ビジネス・アーカイブズ通信(BA通信)

第78号(2019年2月15日発行)

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☆      □■□ ビジネス・アーカイブズ通信 □■□

☆       No.78 (2019年2月15日発行)

☆    発行:公益財団法人 渋沢栄一記念財団 情報資源センター

☆                        〔ISSN:1884-2666〕
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この通信では海外(主として英語圏)のビジネス・アーカイブズ(BA)に関する情報をお届けします。

海外BAに関わる国内関連情報も適宜掲載しております。

今号は行事情報1件と企業団体情報1件です。

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◆ 目次 ◆

[掲載事項の凡例とご注意]

■行事情報:ICA SBA主催 ビジネス・アーカイブズ国際シンポジウム
◎テーマ:「ビジネス・アーカイブズと次のゴールドラッシュ」
     2019年9月17-18日
     リーバイ・ストラウス社(米国カリフォルニア州サンフランシスコ)

■企業団体情報:イギリス国立公文書館(TNA)

☆★ 編集部より:あとがき、次号予告 ★☆

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[掲載事項の凡例]

・欧文の場合、日本語で読みやすいものになるように、タイトルははじめに日本語訳を、続いて原文を記します。
・人名や固有名詞の発音が不明の場合も日本語表記を添えました。便宜的なものですので、検索等を行う場合はかならず原文を用いてください。
・普通名詞として資料室や文書室、物理的な記録資料を表現する際は「アーカイブズ」を用います。固有名詞の場合はこの限りではありません。また物理的およびデジタル記録資料の蓄積や組織化に関しては「アーカイブ」「アーカイブ化」「アーカイビング」などの表現を用いることもあります。

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[ご注意]
・受信時にリンク先を示すURLが途中で改行されてしまう場合があります。通常のURLクリックで表示されない場合にはお手数ですがコピー&ペーストで一行にしたものをブラウザのアドレス・バーに挿入し、リンク先をご覧ください。


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■行事情報:ICA SBA主催 ビジネス・アーカイブズ国際シンポジウム
◎テーマ:「ビジネス・アーカイブズと次のゴールドラッシュ」
     2019年9月17-18日
     リーバイ・ストラウス社(米国カリフォルニア州サンフランシスコ)

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◎ビジネス・アーカイブズ・シンポジウム「ビジネス・アーカイブズと次のゴールドラッシュ」
Business Archives Symposium, "Business Archives & the Next Gold Rush"
http://archivistconnection.com/icasba2019/

2019年の国際アーカイブズ評議会(ICA)企業アーカイブズ部会(SBA)の年次会合は、9月17-18日にカリフォルニア州サンフランシスコで開催されます。サンフランシスコは、今日のシリコンバレーに当たる、1840年代のカリフォルニア・ゴールドラッシュの中心地です。同地における2019年のICA SBA国際シンポジウムでは、今日の企業アーカイブズにおける「ゴールド・スタンダード」=他の企業アーカイブズの規範となるような優良事例から、データとAIを活用した未来の新技術といったトピックまで、幅広く探求する予定です。

2日間の会議は、リーバイ・ストラウス社 Levi Strauss&Co.の世界本社で開催されます。金融機関ウェルズ・ファーゴ社の著名な企業博物館である、ウェルズ・ファーゴ・ミュージアムの見学、シリコンバレー発祥の地と言われている、ヒューレット・パッカード社のガレージ訪問、ゴールデンゲートブリッジを展望する、サンフランシスコの歴史的なプレシディオでの懇親会も予定されています。

【概要】
http://archivistconnection.com/icasba2019

◆日時:2019年9月17日(火)午前9時 ~18日(水)午後5時
◆場所:リーバイス・プラザ(リーバイ・ストラウス本社)
Levi's Plaza, Levi Strauss & Co., 1155 Battery Street, San Francisco, CA, 94111 USA
◆定員:100名(発表者とICA SBAメンバー優先)
◆参加費:無料
◆最寄りの飛行場:サンフランシスコ国際空港(SFO)またはオークランド国際空港(OAK)
◆宿泊:参加者各自で手配


【プログラム概要】
http://archivistconnection.com/icasba2019/index.php/program/
シンポジウムの登壇者は、次の4つの分野に関する発表またはライトニング・トークを行います。

◆データをよりよく活用し、新たな技術を役立てる
Better Leverage Data and Harness New Technology

◆社内アーカイブズ部門の優れたオペレーションの事例
Operational Excellence

◆ビジネス・アーカイブズのこれからの動向について
Future Trends in Business Archives

◆ゴールド・スタンダード:企業アーカイブズにおけるベストプラクティス
The Gold Standard: Best Practices in Business Archives


【参加申し込み】
http://archivistconnection.com/icasba2019/index.php/registration/

◆参加申し込み受付開始日
発表者とICA SBA会員:2019年3月7日
非会員:2019年4月7日
※申し込み締め切り:2019年5月7日または参加申し込みが100名に達した時点


【参加者交流企画】
◆サンフランシスコ プレシディオのカリフォルニア開拓者協会での夕べの集い
Evening at the Society of California Pioneers in the San Francisco Presidio
日時:2019年9月17日(火)参加者は午後6時30分までに会場に到着してください。
・サンフランシスコ湾とゴールデンゲートブリッジを一望できます。
・当日の日没は午後7時14分、常用薄明(civil twilight=日没後もまだ明るさが残っている状態)は午後7時40分まで続きます。
交通手段:
・タクシーまたはLyft/Uber分乗
・無料シャトルバス(Transbay Terminal, Embarcadero BART, Union Street/Van Ness Avenue、Presidio)

カリフォルニア開拓者協会 Society of California Pioneers
http://www.californiapioneers.org/
ICA SBAシンポジウム参加者のために期間延長される、カリフォルニア開拓者協会の企画展示「彼女の側の物語」Her Side of the Storyを見学します。この企画展ではカリフォルニア女性開拓者協会(The Association of Pioneer Women of California)会員による手書き図書に光を当てています。展示図書は米国西部の開拓時代の女性たちのカリフォルニアへの旅と新しい生活様式の創造についての詳細を明らかにしています。こういった一次資料の他に、同協会コレクションに含まれる開拓時代伝来のモノ資料を通じて、1850年代の女性の生活をより深く理解できます。


◆パロアルトのヒューレット・パッカード・ガレージでのプレカンファレンス・レセプション 
Pre-conference reception at the HP Garage in Palo Alto
日時:2019年9月16日(月)午後5時
定員:50名(参加申し込み先着順)
交通手段:各自独自の手段で現地集合
・シンポジウム前夜に当たる月曜日夜にはスタンフォード大学に近い閑静な住宅街にあるヒューレット・パッカード・ガレージでのレセプションがあります。この場所は同大学で同級生であったビル・ウィリアムとデイブ・パッカードが彼らの夢を最初に追求した小さな建物です。

◆ウェルズ・ファーゴ・ミュージアム見学
Corporate Museum Visit to Wells Fargo
日時:2019年9月17日(水)午後3時
場所:シンポジウム会場であるリーバイ・ストラウス社本社から徒歩で移動できる場所にあります。

ウェルズ・ファーゴ・ミュージアム
https://www.wellsfargohistory.com/museums/san-francisco/
大手金融機関ウェルズ・ファーゴが1852年に開業した時のその場所に現在の本店が所在します。その一角にある同社の企業博物館ウェルズ・ファーゴ・ミュージアムを見学します。展示は西部開拓時代にウェルズ・ファーゴが開拓者たちにどのように金融と速配サービスを提供したのかを物語ります。


【宿泊と交通】
http://archivistconnection.com/icasba2019/index.php/plan/

〈宿泊〉
本会合の期間中、サンフランシスコではオラクル・オープンワールド会議が予定されています。同会議には6万人程度の参加者が見込まれているため、同期間のホテル料金がすでに高騰しています。2019年度のICA SBAシンポジウムに参加希望の場合は、速やかに宿泊ホテルの予約を行うことをお勧めしています。サンフランシスコ湾対岸のオークランドのホテル料金は高騰していないので、オークランド側に宿泊し、BARTで会場に向かうのがお勧めです。またエアビーアンドビーの本社はサンフランシスコにあることもお忘れなく。

〈交通〉
公共交通機関:Muni F line(路面電車)、ライトレールのLevi's Plaza stop at Greenwich and Embarcadero、BART(地下鉄)のEmbarcadero駅からは徒歩18分

自転車・キックスクーター:Ford Go BikeとJump Bikesでは伝統的な自転車と電動アシスト自転車を利用できます。SkipとScootはどちらも電動アシストキックスクーターを利用できます。

自動車:タクシーの場合はFilbert StreetとBattery StreetまたはFilbert StreetとSansome StreetのLevi's Plaza前で下車してください。LyftとUberの本社もサンフランシスコにあります。会場から近いExploratorium向かいのFront and Green駐車場では全日の駐車料金は18ドル(early birdの場合)です。


[関連ページ]
ヒューレット・パッカード社歴史ページ(日本語)
http://jp.ext.hp.com/hp-information/about-hp/history/


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■企業団体情報:イギリス国立公文書館(TNA)

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◎TNAのデジタル、リサーチ分野での最近の動向

2018年のICA SBA国際シンポジウムは、イギリスの企業アーカイブズと企業アーキビストの専門団体BACとの共催で11月14-15日の2日間、ロンドンのイギリス国立公文書館(TNA)で開催されました。
https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bn/20181103.html

シンポジウム参加記を「情報資源センターだより」にて公開しております。
https://www.shibusawa.or.jp/center/newsletter/839.html

2日間の会合のうち、1日目はBAC中心のプログラムでした。これは現在のイギリスのアーカイブズ界の関心を強く映しだした内容と言えるでしょう。TNAの「デジタル戦略」の責任者ジョン・シェリダン氏による基調講演の中心テーマは

・私たちはデジタル・アーカイブズを信頼することができるか?
・私たちはどうやってデジタルな証拠(エビデンス)の信頼性credibilityと全体性integrity、真正性authenticity をサポートすることができるのか?

という点にありました。

デジタル保存に関しては、OAISモデルがよく知られています。これは25年ほど前に開発されたモデルで、シェリダン氏は「近年までデジタル保存に関してはこのモデルに従ってきたのだが、コンピューティングの方法が異なる方向に発達したため、今現在、デジタルでの証拠(エビデンス)と信頼性(クレディビリティ)は危機にある」という認識であると語っています。

シェリダン氏は、明確な結論を引き出すというよりは、TNAの「デジタル戦略」で示されている4つの価値、すなわち「保存する(Preserve)」「コンテクスト化する(Contextualise)」「見せる(Present)」「利用できるようにする(Enable use)」を確認しつつ、文書館実務を発展させるために有効な視点として次のような事項を示しました。

・最新の技術にどれだけお金をかけることができるのかが大切
・不確実性
・階層性からもっとフラットなものに
・アクセス
・コンピューティングのスケール
・信頼性

TNAではデジタルな文書館実務においては特に分散型台帳技術(Distributed Ledgers Technology)に注目して、様々な研究を進めています。これについては、TNAのデジタル保存サービス・マネージャーであるアレックス・グリーン氏がシンポジウム1日目に「公共的なデジタル文書館での信頼創出のためのブロックチェーン利用」Using Blockchain to Engender Trust in Public Digital Archivesというタイトルで発表を行い、TNAの「アークエンジェル・プロジェクト」についてプレゼンテーションを行っています。

シェリダン氏の講演では特に、世界銀行でのコンサルタント業務をはじめとし、グローバル金融機関での記録とアーカイブズ管理に関わった豊富な経験を持ち、現在はカナダのブリティッシュ・コロンビア大学でアーカイブズ学の教鞭をとるビクトリア・ルミュー氏の分散型台帳技術とアーカイブズに関する論考が参考文献としてあげられていました。

ビクトリア・ルミュー
「分散型台帳においてアーカイブズの絆を保存する:一つのデータモデルとシンタックス」(2017年4月)
Victoria Lemieux, Preserving the Archival Bond in Distributed Ledgers: A Data Model and Syntax
https://www.researchgate.net/publication/315830297_Preserving_the_Archival_Bond_in_Distributed_Ledgers_A_Data_Model_and_Syntax


このほかTNAがアカデミズムと研究者のコミュニティ向けに企画している2つの行事をご紹介します。

一つは2月22日に開催されるジェラルド・アイルマー・セミナー「デジタルとアーカイブ」です。これはTNA、王立歴史協会(RHS)、インスティチュート・オブ・ヒストリカル・リサーチ(IHR)の共催によるものです。名前が冠せられているジェラルド・アイルマー Gerald Aylmer (1926-2000) は王立歴史協会会長、王立歴史資料委員会(HMC)議長を務めた人物で、その功績を称えて2002年以降彼の名を冠したセミナーが毎年開かれています。
https://www.eventbrite.co.uk/e/gerald-aylmer-seminar-digital-and-the-archive-tickets-53682417556

もう一つのイベントは4月2日に開催予定の年次講演会です。TNAで毎年開催されるアニュアル・デジタル・レクチャーの今年のテーマは「抑圧としてのアルゴリズム:サーチエンジンはどのように人種差別主義を強化するのか」です。南カリフォルニア大学准教授のサフィヤ・ウモジャ・ノーブル博士が自著「抑圧としてのアルゴリズム」について語ります。

詳しくは下記のページをご覧ください。
「抑圧としてのアルゴリズム」
https://www.eventbrite.co.uk/e/annual-digital-lecture-algorithms-of-oppression-tickets-53442669463
https://twitter.com/UkNatArcRes/status/1089860422856032256

最後にもう一点。TNAのリサーチ部門の部門長に、オックスフォード大学デジタル・ヒューマニティーズ学術プログラム・マネージャーのピップ・ウィルコックス氏が最近就任しました。同大学ボードリアン図書館のデジタル・スカラシップのためのセンター長など、大学でのデジタル関係の研究ならびに管理運営に豊富な経験をお持ちです。
https://twitter.com/UkNatArcRes/status/1094929273423622145
https://www.linkedin.com/in/pip-willcox-7406b949/

以上のようなTNAの最近の動向からは、デジタル時代の文書館業務では研究者との協働の必要性や、研究者としてのバックグラウンドを持つ人々の役割が大きくなっている、と言えるようです。


[関連ページ]
ICA SBA
https://www.ica.org/en/section-on-business-archives-sba

BAC
https://www.businessarchivescouncil.org.uk/

TNA
http://www.nationalarchives.gov.uk/


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[略称一覧]
ACA: Association of Canadian Archivists (カナダ・アーキビスト協会)
ARA: Archives and Records Association (アーカイブズとレコード協会)
ASA: Australian Society of Archivists( オーストラリア・アーキビスト協会)
BAC: Business Archives Council (ビジネス・アーカイブズ・カウンシル)
BACS: Business Archives Council in Scotland
(スコットランド・ビジネス・アーカイブズ・カウンシル)
BAS: Business Archives Section (ビジネス・アーカイブズ部会:SAA内の部会)
CoSA:Council of State Archivists (米国・州文書館長評議会)
DCC: Digital Curation Center (英国デジタル・キュレーション・センター)
EDRMS:Electronic Document and Record Management System (電子文書記録管理システム)
ERM:Electronic Record Management(電子記録管理)
ICA: International Council on Archives(国際文書館評議会)
NAGARA: National Association of Government Archives and Records Administrators
(米国・全国政府アーカイブズ記録管理者協会)
NARA: National Archives and Records Administration (米国 国立公文書館記録管理庁)
RIKAR: Research Institute of Korean Archives and Records (韓国国家記録研究院)
RMS:Record Management System(記録管理システム)
SAA: Society of American Archivists(アメリカ・アーキビスト協会)
SBA: Section for Business Archives (企業アーカイブズ部会、ICA内の部会)
TNA: The National Archives (英国国立公文書館)

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☆★ 編集部より:あとがき、次号予告 ★☆

日本ではベストセラー『人生がときめく片づけの魔法』(英語訳タイトル "The Life-Changing Magic of Tidying Up")の著者、片づけコンサルタントとして知られる近藤麻理恵氏(愛称「こんまり」)の整理術を取り上げたネット番組"Tidying Up With Marie Kondo: The Japanese Art of Decluttering and Organizing"が今年の1月のストリーミング開始以来、米国をはじめとする世界数十カ国で人気を博しています。

「KonMari ~人生がときめく片づけの魔法~」Netflix(日本語)
https://www.netflix.com/jp/title/80209379

日本でも早速話題となり、この現象を取り上げた日本語記事もインターネット上に続々と現れています。

「アメリカで『こんまり』ブーム 疲れた米国人が日本文化に求める『ささやかな幸せと前進』」文春オンライン
http://bunshun.jp/articles/-/10700

「過剰な物質主義へ警鐘、アメリカ人が『こんまり』の虜になった理由とは?」
Rolling Stone Japan
https://rollingstonejapan.com/articles/detail/29976

「こんまりインタビュー『ただただ驚き』 Netflixと30カ国で大ブレイクの理由」
Business Insider Japan
https://www.businessinsider.jp/post-184396

こんまり流の片付けの中心にある考え方は、家にあるモノを「ときめきを感じるかどうか」という点で判断し、ときめかないモノは、そのモノのこれまでの役割に感謝しつつ処分する、というものです。こんまり流に片づけすることを"KonMari-ing"と表現するなど、その影響力には目を見張るものがあります。

そんな中、図書の分類・整理・処分...を職務とする図書館員(司書)や、文書の評価選別、保存、管理...を職務とする文書館職員(アーキビスト)からも、KonMari-ingに対して様々な反応が現れています。

近藤氏が自身の図書の所蔵を30冊と語ったことが、「本は30冊に制限するべき」と誤解されて、これに対する愛書家からの反発もあったようです。これに対して、ある図書館員は図書館における「除籍」(weeding、その図書館のコレクションの収書基準に合わなくなったなどの理由により蔵書を処分すること)をあげて、KonMari-ingの考え方が図書館業務とも無縁でないし、個人の蔵書の片付けにとっても参考になる点がある、といったツイートを発信していました。

さらに、オレゴン大学特殊コレクション・大学アーカイブズのアレクサンドラ・ビシオ氏(Alexandra Bisio, Lead Processing Archivist in Special Collections and University Archives)はアメリカ・アーキビスト協会(SAA)の「アーカイブズに関する社会的関心向上」のためのブログページで、アーカイブズの観点からのKonMari-ingについて語っています。アーカイブズには評価選別という業務があり、この作業を念頭におくとアーキビストや司書がKonMari-ingを頭から否定する理由はないのではないかと言います。ただし、こんまり流の「片づけ」を個人のアーカイブズの評価選別に適用しようとする場合、「ときめき」spark joyというよりは次のような観点に留意して片付け、整理(評価選別)を行うことを勧めています。

・「なぜその資料に価値があると考えるのか?」
・「その資料は唯一そこにしかない資料か、それとも大量に作成されたものだから他所でも同様のものを見つけることができるか?」
・「その資料は単独の存在であってもそれ自身で自らの意味を物語るものか? それとも作成された文脈から切り離されてしまった場合、その意味を説明することが必要であるか?」
・「あなたとあなたの家族以外で特にその資料に関心を持つ可能性があるのは誰か?」
・「将来その資料を人々はどのように利用するとあなたは考えるか?」

https://archivesaware.archivists.org/2019/01/30/responses-and-retrospectives-alexandra-bisio-on-tidying-up-with-marie-kondo/

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次号は2019年2月下旬発行の予定です。どうぞお楽しみに。

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◆◇◆バックナンバーもご活用ください◆◇◆

https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bn/index.html

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ビジネス・アーカイブズ通信(BA通信) No.78
2019年2月15日発行 (不定期発行)
【創刊日】2008年2月15日
【発行者】公益財団法人渋沢栄一記念財団事業部情報資源センター
【編集者】公益財団法人渋沢栄一記念財団事業部情報資源センター
      「ビジネス・アーカイブズ通信」編集部/
      株式会社アーカイブズ工房
【発行地】日本/東京都/北区
【ISSN】1884-2666
【E-Mail】
【サイト】https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/index.html

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