ビジネス・アーカイブズ通信(BA通信)

第71号(2017年5月30日発行)

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☆      □■□ ビジネス・アーカイブズ通信 □■□

☆       No.71 (2017年5月30日発行)

☆    発行:公益財団法人 渋沢栄一記念財団 情報資源センター

☆                        〔ISSN:1884-2666〕
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この通信では海外(主として英語圏)のビジネス・アーカイブズ(BA)に関する情報をお届けします。

海外BAに関わる国内関連情報も適宜掲載しております。

今号は行事情報1件、企業団体情報1件、文献情報1件です。

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◆ 目次 ◆

[掲載事項の凡例とご注意]

■行事情報:ICA/SBA主催 ビジネス・アーカイブズ国際シンポジウム
◎テーマ:「ビジネス・アーカイブズの未来の役割」
     プレゼンテーション動画公開 その1
     2017年4月5~6日 エリック・エリクソン・ホール(スウェーデン・ストックホルム)

■企業団体情報:ストックホルム経営史センター

■文献情報:「ジャーナル・オブ・デジタル・メディア・マネジメント」第5巻第2号目次
「スタンフォード大学図書館とNIST(アメリカ国立標準技術研究所)によるマイコン史関係キャブリネティ・コレクションのレガシー・ソフトウェア媒体保存プロジェクト」他

☆★ 編集部より:次号予告 ★☆

◎渋沢史料館企画展「渋沢栄一渡仏150年:渋沢栄一、パリ万国博覧会へ行く(第1期)」お知らせ他

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[掲載事項の凡例]

・欧文の場合、日本語で読みやすいものになるように、タイトルははじめに日本語訳を、続いて原文を記します。
・人名や固有名詞の発音が不明の場合も日本語表記を添えました。便宜的なものですので、検索等を行う場合はかならず原文を用いてください。
・普通名詞として資料室や文書室、物理的な記録資料を表現する際は「アーカイブズ」を用います。固有名詞の場合はこの限りではありません。また物理的およびデジタル記録資料の蓄積や組織化に関しては「アーカイブ」「アーカイブ化」「アーカイビング」などの表現を用いることもあります。

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[ご注意]
・受信時にリンク先を示すURLが途中で改行されてしまう場合があります。通常のURLクリックで表示されない場合にはお手数ですがコピー&ペーストで一行にしたものをブラウザのアドレス・バーに挿入し、リンク先をご覧ください。


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■行事情報:ICA/SBA主催 ビジネス・アーカイブズ国際シンポジウム
      プレゼンテーション動画公開 その1
      2017年4月5~6日
      エリック・エリクソン・ホール(スウェーデン・ストックホルム)

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◎「ビジネス・アーカイブズの未来の役割」プレゼンテーション その1
"The Future Role of Business Archives" Presentations #1
http://naringslivshistoria.se/en/cfn-news/future-role-business-archives/

本通信第68号(2017年2月8日発行)でご紹介した今年度最初のICASBA国際シンポジウム「ビジネス・アーカイブズ未来の役割」(2017年4月5~6日、スウェーデン・ストックホルム)が終了しました。
https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bn/20170208.html

今回の会議のホスト機関であるストックホルム経営史センターのウェブサイトで両日のプレゼンテーション他すべてのコンテンツの動画が先日公開されました。
http://naringslivshistoria.se/en/cfn-news/future-role-business-archives/

本通信では今号から数回に分けて同シンポジウム関連動画コンテンツをご紹介していきたいと思います。

■「ビジネス・アーカイブズの価値をビジネス・アーカイブズに伝える:渋沢BAビジネス・アーカイブズ・プロジェクトと日本の企業アーカイブズ」
松崎裕子(公益財団法人渋沢栄一記念財団ビジネス・アーカイブズ・スペシャリスト)
Communicating the Value of Business Archives to Business Archives: The Shibusawa BA Project and Corporate Archives in Japan
Yuko Matsuzaki, Business Archives Specialist, Shibusawa Eiichi Memorial Foundation

まずは「ビジネス・アーカイブズの価値をわたしたちのステークホルダーに伝える」というセッションにおける、当財団ビジネス・アーカイブズ関連事業専任アーキビストによる講演とパネルディスカッションの動画です。

◎講演
ICA SBA 17: Yuko Matsuzaki, Shibusawa Eiichi Memorial Foundation
〔Centrum för Näringslivshistoria - 2017年5月4日〕
http://naringslivshistoria.se/en/cfn-news/ica-sba-17-yuko-matsuzaki-shibusawa-eiichi-memorial-foundation/
ICA SBA 17: Yuko Matsuzaki, Shibusawa Eiichi Memorial Foundation - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=3eu2pXNlT04

講演の原稿とスライド画像を財団ウェブサイト「世界/日本のビジネス・アーカイブズ」のページで公開しています。
https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bunken/doc012_icasba_stockholm.html

●原稿(PDF)
https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bunken/pdf/doc012_icasba_stockholm.pdf

●パワーポイントスライド(PDF)
https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bunken/pdf/doc012_icasba_stockholm02.pdf


◎パネルディスカッション
ICA SBA 17: "Communicating the value of business archives to our stakeholders"
〔Centrum för Näringslivshistoria - 2017年5月15日〕
http://naringslivshistoria.se/en/cfn-news/ica-sba-17-communicating-the-value-of-business-archives/
ICA SBA 17: Yuko Matsuzaki, Shibusawa Eiichi Memorial Foundation - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=LzF1uLJCoB0

講演に続いて行われたパネルトークでは、1)創業して日が浅い会社の経営者に企業アーカイブズの価値を伝えるとしたら、どうするか、2)企業アーカイブズにおけるデジタルな記録情報の管理や保存の現況・課題は何か、という2つのトピックが取り上げられました。

1)に関しては、日本には創業100年を超え長寿といえる企業が多く、社史編纂も盛んである。そういった現場の方々のお話を聞いてみると、さまざまなハードルを越えて事業を継続してきた中には失敗やうまくいかなかった事業やプロジェクトも少なくない。そういう経験を記録として残し、教訓をくみ取って現在と未来の経営に活かすことが大事という声を聞く。その点を強調したい。

2)に関しては、デジタル媒体とそこに保存されている電子的な情報の継続的な保存に関しては、これで大丈夫、という正解がわからないという不安があったり、マイグレーションを繰り返さねばならないなど手間がかかり、不安定であるといった受け止め方が一般的。保存に関して手探りな状況である。

以上のような趣旨のお話をしました。

他のストックホルムにおけるICASBAシンポジウムの動画コンテンツに関しては、上で述べたように、次号より3回程度にわけて紹介を続けたいと思います。


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■企業団体情報:ストックホルム経営史センター

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◎ストックホルム経営史センター
Centrum för Näringslivshistoria
(Centre for Business History in Stockholm)
http://naringslivshistoria.se/en/

今年度第1回目のICASBA国際シンポジウムのホストとなったのはストックホルム経営史センターです。これまでもICASBAではシンポジウム終了後、会合で発表されたプレゼンテーション(ペーパーまたはスライド、あるいはその両者)を書籍として刊行したり、ウェブサイトで公開してきました。今回はプレゼンテーションすべてを動画公開するというこれまでにない取り組みとなりました。ホストであるストックホルム経営史センターのイニシアティブのたまものです。そこで今号では、ウェブサイトに掲載されている情報と、CEOであるアレクサンダー・ヒュースビー Alexander Husebye とコミュニケーション担当部長(VP)アンダース・ヘアマン Anders Sjöman のふたりから直接うかがったお話を基に、ストックホルム経営史センターについてご紹介します。

■ストックホルム経営史センターとは■
http://naringslivshistoria.se/en/about-us/
企業アーカイブズの整理・保存管理・活用の実務とコンサルティング、研究業務を行う非営利団体です。スウェーデン企業を中心に、7,000社以上の企業のアーカイブズを管理しています。管理するアーカイブズの分量は書架延長70,000メートル以上です。同センターを利用する企業・団体を会員とし、アーカイブズ管理その他に対して支払われるサービス料によって運営されています。特定の大学や組織との結びつきを持たない、独立した機関です。非営利団体であるストックホルム経営史センター(Centrum för Näringslivshistoria)が全株式を所有する会社組織Centrum för Näringslivshistoria ABの事業としてアーカイブズ管理をはじめとするサービスを会員企業に提供しています。研究プロジェクトに対しては外部の基金や研究助成金を得て行っています。

■沿革■
http://naringslivshistoria.se/en/about-us/our-own-history/
ストックホルム市文書館とストックホルム商工会議所が、事業から撤退した企業のモノ資料や文書資料の散逸を防ぐため、1974年に設立したStockholms Företagsminnen(「ストックホルム企業の思い出」といった意味)が現在のストックホルム経営史センターの前身にあたります。設立当初は小さな組織で、資料はストックホルム市文書館に置き、ストックホルム商工会議所が運営を行うという体制でした。1979年にストックホルム市からの財政支援が急増した結果、独自施設で運営することが可能となりました。

その後数年間企業アーカイブズと文書管理サービス関連市場が成長するのに伴い、破産等すでに事業から撤退した企業のアーカイブズのみならず、事業を継続中の企業のアーカイブズの管理にも業務を拡大していきました。企業からすると自社の歴史を保存する必要もあり、Stockholms Företagsminnenに管理を委託するようになっていったということです。そこから生まれた利益を同機関の歴史的な活動に活用するために、サービス提供のための子会社Stockholms Företagsarkiv(「ストックホルム企業アーカイブズ」)を設立しました。

ところが1990年代に入ると政府自治体の財政が悪化し、1996年に最悪の状況を迎えます。当時96名いた職員のうち90%が政府からの補助金によって雇用されていたのですが、この部分の予算がすべてカットされ、非営利団体であるStockholms Företagsminnenは債務超過を宣告されるとともに補助金による雇用職員が全員解雇されました。子会社であるStockholms Företagsarkivのほうも1997年4月10日に破産を宣告されました。ただし幸いであったのは、親組織にあたるStockholms Företagsminnenが組織自体の解体を免れたことでした。

その後ごくわずかの職員が業務を再開し次第に事業を拡大することとなりました。以前に比べ、企業史料の活用に力を入れて、企業とその従業員のみならず、研究者、学生、あるいは一般の市民に資料の提供を拡大していったということです。企業アーカイブズに関連したサービス提供事業の成長により、再び子会社を設立することとなり、2006年には団体名を現在のストックホルム経営史センター Centrum för Näringslivshistoria とし、今日に至っています。

■定款(これのみスウェーデン語、PDF)
http://naringslivshistoria.se/wp-content/uploads/2015/10/Stadgar-Foreningen-Centrum-for-Naringslivshistoria.pdf
現在の定款第2条では、企業、団体、個人の文書、画像、モノ資料を預かり、整理、保存、修復等を行い、企業ならびに関係者の利用に供すること、といった趣旨の目的が定められています。

■スタッフ
http://naringslivshistoria.se/en/about-us/meet-our-staff/
現在の職員は経営責任者であるアレクサンダー・ヒュースビー、コミュニケーション担当部長アンダース・ヘアマン、研究部長アンダース・ホルツ Anders Houltz 以下、専門的な資格を持つアーキビスト、編集者など20数名が常勤スタッフとして働いています。スウェーデンではアーカイブズ学専攻を持つ大学があり、ストックホルム経営史センターで働くアーキビストは全員この学位を持っているということです。なお、アーキビストの業務は資料の受け入れ、整理、保存、公開が主ですが、同センターが資料の活用・公開のためのコンセプトとして力を入れる「ストーリー・テリング」に関わる業務にもアーキビストの参加を勧めている、とアンダース・ヘアマンは語っています。

■顧客=会員
http://naringslivshistoria.se/en/clients/
ストックホルム経営史センターの会員であり、同センターが提供するサービスを利用する企業・団体のリストには、H&MやIKEA、SAAB、SASといったスウェーデンを代表する企業をはじめ、数多くの企業の名前が掲載されています。

■運営:理事会
http://naringslivshistoria.se/en/about-us/by-laws-and-board/
現在の同センター会長はCellwoodgruppen社社長であるMalin Alfredsson氏です。アレクサンダー・ヒュースビーとアンダース・ヘアマンによれば、会長以下理事会役員は、年に1回の会員総会で選出されます。候補選出にあたっては、過去および現在のステークホルダーの内訳を反映することが期待されていて、典型的には1名はストックホルム市から、1名は市商工会議所から(以上の2つの団体はもともとの設立メンバー)、大手会員から2~3名(会員の期待を知るため)、外部の学者1~2名(大学や学界との連携を保つため)、そして2~3名の経験豊かなビジネスマンということです。

■■アーカイブズに関するコンサルティングとアーカイブズ管理■■
http://naringslivshistoria.se/en/preserve-your-history/
企業規模の大小にかかわらずそれぞれの企業はユニークな歴史を持っています。ストックホルム経営史センターでは体系化された企業アーカイブズ構築を支援しています。資料へのアクセスが容易であるということは、利用も容易ということです。同センターでは、会員・顧客企業の組織内でアーカイブズを保管してもよいし、センターに保管・管理をアウトソース(委託)してもよいという、ふたつの選択肢を提供しています。いずれにせよ、アーカイブズの構築には専門職である同センターのアーキビストが携わります。そして整理されたアーカイブズは企業コミュニケーションにおいて、その会社独自の物語を語るツールとしての力を発揮します。アーカイブズ自体はつねに企業が所有の権利を留保しつつ、その管理は企業のために経営史センターが行う、そのような仕組みになっています。

◇所在調査と評価選別
http://naringslivshistoria.se/en/preserve-your-history/inventory-and-mapping/
アーカイブズ構築の最初のステップは資料の所在調査と、何を残し何を捨ててもよいのかの取捨選択を行う評価選別です。

◇移管
http://naringslivshistoria.se/en/preserve-your-history/archive-with-us/
所在調査と評価選別の済んだ資料はストックホルム市郊外のBrommaにある経営史センターに移され、空調設備の整った適切な環境で整理・保存・提供されます。

◇デジタル化
http://naringslivshistoria.se/en/preserve-your-history/save-digitally/
物理的な存在である現物資料の長期保存のためにも資料はデジタル化を行います。また長期保存に適したフォーマットへの変換、安全なサーバでの保管、映画フィルムのデジタル化、オンラインによる当該企業への限定アクセスの提供、オンデマンドでのファイルのエクスポートその他のサービスを提供しています。

◇文書管理に関するアドバイス提供
http://naringslivshistoria.se/en/preserve-your-history/preservation-policy/
どの記録資料を残すべきかに関するポリシーや規則の作成を手助けします。過去40年にわたる経験で明らかになったことは、現在の事業にかかわる記録資料の何を、どのようなフォーマットで保持し続けるのかをポリシーとして定め、これを実行に移すことが成功の秘訣です。

◇オーラル・ヒストリーのサポート
http://naringslivshistoria.se/en/preserve-your-history/in-depth-interviews/
歴史的に重要な情報はしばしば聞き取りの中で発見されます。経営史センターでは体系的なオーラル・ヒストリーの実行も推奨しています。相互に脈絡を見出すのが難しい記録資料の関係を、オーラル・ヒストリーによって解き明かすことも可能です。インタビュー内容はある一定期間(通常は10~20年)は非公開とすることもできるし、公開準備が整い次第公開することもできます。それを決定するのは会員顧客企業です。

◇ウェブ・アーカイビング・サービスの提供
http://naringslivshistoria.se/en/preserve-your-history/save-your-web/
経営史センターではウェブサイト(イントラネットとインターネット)のアーカイビング・サービスも提供しています。


■■アーカイブズの活用:歴史マーケティング■■
http://naringslivshistoria.se/en/present-your-history/
ストックホルム経営史センターが1990年代の危機から再生して以来、積極的に会員かつ顧客である企業団体に提案しているのがアーカイブズの活用・公開であり、そのための重要な考え方が「歴史マーケティング」です。歴史マーケティング(History Marketing)というコンセプトは、同名のタイトルの書籍をアレクサンダー・シューク氏がドイツで2003年に出版しています(詳しくは本通信第42号、2012年12月12日発行、をご覧ください)。
https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bn/20121212.html

アレクサンダー・ヒュースビーとアンダース・ヘアマンによると、この本の存在を知った時、それまで自分たちがアーカイブズの活用を積極的に進めてきたことが、同書でいう「歴史マーケティング」そのものではないか、と感じ、経営史センターでは同書のスウェーデン語版の翻訳出版にすぐにとりかかっています。

ストックホルム経営史センターでは、歴史マーケティングとして、アーカイブズを下のような媒体・方法で利用するための具体案を、それぞれの企業のユニークな歴史の中に探り、提案しています。

◇歴史ウェブページの作成
http://naringslivshistoria.se/en/present-your-history/your-historical-website/

◇動画での活用
http://naringslivshistoria.se/en/present-your-history/films-and-photos/

◇書籍や冊子での活用
http://naringslivshistoria.se/en/present-your-history/books-and-brochures/

◇ソーシャル・メディアでの活用
http://naringslivshistoria.se/en/present-your-history/social-media/

◇展示・イベントでの活用
http://naringslivshistoria.se/en/present-your-history/exhibitions-and-events/

◇会社系図作成
http://naringslivshistoria.se/en/present-your-history/corporate-family-tree/


■友の会
http://naringslivshistoria.se/en/about-us/vanforening/
このほかストックホルム経営史センター友の会もあります。年会費280クローナ(日本円約3,500円)を支払うとイベントやセミナーの案内、季刊の刊行物の送付、電子版ニューズレター配信、ショップでのディスカウントといった特典を得ることができます。


★☆★...編集部より...★☆★

北欧諸国における企業アーカイブズ関係機関として、「ビジネス・アーカイブズ通信」15号(2009年3月19日発行)でフィンランド・ミッケリ市に所在する「フィンランド企業記録のための中央アーカイブズ(ELKA)」をご紹介したことがあります。
Suomen Elinkeinoelämän Keskusarkisto (Central Archives for Finnish Business Records (Elka))
https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bn/20090319.html

同号の記事では次のように述べています。

「ELKAは企業史料保存のための全国的な非営利組織です。1981年フィンランド中央部に位置するMikkeli市で設立されました。各種団体によって構成される財団によって運営されています。それらはヘルシンキ・スクール・オブ・エコノミクス、商工会議所、フィンランド企業史料協議会、経済学教育財団、サービス産業経営者連盟、南サボ商工会議所、Mikkeli市などです。

現在の施設は3階建て3,900平米の広さで、ここに20,000メートルの書架と事務スペース、研究用スペースが用意されています。主たる事業は企業や個人から寄託された経済関係の資料を整理し、目録を作成して、研究その他の利用に提供することです。

2002年のアニュアル・レポートによると、所蔵資料の書架延長は16,357メートル、アーカイブズ標目数2,429件、年間受け入れ資料書架延長1,086メートル、移管件数74件、資料寄贈者53(重複除く)、整理完了資料書架延長422メートル、利用資料数1,510件、図書館データベース登録件数25,556件です。」

現在のELKAの英文ページによると、運営費用の約80%は教育文化省からフィンランド国立公文書館を通じて支給され、約10%がミッケリ市予算からの支出、残りの約10%がアーカイブズ・サービスを各種企業に提供する対価としての収入です。
http://www.elka.fi/index.php/en/info

ストックホルム経営史センターの設立が1974年なので、ELKAの設立にあたっても参考にされたのではないかと思われます。

このように非営利の専門機関に企業アーカイブズの整理・管理・保存・提供といった一連の業務を委託(アウトソース)して、サービス料を支払って専門家に実際の作業をお願いするというのは、かなり北欧諸国に独特の制度ではないかと思われます。似たような事例としてはドイツの地域企業文書館があげられるかもしれません。本通信第46号(2013年7月2日)ではヴェストファーレン企業文書館をご紹介しています。
Stiftung Westphalisches Wirtschaftsarchiv
https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bn/20130702.html
第46号(2013年7月2日発行)
「地域企業文書館です。ドイツの郡レベルの立法では、公的な責務をもって地方商工会議所の歴史を守ることを地域企業文書館に課している」

また、当センターが編集して2012年に刊行した『世界のビジネス・アーカイブズ』で紹介しているフランス・サンゴバン社のアーカイブズ(同書35~44ページ)も仕組みとしては似ていますが、サンゴバン社という企業が自社のグループ企業のアーカイブズ管理を請け負う、という点で非営利として取り組むストックホルム経営史センターとはだいぶ趣が異なっているといえるでしょう。
https://www.shibusawa.or.jp/museum/shop/periodical/05-015.html

日本のように企業内で専門家を雇用したり育てる文化が弱いところでは、このような形で専門家集団に管理と活用をアウトソースするという方法は一考に値するかもしれません。情報(ヘリテージ情報を含みます)の管理と活用はますます高度かつ複雑になりつつあります。外部の専門家の活用は、人的金銭的リソースが限られていて、専門家の雇用を最初からあきらめているような中小企業にとりわけ有用な仕組みのように思われます。


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■文献情報:「ジャーナル・オブ・デジタル・メディア・マネジメント」第5巻第2号目次
「スタンフォード大学図書館とNIST(アメリカ国立標準技術研究所)によるマイコン史関係キャブリネティ・コレクションのレガシー・ソフトウェア媒体保存プロジェクト」他

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◎「ジャーナル・オブ・デジタル・メディア・マネジメント」第5巻第2号目次
Journal of Digital Media Management, Volume 5 Number 2 (Winter 2016-2017)
https://www.henrystewartpublications.com/jdmm/v5

「ジャーナル・オブ・デジタル・メディア・マネジメント」(ISSN 2047-1300)第5巻2号各論文記事の書誌的情報をご紹介します。

■[第5巻(2017)第2号]

●タイトル:ITVアーカイブの資産とメタデータを管理する:コンテンツの権利主導の戦略
原題:Managing the assets and metadata in the ITV archive: a strategy led by content rights
著者名:ヘザー・パウエル
著者名原文:Heather Powell
著者所属等:ITVコンテンツ・マネジメント
著者所属等原文:Content Management, ITV
受理日:2016年6月10日

[見出し]
はじめに Introduction
ITVについて About ITV
課題設定 Setting out the challenges
新しい放送環境の登場 The emergence of a new broadcasting environment
好機を捉える The opportunities seized
解決法 Solutions
 戦略転換に開発データを利用する Using exploitation data to change strategy
  出発点:データの「真実」の単一の源泉を特定する
  The starting point: identifying a single source of data 'truth'
  開発/権利価値を設定する:どのようにそれが機能するのか
  Setting exploitation/rights values: how it works
  開発優先分野 Exploitation priority field
 業務構造を変える:権利主導戦略 Changing the operational structure: a rights-led strategy
  コンテンツ管理業務 Content Management operations
全体としての改善点:要約 Overall gains: a summary

[編者より]
ITVネットワークは1953年にBBCの競争相手として設立された英国内の地方放送局のグループである。民間会社として公的資金をうけることなく商業的な事業を行っている。2010年以来、収益構造を強化するために、コンテンツの製作事業、放送事業、配給事業をデジタル・プラットフォームならびにオンデマンド・サービスにも拡大しながら世界40か国で展開中である。アーカイブは100万件以上のアセットを持つ。このコレクションの潜在力を経営幹部に対して可視化するために、権利に関するデータを活用した。コンテンツを所有権、販売権、配給権の組み合わせで「ゴールド」「シルバー」「ブロンズ」そして「ヘリテージ」に分類し、この情報を基にメタデータ収集、デジタル化、セキュリティにかかわるすべての業務の流れを配置し、新たなコンテンツ・マネジメントの構造を強化した。

◆参考
http://www.ingentaconnect.com/content/hsp/jdmm/2016/00000005/00000002/art00002

◆著者に関するページ(PDF)
http://nimbusvault.net/publications/koala/ATPostConfMaterials/papers/175.pdf


●タイトル:ビッグ・ビデオ・ワークフローに移行する:メディア・アセット・マネジメントを用いて高パフォーマンスなビデオ・ワークフローをどのように立ち上げるか
原題:Transitioning to the Big Video Workflow: how to build high-performance video workflows using media asset management
著者名:ラフール・バーガーバ
著者名原文:Rahul Bhargava
著者所属等:エボルフィン・ソフトウェア、最高技術責任者
著者所属等原文:Chief Technology Officer, Evolphin Software
受理日:2016年6月28日

[見出し]
はじめに:ビッグ・ビデオを文脈に位置づける Introduction: putting Big Video into context
ビッグ・ビデオ・ワークフローを定義する Defining Big Video workflow
ビッグ・ビデオ利用事例 Big Video use cases
 出版社がオンライン・ビデオに参入する Publishing company moving to online videos
 セキュリティ機関の研修ビデオ Security agency's training videos
ビッグ・ビデオのチャレンジ Big Video challenges
 ビッグ・ビデオの長さは膨大でありうる Big Video footage can be massive
 ポスト・プロダクション・システム・アーキテクチャは溶解しうる
 Post-production system architecture can melt down
 たくさんのコンテナとコード化装置 Lots of containers and codecs
 高解像度とプロキシ・ワークフローの必要性 The need for high-resolution and proxy workflows
 サイロ:違うサーバには違ったアセット・タイプ Silos: different types on different servers
 ストレージ管理の需要 Storage management demands
ビッグ・ビデオの課題への技術的解決法 Technological solutions to the Big Video challenges
 高パフォーマンスなアセット・インジェスト(取り込み)への切り替え
 Switching to high-performance asset ingest
 処理能力とストレージ増大を抑制するための初期段階における重複排除
 Front-end de-duplication to arrest bandwidth and storage growth
 プロキシ・ベースの編集ワークフロー Proxy-based edit workflows
 統合された情報リポジトリ・モデル Unified information repository model
 柔軟なコード変換の枠組み Flexible transcoding framework
 メタデータ駆動型のビデオ・プロジェクトの名前空間 Metadata-driven video project namespace
おわりに Conclusion

[編者より]
大量のビデオが製作され消費されているなかで、それらを管理する困難も増している。この論文ではビッグ・ビデオ時代のワークフローの在り方を考察している。

◆参考
http://www.ingentaconnect.com/content/hsp/jdmm/2016/00000005/00000002/art00003


●タイトル:キャブリネティ-NIST(アメリカ国立標準技術研究所)プロジェクト:1975-1995年頃を対象としたマイコン史でのスティーブン・M・キャブリネティ・コレクションに含まれるレガシー(時代に合わなくなった古い)ソフトウェア媒体を保存する
原題:The Cabrinety-NIST Project: Preserving the legacy software media found in the Stephen M. Cabrinety Collection in the History of Microcomputing, c. 1975-1995
著者名1:シャーロット・C・タイ
著者名原文1:Charlotte C. Thai
著者所属等1:HBO (2012年から2016年までスタンフォード大学図書館キャブリネティ・プロジェクトのアーキビストとして働く)
著者所属等原文1:HBO(Worked as the Cabrinety Project Archivist at Stanford University Library from 2012 to 2016)
著者名2:ダグラス・ホワイト
著者名原文2:Douglas White
著者所属等2:アメリカ国立標準技術研究所全国ソフトウェア・レファレンス・ライブラリー
著者所属等原文2:National Software Reference Library project for the National Institute of Standards and Technology
受理日:2016年7月6日

[見出し]
はじめに Introduction
スティーブン・M・キャブリネティ Stephen M. Cabrinety
プロジェクト・パートナーシップ Project partnership
プロジェクト・ワークフロー Project workflow
 スタンフォード・フェーズ 1 Stanford phase 1
  ロジスティックス Logistics
  登録 Registration
 目録作成 Cataloguing
 NISTフェーズ 2(2012-2014)/スタンフォード・フェーズ 1(2014-2016)
 NIST phase 2(2012-2014)/Stanford phase 1 (2014-2016)
  写真 Photography
  フォレンジック・ディスクの画像化 Forensic disk imaging
  コンピュータ・カセット Computer cassettes
  ビデオゲーム・カートリッジ:SNES、セガ・ジェネシス、NESとゲームボーイ
  Videogame cartridges: SNES, Sega Genesis, NES and Game Boy
  ニンテンンドー・エンターテインメント・システム Nintendo Entertainment System
  ゲームボーイ Game Boy
  ボックス・アーカイブズ Box archives
 スタンフォード・フェーズ 3 Stanford phase 3
  受入登録 Accessioning
判明した課題と将来のプロジェクト・ワーク Known issues and future project work
 著作権 Copyright
 メタデータ修復 Metadata remediation
 エミュレーション Emulation
 コンピュータ・メディア統計 Computer media statistics
おわりに Conclusion
著者による注記 Author's note

[編者より]
http://www.ingentaconnect.com/content/hsp/jdmm/2016/00000005/00000002/art00004
書誌的情報に続く「★☆★...編集部より...★☆★」をご参照ください。


●タイトル:オーラル・ヒストリーを超えて:視聴覚コレクションへのアクセスを促進するためにオーラル・ヒストリー・メタデータ・シンクロナイザー(同期装置)を利用する
原題:Beyond oral history: using the Oral History Metadata Synchronizer to enhance access to audiovisual collections
著者名1:クレイグ・ブリーデン
著者名原文1:Craig Breaden
著者所属等1:デューク大学デイビッド・M・ルーベンスタイン貴重書・手稿資料図書館 視聴覚アーキビスト
著者所属等原文1:Audiovisual Archivist at the David M. Rubenstein Rare Book & Manuscript Library at Duke University
著者名2:キャリー・ホームズ
著者名原文2:Callie Holms
著者所属等2:ジョージア大学政治研究・政治学のためのラッセル図書館 オーラル・ヒストリーとメディア・アーキビスト
著者所属等原文2:Oral History and Media Archivist at the University of Georgia's Russel Library for Political Research and Studies
著者名3:アレックス・クロー
著者名原文3:Alex Kroh
著者所属等3:ジョージア大学ブラウン・メディア・アーカイブ&ピーボディ賞コレクション デジタル・アーキビスト
著者所属等原文3:Digital Archivist for the University of Georgia Brown Media Archive and Peabody Awards Collection
受理日:2016年4月22日

[見出し]
はじめに Introduction
OHMS(オーラル・ヒストリー・メタデータ・シンクロナイザー)の特徴 Features of OHMS
 技術設定 Technical setup
 書き起こし Transcript
 索引化 Indexing
 統制語彙 Controlled vocabulary
 メディア・ストリーミングの選択 Media streaming options
 XML出力 XML output
ラッセル図書館におけるOHMS OHMS at the Russel Library
ブラウン・メディア・アーカイブズにおけるホーム・ムービー・コレクションのセグメント・レベルでのコンテンツ記述(ディスクリプション)のためにOHMSを利用する Using OHMS for segment-level content description of home movie collections at the Brown Media Archives
ルーベンスタイン貴重書・手稿資料図書館におけるOHMSエディタ/インデクサの迂回 Bypassing the OHMS Editor/Indexer at the Rubenstein Rare Book and Manuscript Library
 方法その1:メールマージ(編者注:差し込み機能) Method 1: Mail merge
 方法その2:オープンリファイン(編者注:Googleで開発され現在はオープンソース化されているデータクレンジング・ツール)
 Method 2: Open refine

[編者より]
OHMSは最初はケンタッキー・デジタル図書館での利用のためにデザインされたものであるが、現在はオープンソースシステムである。これは書き起こしや索引とともにデジタルな音声やビデオを提供したり、ブラウジングやキーワード検索を通じてインタビュー中のある瞬間を特定することによって、オーラル・ヒストリーの録音へのアクセスの仕方を変えるようデザインされたものである。この論文ではOHMSの概要を紹介し、さらにジョージア大学でのOHMSのケーススタディとして、(1)ホーム・ムービー・コレクションへのアクセス向上、(2)コレクション・マネジメントとコンテンツ記述の違い、の2点について議論する。最後にデューク大学図書館での取り組みを紹介する。これは扱いがやっかいなOHMSアプリのワークフローを迂回する二つの方法(メールマージとオープンリファイン)に関するもので、OHMS XMLへの変換(クロスウォーク)可能な記述を作成した事例である。

◆参考
http://www.ingentaconnect.com/content/hsp/jdmm/2016/00000005/00000002/art00005

◆ジョージア大学図書館アンドリュー・エイブリー・ホーム・ムービー・コレクション
http://www.libs.uga.edu/media/collections/homemovies/avery.html

◆デューク大学図書館H・リー・ウォーターズ・コレクション
http://library.duke.edu/digitalcollections/hleewaters/


●タイトル:ひとこまずつ:エフェメラル・フィルム・プロジェクト
原題:Frame-by-frame: the Ephemeral Films Project
著者名:リンゼイ・ザーウェル
著者名原文:Lindsay Zarwell
著者所属等:米国ホロコースト・メモリアル・ミュージアム スティーブン・
スピルバーグ・フィルム&ビデオ・アーカイブ アーキビスト
著者所属等原文:Archivist, Steven Spielberg Film and Video Archive at the United States Holocaust Memorial Museum
受理日:2016年3月23日

[見出し]
はじめに Introduction
フィルム The films
ひとこまずつ Frame-by-frame
オープンソース Open source
デジタルな露出 Digital exposure
おわりに Conclusion


[編者より]
本稿は米国ホロコースト・メモリアル・ミュージアム、オーストリア・フィルム・ミュージアム、歴史と社会のためのルートヴィッヒ・ボルツマン研究所(Ludwig Boltzmann Instituts für Geschichte und Gesellschaft (LBIGG))による共同プロジェクト「エフェメラル・フィルム・プロジェクト:オーストリアにおける国家社会主義」 http://efilms.ushmm.org/ に関する論考である。同プロジェクトは、オーストリア・フィルム・ミュージアムが所蔵するナチス時代の歴史とオーストリアにおけるホロコーストに関連する約50の映画をデジタル化し、必要なアノテーション(解説)を加え、ウェブサイトで公開することを目的としたものである。プロジェクトは2011年に開始され、2015年に終了、成果は上記のウェブサイトにて公開されている。

フィルムはひとこまごとにスキャンして、高解像度(2K)のデジタル・コピーを作成した。研究チームが各フィルムに地理的、歴史的、学術的分析を加え、これらの分析結果はPBCoreメタデータ標準(PBCore metadata standard: Public Broadcasting Metadata Dictionary, 公共放送メタデータ・ディクショナリ)にしたがった詳細なデータベースに登録した。ウェブサイト開発にあたってはオープンソース技術を活用した。

◆参考
http://www.ingentaconnect.com/content/hsp/jdmm/2016/00000005/00000002/art00006

◆米国ホロコースト・メモリアル・ミュージアム フィルム&ビデオ・アーカイブのページ
https://www.ushmm.org/collections/the-museums-collections/about/film-and-video-archive

◆オーストリア・フィルム・ミュージアム
https://www.filmmuseum.at/en_1

◆歴史と社会のためのルートヴィッヒ・ボルツマン研究所
http://geschichte.lbg.ac.at/

◆PBCoreメタデータ標準
http://pbcore.org/

◆本稿著者が出演するYou Tube動画(2分10秒)
https://www.youtube.com/watch?v=zxYKhyH0xSw


●タイトル:デジタルと実物で企業アーカイブズを作り上げる:あるレストラン全国チェーンのケーススタディ
原題:Creating a digital and physical corporate archive: case study of a national restaurant chain
著者名:ミンディ・カーナー
著者名原文:Mindy Carner
著者所属等:オプティミティ・アドバイザーズ(ニューヨーク)
著者所属等原文:Optimity Advisors, New York
受理日:2016年6月13日

[見出し]
はじめに Introduction
業務上の要件を収集する Business requirements gathering
レコード(記録)の評価 Records assessment
ベンダ(業者)の選択 Vendor selection
技術的なシステムの実装 Technology system implementation
プロジェクトの結果 Project results
おわりに:教訓 Conclusion: lessons learned

[編者より]
著者はカリフォルニア大学サンタクルズ校で古典ギリシャ・ラテンとエジプト学を専攻したのち図書館情報学、とくにメタデータとタクソノミー(分類学)の情報システムへの適用を専門に学んだ。現代のアーカイブズ実務へこれらを応用した事例として、本稿では著者がコンサルタントとして実際にかかわったある企業アーカイブズの立ち上げに関して報告している。企業名は匿名化されている。本文によると半世紀以上の歴史を持つ、全米レストランチェーンとのことである。

著者によると初期段階から企業のステークホルダーを巻き込むことが肝要である。関係者へのインタビューによってアーカイブズが備えるべき要件を特定し、企業全体のエコシステムの基盤として機能するアーカイブズを構想したという。プロジェクトではデジタル・アセット・マネジメント(DAM)、ウェブサイトのコンテンツ・マネジメント・システム、画像リポジトリ、研修関係のデータベースを実装することになった。その中には、文書記録のリテンション・スケジュールを特定し、アーカイブズへ情報資産が流れ込む仕組みも組み込んだ。モノ資料がアーカイブズに流れ込み、メタデータの利用と更新促進支援のためのロードマップも作成した。

取り組みは大成功に終わったと評価されている。「教訓」の部分では次のような点が指摘されている。提案依頼書(RFP)プロセスに先立って要件に関する情報を収集することにより、必要なシステムが明確になり、不適当なベンダをRFPプロセスから除外することができる。このことはシステムの実装開始を早める。企業アーカイブズを成功裏に立ち上げるためには全社的に正式なレコード・マネジメント・プログラムを開発することが必要、などである。

◆参考
http://www.ingentaconnect.com/content/hsp/jdmm/2016/00000005/00000002/art00007


●タイトル:学術図書館のストリーミング・ビデオにおける課題
原題:Issues in academic library streaming video
著者名:デグ・ファレリー
著者名原文:Deg Farrelly
著者所属等:アリゾナ州立大学図書館 メディア・ライブラリアン
著者所属等原文:Media Librarian
受理日:2016年5月26日

[見出し]
はじめに Introduction
割増価格設定 Premium pricing
ライセンスを供与された現行価格 Ongoing costs of licensed content
「ビッグディール」のリスク Risk of the "Big Deal"
コレクションの均質化 Homogenization of collections
コンテンツの重複 Content overlap
小規模プロバイダからのコンテンツ Content from smaller providers
ディスカバリ Discovery
字幕付けと「障害を持つアメリカ人法」遵守 Captioning and compliance with American with Disabilities Act
ワークフロー Workflow
メディア・ライブラリアンの消滅 The vanishing media librarian
フィーチャー映画とテレビ Feature films and television
コンテンツの消失 Disappearing content
ボーンデジタルなコンテンツ Born-digital content
ローカル・ホスティング Local hosting
図書館の権利の喪失 Loss of library rights
ダークアーカイブの不存在 Absence of a dark archive
レガシー媒体の劣化 Deteriorating legacy formats
結びのことば Concluding remarks
著者による注記 Author's note

[編者より]
2005年2月にYou Tubeが登場した1か月後、フィルムス・メディア・グループがFilms on Demandという最初の大規模な学術図書館向けストリーミング・ビデオ・コレクションの提供を開始した。米国では2013年までには、カリキュラムをサポートする目的で大学図書館がビデオ・コンテンツを提供するのが一般的となった。研究機関の78%、研究図書館(ARL)の92%がストリーミング・ビデオの提供を行っている。本稿は課題解決というよりは学術図書館のストリーミング・ビデオ提供にかかわる問題点の指摘(上記の「見出し」に相当)を行っている。著者は40年以上のキャリアを持つメディア・ライブラリアン。

◆参考
http://www.ingentaconnect.com/content/hsp/jdmm/2016/00000005/00000002/art00008

◆著者他による2015年の調査「学術図書館ストリーミング・ビデオ再訪」関連文献
https://repository.asu.edu/items/39058

https://repository.asu.edu/attachments/171416/content/Survey%20of%20Academic%20Library%20Streaming%20Video%20Revisited.pdf (PDF)

https://repository.asu.edu/items/39010

https://www.eventscribe.com/2016/ala-annual/fsPopup.asp?Mode=presInfo&PresentationID=143266


●タイトル:ラテン文字以外でラベル付けされた映画コレクションを整理する:インド映画コレクション
原題:Processing film collections labelled in non-Latin alphabets: the Indian cinema collection
著者名:スペンサー・チャーチル
著者名原文:Spencer Churchill
著者所属等:ロチェスター大学修士2年
著者所属等原文:Second-year master's degree student at the University of Rochester
受理日:2016年2月22日

[見出し]
はじめに Introduction
開始する Getting started
ワークフローを確立する Establishing a workflow
新しい見方 A new way of seeing
タイトルを探す Searching for a title
アーカイブズの考古学:ケーススタディ「ザ・タッチ」(2000年) Archival archaeology: a case study of 'The Touch'(2000)
スペルチェックで起こる奇異と例外 Spellchecking oddities and exceptions
おわりに:教訓と将来に向けて Conclusion: lessons learned and looking towards the future

[編者より]
米国ニューヨーク州ロチェスターにあるジョージ・イーストマン・ミュージアムは米国最古・最大規模の動画アーカイブズのひとつである。約45万の写真資料、28,000の動画を所蔵している。カリフォルニア州レイクウッドのある映画館(すでに閉館)で保存されていたインドで製作された約800タイトルの35ミリ映画のコレクション(総重量57,355ポンド≒2.6トン、1,300箱を移管のために44のパレットに梱包)を同ミュージアムでは収集の上、公開のための整理作業を行っている。同コレクションは約42,000キロの旅をして2014年12月にはロチェスターに到着。コレクションにはフィルムのみならず、DTS音声ディスク、宣伝用のカセット・サウンドトラック、約6,000枚のポスター、関連紙資料も含まれる。旧蔵者(映画館主)作成の英訳タイトルのリストとの照合から着手し、ワークフローを確立、メタデータ項目を定めた。ちなみに以下のようなものである。「監督」「年」「箱のタイトル」「缶のタイトル」「リール/缶」「レンジ(範囲):全体のどの部分が存在するか」「ラボ(lab)」「コピーの数」「追記」「製作会社」「言語」「パレット番号」「字幕の有無」「DTSディスクの有無」。非ラテン文字によるラベルへの記載はこれをテキストとして解読するのではなく、デザインととらえて、画像としてデータベース化するなどの工夫も行っている。個々のフィルムのタイトル検索には、DTSディスク内の情報、政府の認証機関(Central Board of Film Certification of India)に提出したドキュメント、販促資料、そしてフィルムを実見して得られる情報(これは時間と手間がかかる)から英文タイトル名を同定する作業を行っている。本稿はメタデータ作成のみならず、大量のフィルム・コレクションを物理的にどのように扱うかに関しても紙数を割いている。

◆参考
http://www.ingentaconnect.com/content/hsp/jdmm/2016/00000005/00000002/art00009

◆ジョージ・イーストマン・ミュージアム
https://eastman.org/

★☆★...編集部より...★☆★

「キャブリネティ-NISTプロジェクト」は時代に合わなくなった古いソフトウェアの保存という点と、保存の対象が企業の過去の商品であるという点でとても興味深いものです。

スタンフォード大学図書館が所蔵するマイコン関係のコレクション、スティーブン・M・キャブリネティ・コレクションは、スティーブン・M・キャブリネティが1970年代、彼が10代のころに収集をはじめた個人コレクションです。キャブリネティは20代半ばにCHIPS(Computer Institute for the Preservation of Software: ソフトウェア保存のためのコンピュータ研究所)という非営利組織を立ち上げますが、1995年にホジキンリンパ腫のために他界します。交渉の結果、遺族はコレクションをスタンフォード大学に1998年に寄贈しました。コレクションの全体量は1,375リニアフィート、15,000点以上のソフトウェア・パッケージを含んでおり、ソフトウェアのメディア・フォーマットはコンピュータ・カセット、3.5インチ・フロッピー・ディスク、5.25インチ・フロッピー・ディスク、8インチ・フロッピー・ディスク、ビデオゲーム・カートリッジ(アタリ2600、ニンテンドー・エンターテインメント・システム、スーパー・ニンテンドー・エンターテインメント・システム、他)、CD-ROMなど多岐にわたります。

プロジェクトの当初の目標は、ソフトウェアの物理的なパッケージの高解像度によるスキャン画像を作成すること、すべてのソフトウェア媒体のフォレンジックな(科学捜査に利用できる法的証拠として、といった意味)ディスク画像を得ること、すべてのディスク画像のためにチェックサムを生成すること、そしてこれらのデータを全米ソフトウェア・レファレンス図書館(National Software Reference Library: NSRL) https://www.nsrl.nist.gov/ とスタンフォード・デジタル・リポジトリ(SDR)に長期保存のために送ることでした。2012年にスタンフォード大学がNISTから助成金を得ることができ、プロジェクトが実際に動き出しました。見出しにあるように、プロジェクトは3つのフェーズで進められました。プロジェクトの中心はフォレンジック・ディスク画像の取得で、これはソフトウェアに含まれるROM画像(ファイル)の取得によって実現することができます。

「おわりに」の部分によると、2016年5月31日に終了した本プロジェクトでは、コレクションに含まれるソフトウェア部分の約半分にあたる8,471点のソフトウェア・パッケージが処理されました。NISTが作成することができたフォレンジック・ディスクは4,153メディアです。作成ができなかった理由は技術的制約から画像を得ることができないフォーマットであった、またはオリジナルの状態が劣化しすぎていたからとされています。とはいえプロジェクトはスタンフォード大学からもNISTからも成功であったという評価を得ています。スタンフォード大学図書館とNISTは、このプロジェクトをデジタル保存インフラを広げる魅力的な試験的事例ととらえ、ここから得られた結果を次のような場で広く共有してきました。2014年のカリフォルニア・アーキビスト協会の年次会合や2015年の映像保存学界(AMIA)デジタル・アセット・シンポジウムでのプレゼンテーション、あるいはスタンフォード・キャプチャ・ラボ・アンカンファレンス2015やキュレート・ギア2016でのNISTによるコンピュータ・カセットとビデオゲーム・カートリッジのキャプチャの実演(デモ)です。

◆スタンフォード大学図書館カブリネティ-NISTプロジェクト・ページTOP
https://library.stanford.edu/projects/cabrinety-nist-project

◆「1975-1995年頃を対象としたマイコン史でのスティーブン・M・キャブリネティ・コレクション」
https://searchworks.stanford.edu/view/4084859

アーカイブズの原則によれば、商品開発を行ったメーカーの企業アーカイブズが自社製品(企画書、設計書、ソフトウェア・・・)を十全に保存することが重要です。しかし、米国でのこの取り組みを見ると、ソフトウェアは刊行物のようなもので、議会図書館が刊行された書籍を長期保存することと、NSRL(全米ソフトウェア・レファレンス図書館)が商用ソフトウェアを収集・長期保存することはパラレルな関係にあるように見えます。現実にはメーカー側のアーカイブズ活動(保存と利活用、将来の公開)が存在しないことが多く、本文でも言及されているのですが、メーカー自体が消滅してしまっていることも少なくありません。情報資源・知的資源としてのソフトウェア保存における収集アーカイブズ(大学図書館、そしてNSRL)が果たす役割の大きさを感じさせられました。


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[略称一覧]
ACA: Association of Canadian Archivists(カナダ・アーキビスト協会)
ARA: Archives and Records Association(アーカイブズとレコード協会)
ARC: ARC magazine: archives - records management - conservation
(SoAが発行する月刊ニュースレター)
ASA: Australian Society of Archivists(オーストラリア・アーキビスト協会)
BAC: Business Archives Council(ビジネス・アーカイブズ・カウンシル)
BACS: Business Archives Council in Scotland
(スコットランド・ビジネス・アーカイブズ・カウンシル)
BAS: Business Archives Section
(ビジネス・アーカイブズ部会:SAA内の部会)
CITRA: International Conference of the Round Table on Archives
(アーカイブズに関する国際円卓会議:ICAの年次会議)
CoSA:Council of State Archivists(米国・州文書館長評議会)
DCC: Digital Curation Center(英国デジタル・キュレーション・センター)
EDRMS:Electronic Document and Record Management System
(電子文書記録管理システム)
ERM:Electronic Record Management(電子記録管理)
ICA: International Council on Archives(国際文書館評議会)
LSE: London School of Economics and Political Science
(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス)
MLA: Museums, Libraries and Archives Council
(英国 博物館、図書館、アーカイブズ評議会)
NAGARA: National Association of Government Archives and Records
Administrators
(米国・全国政府アーカイブズ記録管理者協会)
NARA: National Archives and Records Administration
(米国 国立公文書館記録管理庁)
RIKAR: Research Institute of Korean Archives and Records
(韓国国家記録研究院)
RMS:Record Management System(記録管理システム)
SAA: Society of American Archivists(米国アーキビスト協会)
SBA: Section for Business Archives
(企業アーカイブズ部会、ICA内の部会)
SoA: Society of Archivists(イギリス・アーキビスト協会)
TNA: The National Archives(英国国立公文書館)

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☆★ 編集部より:あとがき、次号予告 ★☆

ICASBAでは今年度二つ目のビジネス・アーカイブズ国際会議を、インド・ムンバイのゴードレージ・アーカイブズで12月5~6日に開催します。ゴードレージ・アーカイブズによると、6月中には同会議専用サイトが開設されるということです。特設サイトにも掲載される予定の同会議のコンセプトは次のようなものです。

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■テーマ■
「記憶、アイデンティティ、企業アーカイブズ: ブランド・アイデンティティを構築し、未来を導くビジネス・アーカイブズの役割」
Memory, identity and corporate archives: role of business archives in constructing identity for the brand and leading the future

企業アイデンティティは、ブランドが示す視覚的アイデンティティよりもはるかに優れています。企業アイデンティティとは、企業進化のプロセス全体に残る遺産(レガシー)に表れています。この企業アイデンティティとは、企業の歴史、遺産、信じる哲学、 選んだ技術、そして最も重要なもの、つまり人間(起業家、労働者、エンジニア、デザイナー、マネージャー、サプライヤー、ディストリビューター、顧客、競合他社)が生み出した産物であり、こういった人々の長年にわたる相互の関わり合いが文化的価値観を形づくるのです。競争が激烈な環境では、企業アイデンティティは、ある企業が差別化を行う上でのキーポイントになり、市場において独自の地位を築くことを助けます。企業アイデンティティの管理が適切であるならば、それはビジネスを理解する上での重要な戦略的ツールとなり、ステークホルダー間における所属意識を喚起し、ビジネスが共有するビジョンへのコミットメント(献身)を確実なものとします。向かうべき方向性と目的を与えてくれますから、最終的にはあらゆるビジネスの成功と成長に寄与するのです。

Corporate identity is much more than the visual identity that the brand exhibits. The corporate identity of any business, is reflected in the legacy it leaves behind in the entire evolutionary process. This identity is an outcome of its history, its heritage, the philosophy it believes in, the technology it chooses, and most importantly its people including entrepreneurs, workers, engineers, designers, managers, suppliers, distributors, customers, competitors whose interactions shape its cultural values over the years. In a highly competitive environment, corporate identity becomes a point of differentiation that helps a business to determine its distinct position in the market. A well-managed corporate identity becomes a vital strategic tool for building an understanding of business, imbuing a sense of belonging among stakeholders ensuring their commitment to the vision that the business shares and thus giving a sense of direction and purpose, which eventually contributes to the success and the growth of any business.

企業アイデンティティとはつまり、過去、現在、未来についての組織的知識から得られる一貫性を持ったものです。この知識は、文書、通信文、図面、レポートから得られるだけでなく、起業家、労働者、サプライヤー、ディストリビューター、顧客、競合他社を含むステークホルダーたちの実際の経験の中に存在し、企業が将来プランを作成にあたって、触媒の役割を果たします。そのような組織的知識の蔵(くら)であるビジネス・アーカイブズは、よって、その企業の独自アイデンティティの形成に貢献し、組織のDNAに見合った変化を導くことによって、さらに大きな戦略的役割を果たします。

Corporate identity thus, is a coherent outcome of the organisational knowledge about the past, present and the future. This knowledge that is available not just through documents, correspondence, drawings, reports but also in the real experiences of stakeholders including entrepreneurs, workforce as well as other stakeholders including suppliers, distributors, customers, competitors, that becomes a catalyst while the businesses plan for the future. Business archive, a storehouse of such organisational knowledge, thus has a bigger strategic role to play in contributing to the distinct identity of the business and leading the change consistent with the DNA of the organisation.

■サブテーマ■
☆組織アイデンティティを構築するための企業アーカイブズの役割
 Role of business archives in building organisational identity
 
☆歴史の教訓:リーダーシップ・ツールとしての企業遺産
 Lessons from history: corporate legacy as a leadership tool
 
☆DNA を理解する:教育のためのツールとしての企業の記憶
 Understanding the DNA: corporate memory as an educational tool

☆グローバルをローカル化する:新興成長市場において企業アイデンティティを構築する
 Localising the global: building corporate identity in emerging markets

☆DNAの再想像:未来のビジネス戦略における企業の記憶の役割
 Re-imagining the DNA: role of corporate memory in the future business strategy

☆アイデンティティの結合:合併、買収と企業アイデンティティの問題
 Merged Identity: mergers, acquisitions and issues of corporate identity

☆企業の記憶を保存する:企業の声を記録する
 Preserving corporate memory: recording corporate voices

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次号ではICASBA2017ムンバイ会議の暫定的プログラムをご紹介できるのではないかと思います。

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当財団が運営する渋沢史料館では企画展「渋沢栄一渡仏150年:渋沢栄一、パリ万国博覧会へ行く(第1期)」を3月18日より開幕しています。

1867年(慶応3)、徳川昭武がパリ万博へ参列するに際し、渋沢栄一は随員として渡仏しました。この時に栄一は初めて西欧近代社会を体験し、後の活動に影響を与えたと言われます。2017年は、栄一が渡仏して150年という節目にあたります。この企画展では、パリから日本にいる妻や家族に宛てた手紙、日記など様々な資料から栄一の欧州体験をたどります。また、栄一がパリから徳川慶喜に宛てた書簡草稿、パリから持ち帰った書類など、初公開となる資料も展示します。栄一にとって慶応3年の渡仏とは、どのような意味を持ったのかを、あらためて考える機会となれば幸いです。

第1期の会期は本年6月25日(日)までです。詳しくは下記URLをご参照ください。
https://www.shibusawa.or.jp/museum/special/2016/kikaku2016_03.html

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次号は2017年6月下旬発行予定です。

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◆◇◆バックナンバーもご活用ください◆◇◆

https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bn/index.html

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ビジネス・アーカイブズ通信(BA通信) No.71
2017年5月30日発行 (不定期発行)
【創刊日】2008年2月15日
【発行者】公益財団法人渋沢栄一記念財団事業部情報資源センター
【編集者】公益財団法人渋沢栄一記念財団事業部情報資源センター
      「ビジネス・アーカイブズ通信」編集部/
      株式会社アーカイブズ工房
【発行地】日本/東京都/北区
【ISSN】1884-2666
【E-Mail】
【サイト】https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/index.html

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