ビジネス・アーカイブズ通信(BA通信)

第38号(2012年6月21日発行)

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☆      □■□ ビジネス・アーカイブズ通信 □■□

☆       No.38 (2012年6月21日発行)

☆ 発行:公益財団法人 渋沢栄一記念財団 実業史研究情報センター

☆                        〔ISSN:1884-2666〕
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この通信では海外(主として英語圏)のビジネス・アーカイブズ(BA)に関する情報をお届けします。

海外BAに関わる国内関連情報も適宜掲載しております。

今号はインタビュー、行事情報、資料情報各1件です。

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◆ 目次 ◆

[掲載事項の凡例とご注意]

■インタビュー:米国クラフト・フーズ社アーキビストに聞く
       2012年4月 コペンハーゲン、デンマーク
  ◎ビジネス・アーカイブズとアーキビストについて

■行事情報:米国アーキビスト協会(SAA)セッション203紹介
       2011年8月25日 シカゴ、米国
  ◎テーマ「ARMAが記録管理を超えて私たちに教えてくれること:自信、コミュニケーション、インリーチ(組織内部での理解獲得)、そして楽観主義」

■資料情報:英国国立公文書館ビジネス・アーカイブズ関連ポッドキャスト

☆★ 編集部より:次号予告 ★☆

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[掲載事項の凡例]

・欧文の場合、日本語で読みやすいものになるように、タイトルははじめに日本語訳を、続いて原文を記します。
・人名や固有名詞の発音が不明の場合も日本語表記を添えました。便宜的なものですので、検索等を行う場合はかならず原文を用いてください。

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[ご注意]
・受信時にリンク先を示すURLが途中で改行されてしまう場合があります。通常のURLクリックで表示されない場合にはお手数ですがコピー&ペーストで一行にしたものをブラウザのアドレス・バーに挿入し、リンク先をご覧ください。

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■インタビュー:米国クラフト・フーズ社アーキビストに聞く
       2012年4月 コペンハーゲン、デンマーク

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◎テーマ「ビジネス・アーカイブズとアーキビストについて」

国際アーカイブズ評議会(ICA)企業労働アーカイブズ部会(SBL)主催のセミナーが4月16〜17日にデンマーク・コペンハーゲンのA.P.マースク社本社で開催されました。このセミナー期間中、これまで本通信編集部に寄せられた質問のうちいくつかを、クラフト・フーズ社アーキビストのベッキー・ハグランド・タウジー氏にうかがってみました。

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◆編集部
北米ではアーキビストとレコードマネジャーの仕事はしばしば画然と区別されます。この二つの業務は実際のところどのように関係しているのですか?

◇タウジー氏
記録管理(レコードマネジメント)はある組織、あるいはある企業によって作成された記録の全領域(entire "universe")を扱います。米国独特のことなのですが、「アーカイブズ」(archives)とは、ヨーロッパやその他の地域で「歴史アーカイブズ」(historical archives)と呼ばれるものを意味し、それは長期的な価値を持ち永久に保存されるものです。クラフト・フーズ社やその他の多くの米国企業ではアーキビストは記録管理(レコードマネジメント)担当の同僚であるレコードマネジャーと協力します。永続的な価値を持つ記録が、きちんとアーカイブズに移管されるよう分類やシリーズを特定するために、アーキビストは記録の保管期限に関するガイドライン(records retention guidelines)の作成に関わります。記録管理(レコードマネジメント)がきちんとしていることは重要 です。なぜならば、記録管理(レコードマネジメント)とは記録をアーカイブズに送るためのパイプラインであるからです。

◆編集部
企業では、アーカイブズ資料は広報、社内外のコミュニケーション、マーケティング、社員教育、周年記念行事、展示、製品開発、あるいはブランディングといった目的で利用されることが多いと思います。これはいわば文化的・伝統的な分野での利用と言えます。説明責任、コンプライアンス、あるいは法務といった、記録の証拠性に関わる利用例は、文化・伝統分野におけるほどは事例を聞くことがないという声もあります。この点に関して何か具体的な事例がありますか?

◇タウジー氏
昨年のことです。クラフト・フーズ社アーカイブズは、潜在的には非常に高くつく係争事項を回避するのに貢献しました。私たちのアーカイブズは、競争相手の特許を侵害していないというクラフト・フーズ社の立場を裏付ける記録を提供したのです。このことによって、特許侵害という競争相手側の主張はそれ以上は取り上げられることはありませんでした。米国ではアーカイブズの記録というものは企業の文化的・伝統的な事業面ばかりでなく、訴訟のためといった証拠目的としても用いられています。企業史料の活用という点では、国によってその傾向が違っています。わたしの知る限り、ドイツのアーキビストは歴史マーケティングへの活用に非常に積極的です。

◆編集部
タウジーさんは大学のアーカイブズ、地方公共団体のアーカイブズに勤務した後、企業アーキビストに転身されました。企業と大学・地方自治体アーカイブズではどのような違いを感じていますか?

◇タウジー氏
企業という環境はとても刺激的で変化が激しいところです。私たち企業アーキビストは他の人々が利用する記録を管理する(the custodian of records)だけではなく、それらの記録の主たる利用者でもあるのです。私たちは、アーキビスト以外の社員が行うには時間がかかったり彼ら一般の社員は専門的なトレーニングを受けていない調査研究業務を行います。会社がその歴史を活用するのを助け、名声を高めて私たちの象徴的な歴史ブランドによって、消費者との間の絆をより強固にすることは、職業上うれしいことです。私たちのアーカイブズの主たる焦点は社内的なものであり、私たち企業アーキビストは会社のニーズに応えるために存在しています。しかしながら、そのことによって、私たちは一般の人々にとって社会的文化的に重要である記録を保存することにも貢献しているのです。

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◇◇編集部によるまとめ◇◇

すでに年初に報道があった通り、クラフト・フーズ社は近々分社化と人員削減を予定しています。アーカイブズは管理部門にあたり、分社化の影響を受けると思われます。
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE80H01O20120118

近年ではモトローラ社(Motorola, Inc.)が2011年1月にモトローラ・ソリューションズ社(Motorola Solutions, Inc.)とモトローラ・モビリティ社(Motorola Mobility, Inc.)に分割された事例があります。モトローラ社アーキビスト(分社化以降はモトローラ・ソリューションズ社アーキビスト)であるスー・トップ(Sue Topp)氏からは昨年8月のSAA大会時に、分社化の際にアーカイブズ部門も二つに分かれたとうかがいました。アーカイブズ部門・機能が二つに分かれるにあたり、所蔵資料の管理もそれまでとは異なってくるというお話でしたが、その詳細は公表されておりません。詳しくお伝えすることができず残念です。

クラフト・フーズ社の分社化とそのアーカイブズへの影響も何年かかけて明らかになってくると思います。ICA等を通じた国際的なネットワークを通じて、引き続き動向を追っていく予定です。

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■行事情報:米国アーキビスト協会(SAA)記録管理関係セッション(203)紹介
       2011年8月25日 シカゴ、米国

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◎テーマ「ARMAが記録管理を超えて私たちに教えてくれること:自信、コミュニケーション、インリーチ(組織内部での理解獲得)、そして楽観主義」
What ARMA can teach us beyond records management: confidence, communication, inreach, and optimism

http://saa.archivists.org/4DCGI/events/eventdetail.html?Action=Events_Detail&Time=677748276&InvID_W=1814

アメリカでは、現用記録を対象とする記録管理の専門家レコードマネジャーと、非現用記録を対象とするアーカイブズの専門家アーキビストは、別々の専門職として発展を遂げ、近年においてもそれぞれ独立したアイデンティティを保持していると言えるでしょう。それぞれが集う同業者団体は、レコードマネジャーがARMA(アーマ)インターナショナル(1955年設立)、アーキビストがSAA(米国アーキビスト協会、1936年設立)です。

一方、記録とアーカイブズの世界では、電子記録の爆発的増大を背景に「レコード・コンティニューム」理論など、「現用」→「半現用」→「非現用」という記録の「ライフサイクル」的理解方法に対する見直しも盛んです。「レコード・コンティニューム」理論を主唱してきたのはオーストラリアの記録の専門家・研究者たちでした。「レコード・コンティニューム」理論、あるいは記録管理とアーカイブズ管理を統合した考え方である「レコードキーピング」のアメリカに対する影響も皆無とは言えないと思います。レコードマネジャーとアーキビスト、あるいはARMAとSAAの関係に関する言及が最近のSAAの文献や大会での発表にいくつか登場しています。

そのひとつはSAA機関誌『アメリカン・アーキビスト』誌74巻2号(2011年秋冬号)に掲載されたキャスリン・A・スキャンラン(Kathryn A. Scanlan)氏による「ARMA対SAA:専門職間の摩擦の歴史とその核心」(ARMA v. SAA: The History and Heart of Professional Friction)という論文です。(スキャンラン氏はノートルダム大学記録管理部のアーキビスト。)
http://archivists.metapress.com/content/b52104n3n14h8654/?p=e0448cd3289d4969b8914d8a411a71f2&pi=0

本通信編集部が昨年参加したSAAシカゴ大会での教育セッションのひとつは、レコードマネジャーとARMAから、アーキビストとSAAが学びうることに焦点を当てたものでした。両者は組織文化が異なっており、アーキビストとSAAに足りない部分は、レコードマネジャーとARMAから学ぶことができる、そのような内容です。これに関してご紹介します。

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◇2011年米国アーキビスト協会(SAA)記録管理関係セッション(203)

このセッションではインディアナ大学ブルーミントン校のキャロル・E・チョスキー(Carol E Choksy)博士と、米国農務省動植物調査局野生生物調査センターのレコードマネジャー/認定アーキビストのナンシー・フリーマン(Nancy Freeman)氏の二人が発表しました。フリーマン氏の発表のタイトルは、セッションのタイトルと同じく「ARMAが記録管理を超えて私たちに教えてくれること:自信、コミュニケーション、インリーチ(組織内部での理解獲得)、そして楽観主義」です。ここではフリーマン氏の発表の要旨をお伝えします。

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「ARMAが記録管理を超えて私たちに教えてくれること:自信、コミュニケーション、インリーチ(組織内部での理解獲得)、そして楽観主義」 要旨

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http://saa.archivists.org/4DCGI/events/eventdetail.html?Action=Events_Detail&Time=677748276&InvID_W=1814

日本語タイトル:ARMAが記録管理を超えて私たちに教えてくれること:自信、コミュニケーション、インリーチ(組織内部での理解獲得)、そして楽観主義
原題:What ARMA can teach us beyond records management: confidence, communication, inreach, and optimism

発表者:ナンシー・フリーマン
発表者原文:Nancy Freeman

発表者所属等:米国農務省動植物調査局野生生物調査センター レコードマネジャー・アーキビスト(認定アーキビスト)
発表者所属等原文:CA, Records Manager/Archivist, USDA National Wildlife Research Center

●フリーマン氏のバックグラウンド

同氏は野生生物調査センター(NWRC)のレコードマネジャー、アーキビストとして11年間勤務してきました。一人職場です。コロラド州立大学歴史学部の公共的な歴史(public history)を重点領域とする大学院のコースで、記録管理とアーカイブズを6年間教えてきました。SAA、ARMA、ロッキー山脈アーキビスト協会、そしてARMAの北部コロラド支部の会員です。コロラド州立大学から歴史学修士号(アーカイブズ専攻)を取得しています。

野生生物調査センターはフリーマン氏が勤務するコロラド州フォートコリンズに本部があり、全米に八つの野外ステーションがあります。NWRCは米国農務省動植物調査局の一部、つまり連邦政府機関のひとつです。全米での職員は全体で170名、そのうち120名は本部で働いています。野外ステーションの職員数は場所によって1名から20名の規模です。連邦政府機関の中では比較的小規模な組織です。

●「トップマネジメントからの支援」

「トップマネジメントからの支援」"Top management support"という言葉遣いは、アーカイブズに関する文章ではあまり見かけないのですが、記録管理とARMAの文献の中に頻出します。トップマネジメントからの支援は、記録管理プログラムの全てのプロジェクトあるいは(かつ)全ての面において、最初の一歩として奨励されています。理屈としては、この種の支援なしにはほとんど何も無し得ない、あるいは効果的でありえない、という考え方があります。

ARMAの文献は、トップマネジメントからの支援と、効果的なコミュニケーションに関連する考え方を重視する記事や特集を定期的に掲載しています。その優れたひとつの事例がARMAが発行するInformation Management Journal誌2010年3-4月号に掲載されたケン・ニール(Ken Neal)氏執筆の「進んで物事に取り組む:効果的なビジネス・コミュニケーション戦略を開発する」(Stepping up to the plate: developing an effective business communication strategy)です。ニールの意見では、全てのレコードマネジャー(フリーマン氏は自分ならアーキビストも含めるといいます)は営業の仕事をしています。販売するということは他の人に行動を起こさせるよう、説得力のあるやり方でコミュニケーションすることです。ニールにとっては、ビジネスにおけるすべての専門家は(フリーマン氏はここでもアーキビストを含めます)、ほとんどいつもこのことに関わっているのです。

トップマネジメントからの支援のためには、記録管理イニシアティブのための価値とビジネスの実例(business case)を、トップマネジメントやその他の人々に伝えることができなくてはいけません。(レコードマネジャーたちは「ビジネスの実例」という言葉を使います。なぜなら、レコードマネジャーたちは、よりビジネスに焦点を絞っているからです。)効果的なコミュニケーションは、営業と同じく、トップマネジメントからの支援に本来備わっているものです。Robek、Brown、Stephensによる共著で、独創性に富んだ文献『情報と記録管理 第4版』(Information and Records Management, Fourth Edition)は、今日ではほとんど絶版なのですが、第1章に営業戦略に関する1節を含んでいます。営業戦略の目的は、予算配分の権限を持つ人々に記録管理を売り込むことです。

トップマネジメントからの支援を受け取るかなめは、コミュニケーションを行い説得する能力であり、これをARMAとレコードマネジャーは陰に陽に奨励しています。その組織の戦略的目的と価値を知ることは、記録管理を売り込むにあたって必要不可欠です。どうしたらマネジメントの注目を引くか? 何が彼らのツボなのか? これらの考え方はアーカイブズとアーキビストにも適用できます。

フリーマン氏の職場では、あるマネジメント幹部のツボは「情報公開法」です。フリーマン氏はNWRCの情報公開法コーディネータ、すなわちある決まった期間内に請求された情報を集める役割を担っています。必要なものが必要とされるときに引き出せるように記録を組織化することは、リクエストに適切かつタイミング良く応えるために重要なことです。

もうひとつのマネジメントの課題、あるいはツボは、一般の人がNWRCについて持っているイメージです。NWRCでは動物管理調査を行います。管理方法のひとつは殺処分ですが、ほとんどの場合はそうではありません。過去においては、NWRCはいまより多くの殺処分作業を行っていました。これが逆に動物愛護団体との間で問題を引き起こすようになったのでした。1990年代、二つのNWRC野外ステーションがアニマルライツ組織と見られる団体によって火炎瓶を投げ込まれました。マネジメントは、人間と動物の間の対立に対してNWRCが行っている全ての有益な調査と援助について、一般の人々が確実に認識してほしいと思っています。例えば、オハイオ州サンダスキーの野外ステーションは主として空港における野生動植物の問題解決に注力しています。これは旅客機利用者である一般の人々にとっては大きな問題なのです。

最後に、NWRCは環境保護庁と食品医薬品局に致死薬ならびに非致死薬を登録していることから、マネジメント幹部はコンプライアンスへの関心が高いのです。NWRCが開発した製品は安全かつ効果的に利用されるよう、コンプライアンスは研究にとっては必須です。

なお、マネジメント幹部のそれほど役に立たない価値感を知っておくことも賢明なことです。例えば、NWRCでは、現在の所長は一度ならず「アーカイブズは単なるガラクタだ」と述べています。アーカイブズ記録に関する所長の考えを知ることは、所長とのコミュニケーションを構築するのに役立ちます。加えて、NWRCは研究施設ですから、研究は王様であり、時にもろ刃の刃ともなりえます。すべての資金は研究に結び付き、研究を支えるものでなければいけません。マイナス面とは、このことが研究者を頂点とする階級システムのようなものにしばしば帰結することです。この現実を知ることは、その価値感に対するコミュニケーションを調整するのに役立ちます。

同様に、マネジメント幹部のコミュニケーションのスタイルを知ることも必要不可欠です。前述の文献のなかでニールは、戦略的コミュニケーションに関して次のように語っています。─自分は何を求めているのか? 自分の話を聞く側はどのように反応するだろうか? 自分のメッセージは抵抗を受けるであろうか? 聞き手に対するメッセージを調整するために自分が知っていることは何か? マネジメント幹部を前にしてのプレゼンテーションや説明を準備するときには、これらの質問について具体的に考えることがベストです。そして「対象とする聞き手はアーカイブズや記録管理をどのようにみているのか?」という質問を問うてみるのです。

NWRCではマネジメント幹部は箇条書きが大好きです。そしてその態度は「奥さん、事実だけを(Just the facts, ma'am)」というものです。この直裁なアプローチは、NWRCが科学に基盤を置き、男性が支配する職場であり、たぶんコミュニケーションに関する性差に起因するとフリーマン氏は考えています。同氏は初めて資金を得たプロジェクト開始直後、箇条書きと統計による企画書を書いています。同氏が管理するもののなかには、センターにおける資金配分を統括する副所長が頻繁に利用する一群の記録がありました。副所長が請求した資料を即座に見つけられないことがあったのです。フリーマン氏は企画書をまとめあげ、資金を獲得し、大学院生を初めて雇い入れました。プロジェクトは予定通りの期間で完了し、すぐに必要な情報が見つかるように記録は組織化されました。その最初のプロジェクトはフリーマン氏の自信を育んだのみならず、のちに所長になった副所長に、「やります」と言ったことを実際に達成することができることを示しました。同氏はコミュニケーションを上手く行い、現在は整理された記録を管理しています。この記録は同氏の努力を示しています。

もう一つの例は、本部と八つの野外ステーションのための記録に関する包括的な防災計画を含むものです。フリーマン氏は記録に関する災害対策を計画したいと思ったのですが、そのためにはだれか手伝いの人材が必要なのも分かっていました。2004年と2007年に提案してみましたが、どちらも不首尾でした。2008年2月末に副所長がフリーマン氏の戸口に立って「わたしは記録に関するあなたの災害計画に1万ドル持っています。私はあなたの新しい企画書が必要ですし、あなたは年度末の9月30日までに資金を使わねばなりません。できますか?」と言ってきました。フリーマン氏は企画書改訂版を翌朝までには彼に届け、数日のうちに1万ドルを獲得したのでした。資金受け取りに、コミュニケーションのスキルが大きな役割を果たしていると同氏は考えています。

副所長はぶっきらぼうな性格のため、フリーマン氏の元で働く大学院生を怖がらせがちでしたし、自分もそう感じることがありました。しかし最初のプロジェクトを達成することによって、副所長に対するそのような感じ方も消えました。彼とのコミュニケーションの仕方と、組織の必要に対する企画書の作り方を学んだのでした。副所長のツボと、野生生物調査センターの価値感を学んだのです。ARMAがコミュニケーションを重視することによって、フリーマン氏はこの活動領域で本当に助けられたということです。

●SAAとアーキビストがARMAとレコードマネジャーから学ぶことができること

トップマネジメントからの支援を得るかなめは、効果的にプレゼンテーションを行う能力にあります。ARMAはこれらのスキルを文献と会議を通じて積極的に教えています。2000年に初めてARMAの会議に参加した時、フリーマン氏は、効果的なパワーポイントによるプレゼンテーションのセッションに出ました。加えて、ARMAは毎夏、地域支部のリーダーに選ばれた会員に対して三日間の日程で研修を開催しています。このトレーニングの間、トップマネジメントからの支援や効果的なコミュニケーションといった話題が扱われます。アーキビストとSAAは、レコードマネジャーに欠かすことができないのと同様アーキビストにとっても必須のこのようなスキルをARMAから学ぶことができます。

プレゼンテーションを構成するアイデアを広げることも有用です。SAAのようなマクロのレベル、つまりARMAの全国大会で発表したり、地域支部で話すということがあります。しかしながら、ミクロレベルでのプレゼンテーションを考えることも大切です。上司、職場のユニットレベルのスタッフとの会合、あるいはその上の上司、さらにその上の上司との会合といったものです。フリーマン氏は数年前のInformation Management Journal誌のMeeting the Executive Presentationという記事を覚えています。この記事の著者は少人数の小さな会議でも、準備して特徴ある話題を持ち寄り、上手にコミュニケーションすることの重要性を説いています。

フリーマン氏はSAAはもっといろいろなことができると信じています。例えばArchival Outlook誌やAmerican Archivist誌といった文献で、トップマネジメントからの支援といったコンセプトをもっと扱ってほしいと思います。たぶん間もなく年次大会やワークショップでコミュニケーションやプレゼンテーションのスキルを扱うセッションが開催されるでしょう。

個人レベルでの変化も可能です。プレゼンテーションスキルを磨くことと同じように、記録管理や一般的なビジネスに関する文献も有用かもしれません。ARMAに加入することもありえます。

ARMAとレコードマネジャーはトップマネジメントからの支援に関して、SAAとアーキビストに教えることが数多くあります。トップマネジメントからの支援は、予算を配分する権限を持つ人々にアーカイブズ関係プロジェクトを売り込むために不可欠なのです。効果的なコミュニケーションとプレゼンテーションスキルに関連する話題もまた、アーキビストが貴重な記録と組織情報を収集し、保存し、そして公開することを可能にする重要な要素なのです。

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[関連ページ]

米国アーキビスト協会(SAA)2011年度大会
http://www2.archivists.org/conference/2011/chicago

ARMAインターナショナル
http://www.arma.org/index.cfm

米国農務省動植物調査局野生生物調査センター
http://www.aphis.usda.gov/wildlife_damage/nwrc/

ノートルダム大学(米国インディアナ州)アーカイブズ 記録管理サイトマップページ
http://archives.nd.edu/records/rmsitemap.htm

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■資料情報:英国国立公文書館 ビジネス・アーカイブズ関連ポッドキャスト

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◎英国国立公文書館 ビジネス・アーカイブズ関連ポッドキャスト

http://media.nationalarchives.gov.uk/

英国国立公文書館ではポッドキャストという音声・動画のデータファイルをインターネット上で公開する一つの方法を利用して、所蔵資料や関連する歴史に関する解説をオーディオ・コンテンツとして作成し、インターネットを通じて利用者に提供しています。ここでは、ビジネス・アーカイブズ、企業史料に関連するコンテンツをご紹介します。

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◇「歴史を売る:フォートナム&メイソンにおける過去の役割」
Selling history: the role of the past at Fortnum and Mason

http://media.nationalarchives.gov.uk/index.php/selling-history-the-role-of-the-past-at-fortnum-and-mason/

著作者:アンドレア・タナー博士
Author: Dr Andrea Tanner

公開日:2012年5月4日
Published date: 4 May 2012

時間:35分15秒
Duration: 35:15

タグ:Britain, business, The National Archives,

一行解説:1707年創業のフォートナム&メイソン社は英国の老舗百貨店です。同百貨店の歴史はイギリス人の好みの変遷の歴史でもあります。喫茶、ピクニック、通信販売、エベレスト登頂...など変化の歴史、また変わらないものの歴史です。2012年の今日では、過去の物語は、持続可能性と成長を担保する戦いにおける重要なコミュニケーション・ツールであり、またマーケティング・ツールです。

著者について:アンドレア・タナー博士は英国紋章院(the College of Arms)で系譜学者として長らく活躍後、ロンドンにおける貧困と疾病に関する研究に取り組んでいます。キングストン大学を拠点とする入院に関わる歴史的記録プロジェクト(Historic Hospital Admission Records Project)を立ち上げています。歴史研究所の上級リサーチ・フェロー、グレート・オーモンド・ストリート病院アシスタント・アーキビスト、フォートナム&メイソン社における会社の記憶の保存に携わっています。英国国立公文書館友の会の初代事務局長でもあります。

◇ビジネス・アーカイブズ:新しい取り組みと展開
Business Archives: new initiatives and developments

http://media.nationalarchives.gov.uk/index.php/business-archives-new-initiatives-and-developments/

著作者:アレックス・リッチー
Author: Alex Ritchie

公開日:2012年3月30日
Published date: 30 March 2012

時間:26分8秒
Duration: 26:08

タグ:business archives, digital preservation, research, The National Archives

一行解説:このポッドキャストでは企業史料に関する背景とビジネス・アーカイブズ振興のためのナショナル・ストラテジーの最近の展開を幅広く紹介しています。マークス&スペンサー社やクラークス靴会社といった会社の記録の保管や公開を促進するような最近の取り組みを紹介しています。そのほかに、現在進行中の建築、建物、建設に関わる記録の調査の最近の状況も解説しています。

著者について:アレックス・リッチーは英国国立公文書館のビジネス・アーカイブズ・アドバイスマネジャーです。英国王立歴史資料委員会と国立公文書館において経営史とアーカイブズに長期にわたり携わってきました。The Shipbuilding Industry: a Guide to Historical Records (『造船業:歴史資料へのガイド』)の著者としてもっともよく知られており、Oxford Dictionary of National Biography (『国民的伝記に関するオックスフォード辞典』)の主要な執筆者のひとりです。

◇第二次世界大戦とロッシュ社の西方への拡大:英国におけるスイスのある製薬会社
The Second World War and Roche's expansion to the West: a Swiss pharmaceutical company in the United Kingdom

http://media.nationalarchives.gov.uk/index.php/the-second-world-war-and-roches-expansion-to-the-west-a-swiss-pharmaceutical-company-in-the-united-kingdom/

著作者:アレクサンダー・L・ビエリ
Author: Alexander L. Bieri

公開日:2011年5月9日
Published date: 9 May 2011

時間:不明
Duration: Not available

タグ:archive, business, commercial, cure, marketing, medicine, pharmaceuticals, Roche

一行解説:ロッシュ社は1896年創業。科学的に証明された医薬品の開発・生産に特化した最初期の事業会社の一つです。スイス・バーゼル市に小さな工場を建設直後、創業者のフリッツ・ホフマン・ラロッシュは勇敢に国際的に拡大を追求しました。英国における関連会社は1908年に設立されています。アメリカ・ニュージャージー州ナットリー(Nutley)におけるロッシュ社現地法人とともに、第一次大戦後英国支社の重要性は増大しました。1930年代に政治的緊張が高まるにつれ、英国支社はロッシュ社にとって最大の戦略的資産となりました。このような要因が、1938年に英国内ハートフォードシャーのウェルウィン・ガーデン・シティにおける最新鋭の工場の設置につながったのでした。この講演では、ロッシュ社歴史コレクション&アーカイブズに所蔵される英国関係の文書と写真を大量に紹介するものです。

◇会社の記録を見つける
Finding company records

http://media.nationalarchives.gov.uk/index.php/finding-company-records/

著作者:アレックス・リッチー
Author: Alex Ritchie

公開日:2009年4月9日
Published date: 9 April 2009

時間:28分25秒
Duration: 28:25

タグ:archives, archon, business, company, company records, National Register of Archives, NRA

一行解説:この講演では企業の記録の分布状況を説明したうえで、研究者が利用しうる検索手段、また企業に関する情報を見つけ出すのに利用しうるけれどもあまり知られていない資源を紹介します。

◇ナショナル・レジスター・オブ・アーカイブズ
The National Register of Archives

http://media.nationalarchives.gov.uk/index.php/the-national-register-of-archives/

著作者:アレックス・リッチー
Author: Alex Ritchie

公開日:2008年8月20日
Published date: 20 August 2008

時間:38分11秒
Duration: 38:11

タグ:digitalisation, finding aids, National Register of Archives, online

一行解説:英国国立公文書館が作成・提供するナショナル・レジスター・オブ・アーカイブズ(NRA)の紹介です。NRAはイギリス史に関連する手稿資料と歴史的記録の特質と所在に関する情報を含んでいます。講演ではNRAとその他の資源をもっとも有効に活用するための検索技術についても実演しています。

[関連ページ]

英国国立公文書館
http://www.nationalarchives.gov.uk/default.htm

フォートナム&メイソン社歴史ページ
http://www.fortnumandmason.com/c-358-our-history-fortnum-and-mason.aspx

英国紋章院
http://college-of-arms.gov.uk/

入院に関わる歴史的記録プロジェクト(Historic Hospital Admission Records Project)
http://www.hharp.org/

英国国立公文書館友の会
http://www.nationalarchives.gov.uk/get-involved/friends.htm

ロッシュ社歴史ページ
http://www.roche.com/about_roche/milestones.htm

英国国立公文書館アーカイブズ機関DB「ARCHONディレクトリ」
http://www.nationalarchives.gov.uk/archon/

英国国立公文書館「ナショナル・レジスター・オブ・アーカイブズ」
http://www.nationalarchives.gov.uk/nra

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[略称一覧]
ACA: Association of Canadian Archivists(カナダ・アーキビスト協会)
ARA: Archives and Records Association(アーカイブズとレコード協会)
ARC: ARC magazine: archives - records management - conservation
(SoAが発行する月刊ニュースレター)
ASA: Australian Society of Archivists(オーストラリア・アーキビスト協会)
BAC: Business Archives Council(ビジネス・アーカイブズ・カウンシル)
BACS: Business Archives Council in Scotland
(スコットランド・ビジネス・アーカイブズ・カウンシル)
BAS: Business Archives Section
(ビジネス・アーカイブズ部会:SAA内の部会)
CITRA: International Conference of the Round Table on Archives
(アーカイブズに関する国際円卓会議:ICAの年次会議)
CoSA:Council of State Archivists(米国・州文書館長評議会)
DCC: Digital Curation Center(英国デジタル・キュレーション・センター)
EDRMS:Electronic Document and Record Management System
(電子文書記録管理システム)
ERM:Electronic Record Management(電子記録管理)
ICA: International Council on Archives(国際文書館評議会)
LSE: London School of Economics and Political Science
(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス)
MLA: Museums, Libraries and Archives Council
(英国 博物館、図書館、アーカイブズ評議会)
NAGARA: National Association of Government Archives and Records
Administrators
(米国・全国政府アーカイブズ記録管理者協会)
NARA: National Archives and Records Administration
(米国 国立公文書館記録管理庁)
RIKAR: Research Institute of Korean Archives and Records
(韓国国家記録研究院)
RMS:Record Management System(記録管理システム)
SAA: Society of American Archivists(米国アーキビスト協会)
SBL: Section for Business and Labour Archives
(企業労働アーカイブズ部会、ICA内の部会)
SoA: Society of Archivists(イギリス・アーキビスト協会)
TNA: The National Archives(英国国立公文書館)

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☆★ 編集部より:あとがき、次号予告 ★☆

アーカイブズの実務と研究に関わる文献の発行が最近少しずつ増えてきたのはうれしいことです。2008年に開設された学習院大学大学院アーカイブズ学専攻の研究年報第1号(発行日2012年2月29日)を手にする機会がありました。興味深い記事が数多く収録されています。その中でもっとも興味を引かれたのが、齋藤柳子氏執筆の「韓国記録管理 人材育成の現場―『学習院大学東洋文化研究所 グローバル東アジア学40』派遣報告」です。隣国韓国でなぜ記録管理・アーカイブズ学の研究と実務家養成が盛んであるのか、これまでずっと不思議でした。この記事はこの問題の一部を解き明かしてくれています。同記事によると、記録管理・アーカイブズ管理の教育・研究に携わる大学学部と大学院が一体となって、実務訓練を兼ねた案件の受注交渉に取り組んでいるということです。一部引用します。

「プロジェクトの納期管理は厳しく、担当者である(記録管理学を学んだ:編者注)修了生のコスト意識を鍛えていく。大学の研究というよりは、まるで企業のようである。...大学が自ら受注した案件を修了生に担当させ、実務で鍛え、プロジェクト終了後は、そのまま当該組織へ人材を送り込む可能性をつくり出している。」

記録管理・アーカイブズ管理の意義を韓国では「記録管理(アーカイブズ管理を含む:編者注)を普及させることにより、対象となる人、場所、組織、国家、思想等の社会的価値観を高めることができる」というように積極的に把握している点も印象深い報告でした。

同年報は希望者には頒布可能とのことです。詳しくは次のURLをご覧ください。
http://www.gakushuin.ac.jp/univ/g-hum/arch/05news.html#p50

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次号は7月下旬発行予定です。どうぞお楽しみに。

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◆◇◆〈渋沢栄一記念財団からのお知らせ〉◆◇◆

□「企業史料ディレクトリ」:企業アーカイブズと企業史料の所在・概要ガイド

2008年7月22日公開いたしました。日本を代表する企業を中心とした企業アーカイブズと史料保存・学術研究機関合わせて30企業・団体・機関の概要、所蔵資料に関する情報を掲載しております。ぜひご覧ください。
http://www.shibusawa.or.jp/center/dir/index.html

□実業史研究情報センター・ブログ「情報の扉の、そのまた向こう」

渋沢栄一、社史を始めとする実業史、アーカイブズや図書館に関連する情報をご紹介しています。文化資源に関わる東日本大震災と復興についての情報は「震災関連」カテゴリーに集約しています。
http://d.hatena.ne.jp/tobira/

「アーカイブズニュース」では公文書管理法に関する動向やアーカイブズのデジタル化、資料の発見・公開に関わるニュースを随時ご紹介しております。ブログ画面右側の「カテゴリー」にある「アーカイブズニュース」をクリックしてください。「アーカイブズニュース」として掲載した記事をまとめて一覧することができます。

・主なカテゴリーの紹介
http://d.hatena.ne.jp/tobira/20080203

□「社史に見る災害と復興」

2011年3月の東日本大震災に際し実業史研究情報センターでは、センター・ブログに「社史に見る災害と復興」というカテゴリーを新設しました。そこでは現在構築中の「社史索引データベースプロジェクト」の蓄積データを検索し、「災害と復興」に関する記事を含む社史について紹介しています。
http://goo.gl/WUE3b

実業史研究情報センター・ブログ「情報の扉の、そのまた向こう」はほぼ毎日更新しております。どうぞご利用ください。

□「渋沢栄一関連会社社名変遷図」

渋沢栄一がどのような会社に関わったか、それが今にどうつながっているのか、一目でわかるように業種別にまとめて変遷図にしました。現在122図掲載中です。社名索引もありますので、どうぞご覧ください。またセンター・ブログのカテゴリー「社名変遷図紹介」も併せてご覧ください。
http://www.shibusawa.or.jp/eiichi/companyname/index.html

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★渋沢栄一記念財団は2010年9月1日に「公益財団法人」になりました★

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ビジネス・アーカイブズ通信(BA通信) No.38
2012年6月21日発行 (不定期発行)
【創刊日】2008年2月15日
【発行者】公益財団法人渋沢栄一記念財団実業史研究情報センター
【編集者】公益財団法人渋沢栄一記念財団実業史研究情報センター
      「ビジネス・アーカイブズ通信」編集部
【発行地】日本/東京都/北区
【ISSN】1884-2666
【E-Mail】
【サイト】http://www.shibusawa.or.jp/center/ba/index.html

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