ビジネス・アーカイブズ通信(BA通信)

第55号(2014年12月26日発行)

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
☆      □■□ ビジネス・アーカイブズ通信 □■□

☆       No.55 (2014年12月26日発行)

☆ 発行:公益財団法人 渋沢栄一記念財団 実業史研究情報センター

☆                        〔ISSN:1884-2666〕
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


この通信では海外(主として英語圏)のビジネス・アーカイブズ(BA)に関する情報をお届けします。

海外BAに関わる国内関連情報も適宜掲載しております。

今号は企業団体情報1件、行事情報1件、インタビュー1件です。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆ 目次 ◆

[掲載事項の凡例とご注意]

企業団体情報:イングランド銀行アーカイブ

行事情報:ビジネス・アーカイブズ・カウンシル(BAC)創立80周年記念大会
◎テーマ:「正しき者を招き入れよ?:ビジネス・アーカイブズへのアクセスに関する考え方に挑戦する」
     2014年11月13日
     ロイヤル・アルバート・ホール ロンドン(イギリス)

インタビュー:英国国立公文書館ビジネス・アーカイブズ関係者に聞く

☆★ 編集部より:次号予告 ★☆

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

[掲載事項の凡例]

・欧文の場合、日本語で読みやすいものになるように、タイトルははじめに日本語訳を、続いて原文を記します。
・人名や固有名詞の発音が不明の場合も日本語表記を添えました。便宜的なものですので、検索等を行う場合はかならず原文を用いてください。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

[ご注意]
・受信時にリンク先を示すURLが途中で改行されてしまう場合があります。通常のURLクリックで表示されない場合にはお手数ですがコピー&ペーストで一行にしたものをブラウザのアドレス・バーに挿入し、リンク先をご覧ください。

===================================

■企業団体情報:イングランド銀行アーカイブ

===================================
◎イングランド銀行アーカイブ Bank of England Archive

本通信編集部は、今年(2014)年4月11日にイングランド銀行を訪問し、アーカイブズ部門のマネージャー(部長)のマイク・アンソン博士 Dr. Mike Anson に案内していただきました。この記事はその時のインタビューと参考文献を基にイングランド銀行アーカイブに関してご紹介するものです。

記事は当財団実業史研究情報センターのウェブページ「世界のビジネス・アーカイブズ、日本のビジネス・アーカイブズ」において、世界と日本の優良事例として12月16日に公開したものです。

[HTML版]
https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bunken/doc003_BOEA.html

[PDF版]
https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bunken/pdf/doc003_BOEA.pdf


【目次】

イングランド銀行とは?
https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bunken/doc003_BOEA.html#01

イングランド銀行アーカイブについて
https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bunken/doc003_BOEA.html#02

イングランド銀行アーカイブ所蔵記録
https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bunken/doc003_BOEA.html#03

アーカイブズへのアクセスと利用、情報自由法、公文書法について
https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bunken/doc003_BOEA.html#04

アーカイブズと博物館
https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bunken/doc003_BOEA.html#05

アーカイブズと記録管理
https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bunken/doc003_BOEA.html#06

デジタル化
https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bunken/doc003_BOEA.html#07

アーカイブズによる積極的な情報開示と発信
https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bunken/doc003_BOEA.html#08

マイク・アンソン博士Dr. Mike Ansonについて
https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bunken/doc003_BOEA.html#09

イングランド銀行アーカイブを知るためのオンライン・リソース
https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bunken/doc003_BOEA.html#10

イングランド銀行に関わるその他のオンライン・リソース
https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bunken/doc003_BOEA.html#11

[注]
https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bunken/doc003_BOEA.html#12

[本稿執筆にあたっての参考文献]
https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bunken/doc003_BOEA.html#13


★☆★...編集部より...★☆★

イングランド銀行アーカイブ見学で特に興味深く感じた点が3つあります。

第一は、記録管理システムとアーカイブズのシステムがきちんと一貫性をもって構築・運用されている点です。また、記録管理システムからアーカイブズ・システムにデータを取り込む(ingest)する際、検索性を高めるために、記録管理システムで用いられているメタデータに加え、さらに説明的なメタデータ(descriptive metadata)を付与すること、機微に触れるセンシティブな記録や機密性を有する記録の公開時期を審査・決定すること、これらがアーカイブズの仕事であるという点です。

日本ばかりでなく海外の企業の記録管理に詳しい専門家の方にお話をうかがったことがあります。その方によると、日本の場合は記録管理と言ってもそれはファイル・サーバーの管理の話であったりして、トータルな記録管理システムの導入という話にはほとんどならない、とのことでした。日々の業務文書はデジタルで作成されており、これをルール(例えば文書管理規則)に則り効率的に管理するためにはトータルな記録管理のシステム化が必要ではないでしょうか。

そして、透明性を確保するため、記録・情報管理はますます企業の重要な課題になりつつあります。例えば、本年12月12日付の金融庁「コーポレートガバナンス・コードの基本的な考え方(案) 」基本原則3「適切な情報開示と透明性の確保」は次のように述べます。

「上場会社は、会社の財政状態・経営成績等の財務情報や、経営戦略・経営課題、リスクやガバナンスに係る情報等の非財務情報について、法令に基づく開示を適切に行うとともに、法令に基づく開示以外の情報提供にも主体的に取り組むべきである。
 その際、取締役会は、開示・提供される情報が株主との間で建設的な対話を行う上での基盤となることも踏まえ、そうした情報(とりわけ非財務情報)が、正確で利用者にとって分かりやすく、情報として有用性の高いものとなるようにすべきである。」
http://www.fsa.go.jp/singi/corporategovernance/siryou/20141212/02.pdf
(金融庁「コーポレートガバナンス・コードの策定に関する有識者会議」第8回 平成26年12月12日開催 事務局説明資料)
http://www.fsa.go.jp/singi/corporategovernance/index.html
(金融庁「コーポレートガバナンス・コードの策定に関する有識者会議」ページ)
 
コーポレートガバナンスを実現・サポートするために、必要な情報を効率的に提供する記録・情報管理システムの構築が求められています。記録・情報管理システムからアーカイブズ・システムへの確実なデータの取り込みが行われることによって、企業アーカイブズもより有用なものになるでしょう。

第二はアーカイブズ資料の整理・記述方法についてです。本文でも述べたように、イングランド銀行アーカイブの目録記述は多階層性を持たず、シリーズ・レベルの記述のみであるということでした。とてもフラットであるということです。17世紀に設立され、300年以上の歴史を持つ銀行ですから、組織の改編も度重なっており、フォンド─(サブ・フォンド)─シリーズ─(サブ・シリーズ)─ファイル─アイテムといった多階層構造をもった記述が難しいのではと考えられます。しかし、アンソン博士とミラード氏に直接この質問をぶつけてみたところ、原因はむしろ、最初の目録作成に携わった担当者がシリーズ・レベルの記述を採用したため、ということでした。

第三はデジタル化を通じた積極的なアーカイブズ資料の公開志向です。「イングランド銀行アーカイブを知るためのオンライン・リソース」中の「デジタル・コンテンツ」のリンク先をご覧になると分かるように、目録のみならず、大量の原資料がデジタル化されオンラインでの閲覧が可能になっています。ファイル形式はPDFです。

本文で述べたように、イングランド銀行はツイッターのほかに、フリッカーによる情報発信も行っています。フリッカーにアップロードされている画像はCC BY-ND 2.0(クリエイティブ・コモンズ 表示 - 改変禁止 2.0)という著作権に関する指定があります。一定の条件に従う限り、営利目的も含め、どのような目的でも、どのようなメディアやフォーマットでも資料を複製したり、再配布できます。CC BY-ND 2.0については下記のページを参照してください。
http://creativecommons.org/licenses/by-nd/2.0/jp/

このような公開方法のおかげで、「エリザベス女王のイングランド銀行の金庫室訪問」や「イングランド銀行アーカイブ所蔵資料」の画像を本文中に利用することが可能となりました。

===================================

■行事情報:ビジネス・アーカイブズ・カウンシル(BAC)創立80周年記念大会
      11月13日 ロンドン(イギリス)

===================================
◎「正しき者を招き入れよ?:ビジネス・アーカイブズへのアクセスに関する考え方に挑戦する」
Let the right one in? : challenging perceptions of access to business archives
http://www.businessarchivescouncil.org.uk/activitiesobjectives/conference/

ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで11月13日(木)に開催されたビジネス・アーカイブズ・カウンシル(BAC)年次大会に参加しました。この週はちょうどイギリスのアーカイブズ機関が協力してアーカイブズの社会的価値に対する認知度向上のための「アーカイブズを探検せよ」Explore Your Archives キャンペーンにも重なっていました。

当日のプログラムと概要をご紹介します。
http://www.businessarchivescouncil.org.uk/activitiesobjectives/conference/


【第1セッション】
ソーシャルメディアを通してアーカイブズに「アクセスする」?
'Accessing 'archives through social media?

★☆★
発表者:キアラ・キング
発表者名原文:Kiara King
発表者所属:バラスト財団
発表者所属原文:Ballast Trust
タイトル:ビジネス・アーカイブズへのアクセス:ソーシャルメディアのチャンスと落とし穴
タイトル原文:Access to business archives: the opportunities and pitfalls of social media
http://www.businessarchivescouncil.org.uk/materials/kiaraking.pdfx/

概要:キアラ・キング氏はバラスト財団アーカイブズのアーキビスト。エジンバラ大学で歴史学を学んだ後、2007年にグラスゴー大学大学院で情報管理・保存(アーカイブズと記録管理)の修士課程を2007年に修了。エジンバラ大学とスターリング・カウンシルで記録管理に携わった後2009年1月よりバラスト財団に勤務。2011年以来、スコットランドにおけるビジネス・アーカイブズのための全国的戦略の実行にも深く関わってきました。

発表では、ビジネス・アーカイブズのソーシャルメディア利用例(ツイッター、フリッカー、ブログ、フェイスブック、インスタグラム、ピンタレストなど)を紹介、アーカイブズとアーキビスト、また企業にとっての利点と課題を整理しています。アーキビストにとっての利点にはプロフェッショナルとして認知され、他の情報専門家と交流し学習する機会を提供してくれること、またさまざまな行事やニュース、文献に関する情報を得ることができる、と指摘しています。ビジネス・アーカイブズにとっては、ブランド・ストーリーや企業情報を世界中の人々に伝えることができる、自社アーカイブズの熱心なファンを集めることができる、社内外にアーカイブズの存在をアピールできる、所蔵資料の紹介ができることなどが利点です。いっぽう、落とし穴としてはユーザーからのコメントに適切に対応しないこと、誤字脱字その他コンテンツに不備があるままアップロードしてしまうこと、更新を怠ること、ソーシャルメディアでの発信をみたユーザーがアーカイブズも自由に使えるのではないかと誤解することなどが上げられました。グラスゴー大学アーカイブズの事例では、所蔵資料をソーシャルメディアを通じて利用して、現存する企業と連携したり、大学自体のマーケティングに利用していることが紹介されました。

議論では企業内のマーケティング・チームのアーカイブズ資料の利用方法は底が浅い、ソーシャルメディアの利用が下手ならば利用しない方がましではないか、会社の評判を落とすようなリスクを抱えることにつながるのではないか、などという意見が出されました。
http://www.businessarchivescouncil.org.uk/materials/kiaraking.pdfx/


【第2セッション】
アクセスを届け広げる
Delivering and opening up access

★☆★
発表者:レイチェル・グリフィン
発表者名原文:Rachael Griffin
発表者所属:ペンタバス・シアター ディレクター
発表者所属原文:Director, Pentabus Theatre
タイトル:ペンタバス・シアター・カンパニー・アーカイブズ:牛舎から目録へ
タイトル原文:Pentabus Theatre Company Archives: from cowshed to catalogue
http://www.businessarchivescouncil.org.uk/materials/kiaraking.pdfx/

概要:レイチェル・グリフィン氏は2013年からペンタバス・シアター劇団の社長。その前の6年間はイングランドのアーツ・カウンシルでさまざまな業務に携わっています。アーツ・カウンシル以前はイギリスでもっとも成功した劇場と言われているバーミンガム・ヒッポドロームで経理・人事から芸術プログラムの企画まで幅広く活躍しました。

ペンタバス・シアターは40年ほど前に設立され、地方・田舎を舞台にした高品質の新しい演劇を創り出すことをミッションとしています。この報告は、これまで劇団活動で作成されてきた記録資料の整理に取り組んだ事例の報告です。このアーカイビング活動は、ミッドランド地方(イングランド)にあるシュロップシャ―・カウンシル Shropshire Council のアーカイブズ部とそこの上級アーキビストであるサル・メイジャー、また両団体のボランティアによる取り組みです。

資料そのものはシュロップシャー・カウンシル・アーカイブズが管理し、オンライン目録も同アーカイブズのサイトから閲覧することができます。過去の上演演目に関してはペンタバスのウェブサイトに掲載したほか、大学やメディアを通じてアーカイブズの存在をアピールしています。
http://www.businessarchivescouncil.org.uk/materials/rachaelgriffin.pdf/

当日上映されたペンタバス・シアター・カンパニー紹介の動画(4分41秒)
https://www.youtube.com/watch?v=gkGe25_irHo


★☆★
発表者:スザンヌ・ケイト(アーカイブズ・マネージャーのリズ・ホールに代わって)
発表者名原文:Suzanne Keyte on behalf of Liz Harper, Archives Manager
発表者所属:ロイヤル・アルバート・ホール
発表者所属原文:Royal Albert Hall
タイトル:世界で最も有名な舞台:ロイヤル・アルバート・ホール・アーカイブズへのアクセスを広げる
タイトル原文:The World's Most Famous Stage: opening up access to the Royal Albert Hall Archives
http://www.businessarchivescouncil.org.uk/materials/lizharpersuzannekeyte.pdfx/

概要:報告を執筆したリズ・ホール氏は、V&Aミュージアムで実務経験中に、ナショナル・アート・ライブラリー&スペシャル・コレクション、アート&デザイン・アーカイブ、V&Aアーカイブズで働いた後、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)大学院でアーカイブズと記録管理の修士課程を修めています。その後ロンドン・サウスバンク・ユニバーシティ創立(1892年)以来初めての大学アーキビストとなり、4年間大学アーカイブズの構築に取り組みました。今から5年前にロイヤル・アルバート・ホールに移りアーカイブ・マネージャーを務めています。発表を代読したスザンヌ・ケイト氏は2年前からホール氏の下でアーキビストとして勤務しています。

ロイヤル・アルバート・ホールは一般の企業とは異なり教育を目的とする公益団体です。そのためあらゆる方法を用いて、アーカイブズと所蔵資料に関するアクセスを広げようとしてきました。その方法は、展示、講演会、レファレンス、外部メディアからの取材などです。アクセスを容易にするためのツールとしては、公演情報に関するデータベース、記録資料目録の整備を行ってきました。デジタル化は公演プログラム、チケット、スライド、ポスターなどを優先的に行っています。付加価値を高めるために、ソーシャルメディアの利用、ホール見学会の開催、教育プログラムの企画と提供、所蔵資料を用いたグッズの商品化と画像のライセンシングといったものに取り組んでいます。
http://www.businessarchivescouncil.org.uk/materials/lizharpersuzannekeyte.pdfx/


【第3セッション】
正しき者を招き入れよ?:アクセスを得ること、与えること
Let the right one in? : Gaining and allowing access

★☆★
発表者:マリア・シェーンキェビッチ
発表者名原文:Maria Sienkiewicz
発表者所属:バークレイズ・グループ・アーカイブズ グループ・アーキビスト
発表者所属原文:Group Archivist, Barclays Group Archives
タイトル:「109番のバスに乗って、お弁当も忘れないでください」 機密性の保持、評判、ロジスティックス:ビジネス・アーカイブズを公開することの挑戦とチャンス
タイトル原文:'Take the 109 bus and bring a packed lunch' Confidentiality, reputation and logistics: the challenges and opportunities of opening up business archives
http://www.businessarchivescouncil.org.uk/materials/mariasienkiewicz.pdfx/

概要:マリア・シェーンキェビッチ氏はバークレイズ・グループ・アーカイブズで10年間アーキビストとして働いてきました。1994年に大学院進学前の実務経験として働き始めたのも同じアーカイブズでした。修士課程修了後、再びバークレイズ・グループ・アーカイブズに戻ってくるまでは、ランカシャー文書館など3つのアーカイブズに勤務しています。現在はリバプール大学大学院のアーカイブズ・記録管理学のコースで客員講師も務めています。

バークレイズ・グループ・アーカイブズはマンチェスター郊外にあり、公共交通でのアクセスは不便で、まわりにサンドイッチを買うこともできないようなところにあります。ですから「アーカイブズへのアクセス」といった場合、こういった実際的なことを利用者に前もって伝えることから始まります。またアーカイブズの利用に関しては明確な規定があります(リンク先のPDF2ページ目参照)。「通常の記録資料は作成後30年間は非公開。法人顧客に関するものは作成後50年間は非公開で、顧客またはその相続法人から許可を得た場合は公開する。ただしこの許可は資料利用者が自分で許諾を得る。個人の顧客に関する記録資料は100年間非公開。個人顧客またはその遺族が承諾した場合は、100年未満の資料も公開する。作成後100年以上経た資料でも直系の子孫の現存が知られる場合は、なるべくその子孫から利用許諾を取るように勧めている。その他次の三つ制限事項もある。1) 現存する個人や物故者の家族を傷つけたりストレスを与える、2) バークレイズ銀行の利益を損なう、3) 情報の開示が信頼を損なう、とアーキビストが判断する場合は公開を制限する。」

できるだけ銀行外部の利用者にも記録資料を提供したいので、閲覧を希望する資料についての情報について事前に送ってもらい来館時には利用者の時間を無駄にしないように配慮しています。しかし、あくまでアーカイブズは自組織のビジネスに貢献するのが第一の目的なので、閲覧者を受け入れる場合、そのスケジュールが行内向けの他のアーカイブズ業務に影響がないか非常に意識しているということです。もし迅速に行内の求めに応じることができないと、すぐにアーカイブズ不要論を招いてしまいます。

バークレイズ銀行は来年創業325年を迎えます。この長い歴史は輝かしいことばかりではありません。40年前には良いとされていたことが、現在からすると間違っていたこともあります。それは現在のビジネスにとってリスクとなることもあるのです。14万人の従業員への影響があるかもしれないのです。しかし、アーカイブズを公開することによってバークレイズ銀行の透明性を示すことができ、またバークレイズの歴史を多くの人と共有することもできます。外部の利用者にアクセスさせるか否かはアーカイブズだけの判断ではなく、広報、ブランドチーム、法務等の部署と協議して対応します。そして日常的にはこれらの部署に対する業務支援を通じて非常によい関係を築いてきました。いっぽう、資料の公開は銀行の評判に関わるだけでなく、時として顧客やその子孫の評判に関わることもあります。

近年アーカイブズは外部からの利用に対して前向きですが、それでも常にバークレイズ銀行全体への影響を考慮しています。法令上残すべき記録というのはそれほど多くはなく、廃棄してしまっても問題ないものも、銀行はその保管コストを負担して大切に管理しています。シェーンキェビッチ氏は、アーカイブズは経営の考え方をよく理解して資料公開に対応すべきであり、アーカイブズの存在がビジネス上の不安につながるようであってはいけないし、会社からアーカイブズとその管理者(アーキビスト)は信頼を得なければいけない、と発表を結びました。
http://www.businessarchivescouncil.org.uk/materials/mariasienkiewicz.pdfx/


【第4セッション】
アクセスの過去、現在、未来
Access: past, present and future

★☆★
発表者:クリストファー・ヒルトン
発表者名原文:Christopher Hilton
発表者所属:ウェルカム・ライブラリー アーキビスト
発表者所属原文:Archivist, Wellcome Library
タイトル:「できるのか、すべきなのか、見つかるのか」: デジタル記録をめぐる問題
タイトル原文:'Can we, should we, would they notice?': issues around access to digital records
http://www.businessarchivescouncil.org.uk/materials/christopherhilton.pdfx/

概要:クリス・ヒルトン氏はウェルカム・ライブラリーの上級アーキビストでデジタル・ディスカバリーとデジタル・デリバリーを担当しており、アーカイブズのメタデータとディスカバリーに対して責任を負っています。ヒルトン氏は1987年ロンドン市のアーカイブズで近現代資料担当としてキャリアをスタートさせました。この時アーキビスト協会の遠隔地教育プログラムを受講しアーキビストとして認定されました。1993年にウェルカム・ライブラリーに移り、最初は西洋手稿部門のアシスタント・キュレーターとして紙の目録からデータベースへの移行を主導しました。現在取り組んでいるのは、ボーン・デジタルなアーカイブズ資料をウェルカム・ライブラリーのシステムに統合することと、アーカイブズのメタデータの見つけやすさ discoverability を向上させることです。

デジタルデータを長期保存してこれをユーザーに提供しうるのかという点では、ユーザーは組織内部なのか外部の歴史学者なのか、ファイル・フォーマットの範囲、オリジナルの提供かコピーの提供か、エミュレーション、バージョン管理、メタデータに関わる問題があります。提供すべきなのかという点では、英国情報保護法や著作権、提供によって生じるリスクの問題などがあります。さらに大量のデータの中から求めているデータを見つけ出すことは現実的にはかなり困難なことです。基本的には、可能な限り記録の作成段階から長期保存と提供をコントロールすることが大切ということでした。
http://www.businessarchivescouncil.org.uk/materials/christopherhilton.pdfx/

===================================

■インタビュー:英国国立公文書館ビジネス・アーカイブズ関係者に聞く

===================================

2014年11月12日、当編集部はイギリスのロンドン郊外にある英国国立公文書館を訪問し、アーカイブズ・セクター・ディベロップメント(Archives Sector Development、アーカイブズ分野支援部署)の二人の専門家、同館リサーチ部門責任者バレリー・ジョンソン博士と新検索システムDiscovery開発関係者ジョナサン・ケイツ氏にお話をうかがいました。短いインタビューでしたが興味深いお話がうかがえました。

*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*

◎バレリー・ジョンソン博士 同館リサーチ部門責任者
Dr. Valerie Johnson, Head of Research

◆編集部
リサーチ部門はどのような業務を行っているのですか。

◇ジョンソン博士
アーカイブズに関わる調査研究を行っています。さまざまな標準類、デジタル記録の保存や移管についてなどです。技術的なことよりは、ポリシー(方針、政策)に関わる部分の調査研究を行っています。電子記録の長期保存に関する国際プロジェクト・インターパレスにも参加しています。

◆編集部
ビジネス・アーカイブズにも詳しく、BACの会員でもいらっしゃいますね。

◇ジョンソン博士
ロンドン大学キングス・カレッジで企業文化について研究し、博士号を取得しました。多国籍化したイギリス企業における企業文化について、「20世紀初期におけるイギリスの多国籍企業、文化、そして帝国」'British Multinationals, Culture and Empire in the Early Twentieth Century'という論文をまとめました。その前後、ウォーリック大学で、BP(ブリティッシュ・ペトロリウム)社のアーカイブズ資料に関するプロジェクトに携わっています。これは非現用となったBP社の1975年までの記録資料の整理等を行うもので、このプロジェクトに携わった3人のうちの一人が私でした。このプロジェクトはウォーリック大学の教授がBPから委託され、費用は人件費等を含めBPが提供するものでした。そのため、この教授がケンブリッジ大学に移ることになった時、記録資料とともにプロジェクトを担当していた私たち3人も一緒にケンブリッジ大学に移りました。その後、国立公文書館に入職しました。研究テーマが企業文化で、企業資料の整理にも関わってきましたから、BACの会合にも頻繁に参加しています。

◆編集部
経営史研究のほかにアーカイブズ学については学んだことがありますか。

◇ジョンソン博士
大学の学部では英文学専攻だったんです。その後リバプール大学の修士課程でアーカイブズと記録管理を学びました。国立公文書館でも、かつては経理を担当していた人が目録部門に異動する、というようなこともありました。しかし最近はそういうことはなくなり、専門知識を持った人がそれぞれの分野を担当するようになっています。

◆編集部
BACの会誌『ビジネス・アーカイブズ』91号(2006年)に当財団の社史プロジェクトについての記事を掲載していただきましたね。記事執筆の依頼から始まり、編集の過程で何度かジョンソン博士とメールでやり取りしました。今日はついに実際にお目にかかることができました。お忙しいところありがとうございました。


*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*

◎ジョナサン・ケイツ氏 新検索システムDiscovery開発関係者
Jonathan Cates, Collections Information & Systems Manager

◆編集部
ケイツさんは、新しい検索システムである「ディスカバリー」のアーカイブズ・セクター・ディべロップメント側の担当とうかがいました。ディカバリーについて簡単にご説明いただけますか。

◇ケイツ氏
2009年にイギリス政府は「21世紀のためのアーカイブズ」Archives for the 21st Century という政策を打ち出しました。この政策には5つの柱があります。「持続可能性と資金獲得」「人材」「デジタル情報」「アクセスとデジタル化」「連携と地域おこし」です。ディスカバリーは4つ目の「アクセスとデジタル化」への対応と言えます。その年、国立公文書館では「私たちの未来の目録」Our Future Catalogue というプロジェクトが立ち上がりました。それが、2012年には「私たちのアーカイブズ発見プロジェクト」Finding Our Archives Projectとなり、今年から運用が始まった「ディスカバリー」へと繋がります。

国立公文書館のアーカイブズ・セクター・ディベロップメントが管理運営するアーカイブズ関係のデータベース、検索システムには、「全国アーカイブズ登録簿」National Register of Archives(NRA)、「荘園文書登録簿」Manorial Documents Register(MDR)、「ARCHONディレクトリ」(アーカイブズ機関に関するデータベース)、「アクセス・トゥ・アーカイブズ」Access to Archives(A2A)(全国のアーカイブズ機関の所蔵資料目録情報のデータベース)など複数のシステムがあります。利用者からすると使い勝手が悪いわけです。ディスカバリーはウェブ上の単一のアクセスポイントから、これら複数のデータベースを検索することを可能にするシステムです。

◆編集部
複数のシステムを統合するのは難しいでしょうね。

◇ケイツ氏
それぞれのデータベースの記述標準、メタデータ標準は異なっており、それを統合するのは技術的にも知的にも大きなチャレンジです。また、それぞれのデータベースは更新されつつあるものです。データベースへのデータの取り込みが自動化している部分もあれば、いまだにマニュアルで更新している部分もあります。データの取り込みの自動化・効率化を一層進めることも課題です。

ついに今年(2014年)ディスカバリーβ版の運用が始りました。ディスカバリーによって、利用者は調べたいテーマの記録資料がどこの機関にあるのか、ある特定の個人や団体・グループ・企業等が作成した記録はどの機関が所蔵するのか、その機関はどこにあるのか、どのように連絡をとればよいのか、関連する資料の目録の内容、といったことがワンストップで検索できるようになりました。2016年にはシステムの統合を終える予定です。

◆編集部
本日はありがとうございました。


*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*

[関連ページ]

「21世紀のためのアーカイブズ」Archives for the 21st Century
http://www.nationalarchives.gov.uk/archives-sector/archives-21-century.htm

http://www.nationalarchives.gov.uk/documents/information-management/archives-for-the-21st-century.pdf

「ディスカバリー」関係
http://discovery.nationalarchives.gov.uk/
http://www.nationalarchives.gov.uk/archives-sector/finding-archives.htm
http://www.nationalarchives.gov.uk/help/discovery-help.htm

渡辺悦子(国立公文書館公文書専門員)「イギリス公文書館の連携事業」
(国立公文書館『アーカイブズ』54号、2014年10月)
http://www.archives.go.jp/about/publication/archives/pdf/acv_54_p50.pdf
http://www.archives.go.jp/about/publication/archives/054.html

*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*

[略称一覧]
ACA: Association of Canadian Archivists(カナダ・アーキビスト協会)
ARA: Archives and Records Association(アーカイブズとレコード協会)
ARC: ARC magazine: archives - records management - conservation
(SoAが発行する月刊ニュースレター)
ASA: Australian Society of Archivists(オーストラリア・アーキビスト協会)
BAC: Business Archives Council(ビジネス・アーカイブズ・カウンシル)
BACS: Business Archives Council in Scotland
(スコットランド・ビジネス・アーカイブズ・カウンシル)
BAS: Business Archives Section
(ビジネス・アーカイブズ部会:SAA内の部会)
CITRA: International Conference of the Round Table on Archives
(アーカイブズに関する国際円卓会議:ICAの年次会議)
CoSA:Council of State Archivists(米国・州文書館長評議会)
DCC: Digital Curation Center(英国デジタル・キュレーション・センター)
EDRMS:Electronic Document and Record Management System
(電子文書記録管理システム)
ERM:Electronic Record Management(電子記録管理)
ICA: International Council on Archives(国際文書館評議会)
LSE: London School of Economics and Political Science
(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス)
MLA: Museums, Libraries and Archives Council
(英国 博物館、図書館、アーカイブズ評議会)
NAGARA: National Association of Government Archives and Records
Administrators
(米国・全国政府アーカイブズ記録管理者協会)
NARA: National Archives and Records Administration
(米国 国立公文書館記録管理庁)
RIKAR: Research Institute of Korean Archives and Records
(韓国国家記録研究院)
RMS:Record Management System(記録管理システム)
SAA: Society of American Archivists(米国アーキビスト協会)
SBL: Section for Business and Labour Archives
(企業労働アーカイブズ部会、ICA内の部会)
SoA: Society of Archivists(イギリス・アーキビスト協会)
TNA: The National Archives(英国国立公文書館)

*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

☆★ 編集部より:あとがき、次号予告 ★☆


博物館や美術館のショップであれこれ見て回るのは楽しい時間ですね。公文書館のショップでもさまざまな商品を見かけます。

英国国立公文書館のショップにも、書籍を中心に、歴史や所蔵資料に関わるさまざまなアイテムが置かれています。今年11月に同館を訪問した際に、特に注目したのは家系調査 genealogy、family history 関係の雑誌です。少なくとも4〜5種類の定期刊行物が発行されているようです。試しに Your Family Tree: Genealogy Advice You Can Trust (あなたの家系:信頼できる家系アドバイス)2014年11月号(149号)を購入してみました。何種類か並んでいた中からこの雑誌を選んだ理由は、その表紙にあります。下のURLをクリックして同号の表紙をご覧になるとわかるように、とても目立ったのです。
http://www.yourfamilytreemag.co.uk/blog/2014/10/28/make-the-most-of-your-local-archive-today/

紫がかった濃いショッキング・ピンク色のマフラーに惹きつけられ、次に目に入ってきたのが黄色の円の中に、黒字でくっきり浮かびあがるYOUR LOCAL ARCHIVE!(あなたの地元の文書館!)。さらに上の方には HOW TO RESTORE DAMAGED PHOTOS!(傷んだ写真を修復する方法!)とあります。迷わずこの雑誌を手にとってしまいました。

目次を見てみると、
「あなたの地元のレコード・オフィス(公文書館)を利用しなさい」
「大英帝国の失われた子どもたち」
「第一次世界大戦に関するあなたの発見をシェアしよう」
「第一次大戦 百日攻勢」

といった見出しが大きく置かれています。

総ページ数100ページ、定期購読案内(44ページに掲載)によると、年間予約の場合、定価の35%割引きにあたる44.49ポンド(約8,300円)で13号分購読できるということです。イギリスでは、家系調査に関する一般向けの雑誌が、1号あたり1,000円程度で、毎月数種類発行されているということになりますね。日本の出版界では目にすることのない分野です。家系調査の人気というものが、イギリスをはじめとする国々で、アーカイブズへの社会的認知度に貢献していることも理解できます。

上記の雑誌のほかに、次のような雑誌が刊行されています。

Who Do You Think You Are? 「あなたは自分を誰だと思う?」
http://www.whodoyouthinkyouaremagazine.com/

Family Tree 「家系図」
http://www.familytreemagazine.com/

Discover Your History 「あなたの歴史を発見して」
http://www.history-hub.com/dyh

このような状況に照らして、日本でも家系調査という観点からアーカイブズを広めることができないか、という意見も見られます。はたして日本におけるアーカイブズは家系調査に利用できるのか、利用すべきなのか・・・。

この問題に関し、東京大学文書館の森本祥子特任准教授が考察した論文があります。タイトルは「日本のアーカイブズで家系調査は可能か : 課題整理と可能性の模索」。神戸大学文学部海港都市研究センターが発行する『港湾都市研究』第5号(2010年3月発行)に掲載され、現在は神戸大学の学術成果リポジトリで全文公開されています。

ぜひご一読をおすすめします。下のリンクからどうぞ。
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/infolib/meta_pub/G0000003kernel_81002114
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/repository/81002114.pdf


☆〜〜〜☆〜〜〜☆〜〜〜☆〜〜〜☆〜〜〜☆〜〜〜☆

次号は2015年1月上旬発行予定です。どうぞお楽しみに。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆◇◆バックナンバーもご活用ください◆◇◆

https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bn/index.html

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

◆◇◆配信停止をご希望の方は次のメールアドレスまでご連絡ください◆◇◆

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

◆◇◆〈渋沢栄一記念財団からのお知らせ〉◆◇◆

□「渋沢社史データベース」(略称:SSD)
当財団実業史研究情報センターでは、2014年4月23日に「渋沢社史データベース」を公開しました。
http://shashi.shibusawa.or.jp

SSDは渋沢栄一が関係した会社の社史を中心に、社史の目次・索引・年表・資料編を検索することができるサイトです。今回は第1弾として約1,000冊の社史から抽出した約140万件のデータを搭載、2015年に第2弾として約500冊分を追加し、全部で約220万件のデータを搭載する予定です。データベースをさまざまな視点から紐解いて、経済活動や研究調査にご活用ください。


■『渋沢栄一を知る事典』(東京堂出版、2012)

2012年10月19日に公益財団法人渋沢栄一記念財団編『渋沢栄一を知る事典』が刊行されました。本書は渋沢栄一の事績を網羅的に解説した初めての事典となります。第1部では栄一の生涯と活動を100の項目に分けてわかりやすく紹介し、第2部では栄一をより深く理解するための資料と情報をまとめました。

なお、実業史研究情報センターでは、項目の執筆のほか第2部「資料からみた渋沢栄一」の編集を担当いたしました。ご高覧いただければ幸いです。
http://d.hatena.ne.jp/tobira/20121102/1351818423


□「企業史料ディレクトリ」:企業アーカイブズと企業史料の所在・概要ガイド

日本を代表する企業を中心とした企業アーカイブズと史料保存・学術研究機関合わせて30企業・団体・機関の概要、所蔵資料に関する情報を掲載しております。ぜひご覧ください。(2008年7月22日公開)
https://www.shibusawa.or.jp/center/dir/index.html


□実業史研究情報センター・ブログ「情報の扉の、そのまた向こう」

渋沢栄一、社史を始めとする実業史、アーカイブズや図書館に関連する情報をご紹介しています。文化資源に関わる東日本大震災と復興についての情報は「震災関連」カテゴリーに集約しています。
http://d.hatena.ne.jp/tobira/

「アーカイブズニュース」では公文書管理法に関する動向やアーカイブズのデジタル化、資料の発見・公開に関わるニュースを随時ご紹介しております。ブログ画面右側の「カテゴリー」にある「アーカイブズニュース」をクリックしてください。「アーカイブズニュース」として掲載した記事をまとめて一覧することができます。

・主なカテゴリーの紹介
http://d.hatena.ne.jp/tobira/20080203


□「社史に見る災害と復興」

2011年3月の東日本大震災に際し実業史研究情報センターでは、センター・ブログに「社史に見る災害と復興」というカテゴリーを新設しました。そこでは現在構築中の「社史索引データベースプロジェクト」の蓄積データを検索し、「災害と復興」に関する記事を含む社史について紹介しています。
http://goo.gl/WUE3b

災害の中で特に関東大震災についての社史記述をまとめたものが2012年12月にピッツバーグ大学図書館発行の電子ジャーナル「社史」に掲載されましたのでご紹介します。

The Great Kanto Earthquake as Seen in Shashi / Yuriko Kadokura
(社史に見る関東大震災 / 門倉百合子)
〔Shashi: the Journal of Japanese Business and Company History〕
http://shashi.pitt.edu/ojs/index.php/shashi/article/view/7

実業史研究情報センター・ブログ「情報の扉の、そのまた向こう」はほぼ毎日更新しております。どうぞご利用ください。


□「渋沢栄一関連会社社名変遷図」

渋沢栄一がどのような会社に関わったか、それが今にどうつながっているのか、一目でわかるように業種別にまとめて変遷図にしました。現在122図掲載中です。社名索引もありますので、どうぞご覧ください。またセンター・ブログのカテゴリー「社名変遷図紹介」も併せてご覧ください。なお上記『渋沢栄一を知る事典』第2部には、この社名変遷図のうち100図を掲載してあります。
https://www.shibusawa.or.jp/eiichi/companyname/index.html

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

***********************************

ビジネス・アーカイブズ通信(BA通信) No.55
2014年12月26日発行 (不定期発行)
【創刊日】2008年2月15日
【発行者】公益財団法人渋沢栄一記念財団実業史研究情報センター
【編集者】公益財団法人渋沢栄一記念財団実業史研究情報センター
      「ビジネス・アーカイブズ通信」編集部
【発行地】日本/東京都/北区
【ISSN】1884-2666
【E-Mail】
【サイト】https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/index.html

***********************************

Copyright (C)
公益財団法人渋沢栄一記念財団
2007- All Rights Reserved.

***********************************

一覧へ戻る