年頭のご挨拶
興味、関心が高まる渋沢栄一の思想
竹島、尖閣に続いて、年末ぎりぎりの総選挙と、何かと騒ぎの多かった辰年も終わり、会員の皆様にはお元気で新しい年をお迎えになりましたこととお慶び申し上げます。
このような情勢のなかで、没後81年を迎えた渋沢栄一が何を考えているかが気になるところですが、世間も同じと見えて、栄一への興味と関心はいっこうに衰える兆しを見せていません。昨年の祥月命日には、北区飛鳥山博物館の講堂をお借りして、「飛鳥山から世界へ」と銘打ったパネル・ディスカッションが行われました。第一部では地域の皆さんが生前の栄一の地域との関わりの深さを熱っぽく語り合い、続く第二部では我が国を始め、中国、韓国、米国などの研究者の方々が、それぞれ立派な日本語で、最近の研究の成果を発表され、有意義な一日となりました。
また同じ頃、財団職員の皆さんの共同執筆による「渋沢栄一を知る事典」という、たいへん内容が濃く、しかもこの上なく便利な書物が刊行されました。91年の長い人生を通じて、企業経営はもとより、国民外交、社会福祉、教育など驚くほど広い分野で、日本の近代化のために、懸命に尽くした栄一の生涯を網羅的に解説したほか、最新版の年譜、48,000ページに上る渋沢栄一伝記資料の概要、さらには関連会社の社名変遷図なども掲載し、関係会社からのまとめ買いなどもあり、評判を呼んでおります。
今年の秋には、かねてから進めております合本主義についての国際共同研究の成果がまとまり、11月にはパリのOECD本部での発表を予定しております。栄一の遺した知的、精神的遺産を、今年もまた日本のため、世界のため、広く発信していきたいと考えておりますので、会員の皆様には倍旧のご支援ご指導を賜りますようお願いして、年頭のご挨拶としたいと思います。
2013年元旦
公益財団法人 渋沢栄一記念財団
理事長 渋沢雅英