ビジネス・アーカイブズ通信(BA通信)

第67号(2016年11月15日発行)

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☆      □■□ ビジネス・アーカイブズ通信 □■□

☆       No.67 (2016年11月15日発行)

☆    発行:公益財団法人 渋沢栄一記念財団 情報資源センター

☆                        〔ISSN:1884-2666〕
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この通信では海外(主として英語圏)のビジネス・アーカイブズ(BA)に関する情報をお届けします。

海外BAに関わる国内関連情報も適宜掲載しております。

今号は行事情報2件、文献情報2件です。

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◆ 目次 ◆

[掲載事項の凡例とご注意]

行事情報:ビジネス・アーカイブズ・カウンシル(BAC)年次大会
◎テーマ:「新しい分野に乗り出す:サービスを多様化することによる報酬と現実」 2014年11月21日
  HSBC キャナリー・ワーフ、ロンドン(イギリス)

文献情報:ボブ・ディランとアーカイブズ、デジタル化

文献情報:「ジャーナル・オブ・デジタル・メディア・マネジメント」第4巻第2~4号目次

行事情報:国際アーカイブズ評議会(ICA)ソウル大会 専門部会長会合

☆★ 編集部より:次号予告 ★☆

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[掲載事項の凡例]

・欧文の場合、日本語で読みやすいものになるように、タイトルははじめに日本語訳を、続いて原文を記します。
・人名や固有名詞の発音が不明の場合も日本語表記を添えました。便宜的なものですので、検索等を行う場合はかならず原文を用いてください。
・普通名詞として資料室や文書室、物理的およびデジタル記録資料を表現する際は「アーカイブズ」を用います。固有名詞の場合はこの限りではありません。また記録資料の蓄積や組織化に関しては「アーカイブ」「アーカイブ化」「アーカイビング」などの表現を用いることもあります。

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[ご注意]
・受信時にリンク先を示すURLが途中で改行されてしまう場合があります。通常のURLクリックで表示されない場合にはお手数ですがコピー&ペーストで一行にしたものをブラウザのアドレス・バーに挿入し、リンク先をご覧ください。


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■行事情報:ビジネス・アーカイブズ・カウンシル(BAC)年次大会
11月21日 ロンドン(イギリス)

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◎「新しい分野に乗り出す:サービスを多様化することによる報酬と現実」
Branching out: the rewards and realities of diversifying your service
http://www.businessarchivescouncil.org.uk/activitiesobjectives/conference/

ビジネス・アーカイブズ・カウンシルの年次会合が11月21日、ロンドンのキャナリー・ワーフにあるHSBC本店にて開催されます。今年の会合のテーマは「新しい分野に乗り出す:サービスを多様化することによる報酬と現実」。プログラムをご紹介します。

■□■ 開催要項 ■□■
[会場]
HSBC本店(ロンドン、キャナリー・ワーフ)
HSBC's head office, Canary Wharf, London

[日時]
2016年11月21日(月)

[テーマ]
「新しい分野に乗り出す:サービスを多様化することによる報酬と現実」
Branching out: the rewards and realities of diversifying your service

[プログラム]

★プログラム
http://www.businessarchivescouncil.org.uk/materials/2016bacconfprogv2.docx/

★講演概要
http://www.businessarchivescouncil.org.uk/materials/2016bacconfabstractv2.docx/


○9.30 - 10.20
受付 Registration

○10.00 - 10.20
会員総会 BAC AGM

○10.20 - 10.30
休憩 Comfort Break

○10.30 - 10.40
会長より開会の辞 Welcome from Chair

○10.40 - 10.50
アイスブレーカー Ice-breaker
*所属機関での経験、または業界内で耳にしたことのある非伝統的なアーカイブズ・プロジェクトについて話し合う。

【基調講演】
○10.50 - 11.20
講演者:ジェフ・ジェイムズ Jeff James
所属等:英国国立公文書館 The National Archives
タイトル:未定
紹介:講演者は海軍のエンジニアとしてキャリアをスタート。その後リーズ大学、市場調査関連民間企業、英国図書館を経て英国国立公文書館の管理部門に6年間勤務。その後住宅関係機関のナンバー2を経て、2014年7月より国立公文書館館長に。
[関連URL]
英国国立公文書館サイト内館長紹介ページ
http://www.nationalarchives.gov.uk/about/our-role/executive-team/jeff-james/
英国国立公文書館サイト トップページ
http://www.nationalarchives.gov.uk/


○11.20 - 11.40
休憩 Refreshments

【テーマ1】
●伝統的なアーカイブズ機能を超える Moving beyond traditional archive functions

○11.40 - 12.10
講演者:ヘレン・スウィナートン Helen Swinnerton
所属等:HSBCアーカイブズ HSBC Archives
タイトル:もう一つの現実:HSBC150周年記念へ向けて新しいレンズを通してアーカイブズを見る
A Different Reality: seeing the archives through a new lens for HSBC150
紹介:創業150周年を記念するHSBC@150はこれまでの利用者を超えた幅広いオーディエンスに資料を紹介する機会となった。この取り組みには幅広い分野の専門家が関わっており、アーカイブズはこれらの専門家を結びつける岩盤の役割を果たした。講演ではこれらの取り組みについて語る。講演者ヘレンは2002年から2年間ロンドンのHSBCアーカイブズに勤務後、香港にあるHSBCアジア太平洋アーカイブズの責任者になった。香港では本務の他にユネスコ世界記憶遺産アジア太平洋委員会事務局長、香港アーカイブズ協会事務局長も務めている。
[関連URL]
HSBCサイト内アーカイブズのページ
http://www.hsbc.com/about-hsbc/company-history/hsbc-archives
米の粒をモチーフにした彫刻作品(本店ロビーに展示されている150周年記念オブジェ)
http://www.hsbc.com/about-hsbc/company-history/hsbc-anniversary-sculptures

○12.10 - 12.40
講演者:ソフィー・クラップ Sophie Clapp
所属等:ブーツ・アーカイブズ Boots Archives
テーマ:優れた教育という恩恵を活用する
Exploiting the benefits of a good education
紹介:かつてブーツ・アーカイブズではほぼ社内向けに限定された業務を行っていた。しかし近年サービスの対象を変えつつある。それは学術コミュニティへのサービスである。講演では学術コミュニティへのサービスがどのようなメリットを持つのか、またどのような問題があるのかを語る。講演者ソフィーはウォルグリーン・ブーツ・アライアンスのアーカイブズ、ミュージアム、記録管理を担当している。最初の職場はギネス。1995年にユニバーシティ・カレッジ・ロンドンで大学院レベルのアーカイブズの課程を修了した後、ケンブリッジ大学チャーチル・センターで資料整理・目録作成に携わる。15年前にブーツ社に入社し、8年前からアーカイブズ、記録管理部門の責任者である。
[関連URL]
ブーツUK ヘリテージ・ページ
http://www.boots-uk.com/about-boots-uk/company-information/boots-heritage/
ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス・サイト 歴史ページ
http://www.walgreensbootsalliance.com/about/history/
[関連URL]:ブーツUKの親会社アライアンス・ブーツ社は米国のウォルグリーンズに2012年に買収され、2014年12月31日よりウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス社の子会社となった。


○12.40 - 13.00
小パネル Micro-panel

○13.00 - 14.00
ランチ Lunch
歴史ウォールと米の粒彫刻作品見学ツアー
History Wall and Grain of Rice Sculpture tour

【テーマ2】
●収集、解釈、目録作成に対するコミュニティの影響
Community impact on collecting, interpreting and cataloguing

○14.00 - 14.15
講演者:アンドリュー・フリン Dr Andrew Flinn
所属等:ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン University College London
テーマ:アーカイブを開く:アーカイブズ機能に対するコミュニティのアプローチと参加型のアプローチ
Opening up the archive: community and participatory approaches to archival functions
紹介:これまでアーキビストの仕事と考えられてきた評価選別や目録記述への一般の人々やコミュニティの人々の参加が講演のテーマである。企業その他のアーカイブズ業務に、専門的なアーキビストではないステークホールダーの知識や専門性が利用できることについても述べる。講演者はユニバーシティ・カレッジ・ロンドン情報学大学院のアーカイブズ学とオーラル・ヒストリーの准教授。国際アーカイブズ評議会アーカイブズ学教育部会(ICA/SAE)の運営委員のほか、複数のアーカイブズ関連団体の幹部である。コミュニティ・アーカイブズに関する研究と執筆多数あり。
[関連URL]
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのアンドリュー・フリン博士のページ
http://www.ucl.ac.uk/dis/people/andrewflinn
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン 情報学大学院のページ
http://www.ucl.ac.uk/dis

○14.15 - 14.30
講演者:ケイト・メイジー Kate Maisey
所属等:グロスターシャー・アーカイブズ Gloucestershire Archives
テーマ:「リスターは最高」:ダーズリーのR・A・リスター技術者アーカイブズへのボランティアの関わり
'There's nothing like a Lister': volunteer involvement with the archive of R A Lister & Co Ltd of Dursley, engineers
紹介:公文書館であるグロスターシャー・アーカイブズが、ボランティアを利用して、地元の有力企業であるダーズリーのR・A・リスター社アーカイブズの保存、目録作成作業、利用振興を図ってきた事例研究である。講演者は専門資格を持つアーキビストとして30年以上のキャリアを持つ。BBCで短期間レコード・マネージャーを務めた後、グロスターシャー・アーカイブズで目録作成、コレクション管理チームのリーダーを経て、アーカイブズ・ディべロップメント・オフィサーに今月5月に任命された。この新たなポストはボランティアや地域のグループとの連携やアーカイブズの収集・保存・共有を統括する業務を担当する。
[関連URL]
グロスターシャー・アーカイブズ
http://www.gloucestershire.gov.uk/archives/article/107703/Archives-Homepage
英国国立公文書館ディスカバリーに登録されているダーズリーのR・A・リスター社文書記録情報
http://discovery.nationalarchives.gov.uk/details/rd/338610d0-a97e-4e77-afb5-7f46d8f3c65e

○14.30 - 14.45
講演者:ビクトリア・ホイル Victoria Hoyle
所属等:ヨーク探訪:ヨーク図書館・文書館 Explore York Libraries and Archives
テーマ:貴重書庫を出て、街頭へ:ヨーク:歴史へのゲートウェイ、2012-2016
Out of the strongroom and into the street - York: A Gateway to History, 2012-2016
紹介:2012年の調査によると文書館の場所を知るヨーク市民はたったの6%であった。文化遺産宝くじ基金(HLF)の助成を受けた「ヨーク:歴史へのゲートウェイ」プロジェクト等の結果、3年後には先の数字は40%に上昇した。講演では多様なコミュニティとアーカイブズ資料をどのように結びつけるのか、そのための戦略、成功の要因、教訓などを語る。
[関連URL]
ヨーク探訪:ヨーク図書館・文書館ウェブサイト
https://www.exploreyork.org.uk/
ヨーク:歴史へのゲートウェイ ブログサイト
https://citymakinghistory.wordpress.com/gateway-to-history/

○14.45 - 15.00
講演者:ジェイムズ・ロバーツ James Roberts
所属等:広告史財団 ディレクター Director, History of Advertising Trust
テーマ:ゴースト・サイン、都会の過去の足跡:共同制作とコミュニティ・アーカイブズ
Ghost signs, traces of an urban past - co-production and community archives
紹介:ウェブの発達によって、文化遺産に関わる組織は、一般の人々のウェブ・コンテンツ作成への参加モデルを積極的に推奨している。アマチュアによるインターネット上でのアーカイブ・コレクションも花盛りである。英国では建物の外壁に直接手書きで描いた広告がかつては一般的であった。この「ゴースト・サイン」は、現在もなおその姿を留めるものがあるが、雨風、不動産開発、建物の取り壊しなどによって次第に姿を消している。2010年以来、イギリスとアイルランド内のゴースト・サインを写真に収め、調査研究し、アーカイブする活動が進められてきた。この活動によって収集されたデジタル素材は、「広告史財団」によるオンライン展示に活用されている。アーキビスト、歴史家、写真家によるこの取り組みは「下からの歴史」の先駆的な事例とも位置付けられている。これまでイギリスの広告史では見過ごされていた分野と言える。講演者は2015年、ノーフォークにある広告史財団(1976年設立)のディレクターに就任。エセックス大学大学院修了後イギリスとアールランドでフリーランスのキュレーターとして働いた後、1997にノーフォーク市の博物館考古学部門に加わり、さまざまなプロジェクトに携わってきた。
[関連URL]
ゴースト・サイン
http://www.ghostsigns.co.uk/
ベター・レターズ
http://betterletters.co/


○15.00 - 15.20
小パネル Micro-panel

○15.20 - 15.35
休憩 Refreshments

【テーマ3】
●コレクションを21世紀のオーディエンスにさらにふさわしいものにする
Making collections more relevant for the 21st century audience

○15.35 - 16.00
講演者:ジェイク・バーガー Jake Berger
所属等:BBCアーカイブ BBC Archive
テーマ:「BBC思い出アーカイブ:アーカイブ資料を認知症の人々を支援するのに用いる」
'BBC Reminiscence Archive - using archive material to help people with dementia'
紹介:BBCレムアーク(BBC RemArcまたは「BBC思い出アーカイブ」BBC Reminiscence Archive)は、BBCアーカイブの素材を刺激として利用して、認知症の人々の記憶を誘発することを助けるようデザインされたウェブ・アプリ。このプロジェクトはBBCアーカイブ開発チーム、ダンディー大学とセント・アンドリュース大学の臨床研究チームが協力して作成したものである。このプロジェクトで明らかになったのは、アーカイブズ所蔵のごく普通の一般的な資料(あるいはあまり価値がないと思われている資料)が実はある種のコミュニティの人々にとってはとても大きな価値を持つことである。とりわけ認知症の人々の生活の質向上にたいへん大きな価値をもたらす。講演者ジェイク・バーガーは約20年前に心理学者としてBBCで働き始めた。2年以上勤務するつもりはなかったにも関わらず、結局その後今日までTV番組制作管理、財務、施設管理、技術プロジェクト、チェンジ・マネジメント、プログラム管理など、BBC内のさまざまな業務に従事することなった。現在はアーカイブ開発チームで技術革新に携わっている。このチームはBBCのさまざまなアーカイブズをより多くの人々が利用できるようにすることをミッションとしている。ジェイクはそのほかロンドン南東部にあるチルドレンズ・クリエイティブ・コミュニティ・クラブの設立者でありディレクターを務める。
[関連URL]
レムアーク(BBC思い出アーカイブ) ウェブページ
http://www.bbc.co.uk/taster/projects/remarc
レムアークに関するジェイク・バーガーの説明(Inside storyのタブをクリック)
http://www.bbc.co.uk/taster/projects/remarc
BBCアーカイブ BBC Archive
http://www.bbc.co.uk/archive/
BBCアーカイブとBBCオンラインについて
http://www.bbc.co.uk/blogs/internet/entries/f7126d19-2afa-3231-9c4e-0f7198c468ab
BBC文書アーカイブズ・センター BBC Written Archives Centre
http://www.bbc.co.uk/informationandarchives/access_archives/bbc_written_archives_centre
英国国立公文書館ディスカバリーに登録されているBBC文書アーカイブズ・センター情報
http://discovery.nationalarchives.gov.uk/details/a/A13532002
チルドレンズ・クリエイティブ・コミュニティ・クラブ ウェブサイト
http://thecccclub.org/
ジェイク・バーガーが紹介されているページ(チルドレンズ・クリエイティブ・コミュニティ・クラブ サイト内)
http://thecccclub.org/about-us/the-team/

○16.00 - 16:25
講演者:アリケ・オケ Arike Oke
所属等:ランベール・アーカイブ Rambert Archive
テーマ:「箱を開ける:アーカイブのツアー公演」
'Unboxing: performing the archive on tour'
紹介:ランベール・ダンス・カンパニーはイギリス最古のダンス・カンパニーで1926年結成。結成90周年を記念して、同ダンス・カンパニー・アーカイブがアーカイブのツアーを行った。講演ではこのツアーの実現の経緯や今後の課題が語られる。講演者はランベール・ダンス・カンパニー・アーキビスト。舞台芸術に関わる団体、協会で役員を務める。同ダンス・カンパニー・アーキビストとして働くようになるまでは、ハル歴史センターとトインビー・ホールでバーミンガム市文書館のための「歴史をつなぐ」プロジェクトに従事していた。
[関連URL]
ランベール・アーカイブ Rambert Archive
http://www.rambert.org.uk/explore/rambert-archive/
「歴史をつなぐ」プロジェクト Connecting Histories project
http://www.connectedhistories.org/


○16.25 - 16.50
ディスカッション Campfire discussion groups

○16.50 - 17.00
議長からのまとめと閉会 Summary and close From Chair

○17.00 - 18.00
BACワッズワ―ス賞イベントのためにバークレイズに移動
Transfer to Barclays for BAC Wadsworth Prize


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■文献情報:ボブ・ディランとアーカイブズ、デジタル化

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今年度のノーベル文学賞を受賞したボブ・ディランのアーカイブズ、デジタル化に関する二つの記事をご紹介します。

◎クリスティ・スミス=スローマン「ボブ・ディランの宝の蔵の守り人に会う」
Christy Smith-Sloman, Meet the man in charge of Bob Dylan treasure trove
October 16, 2016
New York Post
http://nypost.com/2016/10/16/meet-the-folk-musician-in-charge-of-bob-dylan-treasure-trove/

『ニューヨークポスト』紙のこの記事によると、米国オクラホマ州にあるタルサ大学University of Tulsaとジョージ・カイザー・ファミリー財団は今年の3月、ボブ・ディランの歌曲の詩の草稿、ノート、フィルム・リール、書簡その他6,000点あまりのコレクションを購入したということです(価格は非公開)。このコレクションを管理しているのがニューヨーク市ブルックリン在住のマイケル・チェイグン氏(41歳)。チェイグン氏は5月に同コレクション担当に採用されました。

文書資料のみならず、ディラン作品と関連するモノ資料(「ミスター・タンブリン・マン」誕生のきっかけとなったタンブリンや1965年に米国ロード・アイランド州ニューポートで開催されたニューポート・フォーク・フェスティバルでの舞台で着用した皮革ジャケットなど)も含まれています。


◎マーク・ビーチ「50年前のボブ・ディランの写真公開:数十億ドルのアーカイブ・ビジネスを喚起する」
Mark Beech, Bob Dylan photos revealed after 50 years, spurring multi-billion archive business
NOV 2, 2016
Forbes
http://www.forbes.com/sites/markbeech/2016/11/02/bob-dylan-photos-revealed-after-50-years-spurring-multi-billion-archive-business/#2b2d418b3e61

今月(2016年11月)2日ボブ・ディランの写真とフィルムが新たに公開されました。デジタル・リラブ社(Digital ReLab)はほとんど知られていない会社ですが、過去4年にわたって、ボブ・ディラン・ミュージック・カンパニーの(デジタルでの)アーカイブ構築にあたってきました。記事によると同社が管理している未公開資料は数十億ドルの価値があるのではないかといいます。(ボブ・ディラン・ミュージック・カンパニーがタルサ大学とジョージ・カイザー・ファミリー財団に売却した6,000点の資料の売却益によって、タルサ大学に閲覧スペースを設けることも計画されている、と記事にはあります。)

同社はスターカイブ(Starchive)というソフトウェアを用いてデジタル化した資料のアーカイブ化を行っています。同ソフトを開発したのはピーター・エイゲラストーというレコード録音スタジオの所有者であり、以前考古学者であった人物です。スターカイブは資料のタイプを問わずに整理可能、ウェブ・ブラウザで閲覧できます。

資料の中身は現在のところ非公開ですが、関係者によるとディランの活動を記録した重要な資料(文書とモノ両方)が含まれているということです。デジタル・リラブ社の経営者であるリチャード・エイヴェリット氏によると、許諾関係と日時に関する資料のメタデータがすべてきちんと保持されているため、資料同士を関連付ける潜在的な可能性が高いと語っています。

同社はボブ・ディラン・ミュージック・カンパニーのアーカイブに続き、シャーマン・グリンバーグ・フィルム・ライブラリー(2500万フィート≒約7620キロメートル相当の1895年から1958年にかけての米国パラマウント社とフランスのパテ社製作の35ミリフィルムを所蔵)、ニューヨーク・フィルハーモニック、スタッズ・ターケル・ラジオ・アーカイブをスターカイブを用いてデジタル的に一元管理できるよう組織化している最中であるということです。

[関連ページ]
タルサ大学
https://utulsa.edu/
タルサ大学ボブ・ディラン・アーカイブ
http://bobdylanarchive.com/
ジョージ・カイザー・ファミリー財団
http://www.gkff.org/
「カイザー・ファミリー財団とタルサ大学がボブ・ディラン・アーカイブを獲得」(『タルサ・ワールド』2016年9月16日記事)
http://www.tulsaworld.com/scene/music/kaiser-family-foundation-tu-acquire-bob-dylan-archive/article_732caa5f-16bd-5073-8e80-008d3e909046.html
(この記事によると、タルサ大学とジョージ・カイザー・ファミリー財団が購入することができたのは、タルサ大学がボブ・ディランの敬愛するウディ・ガスリーのアーカイブを管理していることも影響しているようです。)
デジタル・リラブ社
https://www.digitalrelab.com/
デジタル・リラブ社 スターカイブ
https://www.digitalrelab.com/aboutstarchive.php
シャーマン・グリンバーグ・フィルム・ライブラリー
http://www.shermangrinberg.com/
ニューヨーク・フィルハーモニック・アーカイブズ・コレクション
http://nyphil.org/about-us/history/archives-collections
ニューヨーク・フィルハーモニック・デジタル・アーカイブズ
http://archives.nyphil.org/


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■文献情報:「ジャーナル・オブ・デジタル・メディア・マネジメント」第4巻
第2~4号記事情報

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◎「ジャーナル・オブ・デジタル・メディア・マネジメント」第4巻第2~4号
目次
Journal of Digital Media Management
https://www.henrystewartpublications.com/jdmm/v4

「ジャーナル・オブ・デジタル・メディア・マネジメント」第4巻2号から4号までの各論文記事に関する現物に基づいた書誌的情報をご紹介します。

■[第4巻(2015-16)第2号]

○タイトル:複数のグループが関わるアセット・ワークフローを自動化する秘訣
原題:The secret to automating multi-party asset workflows
著者名:リチャード・W・クルーン
著者名原文:Richard W. Kroon
著者所属等:エンターテイメント識別子レジストリ協会 エンジニアリング・ディレクター
著者所属等原文:Engineering Director, Entertainment Identifier Registry Association
[関連URL]
エンターテイメント識別子レジストリ協会
Entertainment Identifier Registry Association (EIRA)
http://eidr.org/
国際DOI財団DOIハンドブック「はじめに」
http://www.doi.org/doi_handbook/translations/japanese/doi_handbook/1_Introduction.html

○タイトル:ノースウェスタン大学におけるデジタル画像アセットのマネジメント
原題:Managing digital image assets at Northwestern University
著者名:ニコラ・フィンツァー
著者名原文:Nicole Finzer
著者所属等:ノースウェスタン大学ビジュアル・リソース・ライブラリアン
著者所属等原文:Visual Resources Librarian, Northwestern University
[関連URL]
ノースウェスタン大学図書館
http://www.library.northwestern.edu/

○タイトル:英国図書館のヘブライ語手稿資料コレクションをデジタル化する:挑戦と洞察
原題:Digitising the British Library's collection of Hebrew manuscripts: challenges and insights
著者名1:ミリアム・ルイス
著者名原文1:Miriam Lewis
著者所属等1:英国図書館ヘブライ語手稿資料デジタル化プロジェクト プロジェクト・マネージャー
著者所属等原文1:Project Manager, Hebrew Manuscripts Digitisation Project, British Library
著者名2:アディ・ケイナン=シューンバート
著者名原文2:Adi Keinan-Schoonbaert
著者所属等2:英国図書館デジタル・キュレーター
著者所属等原文2:Digital Curator, British Library
[関連URL]
英国図書館「デジタル化されたヘブライ語手稿資料に関するポロンスキー財団目録」
The Polonsky Foundation Catalogue of Digitised Hebrew Manuscripts
https://www.bl.uk/hebrew-manuscripts

○タイトル:MDアンダーソン・オーラル・ヒストリー・プロジェクトの後処理工程:スリム化、効率性、最大限のコンテンツ・マッピングへの学際的なアプローチ
原題:Post-processing the MD Anderson Oral History Project: a multi-disciplinary approach to streamlining, efficiency and maximum content mapping
著者名1:トレーシー・A・ロソロウスキー
著者名原文1:Tacey A. Rosolowski
著者所属等1:コンサルタント
著者所属等原文1:Consultant
著者名2:ホセ・ハビエル・フランコ・ガルザ
著者名原文2:Jose Javier Franco Garza
著者所属等2:テキサス大学MDアンダーソン癌センター研究医学図書館歴史資源センター上級ライブラリアン
著者所属等原文2:Senior Librarian, Historical Resources Center, Research Medical Library, The University of Texas MD Anderson Cancer Center
[関連URL]
テキサス大学MDアンダーソン癌センター「癌の歴史をもって語らしめよオーラル・ヒストリー・プロジェクト」
Making Cancer History Voices Oral History Project
http://www3.mdanderson.org/library/hrc/oral-history.html

○タイトル:南極大陸デジタル・アセット・マネジメント・プロジェクト
原題:The Antarctic Digital Asset Management project
著者名:ジェニー・ライアン
著者名原文:Jenny Ryan
著者所属等:南極大陸ニュージーランド 情報サービス・アプリケーション
著者所属等原文:Information Services and Applications Advisor, Antarctica New Zealand
[関連URL]
南極大陸ニュージーランド(ニュージーランド政府外務貿易省南極政策ユニット管轄の組織)
http://www.antarcticanz.govt.nz/

○タイトル:利用可能性を通り抜ける:デジタル・コレクションの一つの事例
原題:Stepping through usability: a digital collection case study
著者名:メラニー・クラーク
著者名原文:Melanie Clark
著者所属等:テキサス工科大学建築画像ライブラリアン
著者所属等原文:Architecture Image Librarian, Texas Tech University
[関連URL]
テキサス工科大学建築図書館
http://library.ttu.edu/arch/

○タイトル:ヘリテージ画像ワークフローにおける埋め込みメタデータの利用
原題:The use of embedded metadata in heritage image workflows
著者名:セラ・サンダース
著者名原文:Sarah Saunders
著者所属等:エレクトリック・レーン ディレクター
著者所属等原文:Director, Electric Lane
[関連URL]
国際新聞電気通信評議会
International Press Telecommunications Council (IPTC)
https://iptc.org/


○タイトル:「実践的に始める」:フロレンス・ナイチンゲールをデジタル化する
原題:'A practical beginning': digitising Florence Nightingale
著者名:サマンサ・キャラハン
著者名原文:Samantha Callaghan
著者所属等:フロレンス・ナイチンゲール博物館 前デジタル化コーディネーター
著者所属等原文:Former Digitisation Co-ordinator, The Florence Nightingale Museum
[関連URL]
フロレンス・ナイチンゲール博物館
http://www.florence-nightingale.co.uk/


■[第4巻(2015-16)第3号]

○タイトル:能力成熟度モデルを利用してデジタル・アセットへの長期的なアクセスを確実なものにする
原題:Ensuring long-term access to digital assets using a capability maturity model
著者名:ロリ・アシュレィ
著者名原文:Lori Ashley
著者所属等:トーンソル・コンサルティング 首席コンサルタント
著者所属等原文:Principal Consultant, Tournesol Consulting
著者名:チャールズ・ダラー
著者名原文:Charles Dollar
著者所属等:ダラー・コンサルティング シニア・コンサルタント
著者所属等原文:Senior Consultant, Dollar Consulting
[関連URL]:
「デジタル保存能力成熟モデル」
Digital Preservation Capability Maturity Modelc (DPCMM) (PDF)
http://static1.squarespace.com/static/52ebbb45e4b06f07f8bb62bd/t/559bf956e4b06cac7e905011/1436285270565/DPCMM+Background+and+Performance+Metrics+v2.7_July+2015.pdf

○タイトル:博物館のビジュアル・アーカイブズを持続させるためにメタデータを埋め込む
原題:Embedding metadata to sustain a museum's visual archive
著者名:セラ・L・ギリス
著者名原文:Sarah L. Gillis
著者所属等:ウスター美術館 アシスタント・レジストラー
著者所属等原文:Assistant Registrar, Image Management, Worcester Art Museum
[関連URL]
ウスター美術館
http://www.worcesterart.org/

○タイトル:大きく考えて:大規模デジタル化の実務
原題:Think big: Large-scale digitisation in practice
著者名1:ドュリュー・クルワー
著者名原文1:Drew Krewer
著者所属等1:ヒューストン大学デジタル化サービス・コーディネーター
著者所属等原文1:Digitization Services Coordinator, University of Houston
著者名2:テレーサ・ソロー
著者名原文2:Teresa Soleau
著者所属等2:ゲッティ・リサーチ・インスティテュート デジタル・ライブラリー・スペシャリスト
著者所属等原文2:Digital Library Specialist, Getty Research Institute
著者名3:ルチアーノ・ジョンソン
著者名原文3:Luciano Johnson
著者所属等3:フリック・コレクション デジタル保存ライブラリアン
著者所属等原文3:Digital Preservation Librarian, Frick Collection
著者名4:ニール・スリーナン
著者名原文4:Neil Sreenan
著者所属等4:ダラス美術館 デジタル・アセット・システム マネージャー
著者所属等原文4:Manager, Digital Asset Systems, Dallas Museum of Art
[関連URL]
ヒューストン大学図書館
http://info.lib.uh.edu/
ゲッティ・リサーチ・インスティテュート
https://www.getty.edu/research/
フリック・コレクション
http://www.frick.org/
ダラス美術館
https://www.dma.org/

○タイトル:IP(インターネット・プロトコル)スタジオとレファレンス・アーキテクチャ:緑色ケーブルの終わり?
原題:IP-studio and reference architectures: the end of the green cable?
著者名:ライナー・シーファー
著者名原文:Rainer Schafer
著者所属等:IRTテレビ ジェネラル・マネージャー
著者所属等原文:General Manager, TV, IRT
[関連URL]
IRT
http://www.tvring.eu/

○タイトル:アルフレッド・ジレット財団の靴のデジタル化プロジェクト
原題:The Alfred Gillett Trust's Shoe Digitisation Project
著者名:ナタリー・ワトソン
著者名原文:Natalie Watson
著者所属等:アルフレッド・ジレット財団(C&Jクラーク) デジタル化プロジェクト・マネージャー
著者所属等原文:Digitisation Project Manager, Alfred Gillett Trust
(C & J Clark)
[関連URL]
アルフレッド・ジレット財団
https://alfredgilletttrust.wordpress.com/

○タイトル:文化遺産セクターでDAM実装のために反復的な協力を利用する
原題:Using iterative collaboration to implement a DAM system in the cultural heritage sector
著者名:クレイグ・ハーキーマ
著者名原文:Craig Harkema
著者所属等:サスカチュワン大学 大学アーカイブズ&特殊コレクション デジタル・プロジェクト・ライブラリアン
著者所属等原文:Digital Projects Librarian, University Archives & Special Collections, University of Saskatchewan
[関連URL]
サスカチュワン大学図書館
http://library.usask.ca/

○タイトル:襤褸からピクセルへ:テネシーの歴史的新聞をデジタル化する
原題:From rags to pixels: digitising Tennessee's historical newspapers
著者名:ルイーザ・トロット
著者名原文:Louisa Trott
著者所属等:テネシー大学 テネシー新聞デジタル化プロジェクト プロジェクト・コーディネーター
著者所属等原文:Project Coordinator, Tennessee Newspaper Digitization Project, University of Tennessee
[関連URL]
テネシー大学 テネシー新聞デジタル化プロジェクト
https://www.lib.utk.edu/tndp/

○タイトル:アリゾナ州立大学でアーカイブズスペースを実装する
原題:Implementing ArchivesSpace at Arizona State University
著者名:エリザベス・ダナム
著者名原文:Elizabeth Dunham
著者所属等:アリゾナ州立大学図書館アーカイブズ・特殊コレクション アシスタント・アーキビスト
著者所属等原文:Assistant Archivist, Archives and Special Collections, Arizona State University Libraries
[関連URL]
アリゾナ州立大学図書館アーカイブズ・特殊コレクション
https://www.asu.edu/lib/archives/


■[第4巻(2015-16)第4号]

○タイトル:コンテンツ戦略と技術計画のつながりを特定して活用する
原題:Identifying and leveraging connections between content strategy and technology planning
著者名:ミーガン・A・ウォルシュ
著者名原文:Meghan A. Walsh
著者所属等:ヒルトン・ワールドワイド グローバル・マーケティング 上級ディレクター
著者所属等原文:Senior Director, Global Marketing, Hilton Worldwide
[関連URL]:
ヒルトン・ワールドワイド
http://hiltonworldwide.com/

○タイトル:流れを飛び越える:ケント州立大学におけるストリーミング・ビデオの管理での協力
原題:Across the stream: collaboration in the management of streaming video at Kent State University
著者名1:シンディ・クリストフ
著者名原文1:Cindy Kristof
著者所属等1:ケント州立大学図書館 著作権・ドキュメント・サービス 主任
著者所属等原文1:Head, Copyright and Document Services, Kent State University Libraries
著者名2:ジェニファー・ライス
著者名原文2:Jennifer Rice
著者所属等2:ケント州立大学図書館 シリアル・電子リソース 上級ライブラリー・アソシエイト
著者所属等原文2:Senior Library Associate, Serials and Electronic Resources Department, Kent State University Libraries
著者名3:カレン・ロンガ
著者名原文3:Karen Ronga
著者所属等3:ケント州立大学図書館 リザーブ・サービス マネージャー
著者所属等原文3:Manager, Reserve Services, Kent State University Libraries
[関連URL]
ケント州立大学図書館
http://www.library.kent.edu/

○タイトル:急速に広める:特殊コレクションのアドボカシーとアウトリーチにタンブラーを利用する
原題:Going viral: using Tumblr for special collections advocacy and outreach
著者名1:ヒラリー・S・ケイティバ
著者名原文1:Hillary S. Kativa
著者所属等1:ケミカル・ヘリテージ財団 オスマー化学史図書館 写真・動画コレクション キュレーター
著者所属等原文1:Curator of Photographic and Moving Image Collections, Othmer Library of Chemical History, Chemical Heritage Foundation
著者名2:ビクトリア・オルゼホーフスキー
著者名原文2:Victoria Orzechowski
著者所属等2:ケミカル・ヘリテージ財団 オスマー化学史図書館 ライブラリアン
著者所属等原文2:Librarian, Othmer Library of Chemical History, Chemical Heritage Foundation
[関連URL]
ケミカル・ヘリテージ財団 オスマー化学史図書館
https://www.chemheritage.org/othmer-library

○タイトル:物理的媒体からDAMによる成功を生み出す解決方法への移行:ウィスコンシン牛乳販売委員会の事例
原題:Moving from physical media to a successful DAM solution: a case study of the Wisconsin Milk Marketing Board
著者名:メアリー・リトビアック
著者名原文:Mary Litviak
著者所属等:ウィスコンシン牛乳販売委員会 クリエイティブ・サービス・コーディネーター
著者所属等原文:Creative Services Coordinator, Wisconsin Milk Marketing Board
[関連URL]
ウィスコンシン牛乳販売委員会
http://www.wmmb.com/

○タイトル:ニューヨーク近代美術館における時間に基づくメディア・アート作品のための履歴メタデータの処理
原題:Process history metadata for time-based media artworks at the Museum of Modern Art, New York
著者名:ペギー・グリージンガー
著者名原文:Peggy Griesinger
著者所属等:ジョージ・メイスン大学図書館 メタデータ&目録作成ライブラリアン
著者所属等原文:Metadata & Cataloging Librarian, George Mason University Libraries
[関連URL]
ニューヨーク近代美術館
https://www.moma.org/
ジョージ・メイスン大学図書館
http://library.gmu.edu/

○タイトル:検索結果向上のためデジタル画像を組織化するのに統制語彙を利用する
原題:Using controlled vocabularies to organise digital images for improved search results
著者名1:アン・プール
著者名原文1:Ann Pool
著者所属等1:スマートデット コンテンツ出版者・タクソノミー
著者所属等原文1:Content Publisher/Taxonomy, Smartdept
著者名2:ローラ・ホーラン
著者名原文2:Laura Horan
著者所属等2:アマゾン ブラウズ開発者兼タクソノミスト
著者所属等原文2:Browse Developer and Taxonomist, Amazon
[関連URL]:
スマートデット
http://thesmartdept.com/
アマゾン
https://www.amazon.com

○タイトル:ウェールズ国立図書館における画像の相互運用に関する国際的フレームワーク(IIIF)の実装
原題:Implementing the International Image Interoperability Framework at the National Library of Wales
著者名:グレン・ロブソン
著者名原文:Glen Robson
著者所属等:ウェールズ国立図書館 システム部主任
著者所属等原文:Head of Systems, National Library of Wales
[関連URL]
ウェールズ国立図書館
https://www.llgc.org.uk/
画像の相互運用に関する国際的フレームワーク
International Image Interoperability Framework (IIIF)
http://iiif.io/

○タイトル:めったにないチャンス:プリツカー軍事博物館&図書館に関する事例研究
原題:A golden opportunity: case study of the Pritzker Military Museum & Library
著者名1:ミーガン・ウィリアムズ
著者名原文1:Megan Williams
著者所属等1:プリツカー軍事博物館&図書館 渉外部長
著者所属等原文1:Director of External Affairs, Pritzker Military Museum & Library
著者名2:テレーサ・A・R・エムブレイ
著者名原文2:Theresa A. R. Embrey
著者所属等2:プリツカー軍事博物館&図書館 主任ライブラリアン
著者所属等原文2:Chief Librarian, Pritzker Military Museum & Library
[関連URL]
プリツカー軍事博物館&図書館
http://www.pritzkermilitary.org/

○タイトル:研究データのマネジメントにおいてイノベーションを促進する:ロンドン大学インペリアル・カレッジでの若手育成の取り組み
原題:Encouraging innovation in research data management: the Green Shoots initiative at Imperial College London
著者名1:イアン・マッカードル
著者名原文1:Ian McArdle
著者所属等1:ロンドン大学インペリアル・カレッジ 研究システム・情報部主任
著者所属等原文1:Head of Research Systems and Information, Imperial College London
著者名2:トーステン・ライマー
著者名原文2:Torsten Reimer
著者所属等2:ロンドン大学インペリアル・カレッジ 学術情報担当
著者所属等原文2: Scholarly Communications Officer, Imperial College
London
[関連URL]
ロンドン大学インペリアル・カレッジ
https://www.imperial.ac.uk/


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■行事情報:国際アーカイブズ評議会(ICA)ソウル大会 専門部会長会合

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去る9月に韓国ソウル市の国際会議場COEXセンターを主会場として開催された第18回ICAコングレス・ソウル大会に参加しました。大会に関する報告が国立公文書館サイトに掲載されています。

http://www.archives.go.jp/news/201609050910.html

編集部は9月8日(木)の夕刻、ガラ(特別)ディナー前の17時から18時半の時間帯に設けられた企業アーカイブズ部会セッションの司会を務めました。セッションのタイトルは「デジタルおよびグローバル環境におけるSBAと持続的なビジネス・アーカブズ:アーカイブズ・サービスにおける『グローカルな』取り組みの促進」'The Section on Business Archives (SBA) and Sustainability of Business Archives in Digital and Global Environments: Encouraging "Glocal" Engagement in Archives Services'で、登壇者、講演のテーマは下記の通りです。

インテーザ・サンパウロ・グループ・アーカイブズ フランチェスカ・ピノ
「"複数形での"文書記録遺産の意味とそのサステナビリティ」

HSBCアジア・太平洋地域アーカイブズ ヘレン・スウィナートン
「歴史的コレクションをどうやって現在の組織にふさわしく意味あるものにするか」

トヨタ自動車社会貢献推進部歴史文化室アーカイブズグループ 長谷川壮
「トヨタ自動車アーカイブズグループの活動の概要」

SBA運営委員会/公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センター 松崎裕子(司会)
「2012年以降のSBAネットワークの成果について」

このセッションに関するレポートは全国歴史資料保存利用機関連絡協議会(全史料協)『記録と史料』26号(2017年3月刊行予定)に収録予定です。

今回のソウル大会にはSBAの部会長、副部会長(ともにヨーロッパの企業アーキビスト)が不参加であったために、編集部ではパネル・セッションの他に専門部会長の会合に参加することになりました。ICAには下のような専門部会があります。

教育・訓練部会(Section for Education and Training: SAE)
宗教アーカイブズ部会(Section for Archives of Faith Traditions: SAFT)
公正証書アーカイブズ部会(Section on Notarial Archives: SAN)
建築アーカイブズ部会(Section on Architectural Archives: SAR)
企業アーカイブズ部会(Section on Business Archives: SBA)
国際組織部会(Section of International Organisations: SIO)
文芸・芸術アーカイブズ(Literary and Artistic Archives: SAA)
自治体アーカイブズ部会(Section of Local, Municipal and Territorial Archives: SLMT)
専門職協会部会(Section of Professional Associations: SPA)
スポーツ・アーカイブズ部会(Section on Sports Archives: SPO)
議会・政党アーカイブズ部会(Section for Archives of Parliaments and Political Parties: SPP)
大学アーカイブズ部会(Section on University Archives: SUV)

専門部会長はICA本体の執行委員を兼ねるため、ICAの執行委員会合に参加するほか、4年に1度のコングレスや毎年開催されている年次大会では部会長会合を開催しています。

今回の専門部会長会合での議題は、ICAの財政状況調査と、各専門部会活動としてICAの資金(ファンド)利用を申請する際のさまざまな問題でした。前者に関しては、専門部会長会のメンバーが調査した結果の発表がありました。それによると、これまでずっとICAは財政難であると言われていたのですが、調査によれば、言われてきたような状況ではなく、アフリカ戦略など、実際には予算が使用されていない分野がある、ということでした。この点は、ICAの資金を専門部会の活動に利用するための申請手続きや採択基準、基準の解釈の問題、などとも関連しています。例えば、開発途上国のアーカイブズ支援に資するような専門部会プロジェクトへの資金の利用が優先されるという基準、あるいは特定の1カ国のアーカイブズ支援ではなく複数国に裨益するようなプロジェクトを優先するといった基準の解釈の問題が提示されました。そのほか資金申請を伴わない、ICAの名義利用申請に関わる手続きについても報告がありました。

この会合の後半では「チャタムハウス・ルール」の利用が司会から宣言されました。これは会合で出された意見を会合参加者以外に自由に引用・公開してよいが、発言者が誰であるかは明かさない、というルールです。これによって、会議参加者が立場・役職に縛られずに自由な意見を述べることができる、とされています。

この専門部会長会の代表(会合では司会)は今回までは、自治体アーカイブズ部会(SLMT)会長であったデボラ・ジェンキンス氏(イギリス、ロンドン・メトロポリタン・アーカイブズの元主任アーキビスト、現在はアーカイブズ・コンサルタント)が務めてこられました。今回の会合を境に、宗教アーカイブズ部会(SAFT)会長のエミリー・ギャグネット・リーマス氏(米国、ニューオーリンズ・カトリック大司教区アーカイブズ・ディレクター)が代表を引き継ぎました。

各専門部会の活動内容をはじめとして、ICAのガバナンス、ファンドの利用のための一連の手続きに関わる諸問題、国際会議における討議方法(チャタムハウス・ルール)など、多くの発見・学びを得る機会となりました。


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[略称一覧]
ACA: Association of Canadian Archivists(カナダ・アーキビスト協会)
ARA: Archives and Records Association(アーカイブズとレコード協会)
ARC: ARC magazine: archives - records management - conservation
(SoAが発行する月刊ニュースレター)
ASA: Australian Society of Archivists(オーストラリア・アーキビスト協会)
BAC: Business Archives Council(ビジネス・アーカイブズ・カウンシル)
BACS: Business Archives Council in Scotland
(スコットランド・ビジネス・アーカイブズ・カウンシル)
BAS: Business Archives Section
(ビジネス・アーカイブズ部会:SAA内の部会)
CITRA: International Conference of the Round Table on Archives
(アーカイブズに関する国際円卓会議:ICAの年次会議)
CoSA:Council of State Archivists(米国・州文書館長評議会)
DCC: Digital Curation Center(英国デジタル・キュレーション・センター)
EDRMS:Electronic Document and Record Management System
(電子文書記録管理システム)
ERM:Electronic Record Management(電子記録管理)
ICA: International Council on Archives(国際文書館評議会)
LSE: London School of Economics and Political Science
(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス)
MLA: Museums, Libraries and Archives Council
(英国 博物館、図書館、アーカイブズ評議会)
NAGARA: National Association of Government Archives and Records
Administrators
(米国・全国政府アーカイブズ記録管理者協会)
NARA: National Archives and Records Administration
(米国 国立公文書館記録管理庁)
RIKAR: Research Institute of Korean Archives and Records
(韓国国家記録研究院)
RMS:Record Management System(記録管理システム)
SAA: Society of American Archivists(米国アーキビスト協会)
SBA: Section for Business Archives
(企業アーカイブズ部会、ICA内の部会)
SoA: Society of Archivists(イギリス・アーキビスト協会)
TNA: The National Archives(英国国立公文書館)

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☆★ 編集部より:あとがき、次号予告 ★☆

去る11月11日、「竜門社130年記念事業」としてデジタル版『渋沢栄一伝記資料』を公開しました。『渋沢栄一伝記資料』は渋沢栄一の事績に関する全68巻の資料集です。デジタル版では掲載された文言を検索できるようテキスト化を行い、ページ画像とともに公開いたしました。

様々なメニューを用意しております。

*単語(フリーワード)検索
https://eiichi.shibusawa.or.jp/denkishiryo/digital/main/index.php?search

*各巻リンクから探す
https://eiichi.shibusawa.or.jp/denkishiryo/digital/main/index.php?volumelink

*目次から探す
https://eiichi.shibusawa.or.jp/denkishiryo/digital/main/index.php?01

*資料リストから探す
https://eiichi.shibusawa.or.jp/denkishiryo/digital/main/index.php?DK010001k_list

*本文を読む
https://eiichi.shibusawa.or.jp/denkishiryo/digital/main/index.php?DK010001k_text

*著作者別資料リストから
https://eiichi.shibusawa.or.jp/denkishiryo/digital/main/authors.html

第1~57巻の綱文および著作権の問題がない資料のテキストとページ画像を公開しております。今後、著作権の調査を進め次第、公開資料を増やしていく予定です。

編集部でも試みにいろいろなキーワードを用いて検索を行ってみました。HSBCの前身にあたる「香港上海銀行」で検索してみると17ページ、「香港」では220ページがヒット、インドの「タタ」をキーワードにすると89ページ、「印度」は434ページという結果が得られました。

外国人名や外国の地名の場合は。元の欧文語をキーワードにするとさらにヒットすることがあります。

Tata 11ページ
London 35ページ
New York 212ページ
Washington 92ページ
Carnegie 12ページ

などです。編集部では、来客対応や訪問先企業や団体あるいは自治体や国などの地名調査などで利用できるのではないかと考えております。さまざまな利用の仕方があると思います。ご利用をお待ちしております。

関連事業として、12月3日には「デジタル版『渋沢栄一伝記資料』公開記念シンポジウム」の開催を予定しています。
https://www.shibusawa.or.jp/research/news/event/post2016_11_01_71722.html

☆~~~☆~~~☆~~~☆~~~☆~~~☆~~~☆

次号は2016年12月中旬発行予定です。どうぞお楽しみに。

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◆◇◆バックナンバーもご活用ください◆◇◆

https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bn/index.html

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ビジネス・アーカイブズ通信(BA通信) No.67
2016年11月15日発行 (不定期発行)
【創刊日】2008年2月15日
【発行者】公益財団法人渋沢栄一記念財団事業部情報資源センター
【編集者】公益財団法人渋沢栄一記念財団事業部情報資源センター
「ビジネス・アーカイブズ通信」編集部/
株式会社アーカイブズ工房
【発行地】日本/東京都/北区
【ISSN】1884-2666
【E-Mail】
【サイト】https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/index.html

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