ビジネス・アーカイブズ通信(BA通信)

第22号(2009年10月2日発行)

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☆      □■□ ビジネス・アーカイブズ通信 □■□

☆       No.22 (2009年10月2日発行)

☆   発行:財団法人渋沢栄一記念財団 実業史研究情報センター

☆                         〔ISSN:1884-2666〕
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この通信では海外(主として英語圏)のビジネス・アーカイブズに関する情報をお届けします。

今号は文献情報1件です。

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◆ 目次 ◆

[掲載事項の凡例とお願い]

■文献情報:『ビジネス・アーカイブズ 理念と実践』 98号 2009年5月

☆★ 編集部より:次号予告 ★☆

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[掲載事項の凡例]

・日本語で読みやすいものになるように、タイトルははじめに日本語訳を、続いて原文を記します。
・人名や固有名詞の発音が不明の場合も日本語表記を添えました。便宜的なものですので、検索等を行う場合はかならず原文を用いてください。

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[お願い]
・受信時にリンク先を示すURLが途中で改行されてしまう場合があります。お手数ですがコピー&ペーストで一行にしたものをブラウザのアドレス・バーに挿入し、リンク先をご覧ください。

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■文献情報:『ビジネス・アーカイブズ 理念と実践』 98号 2009年5月

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ロンドンに本部があるビジネス・アーカイブズ・カウンシルが発行する定期刊行物『ビジネス・アーカイブズ』の最新号目次情報をお届けします。『ビジネス・アーカイブズ』は年2回、5月と11月に発行されます。毎年5月に発行される号には『ビジネス・アーカイブズ 理念と実践』(原題:Business Archives Principles and Practice)、11月に発行される号には『ビジネス・アーカイブズ 原資料と歴史』(原題:Business Archives Sources and History)というタイトルが付けられています。『理念と実践』のほうはビジネス・アーカイブズ資料の管理や活用などの側面を、『原資料と歴史』のほうはビジネス・アーカイブズを資料として利用した歴史研究、あるいは資料紹介に関する論説が掲載されています。今回ご紹介する98号(2009年5月)は『理念と実践』号です。

□『ビジネス・アーカイブズ 理念と実践』98号 2009年5月
Business Archives Sources and History
Number 98
May 2009
ISSN 0007-6538

編集者:ヴァレリー・ジョンソン Valerie Johnson
書評編集者:モイラ・ラブグローブ Moira Lovegrove
発行者:ビジネス・アーカイブズ・カウンシル Business Archives Council
慈善団体登録番号:CHARITY NO. 313336

[論説]

◆日本語タイトル:博物館、図書館、アーカイブズと知識の移転
原題:Museums, libraries and archives and knowledge transfer
著者名:エレン・コリンズ
著者名原文:Ellen Collins
所属等:ロンドン博物館・図書館・アーカイブズ評議会
所属等原文:MLA London
ページ:1-15
一行解説:この論説は文化資源セクター(博物館、図書館、アーカイブズ)が自らの経済的インパクトの表現方法を開発することを試みるものである。MLAロンドンの知識移転プログラムは知識移転分野における博物館、図書館、アーカイブズの役割を確立するために立ち上げられたものである。その意図は、博物館、図書館、アーカイブズがどの程度、企業の革新を支援する知識基盤になりうるかを明らかにすることにある。調査を通じて明らかになったことは二つある。ひとつは博物館、図書館、アーカイブズは企業の革新に重要な役割を果たすことができるということであり、もうひとつは現在のところこの三者間、そしてこの三者と企業の間の関係の質は最善ではない、ということである。このような知見をもとに、相互の関係性をよりよくするための4つのプロジェクトが2009年4月から11月にかけて実施される。

◆日本語タイトル:ブリティッシュ・スティール・アーカイブ・プロジェクト:重要企業史料保存のために新しい種類の協力関係を築く
原題:The British Steel Archive Project: forging new kinds of partnerships to preserve significant business archives
著者名:ジョーン・K・F・へギー
著者名原文:Joan K. F. Heggie
所属等:ティーサイド大学ブリティッシュ・スティール・アーカイブ・プロジェクト
所属等原文:British Steel Archive Project, University of Teesside
ページ:16-32
一行解説:ブリティッシュ・スティール・コレクションは、1990年代初頭にブリティッシュ・スティール社(現コーラス社:Corus)から地域の公的アーカイブズであるティーサイド・アーカイブズに寄贈された。しかし、スペース、財政、人材その他の理由から目録を作成することもできず、実際にはアクセスできないままであった。このコレクションを教育研究に利用することを希望するティーサイド大学のスタッフが中心となり、2006年にブリティッシュ・スティール・アーカイブ・プロジェクトが立ちあげられた。プロジェクトにはティーサイド・アーカイブ、ティーサイド大学のほか、コーラス社、地域の労働組合からの協力も得られた。必要な資金は100万ポンド(約1億5,000万円)と見積もられ、2009年2月現在45万ポンド(約6,700万円)を集めることができた。内訳は文化遺産宝くじ基金から25万ポンド(約3,700万円)、コーラス社と地域から12万ポンド(約1,800万円)などである。これらの資金をもとに、保管スペース・人材の確保、宣伝・マーケティング、ウェブサイトの構築、目録作成、保存、デジタル化、地域への貢献、ボランティア活用などに着手した。企業史料の保存と活用における新しいビジネスモデルの事例報告。

◆日本語タイトル:記録を変えよう:企業史料のためのナショナル・ストラテジーはイギリスのアーカイブズ記録における商業・産業のためによりよい結果をいかにしてもたらすことができるか。
原題:Let's change the record: how the National Strategy for Business Archives can deliver a better outcome for commercial and industrial heritage in the UK's archival record
著者名:ケイティ・ローガン
著者名原文:Katey Logan
所属等:ローガン・マッケイブ社
所属等原文:Logan McCabe Ltd
ページ:33-47
一行解説:筆者は2008年4月から今年春まで英国国立公文書館のBusiness Records Development Officerを務めた。今年7月に発表された「企業史料のためのナショナル・ストラテジー(イングランド&ウェールズ)」の草案をまとめる仕事に当たった。この論説では、イギリス史において会社史の持つ価値、企業史料がさらされている危険、ナショナル・ストラテジー策定過程、ストラテジーの目的と実施、ストラテジーの広報、実施後の評価、影響等に関して述べる。

◆日本語タイトル:棚からおろしてスポットライトの中に:HBOSのアーカイブズとミュージアム・オン・ザ・マウンド
原題:Out from the stacks and into the limelight: the archives of HBOS plc and the Museum on the Mound
著者名:リート・チャン
著者名原文:Reto Tschan
所属等:HBOS社グループ・アーカイブズ・博物館
所属等原文:HBOS plc Group Archives and Museum
ページ:48-62
一行解説:HBOS社はスコットランド・エジンバラを本拠とする金融グループ。親会社はロイズ銀行グループ。HBOS社傘下にはスコットランド銀行がある。ミュージアム・オン・ザ・マウンドはHBOSアーカイブズが運営する博物館で、オリジナルのアーカイブズ資料を大規模に展示している。この論説では展示が与えるアーカイブズ記録への影響、展示が保存、アクセス、アウトリーチ、管財の領域で持つ意味、展示のために資料を選別・布置することによる影響を論じる。アーカイブズでは通常「出所の原則」が尊重されるが、展示にあたってはこの原則はほとんど顧みられない。また博物館とは一種の「神話創造」の場であり、展示のストーリーに沿って資料が選択される。都合が悪いことは展示されない。展示というのはアーカイブズの理論・実務とは異質なものを含む。

◆日本語タイトル:公的部門における企業史料:ギルドホール図書館とロンドン・メトロポリタン・アーカイブズにおけるコレクション振興戦略
原題:Business archives in the public sector: strategies for promoting collections at Guild Hall Library and London Metropolitan Archives
著者名:リチャード・A・ウィルトシャ―
著者名原文:Richard A. Wiltshire
所属等:シティ・オブ・ロンドン・コーポレーション
所属等原文:City of London Corporation
ページ:63-79
一行解説:公的部門における企業史料の振興戦略の事例紹介。(1)コミュニティ・アーカイブズの多様性の例として、ボグル・ルベルチュア出版(Bogle-L'Ouverture Publications)アーカイブズに対するロンドン・メトロポリタン・アーカイブズ(LMA)の関わり、(2)Peal社とJ・Lyons社のアーカイブズに触発されたLMAの教育普及活動、(3)保険会社資料へのアクセス向上のための協力者・ボランティアによる支援と年金関連機関アーカイブズとの協力、(4)外国関連資料を含むロンドン市保有企業史料を用いたギルドホール図書館での展示活動。以上、4つの事例が紹介されている。

[書評]

[1]
編者:ブルース・W・ディアスティン
編者名原文:Bruce W. Dearstyne
タイトル:アーカイブズと記録のプログラムを主導し管理する:成功のための戦略
原題:Leading and managing archives and records programs: strategies for success
その他書誌情報:Facet Publishing, 2008, xvii+347pp. £44.95. ISBN: 978 1 85604 654 1
評者:マイケル・クック
評者名原文:Michael Cook
評者所属等:リバプール大学アーカイブ研究センター
評者所属等原文:Centre for Archive Studies, University of Liverpool
ページ:80-82
一行解説:リーダーシップがテーマ。執筆陣はコカ・コーラ社のフィリップ・ムーニー(Philip Mooney)、バーモント州アーカイブズのターニャ・マーシャル(Tanya Marshall)とグレゴリー・サンフォード(Gregory Sunford)、ニューヨーク州アーカイブズのクリスティン・ウォード(Christine Ward)、ミネソタ歴史協会のジェームズ・フォガティ(James Fogerty)、ワイオミング大学アメリカン・ヘリテッジ・センターのマーク・グリーン(Mark Greene)、スミソニアン・インスティテューション・アーカイブズのエディー・ヘドリン(Edie Hedlin)、ペンシルベニア州立大学家族コレクション図書館のレオン・スタウト(Leon Stout)、ヒューロン・コンサルティング・グループのユージェニア・ブルム(Eugenia Brumm)、ARMAとISO規格に助言を行っているダイアン・カーライル(Diane Carlyle)、メリーランド大学のブルース・ディアスティン(編者)、インディアナ大学のキャロル・チョクシー(Carol Choksy)、イギリスのバークレー銀行について執筆しているのはピーター・エマーソン(Peter Emmerson)、英国国立公文書館のケルビン・スミス(Kelvin Smith)。版元はイギリスの出版社であるが、執筆者の大部分は米国人で、全体の雰囲気もアメリカ的である。ほとんどの執筆者は、組織のリーダーの興味や責任を知ることの重要性を強調し、アーカイブズと記録管理スタッフは組織目標に適うように働かねばならないこと、プログラムの成功には単なるマネジメント(管理)よりはむしろリーダーシップが求められることに同意している。
WorldCatレコード:
http://www.worldcat.org/isbn/9781555706159
版元サイト内紹介ページ:
http://www.facetpublishing.co.uk/title.php?id=654-1&category_code=817

[2]
著者:スティーブ・ベイリー
著者名原文:Steve Bailey
タイトル:群衆を管理する:ウェブ2.0の世界のための記録管理再考
原題:Managing the crowd: rethinking records management for the Web 2.0 world
その他書誌情報:Facet Publishing, 2008, 192pp. £39.95. ISBN: 13 978 1 85604 641 1
評者1:セーラ・デム
評者名原文1:Sarah Demb
評者2:エリザベス・ロマス
評者名原文2:Elizabeth Lomas
ページ:82-84
一行解説:著者のスティーブ・ベイリーは、英国の高等教育機関/継続教育機関(HE/FE)に対する政策立案支援等を行っている英国情報システム合同委員会(JISC)の事業の一つである"infoNet"における、記録管理分野での上級アドバイザーである。過去には製薬会社ファイザー社にも勤務していた。本書のテーマは、記録管理の原理がいかにウェブ2.0の技術と結びつくか、という点にある。記録管理分野において初めてウェブ2.0に焦点を当てた出版物。全体は3部に分かれる。第一部ではIT分野での変化の本質、デジタル記録とウェブ2.0を定義し、「オフィス2.0」という環境を議論のために仮定して、記録管理が目的に適合しているかどうかと問う。第二部では記録、記録を中央集権的に管理する役割、評価選別、保管とウェブ2.0にまつわる様々な課題を論じる。第三部では現在行われている記録管理の原理を定義し、「記録管理2.0」の10個の原理を仮定している。
[編集部注]:評者名は主評者2名に続いて、on behalf of the records management group of the Continued Communication research projectの表記あり。
WorldCatレコード:
http://www.worldcat.org/isbn/9781856046411
版元サイト内紹介ページ:
http://www.facetpublishing.co.uk/title.php?id=641-1&category_code=817

[3]
編者1:クリストファー・プロム
編者名原文1:Christopher Prom
編者2:エレン・スウェイン
編者名原文2:Ellen Swain
タイトル:カレッジと大学アーカイブズ:理論と実践読本
原題:College and university archives: readings in theory and practice
その他書誌情報:Society of American Archivists, 2008, 360pp. $54.95. ASIN: B001OOSRMY(ASINはAmazon Standard Identification Numberの略。)
評者:リチャード・テンプル
評者名原文:Richard Temple
評者所属等:上院院内図書館
評者所属等原文:Senate House Library
ページ:84-86
一行解説:この書評ではトム・ハイリ―(Tom Hyry)、ダイアン・カプラン(Diane Kaplan)、クリスティン・ウェイドマン(Christine Weideman)による第6章「教員の文書価値を評価し、収集方針を定める」(Assessing the value of faculty papers and defining a collecting policy)を中心に取り上げている。第6章はたいていの大学アーキビストが直面する問題、すなわち学者の文書に関する評価選別方法について論じる。本章はエール大学図書館アーカイブズにおける評価選別に関する研究に基づいている。エール大学図書館アーカイブズでは1997年には評価選別ガイドラインを持っていなかった。その後ミネソタ歴史協会のマーク・グリーン(当時)らによるミネソタ・メソッドを取り入れ、教員の機能分析(functional analyses of faculties)と学術的重要性に関する階層性の展開(development of a hierarchy of academic significance)を含む評価選別過程を生み出した。だがこの方法は、過渡的な学術上の序列を固定的なものとし、異端的な研究者による業績を犠牲にして流行に乗った研究を鼓舞するといった問題があり、大変に労働集約的である。編者のプロム執筆の章では、目録・索引作成に関して、多くの大学アーキビストが不必要なレベルの記述を行っており、これが資料整理を遅らせる要因であると結論づけている。プロムは概要記述を優先すべきであるとする。だが、評者によると詳細な目録と索引の作成は研究者がアーカイブズにアクセスするのに決定的に重要であるという。著作権に関するケネス・クルーズ(Kenneth Crews)執筆の章やエレン・スウェイン(Ellen Swain)によるオーラル・ヒストリーに関する章、キャスリン・ニール(Kathryn Neal)による学生の多様性(人種など)に関する章では、アーカイブズに割り当てられる予算規模やアーカイブズに対する考え方、状況が英米間で大きく異なることが浮き彫りにされる。ナンシー・クンデ(Nancy Kunde)執筆の章では、記録管理要員を大学内の枢要な部門に配置し、電子データの作成と管理に深く関与させることの重要性を指摘している。本書は全体として、行政機構の中でアーカイブズ部門を攻撃しようと待ち構える実利主義者から、アーキビストが身を守るための有用なアドバイスを提供してくれる。
版元サイト内紹介ページ:
http://www.archivists.org/catalog/pubDetail.asp?objectID=2388
[編集部注]本書のISBNは193166627X。

[4]
編者1:ジャッキー・ベティントン
編者名原文1:Jackie Bettington
編者2:キム・エバーハード
編者名原文2:Kim Eberhard
編者3:ロウェナ・ルー
編者名原文3:Rowena Loo
編者4:クライブ・スミス
編者名原文4:Clive Smith
タイトル:キーピング・アーカイブズ第3版
原題:Keeping archives, 3rd edition
その他書誌情報:Austrian Society of Archivists Inc, 2008, 648pp. Aus$145.00. ISBN: 0980335248
評者:アリソン・タートン
評者名原文:Alison Turton
ページ:86-88
一行解説:企業史料分野で長い経験を持つアーキビストによる書評。本書の目的は「新米アーキビストのための実務マニュアル、学生のための教科書、そしてベテラン・アーキビストには最先端の技術や知識を伝授する、この三つに同時に奉仕しようとする」ものであり、第1版、第2版と共通している。評者はアン・ペダーソン(Anne Pederson)による第1版が20年ほど前に出版されたとき、この野心的な試みに『ビジネス・アーカイブズ 理念と実践』紙上で拍手喝采を送った。今再び称賛を贈る。全体は「始める」「アーカイブズを管理する」「アーカイブズの普及を促進する」「紙以外を管理する」の4部に分かれている。 執筆者は18人。各部の初めにイントロダクションが置かれている。レイアウトも見やすく、索引も適切に作られておりレファレンスにも便利である。内容は若干の重複はあるものの、おおむね、相補的で調和がとれている。評価選別に関する70ページ余りの章では、ジェンキンソン、シェレンバークからマクロ機能選別評価、ミネソタ・メソッドをはじめとするドキュメンテーション戦略までをカバーしている。「アーカイブズの普及を促進する」の部分は、企業という文脈では有用度は一番低い。というのはこの部分は主として公共的なものに焦点をあてているからである。レコード・コンティニュームやOAIS(Open Archival Information System)といった複雑なモデルも平易な言葉で説明しており読みやすい。最近の専門的な議論や理論への目配りも利いている。カラー印刷、コラムや図表の利用、イラストなどもよい。添付のCD-ROMには、資料受入票、アーカイブズと収集ポリシー、オーラル・ヒストリーを行う上でのヒント、参考文献一覧などが収められている。フォーム類は用途に合わせて編集可能な形式である。オーストラリアの経験、事例研究、法律に基づくものではあるが、その他の地域においても有用である。折から英国では企業史料のためのナショナル・ストラテジーが策定され、企業部門のアーカイブズの増加が目指されている。本書は最新の、そして一冊で用が足りるガイドである。
版元サイト内紹介ページ:
https://www.archivists.org.au/keeping-archives-3rd-edition

[2008年1月-12月新規発行参考書目録](89-105ページ)省略
Select bibliography of new publications Jan-Dec 2008

この新刊書誌紹介のページは下記の分類体系に基づいて分類されています。
(編集者)

分類体系 The Classification Scheme
(American Archivist誌の書誌分類体系による)

A 総記および書誌 General Works and Bibliographies
B アーカイブズの機能 Archival Functions
   アクセス Access
   評価と収集 Appraisal and acquisition
   編成と記述 Arrangement and description
   保存とセキュリティ Preservation and security
   広報とアウトリーチ Public relations and outreach
   アーカイブズの利用 Uses of archives
C 記録形式 Records Formats
   電子記録 Electronic records
   マイクロ写真と光学式保管 Micrographics and optical storage
   紙ベースのテキスト記録 Paper-based textual records
   音声記録 Sound recordings
   視覚資料 Visual material
D 保存機関の類型 Types of Repositories
   ビジネス・アーカイブズ Business archives
   公文書館 Governments archives
   専門保存機関 Specialist repositories
E 管理に関する諸問題 Administrative Concerns
   建物と設備 Buildings and equipment
   災害コントロール Disaster control
   倫理 Ethics
   情報技術 Information technology
   法律ならびに法的問題 Laws and legal issues
   経営問題 Management issues
F アーカイブズ専門職 Archival Profession
   現状と問題点 Current condition and issues
   教育と専門的能力開発 Education and professional development
   歴史的発展 Historical development
   専門職団体 Professional organizations
G 関連専門職 Related Professions
   コンサベイター Conservators
   博物館 Museums
   レコード・マネジャー Records managers
   研究者 Researchers
H 所蔵資料の記述 Descriptions of Holdings
   イギリス UK
   国際 International
I 記録管理 Records Management
   総論 General
   電子記録管理 Electric records management
   リテンション・スケジュール Retention scheduling
J 情報管理 Information Management

このうち、「D 保存機関の類型─ビジネス・アーカイブズ」には次の12の文献がとり上げられています。

◆日本語タイトル:エネルギーを記録する:石油とガス産業のためのアーカイブズを設立する
原題:Capturing the energy: establishing archives for the oil and gas industries
著者名:J・デュ・グラッチー
著者名原文:J. De Gruchy
掲載誌:ARC 231 (Nov. 2008)
[編集部注]:'ARC'はイギリスのアーキビスト協会(Society of Archivists: SoA)が発行する月刊ニュースレター『ARCマガジン:アーカイブズ・レコードマネジメント・コンサベーション』(ARC magazine: archives - records management - conservation)を指します。

◆日本語タイトル:孤児、新たな家を見つける
原題:Orphan finds new home
著者名:A・フィッツジェラルド
著者名原文:A. Fitzgerald
掲載誌:ARC 223 (May 2008)

◆日本語タイトル:ハドソン湾会社におけるレコードキーピングの進化
原題:The evolution of recordkeeping at the Hudson's Bay Company
著者名:S・マドスン
著者名原文:S. Madsen
掲載誌:Archivaria: The Journal of the Association of Canadian Archivists 66 (Fall 2008)

◆日本語タイトル:実体からバーチャルへ:ディアジェオ社アーカイブをメンストリーから解き放つ
原題:From the physical to the virtual: taking the Diageo Archive out of Menstrie
著者名:J・マッケルチャ
著者名原文:J. McKerchar
掲載誌:ARC 223 (May 2008)
[編集部注]:メンストリー(Menstrie)はディアジェオ社アーカイブの所在地。The Archive, Glenochil House, Menstrie FK11 7ES, Scotland

◆日本語タイトル:TfL社アーカイブを外部に委託する
原題:Outsourcing the TfL Archive
著者名:B・マーサー
著者名原文:B. Mercer
掲載誌:ARC 223 (May 2008)
[編集部注]:TfL社はTransport for London、ロンドンの公共交通機関を管理運営する企業。

◆日本語タイトル:お茶、ケーキ、そして島流し:イングランド銀行はどのように受刑者を支援したのか
原題:Tea, trifles and transportation: how the Bank of England supported the criminals it convicted
著者名:D・パーク博士
著者名原文:Dr. D. Palk
掲載誌:ARC 228 (Aug. 2008)

◆日本語タイトル:機関車と一緒に住む:アンドリュー・バークレー・ヘリテッジ・センターが企業のために開館
原題:Living with a locomotive: the Andrew Barclay Heritage Centre opens for business
著者名:C・ピーターソン
著者名原文:C. Peterson
掲載誌:ARC 223 (May 2008)

◆日本語タイトル:ミュージアム・オン・ザ・マウンドでの金融教育
原題:Financial education at the Museum on the Mound
著者名:H・レドモンド=クーパー
著者名原文:H. Redmond-Cooper
掲載誌:ARC 223 (May 2008)
[編集部注]:ミュージアム・オン・ザ・マウンドは2006年にオープンしたお金に関する博物館。スコットランドのエジンバラにある。

◆日本語タイトル:「ロスチャイルドとブラジル」オンライン・アーカイブ
原題:The Rothchild and Brazil online archive
著者名:C・ショー
著者名原文:C. Shaw
掲載誌:ARC 223 (May 2008)

◆日本語タイトル:大企業と地域との連携
原題:Big business, local links
著者名:M・シーンキービッツ
著者名原文:M. Sienkiewicz
掲載誌:ARC 223 (May 2008)

◆日本語タイトル:イギリス在外石油・ガス産業エネルギーを記録する
原題:Capturing the energy of the UK's offshore oil and gas industry
著者名:K・スティーンソン
著者名原文:K. Steenson
掲載誌:ARC 223 (May 2008)

◆日本語タイトル:香港からの葉書:HSBCの地域アーカイブズの設立と発展
原題:A postcard from Hong Kong: the establishment and development of HSBC's regional archive
著者名:H・スウィナートン
著者名原文:H. Swinnerton
掲載誌:ARC 223 (May 2008)

[参考ページ]
ビジネス・アーカイブズ・カウンシル ウェブサイト
http://www.businessarchivescouncil.org.uk/

MLAロンドン ウェブサイト
http://www.mlalondon.org.uk/

ブリティシュ・スティール・コレクション(ブリティッシュ・スティール・アーカイブ・プロジェクト) ウェブサイト
http://www.britishsteelcollection.org.uk/

企業史料のためのナショナル・ストラテジー
http://www.businessarchivescouncil.org.uk/materials/national_strategy_for_business_archives.pdf

ミュージアム・オン・ザ・マウンド ウェブサイト
http://www.museumonthemound.com/

ギルドホール図書館 ウェブサイト
http://www.cityoflondon.gov.uk/corporation/LGNL_Services/Leisure_and_culture/Libraries/City_of_London_libraries/guildhall_lib.htm

ロンドン・メトロポリタン・アーカイブズ ウェブサイト
http://www.cityoflondon.gov.uk/Corporation/LGNL_Services/Leisure_and_culture/Records_and_archives/

ARC
http://www.archives.org.uk/content.asp?id=703

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[略称一覧]
ACA: Association of Canadian Archivists(カナダ・アーキビスト協会)
ARC: ARC magazine: archives - records management - conservation
(Society of Archivists: SoA)が発行する月刊ニュースレター
ASA: Australian Society of Archivists(オーストラリア・アーキビスト協会)
BAC: Business Archives Council(ビジネス・アーカイブズ・カウンシル)
BACS: Business Archives Council in Scotland
(スコットランド・ビジネス・アーカイブズ・カウンシル)
DCC: Digital Curation Center(英国デジタル・キュレーション・センター)
ICA: International Council on Archives(国際文書館評議会)
LSE: London School of Economics and Political Science
(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス)
MLA: Museums, Libraries and Archives Council
(英国博物館、図書館、アーカイブズ評議会)
NARA: National Archives and Records Administration
(米国国立公文書館記録管理庁)
RIKAR: Research Institute of Korean Archives and Records
(韓国国家記録研究院)
SAA: Society of American Archivists(米国アーキビスト協会)
SBL: Section for Business and Labour Archives
(企業労働アーカイブズ部会、ICA内の部会)
SoA: Society of Archivists(イギリス・アーキビスト協会)
TNA: The National Archives(英国国立公文書館)

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☆★ 編集部より:あとがき、次号予告 ★☆

企業史料管理、ビジネス・アーカイブズの実務に貢献すること、またこれらを通じて経済道義の昂揚に寄与することを目的として創刊したこの『ビジネス・アーカイブズ通信』も創刊1年半(今年8月)で21号を数えました。これを機に財団法人渋沢栄一記念財団実業史研究情報センターでは本通信のISSNを取得しました。本通信に充てられたISSN番号は「1884-2666」です。

ISSNとはInternational Standard Serial Numberの略で、国際標準逐次刊行物番号と訳されます。個々の逐次刊行物を識別するために付与される番号です。ISSNを組織するネットワークをISSNネットワーク(ISSN Network)といい、その国際登録センターはパリにあります。日本国内では国立国会図書館が日本センターとしての活動を行っています。詳しくは国立国会図書館のページhttp://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/issn.htmlをご参照ください。

次号は2009年10月初旬配信予定です。どうぞお楽しみに。

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◆◇◆バックナンバーもご活用ください◆◇◆

http://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bn/index.html

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◆◇◆配信停止をご希望の方は次のメールアドレスまでご連絡ください◆◇◆

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◆◇◆〈渋沢栄一記念財団からのお知らせ〉◆◇◆

□「企業史料ディレクトリ」:企業アーカイブズと企業史料の所在・概要ガイド

2008年7月22日公開いたしました。日本を代表する企業を中心とした企業アーカイブズと史料保存・学術研究機関合わせて30企業・団体・機関の概要、所蔵資料に関する情報を掲載しております。ぜひご覧ください。
http://www.shibusawa.or.jp/center/dir/index.html

□実業史研究情報センター・ブログ「情報の扉の、そのまた向こう」

「今日の栄一」「渡米実業団」「栄一情報」「栄一関連文献」「センターニュース」「今日の社史年表」「社史紹介(速報版)」「ビジネス・アーカイブズ通信(速報版)」「アーカイブズニュース」「図書館ニュース」をお届けしております。
http://d.hatena.ne.jp/tobira/

「アーカイブズニュース」では公文書等の管理に関する法律に関連する動向やアーカイブズのデジタル化、資料の発見・公開に関わるニュースを随時ご紹介しております。

ブログ画面右側の「カテゴリー」にある「アーカイブズニュース」をクリックしてください。「アーカイブズニュース」として掲載した記事をまとめて一覧することができます。

・カテゴリーの紹介
http://d.hatena.ne.jp/tobira/20080203

実業史研究情報センター・ブログ「情報の扉の、そのまた向こう」はほぼ毎日更新しております。どうぞご利用ください。

□「渋沢栄一関連会社社名変遷図」

渋沢栄一がどのような会社に関わったか、それが今にどうつながっているのか、一目でわかるように業種別にまとめて変遷図にしました。現在59図掲載中です。社名索引もありますので、どうぞご覧ください。
http://www.shibusawa.or.jp/eiichi/companyname/index.html

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ビジネス・アーカイブズ通信(BA通信) No.22
2009年10月2日発行 (不定期発行)
【創刊日】2008年2月15日
【発行者】財団法人渋沢栄一記念財団実業史研究情報センター
【編集者】財団法人渋沢栄一記念財団実業史研究情報センター
      「ビジネス・アーカイブズ通信」編集部
【発行地】日本/東京都/北区
【ISSN】1884-2666
【E-Mail】
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