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『渋沢栄一伝記資料』第53巻
最終更新日: 2014. 3.25
公開日: 2013.12.24

第3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代 明治四十二年−昭和六年 (二十四)
- 第2部 実業・経済
- - 第3章 商工業(承前)
- - - 第16節 ホテル
- - - - 第1款 株式会社帝国ホテル(承前)

綱  文  【DK530104k】
大正11年4月16日(1922年)

是日、当ホテル地下室ヨリ出火シ、本館全部ヲ焼失ス。栄一現場ニ臨ミテ、支配人林愛作ヲ慰諭ス。
【 53巻 p.536〜538 】

目次詳細(綱文) | 資料リスト | 本文 | 著者別資料リスト | 公開の趣旨・凡例

 本文
   以下は上記綱文の典拠として『伝記資料』に収載された資料の本文です。

竜門雑誌  第四〇八号・第五九頁 大正一一年五月 【第53巻 p.536.】 DK530104k-0001 ページ画像

○帝国ホテル焼失 四月十六日午後三時十五分帝国ホテル地下室より発火し、本館全部千六百坪七十余室を焼失し、午後五時三十分鎮火したるが、急報に依り青渊先生にも曖依村荘より同所に馳付られ、林支配人を懇に慰諭せられたりと云ふ。同ホテルは先生主唱の下に明治二十三年十月発起せられたるものにて、永く其取締役社長たりし為め、先生には此災害を深く慨嘆せられたる由。
=== ★★ここから第53巻 p.537 ★★ ⇒ページ画像 ===

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(株式会社帝国ホテル)第参拾壱回半期営業報告  第八頁刊 【第53巻 p.537.】 DK530104k-0002 ページ画像

    火災損害調査報告
大正拾壱年四月拾六日午后三時四拾分、ホテル本館地下室ヨリ出火シ本館大食堂並ニ附属家ヲ全焼シ、同六時鎮火セリ。出火ノ原因ハ、地下室ニ於テ作業中ノ家具製造業八木下常吉ノ雇職工吉野常次ノ過失ニ因ル。○下略

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集会日時通知表  大正一一年 (渋沢子爵家所蔵) 【第53巻 p.537.】 DK530104k-0003 ページ画像

六月十九日 月 正午 帝国ホテル大倉氏より御案内(同所)

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(増田明六)日誌  大正一一年 (増田正純氏所蔵) 【第53巻 p.537-538】 DK530104k-0004 ページ画像

十月二十七日 金 晴
○上略
後四、帝国ホテルニ小林武次郎氏を訪問して、現下同会社の営業状態を聴取した
同社ハ先きニ増資の折新株式を引受けさる株主ありて、結局壱万九千株ハ現在重役に於て帝国ホテル信託会社を組織して、其資金を若尾銀行より借入れ払込ニ充て、直ニ其同金額を同銀行ニ定期預金と為し居れるが、右借入金の利息と定期預金の利息とを帳簿に記入し置かさるは(仮令夫れが同利率ニてあるとハ云ヘ)不都合ならすやと小林氏ニ話し置きたり
営業上の収支は七月益七、四三七円、八月損一七、九六〇、九月益一九、八一五円ニて、三ケ月平均一ケ月九、二〇〇円の利益なるが、此外ニ借入金参百六十万円の利息あり、此金額年参十万円ハ如何にして支払ふか、重役に考なし、一ケ月平均九千円位の利益にてハ、幾百年経ちても到底右利息金を支払ふ事能ハさるべし、此上は如何にしても其所有地約四千坪(建物ハ今春焼失)を売却して、此借入金を返却して利息を減する方針を取るの外無かるべし
参百六十万の借入金は、第一と三十四両銀行より弐百六十万、勧銀より百万なり、銀行の弐百六十万の内百万は無担保なるを以て、之を勧銀より借用する事にして両銀行ニ返済セんと思ひ交渉したるに、其資金無しとの事なりしかは、今次債券発行の際百万円を両銀行ニ引受を請ふ事として、之を貸与する様セられたしと談じ置きたりと小林氏は語れり
第一・三十四両銀行への抵当物件は、焼失建物敷地四千坪にして、勧銀への抵当物件は新築ホテルの建物なりと云ふ
又職員の勤務振ニ付てハ、山口正造・金谷真一の兄弟各主要の位地ニ在りて、相当勉励なセども、各自ホテルを経営セるを以て、稍もすれハ来客を自分の方に引き付ける方法を執るとハ、他職員より聞く処なりしと云ふ、両氏を永く帝国ホテルニ勤務セしむるハ、飼犬に手を噛まるゝ偸言《(諭)》に落ちさる哉懸念の至りなり、寧ろ高級《(給)》を払ふて米国人を訪《(雇カ)》ふて支配人となし、其許に購買を掌る副支配を置きて経営セしむる方得策ならす哉と思はれたり
以上の外聴取したる事ありしも略す、同族会社の記録に留め置きたり
=== ★★ここから第53巻 p.538 ★★ ⇒ページ画像 ===
○下略

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(増田明六)日誌  大正一二年 (増田正純氏所蔵) 【第53巻 p.538.】 DK530104k-0005 ページ画像

六月八日 金 少雨
○上略
大倉喜七郎氏、帝国ホテル監査役として渋沢秀雄氏を撰挙致度ニ付き子爵の同意を得度旨来談あり、後子爵の御意見を承りしニ同社現状にてハ鞏固の経営とは云ひ難し、此際監査役を出すハ好ますとの事なりしカは、後日謝絶の旨答ふる積りなり、同氏は現重役たる山口正造及関根要八の両氏を辞職セしめ、山口の代ハりにハ犬丸鉄三、関根の代ハりニ渋沢氏を推薦すべき考なり

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集会日時通知表  大正一三年 (渋沢子爵家所蔵) 【第53巻 p.538.】 DK530104k-0006 ページ画像

一月廿二日 火 午前十一、半時 帝国ホテル半期株主総会(帝国ホテル)
  ○中略。
一月三十日 水 午前十一時 帝国ホテル株主総会(帝国ホテル)
  ○中略。
七月廿五日 金 午前十一時 帝国ホテル総会(帝国ホテル)

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集会日時通知表  大正一五年 (渋沢子爵家所蔵) 【第53巻 p.538.】 DK530104k-0007 ページ画像

一月十四日 木 午前十一、半時 帝国ホテル重役会(同ホテル)

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■■ デジタル『渋沢栄一伝記資料』公開の趣旨■■

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■■ 凡例 ■■
T.『渋沢栄一伝記資料』(冊子版)凡例
  T-1.凡例(昭和30年2月 土屋喬雄)より 【第1巻 p.14-16】
  T-2.凡例追補(昭和35年3月 土屋喬雄)より 【第30巻 p.1】

U.『渋沢栄一伝記資料』デジタルテキスト化に関する凡例
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V.デジタル『渋沢栄一伝記資料』本文ウェブ公開実験に関する凡例
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