/1351818423

□「企業史料ディレクトリ」:企業アーカイブズと企業史料の所在・概要ガイド

2008年7月22日公開いたしました。日本を代表する企業を中心とした企業アーカイブズと史料保存・学術研究機関合わせて30企業・団体・機関の概要、所蔵資料に関する情報を掲載しております。ぜひご覧ください。
http://www.shibusawa.or.jp/center/dir/index.html

□実業史研究情報センター・ブログ「情報の扉の、そのまた向こう」

渋沢栄一、社史を始めとする実業史、アーカイブズや図書館に関連する情報をご紹介しています。文化資源に関わる東日本大震災と復興についての情報は「震災関連」カテゴリーに集約しています。
http://d.hatena.ne.jp/tobira/

「アーカイブズニュース」では公文書管理法に関する動向やアーカイブズのデジタル化、資料の発見・公開に関わるニュースを随時ご紹介しております。ブログ画面右側の「カテゴリー」にある「アーカイブズニュース」をクリックしてください。「アーカイブズニュース」として掲載した記事をまとめて一覧することができます。

・主なカテゴリーの紹介
http://d.hatena.ne.jp/tobira/20080203

□「社史に見る災害と復興」

2011年3月の東日本大震災に際し実業史研究情報センターでは、センター・ブログに「社史に見る災害と復興」というカテゴリーを新設しました。そこでは現在構築中の「社史索引データベースプロジェクト」の蓄積データを検索し、「災害と復興」に関する記事を含む社史について紹介しています。
http://goo.gl/WUE3b

災害の中で特に関東大震災についての社史記述をまとめたものが2012年12月にピッツバーグ大学図書館発行の電子ジャーナル「社史」に掲載されましたのでご紹介します。

The Great Kanto Earthquake as Seen in Shashi / Yuriko Kadokura
(社史に見る関東大震災 / 門倉百合子)
〔Shashi: the Journal of Japanese Business and Company History〕
http://shashi.pitt.edu/ojs/index.php/shashi/article/view/7

実業史研究情報センター・ブログ「情報の扉の、そのまた向こう」はほぼ毎日更新しております。どうぞご利用ください。

□「渋沢栄一関連会社社名変遷図」

渋沢栄一がどのような会社に関わったか、それが今にどうつながっているのか、一目でわかるように業種別にまとめて変遷図にしました。現在122図掲載中です。社名索引もありますので、どうぞご覧ください。またセンター・ブログのカテゴリー「社名変遷図紹介」も併せてご覧ください。なお上記『渋沢栄一を知る事典』第2部には、この社名変遷図のうち100図を掲載してあります。
http://www.shibusawa.or.jp/eiichi/companyname/index.html

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★渋沢栄一記念財団は2010年9月1日に「公益財団法人」になりました★

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ビジネス・アーカイブズ通信(BA通信) No.45
2013年6月29日発行 (不定期発行)
【創刊日】2008年2月15日
【発行者】公益財団法人渋沢栄一記念財団実業史研究情報センター
【編集者】公益財団法人渋沢栄一記念財団実業史研究情報センター
      「ビジネス・アーカイブズ通信」編集部
【発行地】日本/東京都/北区
【ISSN】1884-2666
【E-Mail】
【サイト】http://www.shibusawa.or.jp/center/ba/index.html

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