社会の主なできごと : 7月 地租改正条例制定/ 9月 遣欧使節団帰国 |
身 辺 : 5月4日 大蔵省退官(辞表提出)/ 7月8日 兜町に転居/ 8月13日 亡養子平九郎の首級を引き取る |
この詳細年譜は、『渋沢栄一伝記資料』綱文を年月日順に配列したものです。(⇒凡例)
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1873年 (明治6) |
事 項 | 『伝記資料』 |
1月12日 | [民部大蔵両省仕官時代] 是より先、五年九月十八日工部少輔山尾庸三関西鉄道会社の資金を工部省にて借上げ、京阪間の鉄道を建築せんことを正院に建議して、許可せらる。栄一之を以て大蔵省の権限を冒し、会計事務を紊すものと為し、正院に抗議す。是日正院より自今鉄道の建設は民間会社に一任し、其会社設立取扱方を大蔵省に委任すべきことを発令す。尋いで同年十二月二十八日大蔵省の稟申に因り関西鉄道会社遂に解散せしめらる。 |
第03巻 p.654-p.658 【DK030144k】 |
1月15日 | [民部大蔵両省仕官時代] 滞欧中の大蔵卿大久保利通及び工部大輔伊藤博文に書を送り、大蔵省内の事情を報じて、其対策を熟慮せんことを求む。 |
第03巻 p.658-p.660 【DK030145k】 |
1月下旬 | [民部大蔵両省仕官時代] 租税頭陸奥宗光と共に富岡製糸場を視察し、租税権大属尾高惇忠等をして該製糸場を管せしむ。 |
第03巻 p.661-p.662 【DK030146k】 |
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1873年 (明治6) |
事 項 | 『伝記資料』 |
3月3日 | [民部大蔵両省仕官時代] 藩債処分法公布せらる。尋いで本月二十五日新旧公債証書発行条例発布せらる。共に栄一の関与する所なり。 |
第03巻 p.662-p.670 【DK030147k】 |
3月8日 | [民部大蔵両省仕官時代] 是より先、神戸居留地在留の外国人等瓦斯製造所を建設せんことを兵庫県令神田孝平に出願して許さる。大蔵省初め其県令の独断許可せるに慊らざりしも遂に之を外務省に移牒し正院に具申して許可せんとし、是日栄一情を具して之を大阪滞在中の大蔵大輔井上馨に報告す。 |
第03巻 p.670-p.674 【DK030148k】 |
3月17日 | [民部大蔵両省仕官時代] 是より先、明治五年十一月国立銀行条例公布の後、大蔵大輔井上馨と共に為替会社の処分に当りしが、是日西京・大阪・神戸・大津・敦賀の五為替会社の処分を了せり。其他の為替会社の処分は栄一等退官の後に行はれたり。 |
第03巻 p.674-p.693 【DK030149k】 |
3月30日 | [民部大蔵両省仕官時代] 是より先、明治三年十二月在米大蔵少輔伊藤博文公債証書発行の議を建つるや、之を担保として銀行紙幣を発行せんとす。栄一等評議の結果公債証書を発行して之を其所有者に交付すると共に、之を抵当として銀行紙幣を発行せしむることとなし、国立銀行条例稟議の翌日引続きて之を稟議し、是日金札引換公債証書発行条例公布せらる。 |
第03巻 p.693-p.699 【DK030150k】 |
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1873年 (明治6) |
事 項 | 『伝記資料』 |
4月2日 | [民部大蔵両省仕官時代] 是より先、大蔵大輔井上馨等と共に家禄及び賞典禄処分の事を謀る。是日在米の大蔵少輔吉田清成に井上と連署の書翰を寄せ、禄制処分の議略決定せるを報ず。 |
第03巻 p.699-p.701 【DK030151k】 |
4月-- | [民部大蔵両省仕官時代] 大蔵省議事章程を頒布して各地方の長次官七十余名を会し、井上大蔵大輔議長となりて地方要務の諸件を議す。栄一章程の題言を草し、会議に与る。議題の最も重大なるものは地租改正の方法なりしが、審議の結果石盛・検見を廃し、地価賦税の画一なる新法を実施するに決す。是に於て議長は議員中若干名を委員に選びて、地租改正法を起草せしめ、案成るに及び栄一井上大輔と共に審議し、将に正院の決を仰ぎて之を公布せんとするに際し、栄一井上大輔と共に辞職したるを以て、其の施行は新に大蔵事務総裁となれる参議大隈重信によりて行はれたり。 |
第03巻 p.701-p.719 【DK030152k】 |
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1873年 (明治6) |
事 項 | 『伝記資料』 |
5月4日 | [民部大蔵両省仕官時代] 是より先、各省経費増額の要求益々烈し。大蔵大輔井上馨極力論争したれども、遂に拒む能はず。乃ち五月三日に至り辞意を決し、吏僚を集めて之を告ぐ。栄一之に同じ、是日辞表を奉呈す。十四日願に依り出仕を免ぜらる。 |
第03巻 p.719-p.741 【DK030153k】 |
5月7日 | [民部大蔵両省仕官時代] 大蔵大輔井上馨と連署して奏議を上り、政府財政の基礎を確立す可き必要を痛論す。其書新聞紙上に現はるゝに及び、物議大いに起り、太政大臣三条実美・大蔵省事務総裁参議大隈重信の奏議に対する反駁書を各省使府県等に達示す。 |
第03巻 p.741-p.779 【DK030154k】 |
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1873年 (明治6) |
事 項 | 『伝記資料』 |
6月11日 | 【01.銀行/第一国立銀行・第一銀行】 栄一創立総会に出席し、銀行営業方法、三井・小野両組より役員撰任の件、総監役を設くる事の三案を提議し、且つ自ら草案せる申合規則及び同増補を一読して衆に詢り株主の賛同を受く。席上取締役に推薦せられしも尚官職にあるを以て辞し、翌十二日総監役就任に関する契約を締結す。 |
第04巻 p.5-p.34 【DK040001k】 |
6月-- | 【01.銀行/第一国立銀行・第一銀行】 是月同行、大蔵省と官金取扱の約定を締結し、爾来其事務を取扱ふ。尋いで内務省・駅逓寮等の官金出納事務にも任じ明治九年六月に至る。 |
第04巻 p.34-p.41 【DK040002k】 |
6月~7月(?) | 【29.貿易/小野組糸方】 是より先、小野組糸方に於て浅野幸兵衛を欧洲に遣はし、蚕卵紙の直輸出を試みしことあり。栄一当時官にありしも、この企てに関与せしものの如く、情報蒐集に便宜を与ふる外、六年春、浅野の帰朝せる後は、生糸製方取調のため官命渡欧中なりし渋沢喜作を業務継続者として推薦せしが、喜作帰朝せるとき既に栄一退官の後なりしを以て、栄一の後を追うて退官せる喜作を小野組糸方の総管古河市兵衛の参謀に推薦せり。 |
第14巻 p.447-p.459 【DK140052k】 |
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1873年 (明治6) |
事 項 | 『伝記資料』 |
7月7日 | 【26.取引所/東京株式取引所 付.東京取引所】 是日紙幣頭芳川顕正は書を栄一に致して、ストツクエキスチエンジ之方法書類訳書脱稿につき一読を乞ひ更に取調方を依頼す。栄一、福地源一郎をして之が調査に当らしめ、当局に接衝して取引所設置実現に尽力す。翌七年十月十三日株式取引条例発布さる。 |
第13巻 p.243-p.262 【DK130027k】 |
7月8日 | [住宅] 是日栄一、神田小川町裏神保小路より海運橋兜町二番地に移転す。 |
第29巻 p.609-p.613 【DK290195k】 |
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1873年 (明治6) |
事 項 | 『伝記資料』 |
8月1日 | 【01.銀行/第一国立銀行・第一銀行】 是より先、七月同行、資本金を弐百四拾四万八百円に定め、利益金配当定則、諸役員月給旅費支給定則其他の諸規則を制定す。七月二十日仮開業免状を下附せられ即日開業す。三十一日、本免状を下附せられ是日株主会議開かる。栄一議長となりて創立総会以来開業以前に取扱へる諸般の事務其他を報告し、株主の承認を受く。引続き開業式行はれ紙幣頭芳川顕正祝詞を述べ、栄一亦株主総代として祝詞を朗読す。 |
第04巻 p.41-p.52 【DK040003k】 |
8月2日 | 【01.銀行/第一国立銀行・第一銀行】 同行、是日より壱円・弐円・五円・拾円・弐拾円の五種の銀行紙幣を発行す。栄一総監役として之に与る。 |
第04巻 p.52-p.55 【DK040004k】 |
8月13日 | [家庭生活/同族・親族/同族] 是日栄一、芝崎確次郎に命じて越生村に、養子平九郎の首級を求めしめ、更に七年十二月黒山村に遺骸を尋ね之を収めて帰り、上野寛永寺に於て仏事を営み、谷中の墓地に改葬す。 |
第29巻 p.5-p.8 【DK290001k】 |
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1873年 (明治6) |
事 項 | 『伝記資料』 |
10月12日 | 【01.銀行/第一国立銀行・第一銀行】 是日、同行、紙幣頭得能良介に、発行紙幣準備金並に預金準備の中三分の一を金・銀・地金・其他古金銀・洋銀等に交換積立てんことを請ひ、更に十一月十七日重ねて明治七年一月二十八日申請する所あり、太政官之を許可せず。 |
第04巻 p.55-p.57 【DK040005k】 |
10月-- | 【30.諸商工業/内外用達会社】 南貞助・有馬則興等内外用達会社を創立す。栄一株主たりしことあり。 |
第15巻 p.157-p.178 【DK150014k】 |
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1873年 (明治6) |
事 項 | 『伝記資料』 |
12月-- | 【29.貿易/生糸改会社】 横浜生糸改会社の発展に脅威を覚えし外商等、通商条約違反を名とし、外交団をして我が政府に、その解体を要求せしむることあり。然るにこの社たる、曩に栄一官にありし頃主張して設立せしめたるものなるを以て、大蔵少輔事務心得兼租税頭陸奥宗光・神奈川県権令大江卓及び会社重役等の依頼をうけ、大蔵卿大隈重信を訪ぬる等、その存続に尽力す。 |
第14巻 p.472-p.500 【DK140056k】 |
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1873年 (明治6) |
事 項 | 『伝記資料』 |
-- | [家庭生活/趣味/漢詩] 栄一の漢詩は、初め尾高惇忠に学びたるものにして、折りに感懐を托すること終生に及ぶ。即ち、是間に於ける作詩また少なからず。 |
第29巻 p.229-p.243 【DK290072k】 |
-- | 【01.銀行/第一国立銀行・第一銀行】 同行、七月二十日営業開始以来一般業務に於ても諸般の改善を計り、営業の発展を期す。六年下半季拾壱万余円の純益をあぐ。 |
第04巻 p.57-p.62 【DK040006k】 |
この詳細年譜は、『渋沢栄一伝記資料』綱文を年月日順に配列したものです。