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研究センターだより

33 パネル・ディスカッション「飛鳥山から世界へ」/「論語とそろばん」セミナー2012/渋沢敬三研究会/仙台シンポジウムのお知らせ

『青淵』No.768 2013(平成25)年3月号

今回は、シンポジウムと研究会について紹介いたします。昨年秋以降に開催されました渋沢史料館30周年記念シンポジウム「飛鳥山から世界へ」、「論語とそろばん」セミナー、渋沢敬三研究会のご報告と今年3月9日(土)の仙台シンポジウムについてのお知らせです。なお合本主義研究プロジェクトにつきましては、昨年初秋のパリでの議論をもとに、メンバーが3月末の締め切りに向けて最終原稿を執筆中です。4月5日(金)・6日(土)に当財団内会議室で集中的に討議を行いますので、その結果を本誌6月号にて、詳しく報告いたします。

1. パネル・ディスカッション「飛鳥山から世界へ」

2012年11月11日(日)に渋沢史料館30周年記念事業として、パネル・ディスカッションを開催しました。第1部「北区とともに30年」では、是澤博昭氏(大妻女子大学准教授)の司会により、渋沢栄一の実像やなぜ今日渋沢栄一が脚光を浴びているのかについて、地域住民の理解を深めてもらうため、井上、小出、木村が当財団の事業の概略を紹介しました。その後北区在勤、在住4人のパネリスト、伊藤元司氏(東京都北区地域振興部産業振興課課長)、前納孝子氏(北区おかみさん元気クラブ会長)、堀江正郎氏(北区観光ボランティアガイドの会会長)、安部元彦氏(安部学院高等学校学校長)に、渋沢栄一への思いを語ってもらいました。また当財団評議員の樺山紘一氏(東京大学名誉教授・印刷博物館館長)に地域に根ざした史料館の可能性についてアドバイスをいただきました。

第2部(司会・見城悌治氏〈千葉大学准教授〉)では「日・中・韓・米」4ヵ国の気鋭の渋沢栄一研究者―島田昌和氏(日本・文京学院大学教授)、于臣氏(中国・横浜国立大学准教授)、キム ミョンス氏(韓国・啓明大学校助教授)、ジョン・セイガーズ氏(米国・リンフィールド大学准教授)が、グローバルな視点から、いまなぜ渋沢栄一が注目されているかを語り、これに対してディスカッサントとして松本和明氏(長岡大学教授)、守屋淳氏(作家)両氏から的確かつ奥深いコメントをいただきました。続いて、今後どのような研究を進めていけばよいかが議論されました。海外、特に韓国での渋沢栄一研究の状況がこれほど詳しく日本語で紹介されたことは、日本で初めてです。当日は1部・2部合わせて、延べ100人を超える参加者が熱心に聴講し、数多くの質問がだされ、実り多い晩秋の一日になりました。

2. 「論語とそろばん」セミナー2012

昨年秋、渋沢史料館見学を含め計5回の「論語とそろばん」セミナーを開催いたしました。おかげさまで毎回、大好評でした。なかでもユニークだったのは、第4回(最終回)の株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス和田洋一社長へのインタビュー形式の講義でした。一見、論語と結びつけるのが難しいゲームソフト産業の和田氏は、ご自身のキャリアをご紹介されながら、論語との関わりに触れ、現代社会においてこそ論語を読む意義が大きいと強調されました。全4回の講義の概要は東商新聞1月1日号、当財団ウェブサイトで紹介されています。参加者の皆さんのアンケートを参考にしながら、来年度も同セミナーを開催いたします。

3. 渋沢敬三研究会

今年秋に開催します渋沢敬三没後50年企画展担当の渋沢史料館永井美穂学芸員の協力を得て、2013年1月18日(金)に渋沢史料館会議室で、渋沢敬三研究会を開催いたしまた。講師は、福田アジオ(国立歴史民俗博物館名誉教授)、瀬能宏(神奈川県立生命の星・地球博物館学芸員)、神谷久覚(三菱経済研究所研究員)、飯森明子(常磐大学国際学部非常勤講師)、小林光一郎(神奈川大学日本常民文化研究所特別研究員)、椎名雄(世界写真フォーラム顧問)の6氏で、企画展図録への執筆内容や企画展への要望につき活発な議論が行われ、敬三の思想の奥深さと活動の広がりをあらためて学ぶことができました。

研究部では、今秋同企画展関連シンポジウムを開催し、「継承者としての渋沢敬三」(仮)と題して、同時代の岩崎小彌太、藤山愛一郎などと比較しながら、渋沢敬三について議論したいと考えています。

4. 仙台シンポジウムのお知らせ

3.11東日本大震災発生から約3経過しました。今年は1923(大正12年)の関東大震災震災から90年にあたります。そこで近代日本のリーダーが関東大震災にどのように向き合ったかを議論し、今後の東日本の復興・再生への示唆を得たいと考え、下記のシンポジウムを開催いたします。ご参加くださいますようお願い申し上げます。(申込不要、参加無料。)

開催日:2013年3月9日(土)
シンポジウム「関東大震災と近代日本のリーダー―渋沢栄一・後藤新平・吉野作造―」
パネリスト:
 渋沢栄一...見城悌治(千葉大学准教授)
 後藤新平...御厨 貴(放送大学教授、東京大学名誉教授)
 吉野作造...大川 真(吉野作造記念館副館長)
 コメンテーター: 五百旗頭 真(熊本県立大学理事長、ひょうご震災記念21世紀研究機構理事長)
司会: 桐原健真(東北大学大学院助教)
会場: 東北大学百周年記念会館 川内萩ホール会議室(約100名)
時間: 14:00〜17:00(開場:13:30)

(研究部・木村昌人)


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