ビジネス・アーカイブズ通信(BA通信)

第57号(2015年4月14日発行)

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☆      □■□ ビジネス・アーカイブズ通信 □■□

☆       No.57 (2015年4月14日発行)

☆    発行:公益財団法人 渋沢栄一記念財団 情報資源センター

☆                        〔ISSN:1884-2666〕
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この通信では海外(主として英語圏)のビジネス・アーカイブズ(BA)に関する情報をお届けします。

海外BAに関わる国内関連情報も適宜掲載しております。

今号は行事情報2件、文献情報1件です。

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◆ 目次 ◆

[掲載事項の凡例とご注意]

行事情報:ICA/SBA主催 ビジネス・アーカイブズ国際シンポジウム
◎テーマ:「最良のビジネス・アーカイブズを作り上げる:投資に対し望ましい利益を得る」

行事情報:渋沢史料館展示「企業の原点を探るシリーズ」
 − 企画展「企業の原点を探る」のめざすもの / 井上潤

文献情報:ドイツ語圏の企業アーカイブズ・オンライン・ディレクトリ

☆★ 編集部より:次号予告 ★☆

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[掲載事項の凡例]

・欧文の場合、日本語で読みやすいものになるように、タイトルははじめに日本語訳を、続いて原文を記します。
・人名や固有名詞の発音が不明の場合も日本語表記を添えました。便宜的なものですので、検索等を行う場合はかならず原文を用いてください。

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[ご注意]
・受信時にリンク先を示すURLが途中で改行されてしまう場合があります。通常のURLクリックで表示されない場合にはお手数ですがコピー&ペーストで一行にしたものをブラウザのアドレス・バーに挿入し、リンク先をご覧ください。

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■ICA/SBA主催 ビジネス・アーカイブズ国際シンポジウム
2015年6月15〜16日
ピレリ財団 ミラノ(イタリア)

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◎「最良のビジネス・アーカイブズを作り上げる:投資に対し望ましい利益を
得る」
Creating the best business archive: achieving a good return on investment

http://www.ica.org/16782/news-and-events/sba-conference-creating-the-best-business-archive-milan-italy-1516-june-2015.html

次のICA/SBA主催のビジネス・アーカイブズ国際シンポジウムはミラノのピレリ財団本部で6月15〜16日に開催されます。

テーマは「最良のビジネス・アーカイブズを作る: 投資に対し望ましい利益を得る」。参加費は無料です。

シンポジウムに先立って6月14日(日)午後、インテーザ・サンパウロ・ミュージアムの見学会が開催されます。


【シンポジウム案内】
日時:2015年6月15〜16日 15-16 June 2015
場所:ピレリ財団本部(ミラノ) Pirelli's Headquarter Auditorium

【シンポジウムちらし】
http://www.ica.org/download.php?id=3638


【シンポジウム参加登録用紙】
http://www.ica.org/download.php?id=3636


【プログラム】
http://www.ica.org/download.php?id=3637


◆6月15日(月)

◆◆9.30-10.30◆◆
セッション「イタリアのビジネス・アーカイブズ・シーン概観」
Overview of Italian business archive scene

司会者名:マルコ・カラッシ
司会者名原文:Marco Carassi
所属:イタリア・アーキビスト協会会長(イタリア、ローマ)
所属原文:President of ANAI - Association of Italian Archivists, Roma, Italy

報告者名1:ジュゼッペ・ベルタ
報告者名原文1:Giuseppe Berta
所属1:ボッコーニ大学(イタリア、ミラノ)
所属原文1:Bocconi University, Milano, Italy
タイトル1:イタリアのビジネスの構造
タイトル原文1:The structure of Italian business

報告者名2:アントネッラ・ビロット
報告者名原文2:Antonella Bilotto
所属2:企業文化センター(イタリア、ミラノ)
所属原文2:Center for Corporate Culture, Milano, Italy
タイトル2:誰が企業史料保存に責任を負うべきか? 企業文化センターの経験
タイトル原文2:Who should be responsible for preserving business records? Center for Corporate Culture's experience

報告者名3:アルベルト・デ・クリストファロ&プリモ・フェラーリ
報告者名原文3:Alberto De Cristofaro and Primo Ferrari
所属3:ISEC財団[現代史研究所](イタリア、ミラノ、セスト・サン・ジョバンニ)
所属原文3:Fondazione Isec (Institute for the Study of Contemporary History), Sesto San Giovanni, Milano, Italy
タイトル3:急激に脱産業化しつつあるエリアにおけるアーカイブ・センターの役割と持続可能性
タイトル原文3:The role and sustainability of an archive center in an area of rapid deindustrialization


◆◆11.00-12.45◆◆
セッション「マネジメントのイノベーション・モデル」
Innovative models of management

司会者名:ジャネット・ストリックランド
司会者名原文:Jeannette Strickland
所属:JSアーカイブズ&記録コンサルタンシー、前ユニリーバ社芸術・アーカイブズ・記録管理部長(イギリス、ロンドン)
所属原文:JS Archive and Record Consultancy, Formerly Head of Art, Archives & Records Management, Unilever PLC, London, UK

報告者名1:エイドリアン・スティール&ヴィッキー・パーキンソン
報告者名原文1:Adrian Steel & Vicky Parkinson
所属1:英国郵便博物館&アーカイブズ(イギリス・ロンドン)
所属原文1:The British Postal Museum & Archive, London, UK
タイトル1:信頼の問題:英国郵便サービスにおける最良のビジネス・アーカイブズ
タイトル原文1:A question of trust: the best business archive for the British Postal Service

報告者名2:アレクサンダー・ヒューズバイ
報告者名原文2:Alexander Husebye
所属2:ストックホルム経営史センター(スウェーデン、ストックホルム)
所属原文2:Center for Business History in Stockholm, Sweden
タイトル2:経営史センターの経験
タイトル原文2:Center for Business History's experience

報告者名3:キアラ・キング
報告者名原文3:Kiara King
所属3:グラスゴー大学スコットランド・ビジネス・アーカイブ(イギリス、グラスゴー)
所属原文3:Scottish Business Archive, University of Glasgow, UK
タイトル3:スコットランドのビジネス・アーカイブ:進化中のモデル
タイトル原文3:Scottish business archive: an evolving model

報告者名4:シャーロット・ベリー
報告者名原文4:Charlotte Berry
所属4:アルフレッド・ジレット財団(C&Jクラーク社)(イギリス、サマーセット、ストリート)
所属原文4:Alfred Gillett Trust (C&J Clark Ltd), Street, Somerset, UK
タイトル4:家族・企業から財団へ:クラーク家とC&Jクラーク社コレクションのアルフレッド・ジレット財団への旅
タイトル原文4:From family and firm to trust: the journey of the collections of the Clark family and C & J Clark Ltd into the care of the Alfred Gillett Trust


◆◆14.00-15.00◆◆
セッション「新たな成長市場のビジネス・アーカイブズ」
Business Archives in Emerging Markets

司会者名:ヴルンダ・パターレ
司会者名原文:Vrunda Pathare
所属:ゴードレージ&ボイス製作所ゴードレージ・アーカイブズ主任アーキビスト(インド、ムンバイ)
所属原文:Chief Archivist, Godrej Archives, Godrej & Boyce Mfg. Co. Ltd, Mumbai, India

報告者名1:ユジェ・ワン
報告者名原文1:Yujue Wang
所属1:武漢大学(中国)
所属原文1:Wuhan University, China
タイトル1:中国のビジネス・アーカイブズ:歴史と最先端
タイトル原文1:Business archives in China: history and state of the
art

報告者名2:アショク・カプール
報告者名原文2:Ashok Kapoor
所属2:コンサルタント、前インド準備銀行アーカイブズ部長(インド)
所属原文2:Consultant, Former Archivist and Records Manager, Reserve Bank of India, India
タイトル2:銀行アーカイブズ:課題、考え方、解決
タイトル原文2:Banking archives: problems, perspective and solutions

報告者名3:アダム・レイノルズ
報告者名原文3:Adam Reynolds
所属3:サウジ・アラムコ社アーカイブ・チーム・リーダー(サウジアラビア、ダーラン)
所属原文3:Archive Team Leader, Saudi Aramco, Dhahran, Saudi Arabia
タイトル3:サウジ・アラムコ社の社会史と文化史をマネジメントする
タイトル原文3:Managing the social and cultural history of Saudi Aramco


◆◆15.15-16.30◆◆
セッション「新しいアーカイブズ・サービス:新しい問題と解決」
New archive services ? New problems and solutions

司会者名:アンドレア・ホーマイヤー
司会者名原文:Andrea Hohmeyer
所属:エボニック・インダストリーズ社アーカイブズ長(ドイツ、エッセン)
所属原文:Director, Group Archive, Evonik Industries AG, Essen, Germany

報告者名1:ジル・ベイチ
報告者名原文1:Jill Veitch
所属1:GSK Brentford社ヘリテージ・アーキビスト(イギリス、ミドルエセックス)
所属原文1:Heritage Archivist, GSK Brentford, Middlesex, UK
タイトル1:製薬会社における法律・規制問題と挑戦
タイトル原文1:Legal and regulatory issues and challenges in a pharmaceutical company

報告者名2:セバリオ・ピアリ
報告者名原文2:Saverio Pialli
所属2:Hyperborea社(イタリア、フィレンツェ)
所属原文2:Hyperborea, Firenze, Italy
タイトル2:ユニコープ・フィレンツェのビジネス・アーカイブズ
タイトル原文2:Unicoop Firenze business archive

報告者名3:フランチェスカ・ゲルゼッティ&グレータ・ガンバ
報告者名原文3:Francesca Ghersetti & Greta Gamba
所属3:ベネトン&ベネトングループ財団(イタリア、トレビーゾ)
所属原文3:Fondazione Benetton & Benetton Group, Treviso, Italy
タイトル3:データベースとアーカイブズを統合する問題と解決法
タイトル原文3:Problems and solutions integrating databases and archives

報告者名4:バレリー・コモール
報告者名原文4:Valerie Komor
所属4:AP通信社アーカイブズ(米国、ニューヨーク)
所属原文4:Associated Press Corporate Archives, New York, USA
タイトル4:AP通信社のための企業アーカイブズの立ち上げとマネジメント
タイトル原文4:Creating and managing a corporate archives for the Associated Press


◆6月16日(火)

◆◆9.00-10.30◆◆
セッション「アドボカシー(理解増進のための活動)1:社内・組織内」
Advocacy 1 - Internal

司会者名:ロジャー・ヌガレ
司会者名原文:Roger Nougaret
所属:BNPパリバ・グループ・アーカイブズ部長(フランス、パリ)
所属原文:Director, Group Archive, BNP Paribas, Paris, France

報告者名1:トルケル・サイム、シオバン・コンベリー、キャシー・ジョンソン
報告者名原文1:Torkel Thime, Siobhan Convery, Kathy Johnson

所属1:アバディーン大学(イギリス)石油アーキビスト
所属原文1:Oljearchivekt Norway, University of Aberdeen, UK
タイトル1:北海油田とガス産業のアーカイブズ遺産保存におけるアドボカシーの中心的役割
タイトル原文1:The central role of advocacy in preserving the archival heritage of the North Sea off shore oil and gas industry

報告者名2:アレクサンドラ・ミッチェル
報告者名原文2:Alexandra Mitchell
所属2:Peelグループ・アーキビスト(イギリス、マンチェスター)
所属原文2:Archivist, Peel Group, Manchester, UK
タイトル2:成功をどのように測るのか?:初期のビジネス・アーカイブズを回顧する
タイトル原文2:How do we measure success: reflections on a business archive in its infancy

報告者名3:ドーン・シンクレアー
報告者名原文3:Dawn Sinclair
所属3:ハーパーコリンズ社アーキビスト(イギリス、グラスゴー)
所属原文3:Archivist, HarperCollins Publishers, Glasgow, UK
タイトル3:価値を証明する:ハーパーコリンズ社アーカイブの価値を積み上げる
タイトル原文3:Proving the worth ? Building the worth of the HarperCollins Archive

報告者名4:トーレ・ジェンマ
報告者名原文4:Torre Gemma
所属4:フリーランス・アーキビスト、ルッカ大学PhD(イタリア)
所属原文4:archivist freelance, PhD at Lucca University, Italy
タイトル4:ビジネス・チャンスとしての企業アーカイブズ統計
タイトル原文4:The census of enterprise archives as an opportunity for the business

報告者名5:キアラ・グイッチ
報告者名原文5:Chiara Guizzi
所属5:ピレリ財団(イタリア、ミラノ)
所属原文5:Pirelli Foundation, Milano, Italy
タイトル5:142年の歴史を持つグローバル企業のアーカイブズ
タイトル原文5:The Archive of a multinational Corporation with a 142 years history


◆◆11.00-12.40◆◆
セッション「アドボカシー(理解増進のための活動)2:学界と地域社会」
Advocacy 2 - External - Academic and community

司会者名:アリソン・タートン
司会者名原文:Alison Turton
所属:ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・アーカイブズ 主任アーキビスト(イギリス、エジンバラ)
所属原文:Head of RBS Archives, Edinburgh, UK

報告者名1:松崎裕子
報告者名原文1:Yuko Matsuzaki
所属1:渋沢栄一記念財団情報資源センター(日本、東京)
所属原文1:Information Resources Center, Cultural Resources Department, Shibusawa Eiichi Memorial Foundation
タイトル1:日本での産業間・セクター間連携によるビジネス・アーカイブズ展示
タイトル原文1:Cross-industrial and cross-sector collaboration on business archives exhibitions in Japan

報告者名2:マーティン・シュトゥエルツリンガー
報告者名原文2:Martin Stuerzlinger
所属2:Archiversum(オーストリア、ウィーン)
所属原文2:Archiversum, Wien, Austria
タイトル2:アーキビストをつなぐ:オーストリアの経営史非営利ネットワーク
タイトル原文2:Bringing archivists together. The Austrian non-profit network Business History (Netzwerk Unternehmensgeschichte)

報告者名3:ブラウン・シェリル
報告者名原文3:Brown Cheryl
所属3:スコットランド・ビジネス・アーカイブズ調査官(イギリス、グラスゴー)
所属原文3:Business Archives Surveying Officer for Scotland, Glasgow, UK
タイトル3:アーカイブズ保存機関と企業とともにすすめるアドボカシー
タイトル原文3:Advocacy with archival repositories and businesses

報告者名4:ジャスティン・カベルネリス=フロスト&ナタリー・ブロード
報告者名原文4:Justin Cavernelis-Frost and Natalie Broad
所属4:ロスチャイルド・アーカイブズ(イギリス、ロンドン)
所属原文4:The Rothschild Archive, London, UK
タイトル4:スキュラとカリュブディズの間?:研究者コミュニティとグローバル企業の要求に応える
タイトル原文4:Between Scylla and Charybdis? Meeting the demands of the academic research community and a global business

報告者名5:トッシュ・ウォーリック
報告者名原文5:Tosh Warwick
所属5:ミドルズバラ市役所・ハダースフィールド大学(イギリス、ミドルズバラ)
所属原文5:Middlesbrough Council/University of Huddersfield, Middlesbrough UK
タイトル5:ティーサイドの産業遺産に命を吹き込むために企業史料を活用する:ブリティッシュ・スティール・コレクションとティース・トランスポーター・ブリッジ・ビジター・エクスペリエンス・プロジェクト
タイトル原文5:Utilising business records to bring Teesside's industrial heritage to life: the British Steel Collection and the Tees Transporter Bridge Visitor Experience Project


◆◆14.00-15.15◆◆
セッション「写真とマルチ・メディア・コレクションの活用」
Exploiting photographic and multimedia collections

司会者名:アレックス・ビエリ
司会者名原文:Alex Bieri
所属:ロッシュ社歴史コレクション&アーカイブ、キュレーター(スイス、バーゼル)
所属原文:Curator, The Roche Historical Collection and Archive, Basel, Switzerland

報告者名1:ボルタッジオ・マッティア
報告者名原文1:Voltaggio Mattia
所属1:ENI(イタリア、ローマ)
所属原文1:ENI SpA, Roma, Italy
タイトル1:アーキビストか文献学者か? ENIのフィルム・アーカイブをケース・スタディとして
タイトル原文1:Archivist or philologist? The ENI's film archive as a case study

報告者名2:トレイシー・パネック
報告者名原文2:Tracey Panek
所属2:リーバイ・ストラウス社ヒストリアン(米国、サンフランシスコ)
所属原文2:Historian, Levi Strauss & Co. San Francisco, USA
タイトル2:リーバイ・ストラウス社アーカイブズでのデジタル・イニシアティブ 最近の試み
タイトル原文2:The digital initiative recently launched at the Levi Strauss & Co. Archives

報告者名3:ナタリー・ワトソン
報告者名原文3:Natalie Watson
所属3:アルフレッド・ジレット財団(C&Jクラーク社)アーキビスト(イギリス、サマーセット、ストリート)
所属原文3:Archivist, Alfred Gillett Trust (C & J Clark Ltd), Street, Somerset, UK
タイトル3:サマーセットから上海へ:C&Jクラーク靴店のデジタル化された歴史コレクションにグローバルなアクセスを提供する
タイトル原文3:From Somerset to Shanghai: giving global access to the digitised heritage collections of C & J Clark

報告者名4:ティナ・ステープル
報告者名原文4:Tina Staples
所属4:HSBCグループ、グローバルアーカイブズ部長(イギリス、ロンドン)
所属原文4:Global Head of Archives, HSBC Group, London, UK
タイトル4:HSBCアーカイブズでデジタル時代を抱きしめる
タイトル原文4:Embracing the Digital Age at HSBC Archives


◆◆15.30-16.30◆◆
セッション「パーフェクトなビジネス・アーカイブズ・チームを作る」
Creating the perfect business archive team

司会者名:ポール・ラーサウィッツ
司会者名原文:Paul Lasewicz
司会者所属:マッキンゼー社アーキビスト(米国、ニューヨーク)
司会者所属原文: Archivist, McKinsey & Co., New York, USA

報告者名:フランチェスカ・ピノ
報告者名原文:Francesca Pino
報告者所属:インテーザ・サンパウロ・グループ・アーキビスト(イタリア、ミラノ)
報告者所属原文:Intesa Sanpaolo Group Archives, Milano, Italy
タイトル:グループ・アーキビスト:管理者か専門家か? この問題に関するイタリアの状況
タイトル原文:Group Archivist: manager or professional? The Italian state-of the question


★☆★...編集部より...★☆★

本通信編集部による発表「日本での産業間・セクター間連携によるビジネス・アーカイブズ展示」では、異業種間の協力、営利部門(株式会社の中で管理されている企業資料管理部門)と非営利部門(財団法人設立のミュージアム)の連携の事例として、たばこと塩の博物館で開催された「特別展:森永のお菓子箱〜エンゼルからの贈り物〜」と渋沢史料館での「企画展:澁澤倉庫株式会社と渋沢栄一〜信ヲ万事ノ本ト為ス〜」について報告いたします。後者は渋沢史料館の展示「企業の原点を探る」シリーズ第1回目に当たるものでした。このシリーズに関して、次の記事で詳しくご紹介いたします。


[関連ページ]

ピレリ社文化部門:ピレリ財団
http://www.pirelli.com/corporate/en/about_us/culture/pirelli_fondazione/default.html

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■行事情報:渋沢史料館展示「企業の原点を探るシリーズ」

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◎「近代紡績のススメ:渋沢栄一と東洋紡」
https://www.shibusawa.or.jp/museum/special/2015/kikaku2014_06.html

当財団が運営する渋沢史料館では現在「企業の原点を探るシリーズ」の第5回目として「近代紡績のススメ:渋沢栄一と東洋紡」展を開催中です。(5月31日まで)
https://www.shibusawa.or.jp/museum/special/2015/kikaku2014_06.html


★☆★...「企業の原点を探るシリーズ」とは?...★☆★

1886年に結成された竜門社を前身とする当財団は、1946年以来渋沢青淵記念財団竜門社として『渋沢栄一伝記資料』刊行(1955年〜1971年)、渋沢史料館運営(1982年開館)といった事業に取り組んでまいりました。

21世紀を迎え、2002年に研究部(2015年4月1日より研究センター)、2003年10月に実業史研究情報センター(同じく4月1日より情報資源センター)を設置するとともに、法人としては2003年11月に財団法人渋沢栄一記念財団に名称変更を行い、財団の二つのミッション「渋沢栄一の偉業及び徳風を追慕顕彰し、渋沢栄一が終始唱道実践せられた道徳経済合一主義に基づき、経済道義を昂揚する」(「定款」第3条)の実現を目指してきました。(その後法人としては2010年9月に公益財団法人渋沢栄一記念財団に。)

21世紀の財団活動のひとつの大きな目標に「情報資源化」の実現があります。この取り組みの中から生まれてきたのが渋沢史料館の「企業の原点を探る」企画展示シリーズです。これまで次の企画展を開催してまいりました。

第1回 澁澤倉庫「澁澤倉庫株式会社と渋沢栄一〜信ヲ万事ノ本ト為ス〜」2012年3月17日〜5月27日

第2回 王子製紙「渋沢栄一と王子製紙株式会社〜国家社会の為に此の事業を起す〜」2013年3月16日〜5月26日

第3回 帝国ホテル「実業家たちのおもてなし〜渋沢栄一と帝国ホテル〜」2013年3月15日〜5月25日

第4回 東京商法会議所「商人の輿論(よろん)をつくる! 〜渋沢栄一と東京商法会議所〜」2014年10月4日(土)〜2014年11月30日(日)

第5回 東洋紡「近代紡績のススメ ―渋沢栄一と東洋紡―」2015年3月14日(土)〜2015年5月31日(日)


当財団が「企業の原点を探るシリーズ」を通じて目指してきたことを、シリーズの準備にあたって、関係者の皆様にお示しした文章「企画展『企業の原点を探る』のめざすもの」によってご紹介したいと思います。

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企画展「企業の原点を探る」のめざすもの

2011.4.7

公益財団法人渋沢栄一記念財団 渋沢史料館

渋沢栄一記念財団は、「渋沢栄一の人間性、思想と事績を探求して今日によみがえらせ、栄一が築こうとした民間主導の公益の追求、平和で徳のある社会の実現を目指し」さまざまな事業展開をはかってまいりました。ここ数年の間、目指してきた一つは、「情報資源化」の実現でした。

これは、渋沢栄一の孫・敬三の学問分野での仕事にみられた、資料を整備することによって研究を支援するという方法論の大きな特徴を継承するものです。将来書かれるであろう栄一の伝記のために資料を集成すること、そして集積された資料が語るものを引き出しやすくするために、集められた資料を情報化することが、敬三の仕事の特徴でした。つまり、資料の「情報資源化」を行ったわけです。文化機関の役割が「啓蒙」「啓発」から「参加」を重視する時代を迎えた今日において、とくにふさわしいものだといえます。

そして、「情報資源化」の推進は、今進めている中期計画の中にあっても大きな柱をなしていますが、さらに、リーマンショック以降、あまりに偏り過ぎたアングロサクソン型資本主義の見直しがなされる中、栄一が実践した所謂「合本主義」と云う概念の中に、是正につながる理念があるのではないかということで、日米欧各国の経済学者による共同研究にて追究にも着手しました。

これら財団事業の柱ともいうべき事業を進めるにあたり、具体的なプロジェクトとして考え出したのが、ここにお伝えする「企業の原点を探る」というテーマを設定してシリーズ化した企画展の試みです。業務内容も大きく変化した企業もありますが、混迷する今日の金融・経済界を再考する上でも原点回帰ということで、栄一が深く関わり、その業界においては源流をなした企業等の成り立ちから目をむけることとし、そこから21世紀の資本主義ともいうべき「合本主義」、渋沢栄一の思想が現代社会に有効であることの個別検証成果の普及につなげたいと考えました。

取り上げる企業・団体は、栄一が近代日本の産業振興の基盤整備、国際化社会をめざすにあたり深く関わり、その業界においては源流をなした以下の企業・団体となります。

唯一「渋沢」を冠した企業であり、金融と合わせて重要と認識されていた物資流通の機能を高めることを重視した中で設けられた澁澤倉庫を皮切りに、情報ツールとしての新聞・雑誌の普及により文運を高めるために西洋紙製造に着手した王子製紙、日本の国際化をはかる上で多くの外国人観光客の誘致する目的で安心・信用を提供できる宿泊施設として設けられた帝国ホテル、産業奨励と民意の結集場所として設けられた商工会議所、大工場制によって製糸業とともに資本主義推進の一翼を担った東洋紡、日本における近代的金融基盤確立のために初めて設けられた第一銀行、近代化推進を象徴的に示す多くの洋風建造物建設に逸早く着手した清水建設となっています。

各企画を立てるに際しての留意点として、テーマ企業・団体の担当者等にも参加してもらう形でプロジェクトチームを結成し、渋沢史料館所蔵資料以外の各企業等の資料調査、所在確認、活用許諾を将来も視野に入れ行い、資料・情報の資源化をはかることにしています。

また、各企業が、そして企業の一人一人が、成り立ちから現代社会における存在意義を再考・再認識していただく良き機会となれば幸いに存じます。

(文責:井上潤)

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資料・情報の資源化には、アーカイブズの整備が必須です。そのためにも、本通信編集部はこのメールマガジンが「企業史料管理、ビジネス・アーカイブズの実務に貢献」し「これらを通じて経済道義の昂揚に寄与」(本通信「創刊の辞」より)できるよう、引き続き努力していきたいと考えます。


[関連ページ]

公益財団法人渋沢栄一記念財団 沿革
https://www.shibusawa.or.jp/outline/history/index.html

公益財団法人渋沢栄一記念財団 渋沢史料館概要
https://www.shibusawa.or.jp/museum/

公益財団法人渋沢栄一記念財団 研究部からのお知らせ
(『青淵』No.672 2005年3月号)
https://www.shibusawa.or.jp/research/newsletter/672.html

公益財団法人渋沢栄一記念財団実業史研究情報センターの誕生
https://www.shibusawa.or.jp/center/birth/index.html

公益財団法人渋沢栄一記念財団「史料館だより」
(「2011年度の渋沢史料館事業」『青淵』No.745 2011年4月号)
https://www.shibusawa.or.jp/museum/newsletter/333.html

公益財団法人渋沢栄一記念財団「史料館だより」
(「開館30周年に思う」『青淵』No.754 2012年1月号)
https://www.shibusawa.or.jp/museum/newsletter/344.html

公益財団法人渋沢栄一記念財団 「ビジネス・アーカイブズ通信 創刊の辞」
https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/index.html

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■文献情報:ドイツ語圏の企業アーカイブズ・オンライン・ディレクトリ

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◎企業アーカイブズ・ポータル Wirtschaftsarchivportal
http://www.wirtschaftsarchivportal.de/

本通信39号(2012年7月18日発行)で詳しくご紹介したように、ドイツでは1957年に企業アーキビスト協会Vereinigung deutscher Wirtschaftsarchivare e.V. (VdW)が結成されています。
https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bn/20120718.html
http://www.wirtschaftsarchive.de/

会員は企業、商工会議所、各種協会、地方的な経済産業アーカイブズ機関の館長や職員・関係者から構成されており、現在会員数は400を超えます。会員にはドイツ国内のみならず、オーストリアやスイスのドイツ語圏の企業アーキビストを含んでいます。


VdWでは経営史学会Gesellschaft fur Unternehmensgeschichte、銀行史研究協会Institut fur bankhistorische Forschungと共同でドイツ語圏の企業アーカイブズのオンライン・ディレクトリである、企業アーカイブズ・ポータルWirtschaftsarchivportalも立ち上げています。
http://www.wirtschaftsarchivportal.de/

現在は80を超える企業アーカイブズ情報がこのポータルに登録されています。検索画面から、登録情報の全文検索、国別検索も可能です。例えば、画面上部の検索窓にbenzと入力して、Findenボタンをクリックすると、三つのアーカイブズ情報が検索結果として得られます。そのうちの一番下のアーカイブズ/企業名(Archiv / Unternehmen)をクリックすると、本通信前号(56号)でご紹介したメルセデス・ベンツのアーカイブズ情報にたどり着きます。
http://www.wirtschaftsarchivportal.de/archiv/details/id/41

"Kontakt"部分には担当者(担当アーキビスト)の氏名やアーカイブズ部門の電話番号、メールアドレス等が紹介されています。

"Details"には所蔵資料の作成年代(1885年〜2012年)やオンライン検索用URL http://archives.daimler.com (利用には登録が必要)、更新日時などが登録されています。

検索画面
http://www.wirtschaftsarchivportal.de/archiv/erweiterte-suche

よくある質問のページ
http://www.wirtschaftsarchivportal.de/index/faq


[関連ページ]

渋沢栄一記念財団「企業史料ディレクトリ」
https://www.shibusawa.or.jp/center/dir/list.html
(企業・団体・機関一覧)

https://www.shibusawa.or.jp/center/dir/index.html
(企業史料ディレクトリ:渋沢栄一「道徳経済合一説」の現代的実践)

アメリカ・アーキビスト協会北米の企業団体アーカイブズ・ディレクトリ
http://www.hunterinformation.com/corporat.htm
http://www2.archivists.org/groups/business-archives-section/directory-of-corporate-archives-in-the-united-states-and-canada-introduction


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[略称一覧]
ACA: Association of Canadian Archivists(カナダ・アーキビスト協会)
ARA: Archives and Records Association(アーカイブズとレコード協会)
ARC: ARC magazine: archives - records management - conservation
(SoAが発行する月刊ニュースレター)
ASA: Australian Society of Archivists(オーストラリア・アーキビスト協会)
BAC: Business Archives Council(ビジネス・アーカイブズ・カウンシル)
BACS: Business Archives Council in Scotland
(スコットランド・ビジネス・アーカイブズ・カウンシル)
BAS: Business Archives Section
(ビジネス・アーカイブズ部会:SAA内の部会)
CITRA: International Conference of the Round Table on Archives
(アーカイブズに関する国際円卓会議:ICAの年次会議)
CoSA:Council of State Archivists(米国・州文書館長評議会)
DCC: Digital Curation Center(英国デジタル・キュレーション・センター)
EDRMS:Electronic Document and Record Management System
(電子文書記録管理システム)
ERM:Electronic Record Management(電子記録管理)
ICA: International Council on Archives(国際文書館評議会)
LSE: London School of Economics and Political Science
(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス)
MLA: Museums, Libraries and Archives Council
(英国 博物館、図書館、アーカイブズ評議会)
NAGARA: National Association of Government Archives and Records
Administrators
(米国・全国政府アーカイブズ記録管理者協会)
NARA: National Archives and Records Administration
(米国 国立公文書館記録管理庁)
RIKAR: Research Institute of Korean Archives and Records
(韓国国家記録研究院)
RMS:Record Management System(記録管理システム)
SAA: Society of American Archivists(米国アーキビスト協会)
SBL: Section for Business and Labour Archives
(企業労働アーカイブズ部会、ICA内の部会)
SoA: Society of Archivists(イギリス・アーキビスト協会)
TNA: The National Archives(英国国立公文書館)

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☆★ 編集部より:あとがき、次号予告 ★☆

本文でも述べましたように、当財団は2015年4月1日付で、これまでの4部(研究部・実業史研究情報センター・史料館・総務部)から、2部5課[事業部(研究センター・情報資源センター・学芸課)・総務部(総務課・渉外課)]に、財団業務執行組織体制を改編いたしました。

これに伴い、本通信の発行者は「実業史研究情報センター」から「情報資源センター」へ、編集者は「公益財団法人渋沢栄一記念財団実業史研究情報センター「ビジネス・アーカイブズ通信」編集部」から「公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センター「ビジネス・アーカイブズ通信」編集部」に変更されます。

引き続きご愛読のほど、よろしくお願いいたします。

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ICA/SBAビジネス・アーカイブズ国際シンポジウムの会場はタイヤ製造業大手ピレリ社の文化部門であるピレリ財団です。3週間ほど前の経済紙の1面にピレリ社に関する報道が大きく掲載されていました。それによると、中国の国有化学企業である中国化工集団がピレリ社を買収すると3月24日に発表、「買収額は71億ユーロ(約9200億円)で、中国製造業の国外買収で過去最大級になる見通し」とのことです。
http://www.nikkei.com/article/DGKKASDX23H2Q_T20C15A3MM8000/
普段は気に留めることの少ないイタリア経済関連記事ですが、今回は大いに注目せずにはいられませんでした。

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さて、「JFK:その生涯と遺産」と題した特別展が国立公文書館で開催中です(5月10日まで)。主催は独立行政法人国立公文書館と米国・ボストンに所在のジョン・F・ケネディ大統領図書館・博物館です。

http://www.archives.go.jp/exhibition/
(展示案内)

http://www.archives.go.jp/news/20150305214319.html
(開会式の様子)

http://www.archives.go.jp/news/pdf/jfk141209.pdf(PDF)
(プレスリリース)

http://www.archives.go.jp/news/20150305213115.html
(フェリエロ米国国立公文書記録管理院院長とパットナムJFK大統領図書館・博物館館長の国立公文書館視察の模様)

編集部では関連行事である「ジョン・F・ケネディ展記念講演会〜日米の架け橋としての記録〜」(3月7日開催)と、その前日に慶應大学三田校舎で開催されたデビット・S.フェリエロ米国立公文書館館長講演会「開かれた政府へ:米国立公文書館 (NARA) のソーシャルメディア戦略」という講演会を聴講しました(米国大使館広報・文化交流部 アメリカンセンターJapan主催、三田図書館・情報学会、慶應義塾大学メディアセンター(図書館)共催)。就任以来、NARAの業務にソーシャルメディアを取り入れてアーカイブズへの市民参加を促している状況が紹介されました。オープン・ガバメント(開かれた政府)のために、公文書館が重要な役割を果たしている米国の今を知る貴重な機会となりました。
http://www.archives.go.jp/news/20150307182031.html

国立公文書館本館1階での展示も連日大勢の見学者が訪れているようです。3月6日に始まった同展は、4月10日に来場者が2万人に達しました。
http://www.archives.go.jp/news/20150410114821.html

展示では、「JFKと日本」のセクションにロバート・ケネディ司法長官が1962年に来日した際の資料として、同長官の工場見学の模様を伝える富士電機の1962年の社内報(企業資料の一種ですね)が展示されていました。富士電機は国立公文書館の加藤現館長がかつて会長の職にあった会社です。図録には、本企画展を支援している17企業についても言及されています。これまでにはあまり見られなかった民間との協力ではないでしょうか。

国立公文書館の拡充も検討されています。この展示会が、公文書館、アーカイブズ機関の存在を広く世に伝え、その機能と役割への関心を高めるきっかけとなることを期待しています。

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企業の経営記録の保存と公開で長い伝統を持つ三井文庫が、同文庫開設50周年と三井記念美術館開館10周年を記念した特別展「三井の文化と歴史」を4月11日から同美術館で開催しています。同展は前期と後期に分かれており、前期は「茶の湯の名品」をテーマに5月6日まで、後期は「日本屈指の経営史料が語る三井の350年」のテーマで5月14日から6月10日まで開催されます。
http://www.mitsui-museum.jp/exhibition/index.html

同文庫開設50周年記念誌兼特別展「三井の文化と歴史」図録として発行された『史料が語る三井のあゆみ』をご紹介したいと思います。
http://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b194918.html

同書第1部「三井のあゆみ」では、1テーマ見開き2ページ、全部で50テーマで三井の歴史を解説しています。どのページにもカラー図版(近世から近代にかけての文書資料が中心)を配しています。この図版に関する解説がたいへん丁寧で、歴史の専門家でない読者にとってもとっつきやすいものになっています。

第2部「三井の修史と史料」では、三井のアーカイブズの成りたちと記録資料についてたいへん詳しく紹介されています。次のような目次です。
(1)近世の史料保存と修史
(2)「三井家編纂室」時代
(3)三井文庫の創設と事業
(4)三井文庫の閉鎖と再建
(5)現在の三井文庫

創業期(17世紀後半)以来、業務文書の体系化と保存・保管に取り組んできた成果が価値あるアーカイブズの構築につながったこと、1965年に財団法人設立認可の要件のひとつが史料の公開促進であったことから、以来アーカイブズへのアクセス向上には積極的に望んできた点、などが印象に残りました。組織アーカイブズの来歴とコレクションの概要を解説した第2部は、ビジネス・アーカイブズに関心を持つ方々にとっては必読文献だと思います。117ページには、目次のデジタル化とWebでの公開準備を進めている、とあり、今後がとても楽しみです。

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次号は来週発行予定です。どうぞお楽しみに。

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https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bn/index.html

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★公益財団法人渋沢栄一記念財団実業史研究情報センターは2015年4月1日より組織改編に伴い、公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターに名称変更いたしました★

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ビジネス・アーカイブズ通信(BA通信) No.57
2015年4月14日発行 (不定期発行)
【創刊日】2008年2月15日
【発行者】公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センター
【編集者】公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センター
「ビジネス・アーカイブズ通信」編集部
【発行地】日本/東京都/北区
【ISSN】1884-2666
【E-Mail】
【サイト】https://www.shibusawa.or.jp/center/ba/index.html

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