研究センターだより

53 新任のご挨拶

『青淵』No.849 2019(令和1)年12月号

 今年の7月に着任いたしました加藤愛子と申します。よろしくお願いいたします。
 これまでの研究センターの活動を振り返りますと、渋沢栄一に関する研究推進や研究支援をシンポジウム、セミナー、関連書籍の出版、協力・助成事業など様々な形で実施してまいりました。このような実績を踏まえながらも、昨今著しく渋沢栄一への注目度が高まる中で、これまで以上に皆さんにとって知的好奇心や探求心を満たす場である研究センターとなるよう努めてまいりたいと思います。
 今回は9月〜10月に研究センターが主催した事業と、今後の行事についてご紹介いたします。

『論語と算盤』読書会 第9期がスタート

 2011年から始まった読書会も、お陰様で第9期を迎えることができました。たくさんのお申込みをいただき、定員を上回る49名の参加者となりました。
 応募のきっかけは皆さんそれぞれですが、過去の参加者によるお声掛けや口コミによるものも見受けられ、今まで積み重ねてきた読書会活動の広まりを実感いたしました。
 9月18日に実施した第1回目は、本読書会の講師、守屋淳先生による講義と読書会の説明が行われました。講義では、時代背景や歴史をたどりながら渋沢栄一の活動や『論語と算盤』に込められた思想・精神について解説いただきました。参加者の皆さんは真剣な面持ちで耳を傾けられており、その後の質疑応答も活発に交わされ充実した内容となりました。
 また、この読書会は『論語と算盤』(角川ソフィア文庫)をテキストとして、あらかじめ決められた章を読み、他の参加者とディスカッションしたい事柄を準備し、当日はグループで意見や考えを自由に論じ合う形式となっています。
 10月16日に行われた第2回目は、第1章の「処世と信条」について、私も実際にディスカッションに参加いたしました。立場や経験、年齢の垣根を越えた意見から、1人で読んだときには気がつかなかった読み方や考え方の発見を得られました。
 また、読書会の後半では守屋先生による解説が行われるため、ディスカッションの内容をより深めていくことができます。
 読書会は、このように毎月1章ずつ進んでいき、全11回でテキストが読み終わるようになっております。これから、参加者の皆さんと一緒に『論語と算盤』をどれだけ読み深めていくことができるか今からとても楽しみです。

渋沢栄一と「フィランソロピー」シリーズ第5巻 出版情報

 約600に及ぶ公益慈善事業を育成・支援した渋沢栄一の「フィランソロピー」活動について、8つの視点から捉えていくことを目的にした全8巻のシリーズです。第5巻は、渋沢栄一の国際交流活動の実践や現代的意義を評価する内容となっています。

書名:渋沢栄一と「フィランソロピー」⑤ 『国際交流に託した渋沢栄一の望み --「民」による平和と共存の模索--』
編著者:飯森明子 (責任編集・編著)
出版社:ミネルヴァ書房  格:3,800円(税抜)

論語とそろばん」セミナー2020 申し込み受付開始

 こちらは、『論語と算盤』に象徴される渋沢栄一の思想と行動について理解を深めるとともに、現代の日本社会、企業経営、リーダーシップのありかたなどについて考えるセミナーです。
 今回は、井坂康志氏(ものつくり大学特別客員教授/ドラッカー学会理事)、堂目卓生氏(大阪大学総長補佐/社会ソリューションイニシアティブ長/大学院経済学研究科教授)、朝倉祐介氏(シニフィアン株式会社共同代表)を講師にお招きいたします。
 第一線でご活躍される講師の方々ならではのお話が聞けるまたとない機会です。皆さまのお申込みをお待ちしています。

開催概要

日時:2020年1月18日(土)10:00〜16:45
会場:東京商工会議所5F 東商グランドホール
定員:200名(要事前申し込み、先着順)
参加費:会員3,000円(渋沢栄一記念財団、東京商工会議所、みずほ総合研究所)
    一般5,000円(上記の会員以外)
※お申込み方法など詳細は、財団ホームページに掲載しております。
※定員に達し次第、締め切りとさせていただきます。

→本セミナーは終了いたしました。

(研究センター 加藤 愛子)


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