ビジネス・アーカイブズ通信(BA通信)

第92号(2021年10月19日発行)

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☆      □■□ ビジネス・アーカイブズ通信 □■□

☆       No.92 (2021年10月19日発行)

☆    発行:公益財団法人 渋沢栄一記念財団 情報資源センター

☆                        〔ISSN:1884-2666〕
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この通信では海外(主として英語圏)のビジネス・アーカイブズ(BA)に関する情報をお届けします。

海外BAに関わる国内関連情報も適宜掲載しております。

今号は行事情報4件、企業団体情報1件、文献情報1件です。

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◆ 目次 ◆

[掲載事項の凡例とご注意]

■行事情報:企業史料協議会第10回ビジネス・アーカイブズの日シンポジウム
◎テーマ:「経営を支える企業アーカイブズを目指して- DXへのアプローチ -」
     2021年11月5日 オンライン(Zoom)

■行事情報:企業史料協議会第26回ビジネスアーキビスト研修講座
      応用コース《オンライン開催》
     2021年10月~12月

■行事情報/企業団体情報:欧州銀行・金融史協会(eabh)オンラインセミナーとポッドキャスト
◎資産としてのアーカイブズ、写真コレクション、BNPパリバ・アーカイブズ

■行事情報:アメリカ・アーキビスト協会(SAA)2021年大会(オンライン)
◎ビジネス・アーカイブズ関連セッション

■文献情報:企業アーカイブズのデジタル 3
◎『デジタルアーカイブ学会誌』第5巻第3号「特集:企業のデジタルアーカイブ」

☆★ 編集部より:あとがき、次号予告 ★☆
企業アーカイブズの情報発信
ヒストリー・マーケティング・サミット2021

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[掲載事項の凡例]

・欧文の場合、日本語で読みやすいものになるように、タイトルははじめに日本語訳を、続いて原文を記します。
・人名や固有名詞の発音が不明の場合も日本語表記を添えました。便宜的なものですので、検索等を行う場合はかならず原文を用いてください。
・普通名詞として資料室や文書室、物理的な記録資料を表現する際は「アーカイブズ」を用います。固有名詞の場合はこの限りではありません。また物理的およびデジタル記録資料の蓄積や組織化に関しては「アーカイブ」「アーカイブ化」「アーカイビング」などの表現を用いることもあります。

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[ご注意]
・受信時にリンク先を示すURLが途中で改行されてしまう場合があります。通常のURLクリックで表示されない場合にはお手数ですがコピー&ペーストで一行にしたものをブラウザのアドレス・バーに挿入し、リンク先をご覧ください。


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■行事情報:企業史料協議会第10回ビジネス・アーカイブズの日シンポジウム
◎テーマ:「経営を支える企業アーカイブズを目指して- DXへのアプローチ -」
     2021年11月5日 オンライン(Zoom)

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◎テーマ:「経営を支える企業アーカイブズを目指して- DXへのアプローチ -」
https://www.baa.gr.jp/syousai.asp?id=674
https://www.baa.gr.jp/

1981年11月5日に設立された企業史料協議会は、本年2021年11月5日に設立40周年を迎えます。2011年から毎年11月に開催してきた「ビジネス・アーカイブズの日」も10回目の節目を迎えます。記念すべき今年度のシンポジウムのテーマは「経営を支える企業アーカイブズを目指して- DXへのアプローチ -」です。昨年に引き続き、本年度もビデオ会議システムZoomを用いてのオンライン開催です。本通信編集部も基調講演の解説に協力します。

《内容》
40周年を記念する今年は、「経営を支える企業アーカイブズ」をテーマに、基調講演として、国際アーカイブズ評議会(ICA)企業アーカイブズ部会(SBA)部会長で、スイスに本社を置く世界的な製薬企業ロシュ社の歴史コレクション&アーカイブ部門のキュレーター アレキサンダー・ビエリ Alexander Bieri 氏に「ロシュ社のアーカイブズ&アーカイブからビジネスに価値を生み出す」のタイトルでお話いただきます(日本語訳付)。さらに、高千穂商科大学経営学部の大島久幸教授による、もう一つの基調講演「経営を支える企業アーカイブズを目指して-DXへのアプローチ-」を受けて、パネルディスカッションを行います。

パネルディスカッションでは、DXイノベーションにより企業の構造改革・働き方改革が進み、アーカイブズ部門は企業経営そのものに深く関わり、価値を生み出そうとしている時代、そしてリモートワークも進む時代に、アーカイブズの仕事の原点を見直し、「いかに遺し、管理し、活用するか」について、大島教授と企業アーキビスト3名が一緒に具体的に検証し、考えます。

《概要》
主催:企業史料協議会 http://www.baa.gr.jp/
日時:2021年11月5日(金) 13:00~17:30 Zoomミーティング
定員:150名(先着順)
申し込み・問い合わせ:info@baa.or.jp
申込受付期間:2021年9月24日(金) ~10月29日(金)
参加費:会員無料/一般2000円


《プログラム》

■開会宣言・会長挨拶 13:00~13:10

■基調講演 13:10~15:15

【講演1】
「ロシュ社のアーカイブズ&アーカイブからビジネスに価値を生み出す」(英語による講演・日本語訳付)
 講師 アレキサンダー・ビエリ氏
 (スイス・ロシュ社アーカイブズ キュレーター、ICA/SBA部会長)

【講演1 解説とコメント】
 松崎裕子
 (公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センター企業史料プロジェクト担当、企業史料協議会理事)

【講演2】
「デジタル化とアーカイブズによる経営支援」
 講師 大島久幸氏
 (高千穂大学経営学部教授)

■パネルディスカッション 15:20~17:00
「経営を支える企業アーカイブズを目指して-DXへのアプローチ-」

【モデレータ】
 大島久幸氏
 (高千穂大学経営学部教授)
【パネリスト】
 大塚聡氏
 (イオン株式会社コーポレート・コミュニケーション部 兼 社史編纂室・イオン歴史館館長)
 山田弥生氏
 (キリンホールディングス株式会社 ブランド戦略部 アーカイブ室)
 川島信行氏
 (トヨタ自動車株式会社社会貢献推進部 企業・車文化室 アーカイブズグループ)

■交流タイム 17:00~17:30
Zoomのブレイクアウトルーム機能を利用した、少人数のグループに分かれての参加者同士の交流


《参加申込方法》
★申込受付期間 2021年9月24日(金)~10月29日(金)
企業史料協議会事務局宛にメール:info@baa.gr.jp
[記載事項]所属機関名・部署名、参加者氏名、連絡先メールアドレス、電話番号

★1機関から複数名申し込みの場合は、必ず全員の氏名・メールアドレスを記載する。
★受付後にZoomミーティングの招待が送られてきます。


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■行事情報:企業史料協議会第26回ビジネスアーキビスト研修講座
      応用コース《オンライン開催》
     2021年10月~12月

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◎企業史料協議会第26回ビジネスアーキビスト研修講座応用コース《オンライン開催》
https://www.baa.gr.jp/syousai.asp?id=671
https://www.baa.gr.jp/

企業史料協議会が第26回ビジネスアーキビスト研修講座を開催します。今年も昨年度に引き続き、オンライン授業当日までに事前に講義動画(120分)を視聴、当日は講師の先生方とオンラインで質疑応答を行う形式です。

【オンライン授業の実施日・時間・使用アプリ】

■応用コース(希望日を選択)
1. 10月22日(金) 2. 11月12日(金) 3. 11月18日(木) 4. 11月24日(水)
5. 12月2日(木) 6. 12月10日(金)

■授業時間:13:00~14:30
■使用アプリ:Zoom


【カリキュラム】

■応用コース(1~6のなかから希望日を選択して受講、基礎コースを受講していなくても参加可能)

応用1 10月22日(金)ONLINE 13:00~14:30(途中10分休憩)/事前動画 2時間
講 師 佐藤 政則 麗澤大学大学院経済学研究科教授
テーマ「デジタル文書と企業アーカイブズ」

応用2 11月12日(金)ONLINE 13:00~14:30(途中10分休憩)/事前動画 2時間
講 師 伊藤 真 ライツ法律特許事務所 弁護士・弁理士
テーマ「ビジネス・アーカイブズズに関わる著作権等の法律について」

応用3 11月18日(木)ONLINE 13:00~14:30(途中10分休憩)/事前動画 2時間
講 師 小島 浩之 東京大学大学院経済学研究科講師・経済学部資料室室長代理
テーマ「デジタル資料論:基礎と実践」

応用4-(1) 11月24日(水)ONLINE 13:00~13:40 /事前動画 1時間
講 師 佐野 千絵 東京文化財研究所名誉研究員
テーマ「ビジネス・アーカイブズズの資料保存と活用」

応用4-(2) 11月24日(水)ONLINE 13:50~14:30/事前動画:1時間
講 師 矢野 正隆 東京大学大学院経済学研究科 助教
テーマ「資料保存マネジメント」

応用5-(1) 12月2日(木)ONLINE 13:00~13:40 /事前動画 1時間
講 師 石川 貴敏 (株)丹青研究所 文化空間情報部部長
テーマ「企業ミュージアム概論」

応用5-(2) 12月2日(木)ONLINE 13:50~14:30 /事前動画 1時間
講 師 飯島 学 京浜急行電鉄株式会社 運輸営業部営業企画課課長補佐
テーマ「手作りで仕上げた京急ミュージアム」

応用6 12月10日(金)ONLINE 13:00~14:30(途中10分休憩)/事前動画 2時間
講 師 鈴木 隆 高砂香料工業株式会社 IR/広報室
テーマ「事例研究 高砂香料工業百年史の編纂と百年史編纂を契機とした高砂香料アーカイブズの構築」

【費用・申込方法等】
費用:
 会員:応用コース1日(1~6の各回)4,000円
 一般:応用コース1日(1~6の各回)6,000円
定員:応用コース各日50名
申込・問い合わせ先:info@baa.gr.jp

詳しくは下記をご覧ください。
https://www.baa.gr.jp/syousai.asp?id=671
https://www.baa.gr.jp/


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■行事情報/企業団体情報:欧州銀行・金融史協会(eabh)オンラインセミナーとポッドキャスト
◎資産としてのアーカイブズ、写真コレクション、BNPパリバ・アーカイブズ

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◎欧州銀行・金融史協会(eabh)オンラインセミナーとポッドキャスト

欧州銀行・金融史協会では会員向けに、オンラインでの動画によるセミナーやポッドキャストを利用した情報共有を活発に行っています。終了後はアーカイブ動画・音声を一般にも公開しています。2021年3月と6月に開催されたセミナーと6月にリリースされたポッドキャスト・プログラムをご紹介します。

【1】ウェビナー:「あなたのアーカイブは資産」(2021年3月24日)
Your Archive is an Asset!

【動画】
https://www.youtube.com/watch?v=ag4dz1MGT9s
(1時間58秒)

【スライド】
https://www.slideshare.net/CfN_historia/heritage-as-a-corporate-strategic-asset-anders-sjman-centre-for-business-history-in-stockholm-24-mar-2021

3月24日、スウェーデン・ストックホルムのストックホルム経営史研究所(Centre for Business History in Stockholm)エディトリアル部門(もう一つの部門はアーカイブズ部門)の広報担当アンダース・ショーマン Anders Sjöman 氏によるウェビナーが開催されました。アンダース氏はICA/SBAのシンポジウムの常連スピーカーです。

同研究所には、スウェーデンを中心とする多数の企業の非現用・現用文書の寄託を受け、これを整理・管理・保存するアーカイブズ部門と、会社史(書籍、雑誌記事、ウェブコンテンツなど)のための歴史コンテンツの編集制作を請け負うエディトリアル部門あります。アーカイブズとエディトリアルの2つの部門が車の両輪として、ストックホルム経営史研究所を支えています。

セミナーのメッセージは「すべての組織には、自分たちにしかない歴史があります。それは、適切に活用されることによって、企業の成長のための戦略的資産となります」。

アンダース氏は6月9日の国際アーカイブズの日を記念してのウェビナー「企業戦略資産としての遺産活用:原則と事例」Using heritage as a corporate strategic asset: principles and cases でも講師を務めています。これは、インドの有力な企業アーカイブズであるゴードレージ・アーカイブズがホストしたものです。こちらもアーカイブ動画の視聴が可能です。

【動画】
https://www.youtube.com/watch?v=BJRWL9ROP4Y
(1時間53秒)

【2】ウェビナー:「ファイナンスのイメージ:写真コレクションの可能性を引き出すには?」(6月11日)
Image of finances: how to unlock the potential of your photography collection?

【動画】
https://www.youtube.com/watch?v=2OFErzRnSww
(36分20秒)

このウェビナーはドイツ銀行アーカイブズのラインハルト・フロスト Reinhalt Frost 氏が講師です。ドイツ銀行のアーカイブズには、1967年から1989年まで同行の専属カメラマンであったルッツ・クラインハウス Lutz Kleinhans(1926-2011)氏による写真コレクションがあります。クラインハウス氏は「フランクフルター・アルゲマイネ」 のカメラマンを続けながら、ドイツ銀行のさまざまな写真を18,000点ほど撮影しています。彼が亡くなったとき、同行アーカイブズが手を尽くして、遺族から寄贈されることになりました。同行の日々の業務の様子、株主総会などイベントの様子などが、残されたコレクションの写真の中に写しとられています。フロスト氏は、このコレクションの可能性を最大限に引き出す方法や、さまざまなチャンネルを使ってオーディエンスを惹きつける方法を語ります。


【3】ポッドキャスト「BNPパリバ・アーカイブズ」
The BNP Paribat Archives

BNPパリバはフランスの金融機関で、同アーカイブズはフランスを代表する企業アーカイブズの一つです。アーカイブズを率いていたロジャー・ヌガレ Roger Nougaret 氏が今年限りで引退、新たにヌガレ氏の後任に就任したマリー・ラペルドゥリックス Marie Laperdrix 氏に、カルメン・ホフマン Carmen Hofmann 事務総長(eabh)がインタビューを行っています。

【ポッドキャスト】
https://open.spotify.com/episode/1teOtTvihvTCR08h1WGvqe
(30分36秒)

ラペルドゥリックス氏は、古文書学の専門家兼アーキビスト・遺産キュレーターで、デジタル・アーカイブズを専門とし、フランス国立公文書館でキャリアをスタートさせています。フランス経済財務省のアーカイブズ・サービスの責任者を6年超務めた後、BNPパリバグループのアーカイブおよび歴史部門を担当することになりました。

BNP社のアーカイブズは、私たちの社会に関する貴重な情報を保持し、民主主義の透明性に貢献しているといいます。また銀行の歴史やフランス社会史だけでなく、例えばメキシコ、モロッコ、ノルウェーなどの他国に大きく関わる記録も所蔵しているということです。

最後の部分でのホフマン氏の質問「あなたがアーカイブズの中で一番好きなことは何ですか?」に対し、ラペルドゥリックス氏は「評価選別した文書を廃棄することです。アーカイブズを扱っているのに廃棄が好きなんてと思われるかもしれませんが、私はアーカイブズの保存にとって最も大切なことは評価選別であると考えていますから」(28分24秒から28分53秒)と答えている部分が、アーキビストの本質的な存在意義をよく示していると思います。これはまた、現用記録の管理すなわちレコード・マネジメントが機能していることも示しているでしょう。

【BNPパリバ・アーカイブズ&歴史サイト】
https://history.bnpparibas
https://history.bnpparibas/heritage-and-historical-archives-department/


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■行事情報:アメリカ・アーキビスト協会(SAA)2021年大会(オンライン)
◎ビジネス・アーカイブズ関連セッション

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◎SAA2021年大会(オンライン)ビジネス・アーカイブズ関連セッション

毎年夏に開催されるアメリカ・アーキビスト協会(SAA)の年次大会は、昨年に引き続き今年もオンラインでの開催です。メインの日程は米国中部時間の8月4日(水)から6日(金)の午前11時から午後4時まで、20のオンデマンド教育セッションは、7月26日に公開され、登録参加者はすぐに視聴することができる形式になっています。今年度のテーマはArchives Together/Apart Records。パンデミックや社会不安による専門職の変化を探ることをテーマとしているということです。
https://www2.archivists.org/am2021/attend/about-the-program

■SAAサイト
https://www2.archivists.org/

■SAA年次大会スケジュールのページ
https://archives2021.us2.pathable.com/agenda

■SAA2021年次大会サイト
https://archives2021.us2.pathable.com/

以下では企業アーカイブズ部会(BAS)関係のセッションをご紹介します。

(1) BAS部会コロキアム SAA Business Archives Section Colloquium
日時:2021年8月3日(火)正午~午後3時(米国中部時間、日本時間は8月4日(水)午前2時~5時)
内容:記録管理部会との合同コロキアム

【アジェンダ】
https://cdn.filestackcontent.com/content=t:attachment,f:%22BAS%20RMS%20Joint%20Colloquium%20Agenda%2020210706.pdf%22/1ddCKXgoRE1A3MX6YdYQ
(PDF)

1) ジェイミー・マーティン、IBMコーポレートアーキビスト
Jamie Martin, IBM Corporate Archivist
「IBMの歴史」
"History at IBM"

・コロナ禍においてIBMの企業アーカイブチームは、組織全体の従業員を会社の歴史に結び付ける仮想アウトリーチ活動に取り組んだ。社内Slackチャンネル、短い歴史ビデオ、バーチャルツアーなど、過去1年間のアウトリーチ活動についての発表。

2) ライアン・レムキューラー 、カンザス州立大学大学レコードマネージャーRyan Leimkeuler, University Records Manager, Kansas State University
「ご乗車ください:オンボーディング/オフボーディング・ドキュメントの重要性と価値」
"All aboard: the importance and value of onboarding/off boarding documentation"

3) ジョイ・ロドヴィッチ、全国米国防火協会デジタル・アセット&レコードマネージャー
Joy Rodowicz, Digital Asset & Records Manager, National Fire Protection Association®
「NFPA®: 人々を守り、その同じ場所で彼らを魅了する125年の歴史」
"NFPA®: 125 years of protecting and engaging people where they are"

・この1年間、NFPA従業員イベント委員会は、125周年記念を祝うバーチャルな集まり、ブログなど、さまざまなものを組み合わせて、ブランドの遺産と発展に取り組んだ。コラボレーションと盛り上がりを高める方法について発表。

4) ニコール・ラフランム、J.M スマッカー カンパニー ヘリテージ&クリエイティブ・アセット・マネージャー、
Nicole Laflamme, Heritage & Creative Asset Manager, The
J.M. Smucker Company
「自分だけの冒険ができるエスケープルーム」
"Choose-your-own-adventure escape room"

・アーキビストはストーリーテラー。Googleフォームをストーリーテリングショーケースに変え、アーカイブズにあるモノ資料を共有し、仮想環境でチームづくりを行った。

(4) デボラ・アーメントラウト、国立公文書記録管理局長コーポレート・レコード管理担当
Deborah Armentrout, Director, Corporate Records Management, National Archives and Records Administration
「エンタープライズ・テクノロジーを活用して記録を管理する」
"Leveraging enterprise technologies to manage records"

・NARAの内部記録プログラムが既存の技術を使用して、経営・予算覚書局(M-19-21)の目標を達成する方法を取り上げ、電子記録への移行を説明。

(5) トレーシー・パネック、ヒストリアン、ローラ・オハラ、アーキビスト、リーバイ・シュトラウス・アンド・カンパニー
Tracey Panek, Historian, & Laura O'Hara, Archivist, Levi Strauss & Co.
「バーチャルデザイン・インスピレーション・シリーズ」。
"The Levi's® Archives presents...A virtual design inspiration series"

・アーカイブズを見せる手法、応答とフィードバック、学習とインスピレーションを拡張する方法についての発表。

(6) パネルディスカッション
「レコード・マネジメントにおける初期のキャリアに関するパネルディスカッション」
"Panel discussion on early career records management"


【動画】
https://www.pathlms.com/saa/events/2635/event_sections/12225/video_presentations/206874
(2時間48分57秒)


(2) ポートフォリオの多様化:より良いビジネスを推進するための包括的で公平な歴史の共有
Diversifying the portfolio: sharing inclusive and equitable histories to drive better business

日時:2021年8月6日(金)午前12時30分~午後1時30分、日本時間8月7日(土)午前2時30分~3時30分)
内容:ブラック・ライヴズ・マター(BLM)運動の高まりを受けて、企業アーカイブズはダイバーシティに関してどのように企業に貢献できるのか、ライトニングトーク形式で登壇者が発表する。

発表者1:エリック・チン Eric Chin
同所属:NBCユニバーサル シニアアーキビスト NBCUniversal, Senior Archivist

発表者2:ジル・ブレッツニカン Jill Breznican
同所属:ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ シニアアーキビスト Walt Disney Animation Studios, Senior Archivist
同タイトル:ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの人々を讃える Celebrating the people of Walt Disney Animation Studios

発表者3:ニール・ダールストーム Neil Dahlstrom
同所属:ジョン・ディア ブランド・プロパティ&ヘリテージ・マネージャー John Deere, Branded Properties and Heritage Manager
同タイトル:ジョンディア・アーカイブズにおける公平性と包括性の優先順位付け Prioritizing equity and inclusion in the John Deere Archives

発表者4:ビル・ジャクソン Bill Jackson
同所属:ハーレーダビッドソンモーターカンパニー アーカイブズ、ヘリテージサービス、ミュージアムのマネージャー Harley-Davidson Motor Company, Manager - Archives, Heritage Services, and Museum
同タイトル:私たちを作ったバイカーズ:ハーレーダビッドソンライダーとその物語 The bikers who made us: Harley-Davidson riders and telling the whole story

発表者5:ジェイミー・マーティン Jamie Martin
同所属:IBMコーポレーション IBMコーポレートアーキビスト IBM Corporation, IBM Corporate Archivist
同タイトル:ビッグテックの世界における隠れた人材の発掘 Uncovering hidden figures in the world of big tech

発表者6:グレッグ・マッコイ Greg McCoy
同所属:プロクター・アンド・ギャンブル・カンパニー シニアアーキビスト Procter & Gamble Company, Senior Archivist
同タイトル:P&GのLGBTQ+ストーリーの真実に迫る  Getting to the truth about P&G's LGBTQ+ story

発表者7:トレーシー・パネック Tracey Panek
同所属:リーバイ・ストラウス社 ヒストリアン&アーカイブズ担当ディレクター Levi Strauss & Co., Historian & Director of Archives
同タイトル:Levi's®におけるOwning our history。会社の歴史を共有し、従業員を参加させる方法 Owning our history at Levi's®: how to share and engage employees in all aspects of company history

発表者8:アンジェリーク・M・リチャードソン Angelique M. Richardson
同所属:アトランタ・ローマカトリック大司教区 アーカイブズ&レコード部門ディレクター Roman Catholic Archdiocese of Atlanta, Director of Archives and Records
同タイトル:公民権運動からBLMまで。アトランタのローマ・カトリック大司教区の社会的正義の長い記録を示すために、アーカイブズはどのようにコレクションを活用しているか From Civil Rights to Black Lives Matter: how the Office of Archives and Records is using its collections to demonstrate the Roman Catholic Archdiocese of Atlanta's long record of social justice


(3) Covidを収集する Collecting Covid
日時:2021年7月26日から視聴可能(オンデマンド・セッション)
内容:COVID-19が組織やコミュニティに与えた影響の記録化を探る。マッキンゼーのアーキビスト ポール・ラーサウィッツ「フロントライナーの前で:パンデミックに対するグローバルな計画と対応を記録する、2020年1月から3月」やマクドナルド社アーキビスト マイク・バリントンによる「ウェブキャスト:話し言葉を保存する」など企業アーキビストのライトニングトークも含まれます。


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■文献情報:企業アーカイブズのデジタル 3
◎『デジタルアーカイブ学会誌』第5巻第3号「特集:企業のデジタルアーカイブ」

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◎『デジタルアーカイブ学会誌』第5巻第3号「特集:企業のデジタルアーカイブ」
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/jsda/5/3/_contents/-char/ja

デジタルアーカイブ学会が発行する『デジタルアーカイブ学会誌』最近号が企業のデジタルアーカイブ特集を行っています。同学会誌は国立研究開発法人科学技術振興機構 (JST) が運営する電子ジャーナルプラットフォーム「科学技術情報発信・流通総合システム」(J-STAGE)にてインターネット公開が行われています。各記事のURLをクリックすれば本文を読むことができます。

以下、同特集記事の書誌情報と概要をご紹介します。

■『デジタルアーカイブ学会誌』第5巻第3号「特集:企業のデジタルアーカイブ」

◇タイトル:企業におけるデジタルアーカイブ
 著者:時実 象一
 所属:東京大学大学院情報学環
 ページ:p.175-177
 DOI:https://doi.org/10.24506/jsda.5.3_175
 PDF(1485KB):https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsda/5/3/5_175/_pdf/-char/ja
[ひと言]
本特集の総論にあたる。日本の場合、社史編纂のために社内で収集された企業記録は、編纂終了後利用されることなく、散逸してしまうことも少なくなかった。権利の関係で公開できないものなども多い。近年はこれをアーカイブズ(史資料室・資料の集積)として恒常的に管理し、さらにデジタル化によって「デジタルアーカイブ」と呼ばれるデータベースの構築を行い、社業への利活用に取り組む企業も増えている。このような「デジタルアーカイブ」の背景と、本特集の各論を紹介している。

◇タイトル:米国コカ・コーラ社とフォード・モーター社でのアーカイブ・システム構築の経験
 著者:テッド・ライアン
 所属:フォード自動車
 訳者:時実 象一
 ページ:p.178-183
 DOI:https://doi.org/10.24506/jsda.5.3_178
 PDF(2179KB):https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsda/5/3/5_178/_pdf/-char/ja
[ひと言]
米国を代表する企業アーカイブズ、コカ・コーラ・アーカイブズとフォード・モーターのアーカイブズで、アーキビスト、ヘリテージ・ブランド・マネージャーとして活躍してきたテッド・ライアン Ted Ryan 氏による両社アーカイブズ(史資料室)でのデジタル関係プロジェクトの紹介。コカ・コーラ社の場合、社業がブランドに大きく依存するため、過去のマーケティングや広告資料への迅速なアクセスがビジネス上欠かせない。フォード・モーターの場合、新車開発プロセスが写真記録として集積するという特徴を持ち、写真とフィルムの充実したコレクションを持つ。フォード・モーターのアーカイブズ(史資料室)が2021年度第3四半期に一般向けオンライン目録を立ち上げる予定についても紹介している。さらにボーン・デジタル記録の爆発的増大により、「どの資料を永久に保存し、どの資料を破棄すべきかという非常に難しい判断を下す」(183頁)アーキビストの評価選別業務が、より困難になりつつある点も指摘する。ライアン氏はICA/SBAの運営委員。

◇タイトル:ヤマハ発動機(株)のデジタルアーカイブ
 著者:和田 一美
 所属:ヤマハ発動機株式会社
 ページ:p.184-187
 DOI:https://doi.org/10.24506/jsda.5.3_184
 PDF(1271KB):https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsda/5/3/5_184/_pdf/-char/ja
[ひと言]
ヤマハ発動機における企業資料のデジタルアーカイブ(デジタル化とデータベース化)のきっかけは、製品写真を主とした写真と映像のデータベースシステムの担当として、本社や販売拠点への展開を任された(部署名記載なし)際に、業務改善の必要性を感じたことであると著者は述べている。改善すべき点は、システムを利用する事業や拠点が少ないこと、写真を準備する費用に重複があること、データベースシステムの使い勝手が悪いこと、であった。これに対して、写真や映像管理のための社内ルールの制定と周知、歴史素材のデジタル化(50周年記念誌に用いた過去資料をデジタル化)、データベースシステムの変更を行うことによって、国内外拠点からのデータベース利用が増大したほか、社内外のブランディングにも役立っているという。

◇タイトル:ライオン株式会社におけるアーカイブズのデジタル化の取り組み
 著者:松村 伸彦
 所属:元ライオン株式会社社史資料室長、現企業史料協議会理事
 ページ:p.188-192
 DOI:https://doi.org/10.24506/jsda.5.3_188
 PDF(3464KB):https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsda/5/3/5_188/_pdf/-char/ja
[ひと言]
1891年創業のライオン株式会社は最初の社史を1935年に発行。以来、社史編纂・アーカイブズを担当する部署は名称を変えつつ今日に至っている。本稿ではデジタル化の取り組みを3期に分けて紹介している。第3期(2014年以降、現在まで)においては、それまでの取り組みをもとに、情報の活用性を高めるため「業務年史資料」収集・保管業務に特化したデータベースと画像資料データベースを導入したという。このようなデータベースは、「展示」や「企業サイトあるいはイントラネットでの教育プログラム」で活用されているという。

「その[デジタル化の:編者注]活動は諸先輩達の地道な資料整理が土台となり、それらを出来る限り自分たちの目、手足で確認し、吸収することで、会社の歴史、文化、風土を受け継いで行こうという努力であり、そのことが会社のDNAを伝承していく上で企業アーキビストが果たせる大切な役割なのではないか」という著者の述懐が印象的である。

◇タイトル:企業デジタルアーカイブの動向と可能性
 著者:肥田 康
 所属:株式会社堀内カラー アーカイブサポートセンター
 ページ:p.193-197
 DOI:https://doi.org/10.24506/jsda.5.3_193
 PDF(1436KB):https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsda/5/3/5_193/_pdf/-char/ja
[ひと言]
長年、資料のデジタル化をサポートしてきた著者が、近年の企業アーカイブズ資料のデジタル化、データベース化(デジタルアーカイブづくり)の動向をまとめている。実際にサポートに関わった花王株式会社、キッコーマン株式会社、キリンホールディングス株式会社、株式会社ファンケル、株式会社サンケイビルの5社の事例を紹介したうえで、優先的にデジタル化される資料の傾向、求められるワークフロー、企業デジタルアーカイブの問題点(企業アーカイブズを支えるアーキビスト、人材育成)と意義を考察している。


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[略称一覧]
ACA: Association of Canadian Archivists(カナダ・アーキビスト協会)
ARA: Archives and Records Association(アーカイブズとレコード協会)
ASA: Australian Society of Archivists(オーストラリア・アーキビスト協会)
BAC: Business Archives Council(ビジネス・アーカイブズ・カウンシル)
BACS: Business Archives Council in Scotland(スコットランド・ビジネス・アーカイブズ・カウンシル)
BAS: Business Archives Section(ビジネス・アーカイブズ部会:SAA内の部会)
CoSA: Council of State Archivists(米国・州文書館長評議会)
DCC: Digital Curation Center(英国デジタル・キュレーション・センター)
EDRMS: Electronic Document and Record Management System(電子文書記録管理システム)
ERM: Electronic Record Management(電子記録管理)
ICA: International Council on Archives(国際文書館評議会)
NAGARA: National Association of Government Archives and Records Administrators(米国・全国政府アーカイブズ記録管理者協会)
NARA: National Archives and Records Administration(米国 国立公文書館記録管理庁)
RIKAR: Research Institute of Korean Archives and Records(韓国国家記録研究院)
RMS: Record Management System(記録管理システム)
SAA: Society of American Archivists(アメリカ・アーキビスト協会)
SBA: Section for Business Archives(企業アーカイブズ部会、ICA内の部会)
TNA: The National Archives(英国国立公文書館)


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☆★ 編集部より:あとがき、次号予告 ★☆

海外の企業アーカイブズからの、あるいは企業アーカイブズを利用した情報発信はますます盛んになりつつあるようです。インターネットを通じた情報発信事例を集めてみました。

■マクドナルド
動画:
https://www.linkedin.com/posts/chriskempczinski_teamrmhc-activity-6841755294373150720-npbY
(5分11秒)
マクドナルド社の社長兼最高経営責任者(CEO)であるクリス・ケンプチンスキー Chris Kempczinski 氏と同社アーカイブズのアーキビスト マイク・ブリントン Mike Bullington 氏の会話。ブリントン氏は、同社創業50周年記念時から同社のアーキビストを16年間務めています。前職はクラフト・フーズ社のアーキビストでした。ブリントン氏はお気に入りの収蔵品(1955年の一号店開店時の記録)の紹介、チャリティマラソンに参加するケンプチンスキー氏へのランナーとしてのアドバイス、中国から迎えた養子など子供たちのこと、デジタル環境におけるアーカイブズの社内各所との関わりなどを語っています。

■ゴードレージ・アーカイブズ
https://www.linkedin.com/in/godrej-archives-5452a9144/
タタ・セントラル・アーカイブズとともにインドの企業アーカイブズを代表するゴードレージ・アーカイブズ(グループのアーカイブズ)のリンクトインのアカウントです。所蔵する写真や動画を頻繁に投稿しています。
動画:https://www.linkedin.com/feed/update/urn:li:activity:6846044264644845568/
(1分56秒)
ゴードレージ・グループのひとつゴードレージ&ボイス社では、現在、ロック(鍵)キャンペーンを行っています。上の動画は、アーカイブズが持つ、グループ最初の企業動画(1969年制作)の抜粋です。投稿されたテキストは「1950年代から60年代にかけてのGodrej工場でのロック製造の様子が見事に描かれています」と短い解説を加えています。
https://www.godrej.com/press-release-locks-agent-of-safety-phase-two
(ロックキャンペーンに関するプレスリリース)

■ヒストリー・ファクトリー History Factory(米国)
ヒストリー・ファクトリーは企業アーカイブズ、ヘリテージ・マネジメントのサポートやコンサルティング業務を1979年以来行っています。今年のアメリカ・アーキビスト協会(SAA)年次大会のリポジトリー・ツアーの部門では、ヘリテージ・マーケティング、周年行事、アーカイブズ管理などのサポート業務、COVID-19期間の記録プロジェクト、自社が提供するアーカイブズ関連サービスなどを紹介しています。
https://www.historyfactory.com/
(会社サイト)

■HSBC
https://history.hsbc.com/
本通信では英国を本拠にする金融機関HSBCのグローバル・アーカイブズを過去何度か取り上げてきました。同アーカイブズは最近、自行の歴史に関わる資料検索と閲覧を行えるサイトを開設しました。

検索窓を使った検索では年代やタグ、国や地域を指定して検索できます。
「スナップショット」Snapshotには8つのテーマが設けられ、各テーマはいくつかのサブコレクションから構成されています。例えばスナップショットから「危機と回復」Crisis and recoveryのテーマを選ぶと、このテーマに関わり「金は勝利のために戦う」Gold fights for victory、「ブリッツのミッドランド銀行支店」Midland Bank Branches in the Bliz、「1923年の関東大震災」The Great Kanto Earthquake in 1923、「長江-淮川の洪水」The Yangtze-Huai River floodsの4つのサブコレクションの展示があります。「スナップショット」と並ぶもう一つの大きなアーカイブズ・コレクションは「戦争票」War cardsです。同サイトによると、これは第一次世界大戦に従軍するためミッドランド銀行を去った従業員に関わる約4,000枚の記録から成るまとまりです。

このほか「バーチャルツアー」Virtual tourでは香港のアーカイブズ・ギャラリーをインタラクティブに楽しめるほか、「展覧会」Exhibitionsのページでは、「グローバルに根を下ろす」Putting Down Global Roots、「戦争中の銀行」A Bank at War、「期待と革新」Expectations and Innovations、「障壁を破る」Breaking Barriersの4つのストーリー展示を行っています。

■マースク Maersk
動画:https://www.facebook.com/190638967645704/videos/150853670297824
https://www.linkedin.com/posts/maersk-group_ask-me-anything-on-maersk-history-with-charlotte-activity-6789458337374248960-K33q/
(5分46秒)
デンマークを本拠とする海運世界最大手のマースクのアーカイブズ(史資料室)に所属するヒストリアン、シャーロット・アンダーソン Charlotte Krog Andersen 氏がSNSを通じて寄せられた質問に答えます。
https://www.facebook.com/Maersk/posts/4671035102939379
https://www.linkedin.com/posts/maersk-group_maersk-heritage-leise-m%C3%A6rsk-tale-from-the-activity-6838463882172936192-balI/
(1分46秒)
こちらは、同社初のシングルスクリュー船Leise Maerskのストーリーを紹介する動画です。

■マティーニ・アーカイブズ The MARTINI Archives
動画:https://www.youtube.com/watch?v=hoiuZaxw3aU
(2分57秒)
同社ヘリテージ・マネージャーのアンナ・スクデッラーリ Anna Scudellari 氏がアーカイブズと60年前に同社が開設したワイン・ミュージアム(この種のミュージアムではイタリア最古)を紹介する動画です

■フォード・モーター・カンパニー Ford Motor Company
「フォード・ブロンコの歴史 - テッド・ライアンとブロンコのアーカイブズ」
History of the Ford Bronco - Bronco Archives with Ted Ryan
動画:https://www.youtube.com/watch?v=KIQGCnnRPgk
(3分46秒)
フォード・モーターが2021年(25年ぶり)にニューモデルを発売したSUV ブロンコのマーケティング・プロモーション動画です。同社アーカイブズのヘリテージ・ブランド・マネージャーでアーキビストでもあるテッド・ライアン氏がアーカイブズ資料を用いて、ブロンコの歴史と記録を紹介しています。


さて、動画に加え、ポッドキャストを利用した企業アーカイブズ、ヘリテージ関係の音声ストリーミング・コンテンツもしばしば耳にするようになりました。

■アイリッシュ・ディスティラーズ Irish Distillers
「完璧なブレンド:エピソード4:ストーリーテリングの芸術」2021年6月24日
A perfect blend: episode 4: the art of storytelling
ポッドキャスト:https://open.spotify.com/episode/1KMOgDAhtsjV11c5vEo6c3
(21分)
ぺルノ・リカール社の子会社アイリッシュ・ディスティラーズ社もアーカイブズの保存と活用に熱心な企業です。同社アーキビスト、キャロル・クイン Carol Quinn 氏が同社と同社のウィスキーについて語っています。

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昨年はコロナウイルス感染症対策のため中止になったストックホルム経営史研究所の「ヒストリー・マーケティング・サミット」。今年は例年通り開催されました(9月9日)。

ストックホルム経営史センター「ヒストリー・マーケティング・サミット2021」
https://www.naringslivshistoria.se/event/hms21/
(スウェーデン語)

ウェブサイトによると、登壇者は下記の企業団体のアーカイブズやブランド・マネジメント部門等の関係者です。
・ストックホルム経営史センター Centrum för Näringslivshistoria
https://www.naringslivshistoria.se/en/

・アディダス(ドイツ) Adidas
https://www.adidas-group.com/en/about/history/

・スポーティファイ(スウェーデン) Spotify
https://www.spotify.com/se/

・スカンセン財団(スウェーデン) Skansen(野外博物館)
https://www.skansen.se/en/

・民主主義百年委員会(スウェーデン) 
Committee for a Strong Democracy/Kommittén Demokratin 100 år
https://vardemokrati.se/english/

・ノーベル財団(スウェーデン) Nobelstiftelsen
https://www.nobelprize.org/the-nobel-prize-organisation/the-nobel-foundation/

・スウェドバンク(スウェーデン) Swedbank
https://www.swedbank.com/about-swedbank/our-history.html

・ICA(スウェーデン) ICA(小売業)
https://www.ica-historien.se/

・フォード・モーター(米国) Ford Motor
https://corporate.ford.com/about/history.html

・ダレン博物館(スウェーデン) Dalén Museum
https://www.dalenmuseet.se/about-the-dalen-museum/

・ストックホルム経済博物館(スウェーデン) Economy Museum
https://ekonomiskamuseet.se/en/

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ジョニー・デップ制作・主演の映画「MINAMATA」を観ました。最後のエンドロールのリストには、本通信46号で取り上げたイタリア・セヴェソでの事故も登場。今年創業125年を記念して刊行されたロシュ社の社史にも詳しい記述があります。
https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bn/20130702.html
組織の経営を支えるアーカイブズは、成功だけでなく失敗の記録も含め、体系的な記録の継承が必要であることを改めて感じました。

失敗知識データベースにも同事故は収録されています。
http://www.shippai.org/fkd/fkd_showCase.php?id=CC0300002&text1=%27%E3%82%BB%E3%83%99%E3%82%BD%27

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次号は2022年1月発行の予定です。どうぞお楽しみに。

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https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bn/index.html

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ビジネス・アーカイブズ通信(BA通信) No.92
2021年10月19日発行 (不定期発行)
【創刊日】2008年2月15日
【発行者】公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センター
【編集者】公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センター
      「ビジネス・アーカイブズ通信」編集部/
      株式会社アーカイブズ工房
【発行地】日本/東京都/北区
【ISSN】1884-2666
【E-Mail】
【サイト】https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/index.html

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