ビジネス・アーカイブズ通信(BA通信)

第58号(2015年4月22日発行)

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☆      □■□ ビジネス・アーカイブズ通信 □■□

☆       No.58 (2015年4月22日発行)

☆    発行:公益財団法人 渋沢栄一記念財団 情報資源センター

☆                        〔ISSN:1884-2666〕
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この通信では海外(主として英語圏)のビジネス・アーカイブズ(BA)に関する情報をお届けします。

海外BAに関わる国内関連情報も適宜掲載しております。

今号は文献情報2件、行事情報1件、企業団体情報1件です。

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◆ 目次 ◆

[掲載事項の凡例とご注意]

文献情報:アーカイブズ論文集 6
 ◎ICA会誌Comma ICAブリスベン大会特集 2013/1号
  「変化の風(2): アイデンティティとコミュニティ」

行事・文献情報:ICAコングレス2016ソウル大会 特設ウェブサイト

企業団体情報:ICA入会案内

☆★ 編集部より:次号予告 ★☆

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[掲載事項の凡例]

・欧文の場合、日本語で読みやすいものになるように、タイトルははじめに日本語訳を、続いて原文を記します。
・人名や固有名詞の発音が不明の場合も日本語表記を添えました。便宜的なものですので、検索等を行う場合はかならず原文を用いてください。

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[ご注意]
・受信時にリンク先を示すURLが途中で改行されてしまう場合があります。通常のURLクリックで表示されない場合にはお手数ですがコピー&ペーストで一行にしたものをブラウザのアドレス・バーに挿入し、リンク先をご覧ください。

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■文献情報:アーカイブズ論文集 6

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◎ICA会誌Comma ICAブリスベン大会特集 2013/1号
 「変化の風(2): アイデンティティとコミュニティ」
A climate of change (2) Identities and communities

国際アーカイブズ評議会(ICA)の会誌である"Comma"のブリスベン大会(2012年8月開催)特集号の紹介の後半です。今回は、同大会でのプレゼンテーションから選ばれた報告2分冊(2012/2号と2013/1号)のうちの、2013/1号です。(ICAのCongressと呼ばれる大会は4年に一度開催されるもので、次回は2016年に韓国ソウルでの開催が予定されています。)
http://www.ica.org/16750/news-and-events/the-latest-two-issues-of-comma-papers-from-the-2012-brisbane-congress-are-now-available.html

ブリスベン大会のテーマは「変化の風:信頼、持続可能性、アイデンティティ」でした。2012/2号のテーマは「2012年ブリスベン大会 変化の風(1):デジタル環境における信頼と持続可能性」 A climate of change (1) Trust and sustainability in the digital environment、2013/1号は「2012年ブリスベン大会 変化の風(2): アイデンティティとコミュニティ」Brisbane 2012 Congress. A climate of change (2) Identities and communities となっており、2012/2号には信頼と持続可能性に関わる報告が、2013/1号にはアイデンティティに関わる報告が収録されています。

"Comma"はリバプール大学出版(Liverpool University Press)から刊行されています。ICA会員の場合、ICAのユーザー名とパスワードでログインして本文を参照することができます。非会員の場合は、有料(ペイ・パー・ビュー方式)でアクセスできます。

[書誌情報]
タイトル原文:Comma
出版者:Liverpool University Press
ISSN:1680-1865(印刷物) 2049-3355 (オンライン)

[目次情報]

「2012年ブリスベン大会 変化の風(2): アイデンティティとコミュニティ」
http://liverpool.metapress.com/content/j5xmj83t2140/.


〈1〉
タイトル:はじめに:コンマ 2013/1号 大会記録
タイトル原文:Introduction: Comma 2013:1 Congress proceedings
DOI:10.3828/comma.2013.1.1
http://liverpool.metapress.com/content/c51338l427414762/?p=6c5338b9c3f04acb91972021be74651a&pi=0

〈2〉
タイトル:デジタル記録の交渉によるガバナンスに向けて:組織における個人ならびに共同の情報実務
タイトル原文:Towards negotiated governance of digital records: individual and collective information practices in organizations
著者1:ドミニック・ムレル
著者名原文1:Dominique Maurel
著者所属1:モントリオール大学図書館情報学大学院(カナダ)
著者所属原文1:École de bibliothéconomie et des sciences de l'information, Université de Montréal, Canada
著者2:アイーダ・チェビ
著者名原文2:Aïda Chebbi
著者所属2:マヌーバ大学情報管理高等研究所(チュニジア・チュニス)
著者所属原文2:Institut supérieur de documentation, Université de la Manouba, Tunis, Tunisia
DOI:10.3828/comma.2013.1.2
一行解説:この報告では、文書の流れと業務プロセスを通じて生じた記録のガバナンスの観点から、情報実務について議論する。その際、カナダ・ケベック州のある都市における中間管理職の情報実務を取り上げて検討する。調査によると、日々の情報ガバナンスは「交渉によるガバナンス」negotiaged governanceというべきものである。それは、職員と記録管理担当者の間に直接的な衝突もあれば、衝突と交渉が回避されることもある、というものである。
http://liverpool.metapress.com/content/037326958762q828/?p=1ed22885e76744679b373a181c9c0391&pi=1

〈3〉
タイトル:組織の持続可能性のための戦略的記録とリスクの管理
タイトル原文:Strategic records and risk management for the sustainability of organizations: a case study investigation
著者1:アズマン・マット・イザ
著者名原文1:Azman Mat Isa
著者所属1:MARA技術大学学生リーダーシップ研究所(マレーシア)
著者所属原文1:Institute of Student Leadership, Universiti Teknologi MARA
著者2:ノルディアナ・モード・ノルディン
著者名原文2:Nordiana Mohd Nordin
著者所属2:ビクトリア大学ウェリントン校図書館情報学(ニュージーランド)
著者所属原文2:Library and Information Studies, Victoria University of Wellington, New Zealand
DOI:10.3828/comma.2013.1.3
一行解説:この報告では、組織のガバナンスとアカウンタビリティの過程を良好に保つための記録管理のエッセンスについて議論する。それは記録管理とリスク管理を統合したものであり、記録管理が基幹部分を構成する。正確、真正、最新の記録は業務の効果と効率を保証し、そのことがさらに良好なガバナンスとアカウンタビリティを確実なものにする。つまり記録管理には戦略的な価値があることが了解される。統合された記録管理システムは内外の監査、コンプライアンス、リスク管理、意思決定といった最も重要なガバナンスとアカウンタビリティ・プロセスを支えるのに必須である。
http://liverpool.metapress.com/content/fq30wm005369t8k6/?p=852f7295d8cd4650b14a3fd1feddeac8&pi=2

〈4〉
タイトル:ビジネス環境の変化の中におけるアーカイブズと企業アイデンティ
ティ:花王株式会社の例
タイトル原文:Archives and corporate identity in a changing business environment: The Case of the Kao Corporation
著者:松崎裕子 Yuko Matsuzaki
著者所属:公益財団法人渋沢栄一記念財団(日本)
DOI:10.3828/comma.2013.1.4
一行解説:1990年代半ば、花王株式会社では経営陣、コーポレート・コミュニケーション部門が協力して、アーカイブズに基づき、創業以来の事業経営を貫く経営理念の特定に取り組んだ。その経営ポリシーは2004年に「花王ウェイ」としてまとめられた。この経営ポリシーは、「よきものづくり」、「絶えざる革新」、「正道を歩む」に大きな価値を置くものである。同社は世界に広がる事業所・工場等に勤務する多様な背景を持つ社員向けのワークショップを実施し、会社全体での花王ウェイの共有に取り組んできた。買収や事業再編にあたってアーカイブズは経営を貫く原理・哲学を親組織に提供するとともに、過去何度も会社史を編纂する中で社史に関わる重要な情報を提供してきた。このことは社員の間における誇りや社会的責任という倫理観の成長を促すものである。
http://liverpool.metapress.com/content/y080552gh42700v3/?p=c60d493707d147588e6aad83e3b3eac3&pi=3

〈5〉
タイトル:ノルウェーのウォー・チルドレン(第二次世界大戦中にドイツ兵とノルウェー人女性の間に生まれた子供たち)の正義のための仕事
タイトル原文:Norwegian war children's work for justice: the role of the archives
著者:コーレ・オルサン
著者名原文:Kåre Olsen
著者所属:ノルウェー国立公文書館
著者所属原文:National Archives of Norway
DOI:10.3828/comma.2013.1.5
一行解説:この報告では、著者はノルウェーのウォー・チルドレン(第二次世界大戦中にドイツ兵とノルウェー人女性の間に生まれた子供たち)を取り上げ、ノルウェー国立公文書館の記録情報が、ウォー・チルドレン個人にとっても、グループ全体にとっても重要であることを示す。また著者は、公文書館の職員、アーキビストが、自分たちの仕事が権利をはく奪され正義を求めるグループからの利用者にとって重要な意義を持つことに気づいている場合、いかにプロフェッショナルに業務を遂行しうるかについても議論する。
http://liverpool.metapress.com/content/1161g24l63j15641/?p=976e78ebfe774ae09468f8eced5515b7&pi=4

〈6〉
タイトル:アーカイブズの評価選別と保存における多数者と少数者のそれぞれの考え方
タイトル原文:Majority and minority perspectives in archives selection and preservation
著者:エレン・ロショ
著者名原文:Ellen Røsjø
著者所属:ノルウェー 地方・民間アーカイブズ協議会、オスロ・ユニバーシティ・カレッジ(ノルウェー)
著者所属原文:Norwegian Association of Local and Private Archives (LLP), Oslo University College
DOI:10.3828/comma.2013.1.6
一行解説:著者は公文書館と民間機関それぞれに所蔵されている移民関係組織の記録を比較し、その分析を基に評価選別ポリシーの大幅な変更と、民間アーカイブズ機関と記録保存活動に対する資金投入の必要性を論じる。著者は社会のさまざまな部門における一貫した記録保存計画の必要性を主張する。
http://liverpool.metapress.com/content/q864565117210922/?p=5142b0f1ad2f41d4bfccb1359bfdecf9&pi=5

〈7〉
タイトル:寡黙なアーカイブズ:LGBTTTIQ(レズビアン、ゲイ、両性愛者、性転換者、トランス・ジェンダー、Two-Spirit, 半陰陽者、クウィーア)の歴史を保存する
タイトル原文:The reticent archives: Preserving LGBTTTIQ histories
著者:シェリル・アヴリー
著者名原文:Cheryl Avery
著者所属:カナダ国立公文書館
著者所属原文:National Archives of Canada
DOI:10.3828/comma.2013.1.7
一行解説:偏見、主観、潜在意識における世界観は記録へのアプローチの仕方に影響を及ぼす。レズビアン、ゲイ、両性愛者、性転換者、トランス・ジェンダー、Two-Spirit, 半陰陽者、クウィーアといった非主流派コミュニティの記録は長らくアーカイブの対象から除外されてきた。この報告ではカナダのアーキビストが、非主流派コミュニティのアーカイブズ形成にどのように取り組んできたのかを報告する。
http://liverpool.metapress.com/content/h240q051w2617883/?p=879fa3bda2af47d18ec34ab39ea4923c&pi=6

〈8〉
タイトル:広島大学文書館(日本)
タイトル原文:The Hiroshima University Archives, Japan
著者:小池聖一 Seiichi Koike
著者所属:広島大学大学院国際協力研究科
DOI:10.3828/comma.2013.1.8
一行解説:日本の大学アーカイブズには4つのタイプがある。それは、(1)公文書館型アーカイブズ、(2)大学史編纂者、(3)創立者記念図書館、(4)同窓会へのサービス提供者である。数的には2番目のタイプが多い。しかし、2009年に制定された公文書管理法が2011年に施行されたため、公文書館型大学アーカイブズも増加傾向である。広島大学文書館は次にあげる6つの戦略目標を持っている。(1)効率的な文書管理、(2)広島大学のプロモーション、(3)教育と研究への貢献、(4)大学アイデンティテイの確立、(5)地域社会との強力なパートナーシップの育成、(6)恒常的な情報発信である。広島大学文書館は、教育研究活動に寄与しながら、組織アーカイブズと収集アーカイブズの二つの機能を果たしており、大学アーカイブズにとってのユニークなビジネスモデルを提供している。
http://liverpool.metapress.com/content/210j32u10m787052/?p=5b173f50494e45e885aca759fe489663&pi=7

〈9〉
タイトル:フランス語話者のアイデンティティと少数派であるフランス系アルバータ州住民アーカイブズ(カナダ)
タイトル原文:Identité francophone et archives en milieu minoritaire franco-albertain (Canada)
著者:クロード・ロベルト
著者名原文:Claude Roberto
著者所属:アルバータ州アーカイブズ民間アーカイブズ部門(カナダ)
著者所属原文:Archives privées aux Archives provinciales de l'Alberta, Canada
DOI:10.3828/comma.2013.1.9
一行解説:フランス語を話すマイノリティ・グループはマジョリティである英語話者への同化の危機にさらされているのだが、アルバータ州アーカイブズ民間アーカイブズ部門は、マイノリティのアイデンティティにとって重要な記録の取得、保存、提供に重要な役割を果たしてきた。また自分たちのアーカイブズと文化への関心を高めるための展示や教育ツールの開発といった点を報告する。
http://liverpool.metapress.com/content/a112813814q7474q/?p=17cb00653c2442afa0fdb948acd62732&pi=8

〈10〉
タイトル:アイデンティティにおけるパートナーとしてのアーカイブズ:利用者を巻き込んで対話することを通じてプロセスを形作る:スカンジナビア的な一つの見方
タイトル原文:Archives as partners in identity: shaping processes through user involvement and dialogues: a Scandinavian point of view
著者:ベンテ・ジェンセン
著者名原文:Bente Jensen
著者所属:アルボ市アーカイブズ、アルボ大学(デンマーク)
著者所属原文:Aalborg City Archives, Aalborg University in Denmark
DOI:10.3828/comma.2013.1.10
一行解説:デンマークのアルボ市アーカイブズを事例とした、スカンジナビア地域における利用者参加型の対話的なアーカイブズ活動の報告。対話には実際に対面してのアナログ型のものとフェイスブックやフリッカー、インスタグラム、ツイッターのようなソーシャルメディアの両方を利用。アーカイブズ活動への利用者の参加は街づくりに関する民主主義的なプロセスをサポートするものである。
http://liverpool.metapress.com/content/c164018805j37427/?p=cf15c92a14ff4e8981c17c465de7b947&pi=9

〈11〉
タイトル:アイデンティティ:アーカイブズとアーキビストは地方、地域、全国的なアイデンティティの育成と保存に貢献しうるか?
タイトル原文:Identity: Can archives and archivists contribute to fostering and preserving local, regional, and national identities?
著者:ヴォディスワフ・ステルプニャク
著者名原文:Władysław Stępniak
著者所属:ニコラウス・コペルニクス大学(ポーランド・トルン)
著者所属原文:Nicolaus Copernicus University in Toruń
DOI:10.3828/comma.2013.1.11
一行解説:EU全体を通じての統一的なアーカイブズに関する規則・規範といったものは存在しない。この報告では、アーカイブズが社会的態度決定や、国、地方、地域といったさまざまなレベルでのアイデンティティの形成とその維持に何らかの役割を果たすのかを議論する。
http://liverpool.metapress.com/content/4m23302814787097/?p=c209c9df304c495d8ca089114132fb44&pi=10

〈12〉
タイトル:モナシュ郡ラインズ・アーカイブズ:土着の知識をアーカイブする
タイトル原文:Monash Country Lines Archive: Archiving indigenous knowledges
著者1:シャノン・フォークヘッド
著者名原文1:Shannon Faulkhead
著者所属1:モナシュ郡ラインズ・アーカイブズ、モナシュ大学(オーストラリア)
著者所属原文1:Monash Country Lines Archive, Monash University
著者2:ブレント・マッキー
著者名原文2:Brent McKee
著者所属2:アンコール視覚化プロジェクト IT部門(オーストラリア)
著者所属原文2:Visualising Angkor Project, Faculty of IT
DOI:10.3828/comma.2013.1.12
一行解説:オーストラリアにおける先住民コミュニティの生活、知識、言語といった遺産を三次元のアニメーションによって保存・継承する取り組みについての報告。
http://liverpool.metapress.com/content/l62432402t786v66/?p=8c19e07f401a48f0bfc13dc1e2586506&pi=11

〈13〉
タイトル:ピーター・J・スコットとオーストラリア「シリーズ」システム:
その起源、特徴、原理、影響、そして引き続き存在する妥当性
タイトル原文:Peter J. Scott and the Australian 'series' system: its origins, features, rationale, impact and continuing relevance
著者1:エイドリアン・カニンガム
著者名原文1:Adrian Cunningham
著者所属1:クイーンズランド州公文書館(オーストラリア)
著者所属原文1:Digital Archives Program at Queensland State Archives
著者2:ローラ・ミラー
著者名原文2:Laura Millar
著者所属2:記録関係独立コンサルタント(カナダ)
著者所属原文2:Independent Consultant in Records
著者3:バーバラ・リード
著者名原文3:Barbara Reed
著者所属3:レコードキーピング・イノベーション社
著者所属原文3:Recordkeeping Innovation Pty Ltd.(オーストラリア)
DOI:10.3828/comma.2013.1.13
一行解説:1960年代にオーストラリアのコモンウェルス・アーカイブズ・オフィス(現在のオーストラリア国立公文書館)のピーター・J・スコットたちによって開発された「シリーズ・システム」と呼ばれるアーカイブズの記述標準の特徴、原理、影響、現在においてもなお有用であることを論じる。シリーズ・システムとは、記録を作成した部署に関する情報と、記録自体に関する情報を分離して記述する方法である。
http://liverpool.metapress.com/content/c437k702441v22m4/?p=4599a31a425d43fd9df6e13a16785f3d&pi=12

〈14〉
タイトル:要約
タイトル原文:Abstracts
DOI:10.3828/comma.2013.1.14
http://liverpool.metapress.com/content/c053rm2111176837/?p=50560839142a4ebe934dc001a0d4660a&pi=13

〈15〉
タイトル:著者の連絡先
タイトル原文:Authors' contact details
DOI:10.3828/comma.2013.1.15
http://liverpool.metapress.com/content/lg35n260618356h4/?p=c690360103a0459695601cb850f9a059&pi=14

〈16〉
タイトル:編集部
タイトル原文:Editorial Board
DOI:10.3828/comma.2013.1.16
http://liverpool.metapress.com/content/l10424g595045851/?p=24f119b307b7460394e18aa75727f6d6&pi=15

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■行事情報:ICAコングレス2016ソウル大会 特設ウェブサイト

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◎ICAコングレス2016ソウル大会 特設ウェブサイト

大会テーマ:アーカイブズ、調和、友情
Archives, Harmony & Friendship

http://www.ica2016.com/eng/index.do

4年に一回開催されるICA=国際アーカイブズ評議会のコングレス(大会)は来年韓国ソウルで開催されます。同大会のウェブサイトが開設されています。
http://www.ica2016.com/eng/index.do

大会テーマは「アーカイブズ、調和、友情」。期間は2016年9月5~11日、会場はソウル市江南(カンナム)地区にある大型コンベンション・センター・コエックスCOEXです。

◆2016年ソウル大会プロモーションビデオ(英語、4分49秒)
http://www.ica2016.com/eng/community/video.do
ぜひご覧になってみてください。国家記録院(韓国の国立公文書館)の施設の現況など参考になるでしょう。


◆2016年大会招聘までの経緯についてのページ
http://www.ica2016.com/eng/seoul/invite_history.do
1999年に制定された「公共機関の記録物管理に関する法律」(日本の公文書管理法に相当。日本では2009年に制定されました)を嚆矢とし、韓国国立公文書館の新館竣工(2008年)といったアーカイブズ管理のインフラ整備を進め、2011年のICA円卓会議にてソウルへの大会招聘を成功させました。

◆参加申し込み・会議報告プロポーザル提出方法に関するページ
http://www.ica2016.com/eng/register/guide.do
現在準備中。ICA事務局(パリ)との調整の後、2015年中に公示されるとのことです。

◆韓国における「記録文化」archival cultureの歴史と伝統
http://www.ica2016.com/eng/archival/archival.do

◆ユネスコ世界記憶遺産に登録されている韓国の記憶遺産(11件)のページ
http://www.ica2016.com/eng/archival/heritage/index.do

◇◇「訓民正音」
http://www.ica2016.com/eng/archival/heritage/hunminjeongeum.do
朝鮮王朝時代(1392年~1910年)の15世紀半ばに当時の王であった世宗によって制定された文字の体系ハングルとそれに関する書物。

◇◇「朝鮮王朝実録」
http://www.ica2016.com/eng/archival/heritage/joseo_dynasty.do
朝鮮王朝時代の歴史を編年体で編纂した実録。2,077巻がユネスコ世界記録遺産として登録されています。

◇◇「直指心体要節」
http://www.ica2016.com/eng/archival/heritage/jikji.do
14世紀に記された禅宗の書物。世界最初の金属活字本。

◇◇「承政院日記」
http://www.ica2016.com/eng/archival/heritage/seungjeongwon.do
朝鮮王朝時代の王と中央官庁に関する記録。

◇◇「朝鮮王室儀軌」
http://www.ica2016.com/eng/archival/heritage/uigwe.do
朝鮮王朝時代の王室の行事等に関する記録類。

◇◇「高麗八萬大蔵経」
http://www.ica2016.com/eng/archival/heritage/tripitaka.do
伽耶山海印寺に保存されている仏教聖典。

◇◇「東医宝鑑」
http://www.ica2016.com/eng/archival/heritage/donguibogam.do
朝鮮王朝時代の医学書。

◇◇「日省録」
http://www.ica2016.com/eng/archival/heritage/ilseongnok.do
18世後半以降の朝鮮王朝の国政に関する記録類。

◇◇「1980年5月18日光州地域における民主化のための蜂起のアーカイブズ
(記録)」
http://www.ica2016.com/eng/archival/heritage/democracy.do
1980年5月18日から27日にかけて全羅南道光州市で起こった、当時の軍事政権に対し市民が民主化を求めた運動に関する記録。

◇◇「乱中日記」
http://www.ica2016.com/eng/archival/heritage/war_diary.do
文禄・慶長の役(1592年~1598年)間に李舜臣が記した手稿日記。

◇◇「セマウル運動アーカイブズ(記録)」
http://www.ica2016.com/eng/archival/heritage/saemaul.do
1970年に朴正煕政権が開始した全国での地域開発運動であるセマウル運動に関する記録。


◆電子記録:韓国のeガバメントの基本的枠組みについて
http://www.ica2016.com/eng/archival/electronic/electronic.do

◆韓国の国立公文書館に関するページ
http://www.ica2016.com/eng/archival/intro.do

◆2008年の韓国国立公文書館ナラ新館関連セレモニーのページ
http://www.ica2016.com/eng/archival/event/national.do

◆2010年の国際アーカイブズ文化展示会(IACE)のページ
http://www.ica2016.com/eng/archival/event/international.do

◆会場となるコエックス・センターについて
http://www.ica2016.com/eng/seoul/place.do

◆韓国財団作成ソウル紹介ビデオ(英語、23分53秒)
http://www.ica2016.com/eng/community/video.do


★☆★...編集部より...★☆★

日本のアーカイブズ関係者のお話をうかがうと、1996年のICAコングレス北京(中国)大会が、ICAに対する理解を日本で広めたようです。その後、2000年にセビリヤ(スペイン)、2004年ウィーン(オーストリア)、2008年クアラルンプール(マレーシア)、2012年ブリスベン(オーストラリア)で開催されています。最近20年間のICAコングレスの開催地をみてみると、アジア太平洋地が過半を占めています。この地域においてアーカイブズの整備が進みつつあることを示していると言えるでしょう。

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■企業団体情報:国際アーカイブズ評議会(ICA):入会情報

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◎国際アーカイブズ評議会(ICA)の会員になるには?
How to became a member of the International Council on Archives (ICA)
http://www.ica.org/108/our-members-membership/our-members-membership.html(英語)
http://www.ica.org/6466/welcome/.html(日本語)

ICAの会員には4つのカテゴリーがあります。個人でも会員になれます。詳しくは各リンク先をご覧ください。

★カテゴリーA(会費は国により異なる。会費一覧を参照)
国の国立公文書館に相当する機関

★カテゴリーB(収入に応じて異なる。年50~600ユーロ)
記録・アーカイブズの管理・保存、アーカイブズ研修・教育に関わる協会

★カテゴリーC(年200ユーロ)
記録・アーカイブズの管理・保存、アーカイブズ研修・教育に関わる機関・企業

★カテゴリーD
記録・アーカイブズの管理・保存、アーカイブズ研修・教育に関係する個人
(紙の刊行物配布とICAウェブサイト会員限定頁へのアクセス:年100ユーロ)
(ICAウェブサイト会員限定頁へのアクセス:年30ユーロ)
(ICAウェブサイト会員限定頁へのアクセス:学生、退職者、無就業者:年20ユーロ)

国立公文書館翻訳による日本語による説明
http://www.ica.org/6466/welcome/.html

会費一覧(PDF)
http://www.ica.org/download.php?id=3544
カテゴリーAの会費:1-6頁(日本は米国に次ぎ2番目に会費を払っていますね)
カテゴリーBとCの会費:7頁
カテゴリーD:8頁


★☆ ひと言 ☆★

ICAには個人でも加入できますし、企業や学校といった団体単位でもOKです。当財団は2008年よりICAのカテゴリーCのメンバーで、同時に企業アーカイブズ部会運営委員会委員を派遣しています。

会員となるメリットはアーカイブズに関わるさまざまな国際動向に触れることができる点にあるでしょう。多くの企業・団体、個人のみなさんの参加をお待ちしております。

ご質問などは本通信編集部でもお受けいたします。

までどうぞ。


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[略称一覧]
ACA: Association of Canadian Archivists(カナダ・アーキビスト協会)
ARA: Archives and Records Association(アーカイブズとレコード協会)
ARC: ARC magazine: archives - records management - conservation
(SoAが発行する月刊ニュースレター)
ASA: Australian Society of Archivists(オーストラリア・アーキビスト協会)
BAC: Business Archives Council(ビジネス・アーカイブズ・カウンシル)
BACS: Business Archives Council in Scotland
(スコットランド・ビジネス・アーカイブズ・カウンシル)
BAS: Business Archives Section
(ビジネス・アーカイブズ部会:SAA内の部会)
CITRA: International Conference of the Round Table on Archives
(アーカイブズに関する国際円卓会議:ICAの年次会議)
CoSA:Council of State Archivists(米国・州文書館長評議会)
DCC: Digital Curation Center(英国デジタル・キュレーション・センター)
EDRMS:Electronic Document and Record Management System
(電子文書記録管理システム)
ERM:Electronic Record Management(電子記録管理)
ICA: International Council on Archives(国際文書館評議会)
LSE: London School of Economics and Political Science
(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス)
MLA: Museums, Libraries and Archives Council
(英国 博物館、図書館、アーカイブズ評議会)
NAGARA: National Association of Government Archives and Records
Administrators
(米国・全国政府アーカイブズ記録管理者協会)
NARA: National Archives and Records Administration
(米国 国立公文書館記録管理庁)
RIKAR: Research Institute of Korean Archives and Records
(韓国国家記録研究院)
RMS:Record Management System(記録管理システム)
SAA: Society of American Archivists(米国アーキビスト協会)
SBL: Section for Business and Labour Archives
(企業労働アーカイブズ部会、ICA内の部会)
SoA: Society of Archivists(イギリス・アーキビスト協会)
TNA: The National Archives(英国国立公文書館)

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☆★ 編集部より:あとがき、次号予告 ★☆

当財団の機関誌『青淵』には毎号、みずほ総合研究所主催の月例講演会のお知らせが掲載されています。

先日参加した同研究所主催講演会は、「知の巨人 佐藤優氏が語る!これからの日本外交 2015」。作家で元外務省主任分析官の佐藤氏によると、世界情勢全体からみると東アジアの重みは1割、中東をめぐる問題が6割ぐらいの感じだそうです。そのため、講演は中東情勢を中心に日本外交を論じるものでした。

編集部が感心したのは、佐藤氏の講演における「たとえ(比喩)」の巧みさです。アラビア半島の小国がイスラム原理主義者に提供する資金を「みかじめ料」にたとえたり、イスラム教内の宗派間対立を日本におけるかつての過激派各派の対立との類比で説明するなど、分かりにくいことを分かりやすくするたとえ話が多用されていました。

そこで思い出したのが、アーカイブ(ズ)に関する「『ズ』のあるなし だけではなく」という講演です。

講演者は立教大学共生社会研究センター学術研究員平野泉さん。平野氏は当センターが2012年に刊行した『世界のビジネス・アーカイブズ』第2章「フランスのビジネス・アーカイブズ、経営に役立つツールとして―サンゴバン社の事例」(ディディエ・ボンデュー著)の翻訳にもあたってくださいました。
http://d.hatena.ne.jp/tobira/20120215/1329283710

アーカイブズとデジタルアーカイブ。"ズ"のあるなしによって違ってくる意味合い、またこのことにかかわるさまざまな論点をめぐり、講演はU・エーコ『薔薇の名前』の舞台である中世イタリアの修道院内のライブラリーとアーカイブズの位置のお話から始まりました。

とても分かりやすかったのが、アーカイブ(ズ)の世界を1本の木にたとえたお話です。伝統的なアーカイブズでは、組織や個人の活動・事業・行為...の証拠という意味合いで記録資料を考え、記録相互間の文脈を重視します。そこには文化的な価値があり、多くの人に見てもらいたいものもありますが、人目に触れてほしくないものも含まれていたりします。

平野氏のお話では、この(伝統的)アーカイブズを地面の下に広がる木の根とそこから地上の幹や葉っぱに送られる養分に、デジタルアーカイブを地上の枝に生い茂る葉っぱにたとえておられました。両者は有機的につながった一本の木であり、緑の葉っぱをきれいに生き生きと生い茂らすためには、根っこがしっかりしていなければいけないし、そこから養分を送り続ける必要がある、というたとえは、「なるほど!」と編集部の胸にストンと落ちました。

『薔薇の名前』が一種の謎解きであったように、この講演もアーカイブズとデジタルアーカイブをめぐるもつれた糸を解きほぐすもので、面白さと、そして真摯さにあふれるものでした。

講演とシンポジウムの記録が刊行されるといいですね。


〈ご参考〉
公益財団法人渋沢栄一記念財団『青淵』
https://www.shibusawa.or.jp/outline/seien/index.html

専門図書館協議会 SENTOKYOブログページ
「第5回LRGフォーラムの開催のご案内/アカデミック・リソース・ガイド(株)」
http://blog.goo.ne.jp/sentokyo/e/c7f763a68c8899a32cf72948dff3953a


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次号は2015年5月下旬発行予定です。どうぞお楽しみに。

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◆◇◆バックナンバーもご活用ください◆◇◆

https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bn/index.html

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★公益財団法人渋沢栄一記念財団実業史研究情報センターは2015年4月1日より
組織改編に伴い、公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターに名称変更
いたしました★

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ビジネス・アーカイブズ通信(BA通信) No.58
2015年4月22日発行 (不定期発行)
【創刊日】2008年2月22日
【発行者】公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センター
【編集者】公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センター
      「ビジネス・アーカイブズ通信」編集部
【発行地】日本/東京都/北区
【ISSN】1884-2666
【E-Mail】
【サイト】https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/index.html

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