MENU
『青淵』No.866 2021(令和3)年6月号
皆さんこんにちは。新年度を迎え、飛鳥山は瞬く間に華やかな桜の季節から爽やかな新緑の季節へと移り変わりましたが、いかがお過ごしでしょうか。研究センターでは3月に配信した「論語とそろばん」セミナーが無事終了し、一区切りついたと同時に渋沢栄一と「フィランソロピー」第7巻出版に向けて打ち合わせが行われました。
今回は、「論語とそろばん」セミナー2021の総括ならびに、渋沢栄一と「フィランソロピー」、『論語と算盤』読書会についてご報告いたします。
今回のセミナーは、2010年に開始して以来初めてのオンラインセミナーとなりました。準備段階ではコロナ禍により実施も危ぶまれましたが、登壇者の先生方や企画監修の守屋淳先生を始め多くの方のご協力をいただき、配信まで漕ぎつけることができました。
参加者の皆様におかれましては、約ひと月という短い申込み期間でしたが、たくさんのお申込みをいただき、例年のセミナー申込み数に近い258名にも及ぶお申込みをいただきました。心から感謝申し上げます。
またアンケートでは、オンラインでの実施により今までにない結果が見受けられました。例えば、参加者のお住まいの地域はこれまで関東近郊がほとんどで、今回も半数以上が関東中心でしたが、一方で北海道や関西地方など遠方からの参加も見られました。
年齢層においては、比較的若い層の31~40歳がこの3年間で一番多い10%まで増え、41~50歳が一番参加の多かった層として27.8%を占めました。これは、前回一番参加の多かった層51~60歳の24.1%を超える結果であり、セミナーに興味を持つ年齢層がオンライン実施によって広がったとも言えるかもしれません。男女比では、これまで女性の参加は多くても全体の2割程度でしたが、今回は3割近くの参加がありました。このように様々な側面において、今回のセミナーは幅広い層の参加者を募ることができました。
参加者の感想では、「(何度でも動画を見ることができるため)聞き逃しがない」「(長時間の内容でも)時間を区切って視聴できる」「時間や場所を問わずに見ることができる」など、オンラインのメリットを評価いただくお言葉をいただきました。その一方で、これまで対面のセミナーにあったような臨場感に欠けてしまうことや、直接質疑応答ができないために物足りなさを感じるという、ご意見も頂戴しました。
なかなか今後の見通しが立たない状況のため、次回も対面の実施は難しいかもしれませんが、まずはセミナーをきちんと継続し、今できるより良い実施形式で行えるように、いただいた課題と向き合いながら、次回の企画運営を進めてまいりたいと思います。
青淵4月号のお知らせにてすでにご存じの方もいると思いますが、渋沢栄一と「フィランソロピー」第6巻が無事出版されました。本巻は「教育」をテーマに、渋沢が近代日本社会発展の底上げとして、商業学校や小学教育・女子教育・国際理解教育などを通じ、幅広い人材育成の支援を講じていたことについて、各専門の先生方によって語られています。
また、2021年度出版予定の第7巻については、先日、責任編集者と事務局による打ち合わせが催され、少しずつ編集に着手している状況です。
書名:渋沢栄一と「フィランソロピー」⑥ 『社会を支える「民」の育成と渋沢栄一 ―未来を拓く、次世代を創る』 編著者:見城悌治、飯森明子(責任編集)、井上潤(責任編集) 出版社:ミネルヴァ書房 |
昨年9月にオンライン形式で再スタートをした第9期読書会は、早いもので5月の回を含めて残り3回となりました。当初は運営も不慣れな中で始めたオンライン読書会でしたが、今ではみんなすっかり慣れ、アプリの操作といった技術的な問題もほとんど見られなくなりました。最近では、自宅や職場のみならず、転勤先の海外からの参加者もおり、『論語と算盤』を中心に、参加者それぞれの立場から刺激的な議論が交わされています。
第10期については、8月を目安に参加者を募る予定です。募集の際は、財団ウェブサイトにて告知いたしますので、ご興味のある方はどうぞ奮ってお申込みください!
(研究センター 加藤愛子)