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『青淵』No.849 2019(令和1)年12月号
今年の7月に着任いたしました加藤愛子と申します。よろしくお願いいたします。
これまでの研究センターの活動を振り返りますと、渋沢栄一に関する研究推進や研究支援をシンポジウム、セミナー、関連書籍の出版、協力・助成事業など様々な形で実施してまいりました。このような実績を踏まえながらも、昨今著しく渋沢栄一への注目度が高まる中で、これまで以上に皆さんにとって知的好奇心や探求心を満たす場である研究センターとなるよう努めてまいりたいと思います。
今回は9月〜10月に研究センターが主催した事業と、今後の行事についてご紹介いたします。
2011年から始まった読書会も、お陰様で第9期を迎えることができました。たくさんのお申込みをいただき、定員を上回る49名の参加者となりました。
応募のきっかけは皆さんそれぞれですが、過去の参加者によるお声掛けや口コミによるものも見受けられ、今まで積み重ねてきた読書会活動の広まりを実感いたしました。
9月18日に実施した第1回目は、本読書会の講師、守屋淳先生による講義と読書会の説明が行われました。講義では、時代背景や歴史をたどりながら渋沢栄一の活動や『論語と算盤』に込められた思想・精神について解説いただきました。参加者の皆さんは真剣な面持ちで耳を傾けられており、その後の質疑応答も活発に交わされ充実した内容となりました。
また、この読書会は『論語と算盤』(角川ソフィア文庫)をテキストとして、あらかじめ決められた章を読み、他の参加者とディスカッションしたい事柄を準備し、当日はグループで意見や考えを自由に論じ合う形式となっています。
10月16日に行われた第2回目は、第1章の「処世と信条」について、私も実際にディスカッションに参加いたしました。立場や経験、年齢の垣根を越えた意見から、1人で読んだときには気がつかなかった読み方や考え方の発見を得られました。
また、読書会の後半では守屋先生による解説が行われるため、ディスカッションの内容をより深めていくことができます。