史料館だより

71 渋沢史料館の「ポスター」あれこれ

『青淵』No.883 2022(令和4)年10月号

 渋沢史料館では企画展や普及事業などを開催するごとに、広報宣伝・告知用のポスターを作成・掲示して、皆様に事業をお知らせしてきました。
 これらのポスターは、展示の会期やイベントが終了すると廃棄される運命にあり、その後、再び目にすることはほとんどありません。しかし当館では、ポスターを作成する際に、あらかじめ保存分として数枚を残しておき、収蔵庫で大切に保管しています。
 保存されているポスターは、主に1998年の「新館」オープン以降のものです。作成方法は事業の担当者によって異なり、企画展のポスターの場合は、担当学芸員が最初からデザインを考えて作成したり、または基本情報と画像イメージを外部の業者やデザイナーに伝えて、外注して作成したりするなど、さまざまです。サイズはB2判、B3判、A2判、A3判などがあり、向きはタテ、ヨコがあります。担当の学芸員は、限られた予算と時間のなかで、必要な文字情報と「目玉」となる展示資料画像などの素材を組み合わせてポスターを作ります。
 今回は過去に作成したポスターをいくつかご紹介します。[写真1]は、当館「新館オープン」告知(1998年)、[写真2]は「新館オープニング企画展 飛鳥山と渋沢栄一」(同年)、[写真3]は「企画展 飛鳥山の渋沢邸―晩香廬の改修を終えて」(1999年)、[写真4]は「企画展 日本実業史博物館をつくりたい!」(2001年)、[写真5]は「企画展『女大学』から女子大学へ」(2002年)、[写真6]は「企画展 Message from青淵文庫」(2003年)、[写真7]は「企画展 王子・滝野川と渋沢栄一」(2008年)、[写真8]は「企画展 日本人を南米に発展せしむ」(2008年)、[写真9]は「企画展 学生寄宿舎の世界と渋沢栄一」(2010年)。

468-001.jpg写真1 「渋沢史料館 新館オープン」(1998年)

468-002.jpg写真2「新館オープニング企画展 飛鳥山と渋沢栄一」(1998年) 468-003.jpg写真3「企画展 飛鳥山の渋沢邸―晩香廬の改修を終えて」(1999年)

468-004.jpg写真4「企画展 日本実業史博物館をつくりたい!」(2001年)

468-005.jpg写真5「企画展『女大学』から女子大学へ」(2002年) 468-006.jpg写真6「企画展 Message from青淵文庫」(2003年)

468-007.jpg写真7「企画展 王子・滝野川と渋沢栄一」(2008年)

468-008.jpg写真8「企画展 日本人を南米に発展せしむ」(2008年) 468-009.jpg写真9「企画展 学生寄宿舎の世界と渋沢栄一」(2010年)


 ご紹介したポスターは全体の一部にすぎませんが、過去のポスターを振り返ってみると、その時代ごとの流行やデザイン、雰囲気を感じます。また展示や関連イベントの魅力を皆様に伝えようと試行錯誤した、当時の学芸員の苦心も伝わってきます。
 これらは新たにポスターを作成する際の参考になるとともに、当館の活動の大切な記録でもあります。インターネットやSNSが発達した現代ではありますが、当館では今後も企画展や普及事業などの情報を皆様に広くお伝えする媒体として、ポスターを活用してまいります。駅の掲示板等で当館のポスターにご注目いただければ幸いです。

(学芸員 関根 仁)

*今秋、当館では過去のポスターを一堂にご覧いただける機会を検討しています。詳細は
当館ウェブサイトなどでお知らせいたします。


一覧へ戻る