史料館だより

66 新たなスタート

『青淵』No.862 2021(令和3)年1月号

 明けましておめでとうございます。

 みなさまお揃いでうららかな春をお迎えになられたことと、お慶び申し上げます。渋沢史料館は本年も職員一丸となり、渋沢栄一を伝える博物館として真摯に活動し、調査研究の成果を、展示や普及事業など様々なかたちで皆様にお伝えしてまいります。

 おかげさまをもちまして、当館は2020年11月3日にリニューアルオープンをいたしました。コロナ禍において、新しくなった渋沢史料館をどのようにスタートさせるのかを繰り返し検討しました。そして感染予防対策に考慮して、事前予約制の導入、開館日時の制限という、皆様にはご不便をおかけしながら、同月19日にようやく一般公開となりました。

 11月3日には、ささやかではありましたが、渋沢栄一記念財団の職員一同でオープニング式典を催しました。樺山理事長、井上館長、渋沢雅英相談役がテープカットを行い、職員全員でオープンを祝いました。11月5日からは内覧会を実施し、リニューアルオープンにご協力、ご支援をいただいた皆様をお招きして、新しい展示をご覧いただきました。お越しいただいた皆様と、展示制作や施設工事などリニューアルにまつわる苦労を振り返りながらの充実したひと時となりました。

 このたびのリニューアルは、関係者の皆様からの励ましやご指導があったからこそ、オープンを迎えることができたのだと、改めて感謝の思いで胸がいっぱいになりました。この場をお借りして、当館にいつもあたたかなエールを送ってくださる皆様にお礼を申し上げます。

 ただ、当館のリニューアルはすべてが完了したわけではありません。今春には、さらに新しい方法で展示をお楽しみいただけるように準備を進めております。どのような手法が加わっていくのか。成長をし続ける博物館として、新たな渋沢史料館にご期待をいただきたいと思います。

 そして、いつか新型コロナウイルスが終息し、私たちの日常が落ち着きを取り戻した時には、感染予防のために使用を休止とさせていただいている展示施設をご覧いただき、また各種の普及事業にもご参加いただけるよう、しっかりと準備をしてまいります。本年も昨年以上のご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

(渋沢史料館副館長 川上 恵)


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