研究センターだより

16 比較倫理思想プロジェクトの準備会議を開催しました

『青淵』No.717 2008(平成20)年12月号

比較倫理思想プロジェクトの準備会議を開催しました。

 研究部では、新しいプロジェクトを始める前に、財団及び研究部のミッションに沿ってより充実した内容のものとするために準備会議を開催しています。来年から開始する予定の長期プロジェクトの一つ、比較倫理思想プロジェクト"Asian Perspectives for Democratic Society"の準備会議についてご報告します。

 7月31日(木)から8月3日(日)までホテル日航奈良で、プロジェクトリーダーのメリサ・ウィリアムズ(Melissa Williams:トロント大学政治学部教授で、同大学倫理学センター所長)博士を始め、カナダ・シンガポール・韓国・香港・日本から比較政治思想研究者が8人集まり、ブレーンストーミングを行いました。東アジアでは民主主義・資本主義という概念や民主主義と資本主義の関係をどのようにとらえているか。渋沢栄一、�ケ小平、リ・クアン・ユーなど東アジアのリーダーたちは、社会の基本システムを変革する際に、儒教、仏教など伝統的な宗教からどのような影響を受けていたのであろうか、などについて3日間活発な議論が展開され、新しいプロジェクトの概要が固まってきました。

 また東大寺・薬師寺を訪問し、奈良時代の東西文化交流や聖武天皇の国分寺建立を通してのガバナンスについて学ぶことができました。改めて東西思想の融合の場としての奈良の重要性が理解できました。

(研究部・木村昌人)


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