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研究センターだより

62 『論語と算盤』オンライン読書会 懇親会と「論語と算盤の一致」について/「論語とそろばん」セミナー2022配信開始に向けて

『青淵』No.876 2022(令和4)年3月号

『論語と算盤』第10期オンライン読書会 懇親会と「論語と算盤の一致」について 

 12月の読書会終了後は、参加者からの希望のお声もありオンライン懇親会を実施いたしました。
 現在のオンラインでの読書会は対面の読書会と異なり、なかなか参加者同士で自由に雑談をする機会がないことから、オンライン上に3~4人の少人数グループを作り、15分ごとにシャッフルするという方法で、できるだけ多くの人とお話ができるようにいたしました。皆さん飲み物やスナックを片手にアットホームな雰囲気の中、講師の守屋先生や史料館館長の井上、副館長の桑原も入りながら、大河ドラマの話や栄一のエピソードに花を咲かせました。

 1月の読書会では、仁義と富貴の章について、「今日のような逆境や不景気で生きていくために『算盤』を優先せざるを得なくなることがあるが、どのように論語と算盤を両立させればよいか」という「論語と算盤の一致」に関するテーマでディスカッションを行いました。
 この大変難しいテーマに対し様々な意見や考えが交わされました。例えば、「バブル景気やその時代によって論語の価値観・受け取り方は変わるが、銀行としては苦しい状況においても、信用を損なわないように気を付ける」という銀行勤務の方のご意見や、「経営者は、逆境や不景気でなくても、常日頃から論語と算盤のバランスを考える必要がある、つまり付け焼刃ではいけないことだ」という経営者のご意見、また「価値観として、経済的な豊かさに依存するのではなく、心の豊かさについても考える」というライフスタイルを見直す考え方など、興味深いお話を伺うことができました。

 この読書会では、テーマに対する明確な答えや「こう解釈するべき」と解説で示すことはありません。色々な考え方や視野を広げるきっかけとなるよう、読書会のほとんどの時間をディスカッションにあてています。12月のオンライン懇親会で参加者同士が打ち解け、さらに活発な意見が交わされるようになったと感じました。

「論語とそろばん」セミナー2022 3月の配信開始に向けて

 今回もたくさんのお申込みをいただきありがとうございます。配信開始の3月に向けて、現在準備を進めております。ここでは、開始に先立って内容を少しご紹介いたします。

♦セミナー1「再発見!!渋沢栄一」
 本セミナーは、前回からオンライン(録画配信)形式を取ってきましたが、今回は少しでも対面で参加しているときのようにお楽しみいただきたく、渋沢栄一に関する質問を募集いたしました。こちらもたくさんの質問をお寄せいただき心より感謝申し上げます。採用された質問は、渋沢史料館館長の井上潤がお答えいたします。渋沢の意外なエピソードが聞けるかもしれません...!

♦セミナー2「『論語』の主人公・孔子の目指したこと」
 本セミナー企画監修者であり、中国古典に精通する守屋淳先生による講義です。守屋先生のお話は、中国古典に詳しい方はもちろんのこと、なじみの薄い方が聞いても楽しめるウイットに富んだお話で、読書会でもご好評をいただいています。ぜひこの機会に、渋沢栄一が親しんだ『論語』、孔子の世界に触れてみて下さい。

♦経営者インタビュー 「論語とミドリムシ」
 毎回人気の経営者インタビューは、『論語と算盤』をどのように企業経営に生かしているか、業界の最先端で様々な課題に取り組む経営者に守屋淳先生がお話を伺います。今回は「論語とミドリムシ」と題して、株式会社ユーグレナ代表取締役社長の出雲充様にご登壇いただきます。1時間の見ごたえたっぷりのインタビューです。
 申込みは2022年3月11日(金)まで受付いたします、皆さまのお申込みをお待ちしております。お申込み詳細は、本誌42ページまたは、財団ウェブサイト 研究センターをご覧ください。

トップページ⇒研究センター⇒企画・セミナー等情報⇒『論語とそろばん』セミナー2022 ※お申込み・配信は終了しました

渋沢栄一と「フィランソロピー」第7巻の刊行と、第3巻について

 1月に第7巻の編集がようやく終了し、今は刊行を待つばかりとなりました。本巻は「宗教」がテーマとなっており、渋沢は無宗教を自称していたにも関わらずなぜ宗教を支援していたのか、渋沢と宗教の関わり方や、その背景にある渋沢の考えについて語られています。渋沢を研究されている方にはもちろんのこと、「もっと渋沢について知りたい!」という方にもおすすめの1冊です。刊行は今春の予定です。
 また今年は、「地域振興」がテーマの第3巻の編集が始まります。この巻では、渋沢の「フィランソロピー」活動における、渋沢がもたらした地域振興とその波及について焦点が当てられます。どうぞお楽しみにお待ちください。

最新刊情報

渋沢栄一と「フィランソロピー」⑥ 『社会を支える「民」の育成と渋沢栄一 未来を拓く、次世代を創る』
編著者:見城悌治、飯森明子(責任編集)、井上潤(責任編集)
出版社:ミネルヴァ書房
会員様特別販売価格:4.180円⇒3.350円
※ご注文の際には維持会員であることをお知らせください
※ 第1巻、第2巻、第5巻も好評販売中です!

(加藤愛子)


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