事業名:横浜船渠株式会社
横浜船渠入渠中の鎌倉丸及び帆船デーライト号
横浜市
画像1
[撮影日] 不詳 [撮影者] 不詳
[ マップ上の位置情報について ]
ピンは当時の横浜船渠(横浜市入船町)周辺を示す。
『渋沢栄一伝記資料』中の関連情報
出典:副島八十六編 『開国五十年史附録』(開国五十年史発行所,1908)p.49 横浜船渠株式会社
画像名:鎌倉丸及び帆船デーライト号入渠
文献に記載されている解説文等:
横浜市入船町一番地
 同社は帝国五港の一位を占め、而も船舶の出入極めて頻繁なる横浜港に於て、是が修繕に必要なる船渠並に工場の設備なく、徒に其不便を内外船舶に蒙らしむるの甚だ遺憾なるを慨し、明治二十二年六月当市原善三郎氏外三十二名始めて其創立を出願し、二十四年六月認可を得たるに其端を啓く。而して本船渠は英国陸軍工兵少将エツチ、スペンサー、パーマー氏に由りて設計せられ、後専門大家及び技師の変更設計等を参酌したりと雖、大体に於て最初の設計に遵拠し、二十七年九月第二号乾船渠の築造に着手して二十九年十二月に竣工し、第一号乾船渠は二十九年七月起工して三十年十二月完成したり。然るに時勢は以上二個の船渠に満足せざるの傾向を示したるを以て、更に目下第三号乾船渠及び潮入船渠築造工事中にて、来る四十三年三月竣工の予定なり。而して前記既成船渠に伴ふ各種工場も事業上輔車の関係あるを以て、船渠築造に前後して臨機是が建設に従事し、第二号船渠竣成当時に於て既に各部完全に其工を了りたり。爾来毎年内外国船舶の入渠するもの一百二十以上を算し、修繕を加ふるものに至つては四百に垂んとす。尚ほ当社の資本金は三百万円にして、船舶に関する工事のみならず、陸上に於ける諸機械其他一般の鉄工業を営み、該工事百般の需要に応じ、着々好果を収めつゝあり。
船渠明細表
第一船渠
 盤木上の長  四八六、四尺 四八三、六呎 一四七、四米突
 戸船より船渠頭部に至る内側の長  五一七、五尺 五一四、三呎 一五六、八米突
 渠口上部の幅  九四、一尺 九三、五呎 二八、五米突
 渠口下部の幅  七五、九尺 七五、五呎 二三、〇米突
 最大満潮盤木上の水深  二九、〇尺 二八、九呎 八、八米突
 通常満潮盤木上の水深  二八、〇尺 二七、九呎 八、五米突
 最大干潮盤木上の水深  二一、五尺 二一、三呎 六、五米突
 入渠し得べき船舶の大さ 船の長 五一〇、〇呎
             船の幅 八〇、〇呎
第二船渠
 盤木上の長  三五三、一尺 三五一、〇呎 一〇七、〇米突
 戸船より船渠頭部に至る内側の長  三七八、一尺 三七五、八呎 一一四、六米突
 渠口上部の幅  六一、〇尺 六〇、七呎 一八、五米突
 渠口下部の幅  四六、二尺 四五、九呎 一四、〇米突
 最大満潮盤木上の水深  二七、四尺 二七、三呎 八、三米突
 通常満潮盤木上の水深  二六、四尺 二六、三呎 八、〇米突
 最大干潮盤木上の水深  一九、八尺 一九、八呎 六、〇米突
 入渠し得べき船舶の大さ  船の長 三七五、〇呎
              船の幅 五〇、〇呎
 取締役会長 朝田又七
 専務取締役 来栖壮兵衛
 取締役 近藤廉平
 取締役 原六郎
 取緞役[取締役] ジェー、デー、ハチソン
 監査役 石川徳右衛門
 監査役 西村喜三郎
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渋沢ゆかりの地

事業名:横浜船渠株式会社
横浜船渠入渠中の鎌倉丸及び帆船デーライト号
横浜市
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[ マップ上の位置情報について ]
ピンは当時の横浜船渠(横浜市入船町)周辺を示す。
『渋沢栄一伝記資料』中の関連情報
出典:
副島八十六編 『開国五十年史附録』(開国五十年史発行所,1908)p.49 横浜船渠株式会社
画像名:
鎌倉丸及び帆船デーライト号入渠
文献に記載されている解説文等:
横浜市入船町一番地
 同社は帝国五港の一位を占め、而も船舶の出入極めて頻繁なる横浜港に於て、是が修繕に必要なる船渠並に工場の設備なく、徒に其不便を内外船舶に蒙らしむるの甚だ遺憾なるを慨し、明治二十二年六月当市原善三郎氏外三十二名始めて其創立を出願し、二十四年六月認可を得たるに其端を啓く。而して本船渠は英国陸軍工兵少将エツチ、スペンサー、パーマー氏に由りて設計せられ、後専門大家及び技師の変更設計等を参酌したりと雖、大体に於て最初の設計に遵拠し、二十七年九月第二号乾船渠の築造に着手して二十九年十二月に竣工し、第一号乾船渠は二十九年七月起工して三十年十二月完成したり。然るに時勢は以上二個の船渠に満足せざるの傾向を示したるを以て、更に目下第三号乾船渠及び潮入船渠築造工事中にて、来る四十三年三月竣工の予定なり。而して前記既成船渠に伴ふ各種工場も事業上輔車の関係あるを以て、船渠築造に前後して臨機是が建設に従事し、第二号船渠竣成当時に於て既に各部完全に其工を了りたり。爾来毎年内外国船舶の入渠するもの一百二十以上を算し、修繕を加ふるものに至つては四百に垂んとす。尚ほ当社の資本金は三百万円にして、船舶に関する工事のみならず、陸上に於ける諸機械其他一般の鉄工業を営み、該工事百般の需要に応じ、着々好果を収めつゝあり。
船渠明細表
第一船渠
 盤木上の長  四八六、四尺 四八三、六呎 一四七、四米突
 戸船より船渠頭部に至る内側の長  五一七、五尺 五一四、三呎 一五六、八米突
 渠口上部の幅  九四、一尺 九三、五呎 二八、五米突
 渠口下部の幅  七五、九尺 七五、五呎 二三、〇米突
 最大満潮盤木上の水深  二九、〇尺 二八、九呎 八、八米突
 通常満潮盤木上の水深  二八、〇尺 二七、九呎 八、五米突
 最大干潮盤木上の水深  二一、五尺 二一、三呎 六、五米突
 入渠し得べき船舶の大さ 船の長 五一〇、〇呎
             船の幅 八〇、〇呎
第二船渠
 盤木上の長  三五三、一尺 三五一、〇呎 一〇七、〇米突
 戸船より船渠頭部に至る内側の長  三七八、一尺 三七五、八呎 一一四、六米突
 渠口上部の幅  六一、〇尺 六〇、七呎 一八、五米突
 渠口下部の幅  四六、二尺 四五、九呎 一四、〇米突
 最大満潮盤木上の水深  二七、四尺 二七、三呎 八、三米突
 通常満潮盤木上の水深  二六、四尺 二六、三呎 八、〇米突
 最大干潮盤木上の水深  一九、八尺 一九、八呎 六、〇米突
 入渠し得べき船舶の大さ  船の長 三七五、〇呎
              船の幅 五〇、〇呎
 取締役会長 朝田又七
 専務取締役 来栖壮兵衛
 取締役 近藤廉平
 取締役 原六郎
 取緞役[取締役] ジェー、デー、ハチソン
 監査役 石川徳右衛門
 監査役 西村喜三郎
画像2