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『青淵』No.873 2021(令和3)年12月号
『青淵』9月号で参加者を募集した第10期の読書会が、先日無事にスタートいたしました。
今回も定員を超える多くのお申込みをいただきましたため、講師の守屋淳先生と共に選考を実施いたしました。ご希望に添えなかった皆様方へは大変申し訳ございませんでしたが、また次の機会にお申込みいただけますと幸いでございます。
今回の参加者の傾向は、オンライン形式での実施のため、北海道から九州と広範にわたり、さらには海外在住の方など、遠方にお住まいの方が多く集まりました。また年齢層も20代~70代と幅広く、会社員、団体職員、経営者、学生など多彩なバックグラウンドで、これからのディスカッションでどんなお話が展開されるか楽しみなメンバーとなりました。
9月15日(水)の第1回目は、前半に渋沢史料館館長 井上潤による挨拶、講師の守屋淳先生からは読書会の説明がございました。後半は渋沢史料館副館長 桑原功一によるミニ講義が行われ、その講義の中で、この読書会がかつての竜門社のように、参加者同士で知識や交流を深め新たな考え方や視点を発見する場となるようにと読書会への期待が語られました。
10月20日(水)の第2回目には、実際にディスカッションを行いました。参加者には、事前準備として『論語と算盤』の「処世と信条」の章をあらかじめお読みいただき、章の内容にちなんだテーマについて考えてきていただきました。ちなみに、この読書会では、講師による解説で本の内容を理解することよりも、参加者同士で意見を交わしあい、様々な解釈や考え方を学ぶことに重きを置いています。この回においても、とてもオープンな雰囲気の中で、仕事の経験談や生き方、モットーなど様々な切り口で闊達な議論が交わされ、参加者からも「色んな人と知り合い、意見を交わすことができて楽しかった」と早速嬉しいお声をいただきました。
これから約1年かけてディスカッションを重ね、第10期の参加者と『論語と算盤』を紐解いていきます。私も参加者の一員として一緒に学んでまいりたいと思います。
(桑原副館長によるミニ講義の様子)
現在は企画監修の守屋淳先生と共に、渋沢栄一や「論語とそろばん」について楽しみながら知識を深められるプログラムを企画しています。今回もオンライン(録画配信)で実施いたしますので、場所や時間にとらわれずご自身のペースでご覧いただけます。
プログラムや詳細が決まり次第、財団ウェブサイトなどでお知らせをいたします。今回もたくさんのお申込みをお待ちしております。
第7巻の編集もいよいよ佳境を迎えています。細部に至るチェックを繰り返す校正作業では、編著者の山口輝臣先生と執筆者の先生方による精力的な取り組みにより順調に進んでいます。
本巻は「宗教」がテーマとなっており、渋沢は無宗教を自称していたにも関わらずなぜ宗教を支援したのかという問いかけを考える内容となっております。渋沢を研究されている方にはもちろんのこと、「もっと渋沢について知りたい!」という方にもおすすめの1冊です。刊行は2022年上旬予定です。
また本シリーズは、第1巻、第2巻、第5巻、第6巻がすでに刊行されており、渋沢の多岐にわたる「フィランソロピー」活動も、少しずつその様子が明らかになってきました。現在は、第3巻、第4巻も並行して準備を進めていますので、どうぞ、刊行の折にはお手に取っていただけますと幸いです。
渋沢栄一と「フィランソロピー」⑥
『社会を支える「民」の育成と渋沢栄一 未来を拓く、次世代を創る』
編著者:見城悌治、飯森明子(責任編集)、井上潤(責任編集)
出版社:ミネルヴァ書房
会員様特別販売価格:4.180円⇒3.350円(※ご注文の際には維持会員であることをお知らせください)
※ 第1巻、第2巻、第5巻も好評販売中です!
-2022年も研究センターをどうぞよろしくお願いいたします。-
(加藤愛子)