ビジネス・アーカイブズ通信(BA通信)

第52号(2014年7月15日発行)

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
☆      □■□ ビジネス・アーカイブズ通信 □■□

☆       No.52 (2014年7月15日発行)

☆ 発行:公益財団法人 渋沢栄一記念財団 実業史研究情報センター

☆                        〔ISSN:1884-2666〕
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


この通信では海外(主として英語圏)のビジネス・アーカイブズ(BA)に関する情報をお届けします。

海外BAに関わる国内関連情報も適宜掲載しております。

今号は文献情報2件です。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆ 目次 ◆

[掲載事項の凡例とご注意]

文献情報:「コーポレート・アーカイブズ・フォーラム(CAF) 1998~2010」

文献情報:『ビジネス・アーカイブズ』 108号 2014年5月

☆★ 編集部より:次号予告 ★☆

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

[掲載事項の凡例]

・欧文の場合、日本語で読みやすいものになるように、タイトルははじめに日本語訳を、続いて原文を記します。
・人名や固有名詞の発音が不明の場合も日本語表記を添えました。便宜的なものですので、検索等を行う場合はかならず原文を用いてください。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

[ご注意]
・受信時にリンク先を示すURLが途中で改行されてしまう場合があります。通常のURLクリックで表示されない場合にはお手数ですがコピー&ペーストで一行にしたものをブラウザのアドレス・バーに挿入し、リンク先をご覧ください。

===================================

■文献情報:「コーポレート・アーカイブズ・フォーラム(CAF) 1998~2010」

===================================
◎「コーポレート・アーカイブズ・フォーラム(CAF) 1998~2010」
Corporate Archives Forum (CAF) 1998-2010

http://www.hunterinformation.com/caf.htm

今回ご紹介する文献は「コーポレート・アーカイブズ・フォーラム」(CAF)と名付けられた会合の記録の目次に当たる部分です。1998年に第1回目がオハイオ州シンシナティのプロクター&ギャンブル社本社で開催されました。以後毎年1回開催され、ウェブ上では1998年の第1回会合から2010年の第13回会合までの記録を読むことができます。関係者に直接尋ねたところ、会合自体は現在も極めて活発に継続しているそうです。


【CAFとは?】--------------------------

この会合は「フォーチュン500」(経済誌Fortuneが年に1回選ぶ企業のリスト。総収入によって全米上位500社を格付けする)に含まれる大手企業のアーキビストが集まって、共通の関心事項である「電子記録」と「企業のグローバル化」に関して少人数のグループで深く議論することを目的としてスタートしたものです。


【CAFスタートの背景】------------------

1990年代初頭から北米では企業アーカイブズの運営、企業資料の扱いについて関心が高まっていたと思われます。以下に述べる動きがこのことを示しています。

1993年、『企業アーカイブズと歴史:過去を活かす』Corporate Archives and History: Making the Past Work が刊行されました。本通信第10号(2008年10月20日発行)では、

「1980年代および90年代初頭に発表された論文と、新たに書き下ろされたものから成る一種のアンソロジーです。1970年代以降ビジネス・アーカイブズが発展してきた状況を反映した論文が収録されています」と紹介しました。
http://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bn/20081020.html

さらに、本通信第11号(2008年11月12日発行)で紹介したように、1992年に「アメリカ企業の記録プロジェクト」the Records of American Business Project: RAB がアーカイブズ関係者の間で提案され、1997年にこのプロジェクトの成果物としてSAA(アメリカ・アーキビスト協会)から『アメリカ企業の記録』The Records of American Businessと題された書籍が刊行されました。「ビジネス・アーカイブズ通信」第11号では次のように紹介しています。

「1997年に刊行された本書は、『アメリカ企業の記録プロジェクト』(the Records of American Business Project: RAB)から生まれた論文集です。マーク・A・グリーンとトッド・J・ダニエルズ‐ハウエルが1992年に提案したこのプロジェクトは、米国人文科学基金(the National Endowment for Humanities: NEH)から助成を受けたものです。本書の中のいくつかの論文は、1996年4月にミネソタ歴史協会とヘイグリー博物館・図書館が共同で開催したシンポジウムで発表されたものです」
http://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bn/20081112.html

このRABプロジェクトの成果物である『アメリカ企業の記録』の刊行に併せて、SAAの会報である『アメリカン・アーキビスト』誌1997年冬号(第60巻第1号)は「ビジネス・アーカイブズ」の特集を組んでいます。
http://archivists.metapress.com/content/g5hl86475132/?p=4e588c29a7cc44ab83ac61fa084905c0&pi=0

書籍『アメリカ企業の記録』に「現実に直面する:オーラル・ヒストリー、企業文化、企業の記録保存」Facing reality: oral history, corporate culture, and the documentation of businessと題した文章を寄稿したジェームズ・E・フォガティが『アメリカン・アーキビスト』誌1997年冬号の特集編集者となり、7本の特集記事について解説を行っています。それによると、この特集号は、『アメリカ企業の記録』とセットとも考えられるものであり、とりわけ『アメリカ企業の記録』が生み出した国際的な議論をさらに広げるものであるということです。


【CAFの記録作成について】--------------

CAFの会合は、ロードアイランド大学のグレゴリー・ハンター教授が議論のファシリテーターを務めるとともに書記として記録をとっています(2007年の第10回会合を除く)。その記録はハンター教授の個人サイトに掲載され、現在誰でも閲覧できるようになっています。ハンター教授の個人サイトはSAAのビジネス・アーカイブズ部会の活動をずっとサポートしてきました。例えば、1969年に紙の書籍としてSAAビジネス・アーカイブズ部会(当時は委員会)が編纂発行を始めた「アメリカとカナダにおける団体アーカイブズ・ディレクトリ」(北米における企業を中心とした組織アーカイブズに関するリスト)があります。これは1999年にオンラインに移行しました。ハンター教授は1999年からこのリストを自分のサイトでホストし、2008年6月にリストがSAA/BASのサイトに移行するまで、情報の更新、メンテナンスを続けてきました。
http://www.hunterinformation.com/corporat.htm
http://www2.archivists.org/groups/business-archives-section/directory-of-corporate-archives-in-the-united-states-and-canada-introduction

ハンター教授は2012年に『アメリカン・アーキビスト』誌編集長に就任しています。約5,000名の個人会員と650の機関会員が所属するSAAの活動の要となる重要なポストです。


【CAFの記録公開について】--------------

1998年第1回目のCAF記録の冒頭には「自由な議論という性質上、記録では個々の会社が特定できないようにすることにした」と記されています。

Because of the frank nature of the discussions, the group agreed that the meeting notes would not identify specific corporations by name.
http://www.hunterinformation.com/business.htm

2000年の第3回目以降はさらに「機密性を守るために、この会合記録では個々の意見の発言者やその企業名が特定されないようにする。参加者は、諸問題に関わる議論が進むことを期待して、広くアーカイブズに関わる人々とこの記録を共有する」という説明書きが付されています。

To protect confidentiality, these meeting notes do not attribute comments to any attendee or company. The attendees are sharing these notes with the wider archival community in the hopes of furthering the discussion of issues.
http://www.hunterinformation.com/caf2000.htm


【CAF会合記録】------------------------

会合記録のまとめ方は一定していません。ファイル形式も2004年の7回目まではHTML形式でウェブに掲載されていますが、2005年以降はPDF形式です。以下では各回の開催日時、会場、参加者のほか、議論のテーマ(目次)をご紹介します。
(各回の議論の概要は「BA通信」次号(53号)以下でご紹介する予定です。)


■□■ 第1回(1998年) ■□■
http://www.hunterinformation.com/business.htm

[日時]
1998年6月18~19日 June 18-19, 1998

[会場]
プロクター&ギャンブル社本社(オハイオ州シンシナティ)
Procter & Gamble Headquarters in Cincinnati, Ohio

[参加者]
エリザベス・アドキンス(フォード・モーター社) Elizabeth Adkins, Ford Motor Company
メアリー・エディス・アーノルド(モトローラ) Mary Edith Arnold, Motorola
スーザン・ボックス(AIG) Susan Box, AIG
キャスリーン・コリンズ(バンク・オブ・アメリカ) Kathleen Collins, Bank of America
ジャン・エリオット(チェイス) Jean Elliott, Chase
エイミー・フィッシャー(プロクター&ギャンブル) Amy Fischer, Procter & Gamble
クローデット・ジョン(シグナ) Claudette John, Cigna
ポール・ラーサウィッツ(IBM) Paul Lasewicz, IBM
フィル・ムーニー(コカ・コーラ) Phil Mooney, Coca-Cola
エド・ライダー(プロクター&ギャンブル) Ed Rider, Procter & Gamble
ベッキー・タウジー(クラフトフーズ) Becky Tousey, Kraft Foods

[テーマ]
1日目午後 Thursday afternoon


2日目午前 Friday morning
●電子記録のための企業戦略とベストプラクティス
Corporate strategies and best practices for electronic records

(1)環境作り Preliminaries

(2)アーカイブズの役割 Role of the archives

(3)インターネット/イントラネット戦略 Internet/intranet strategies


●企業のグローバル化 The globalization of corporations

(1)グローバル企業の記録を残す Documenting the global corporation

(2)グローバル企業に役立つ Serving the global corporation

2日目午後 Friday afternoon discussion

(1)グループとしてここからどこへ向かうか
Where we go from here as a group


■□■ 第2回(1999年) ■□■
http://www.hunterinformation.com/caf99.htm

[日時]
1999年6月17~18日 June 17-18, 1999

[会場]
AIG社本社(ニューヨーク州ニューヨーク) AIG Headquarters, New York, NY

[参加者]
メアリー・エディス・アーノルド(モトローラ) Mary Edith Arnold, Motorola
スーザン・ボックス(AIG) Susan Box, AIG
ウィリアム・カザリ(AIG) William Casari, AIG
キャスリーン・コリンズ(バンク・オブ・アメリカ) Kathleen Collins, Bank of America
エイミー・フィッシャー(プロクター&ギャンブル) Amy Fischer, Procter & Gamble
エイプリル・ヒル(マイクロソフト) April Hill, Microsoft
クローデット・ジョン(シグナ) Claudette John, Cigna
ポール・ラーサウィッツ(IBM) Paul Lasewicz, IBM
フランセス・リヨンズ=ブリストル(AIG) Frances Lyons-Bristol, AIG
ゴードン・ラブチャック(ロイヤル・バンク) Gordon Rabchuk, Royal Bank
ベッキ―・ハグランド・タウジー(クラフトフーズ) Becky Haglund Tousey,
Kraft Foods

※欠席者
エリザベス・アドキンス(フォード・モーター社) Elizabeth Adkins, Ford Motor Company
ジャン・エリオット(チェイス・マンハッタン) Jean Elliott, Chase Manhattan
フィル・ムーニー(コカ・コーラ社) Phil Mooney, Coca-Cola Company

※月曜午前中のゲスト
ジム・リンダー(ヴィディパックス) Jim Lindner, Vidipax


[テーマ]
(1)昨年からの大きな変化に関する最新情報 Update on key changes since last year

(2)ナレッジ・マネジメント Knowledge management

(3)第2次世界大戦リサーチ World War II research

(4)電子記録 Electronic records

(5)視聴覚アーカイブズ Audiovisual archives

(6)短い議論 Shorter features
★拡張性のあるイントラネットサイトを開発する Developing a scalable intranet site

★バーチャルなアーキビストとしての生活 Life as a virtual archivist

★合併した複数企業の歴史を融合させる Blending the history of merged institutions


■□■ 第3回(2000年) ■□■
http://www.hunterinformation.com/caf2000.htm

[日時]
2000年6月22~23日 June 22-23, 2000

[会場]
ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(カナダ、モントリオール)
Royal Bank of Canada, Montreal, Canada

[参加者]
エリザベス・アドキンス(フォード・モーター社) Elizabeth Adkins, Ford Motor Company
エイミー・フィッシャー(プロクター&ギャンブル) Amy Fischer, Procter & Gamble
エレノア・ファイ(マイクロソフト) Eleanor Fye, Microsoft
ベッキ―・ハグランド・タウジー(クラフトフーズ) Becky Haglund Tousey, Kraft Foods
スーザン・マックリン(AIG) Susan Maclin, AIG
フィル・ムーニー(コカ・コーラ社) Phil Mooney, Coca-Cola Company
ゴード・ラブチャック(ロイヤル・バンク・オブ・カナダ) Gord Rabchuk, Royal Bank of Canada

[テーマ]
(1)出席者からの最新情報 Updates from attendees

(2)ナレッジ・シェアリング(知識共有) Knowledge sharing

(3)オーラル・ヒストリーとナレッジ・マネジメント Oral history and knowledge management

(4)有料戦略 Fee-based strategies

(5)ウェブ・キャプチャ(保存) Web capture

(6)アーカイブズのグローバル化 Globalization of archives

(7)アーカイブズに関わるコンテンツのウェブ展開 Web delivery of archival content

(8)アーカイブズと電子文書管理システム Archives and electronic document management systems

(9)デジタル情報保存:ベストプラクティス Preserving digital information: best practices


■□■ 第4回(2001年) ■□■
http://www.hunterinformation.com/caf2001.htm

[日時]
2001年6月21~22日 June 21-22, 2001

[会場]
クラフトフーズ社(イリノイ州ノースフィールド) Kraft Foods, Northfield, Illinois


[参加者]
エリザベス・アドキンス(フォード・モーター社) Elizabeth Adkins, Ford Motor Company
ブルース・ブリューマー(カーギル) Bruce Bruemmer, Cargill
キャスリーン・コリンズ(バンク・オブ・アメリカ) Kathleen Collins, Bank of America
ベッキ―・ハグランド・タウジー(クラフトフーズ) Becky Haglund Tousey, Kraft Foods
スーザン・マックリン(AIG) Susan Maclin, AIG
フィル・ムーニー(コカ・コーラ社) Phil Mooney, Coca-Cola Company
レズリー・サイモン(CIGNA) Leslie Simon, CIGNA
デボラ・スカッグス(フランク・ラッセル社) Deborah Skaggs, Frank Russell Co.

※電話会議による部分参加
ポール・ラーサウィッツ(IBM) Paul Lasewicz (IBM)
エレノア・ファイ(マイクロソフト) Eleanor Fye (Microsoft)

※クラフトフーズからの参加者
サリー・メイヤー Sally Mayer, マイク ビリントン Mike Bullington,
キャロル・パランボ Carol Palumbo, サリー・ギャレット Sallie Garrett


[テーマ]
(1)プライバシー、守秘義務、コンプライアンス Privacy, confidentiality, and compliance

(2)企業の記憶戦略 Corporate memory initiatives

(3)企業アーカイブズを管理する:チーム作り Managing the corporate archives: teambuilding

(4)CENSA(Cooperative Electronic Notebook Systems Association)の取り組み CENSA Initiatives

(5)電子記録のリテンションと保存 Retention and preservation of electronic records

(6)著作権のある資料をウェブを通じて再公開する Republishing copyrighted materials through the Web

(7)ウェブサイトをキャプチャ(保存)する Capturing Web sites

(8)グローバル情報管理 Global information management

(9)Eメール・ポリシー E-Mail policies

(10)デジタル資産管理 Digital asset management

(11)合併と会社分割を生き抜く Surviving mergers and divestitures

(12)バーチャルな企業文化博物館 Virtual corporate culture museum

(13)ビジネス・アーカイブズでのリサーチの提案 Research proposal in business archives

(14)非公式な給与調査 Informal salary survey


■□■ 第5回(2002年) ■□■
http://www.hunterinformation.com/caf2002.htm

[日時]
2002年6月6~7日 June 6-7, 2002

[会場]
コカ・コーラ・アーカイブズ(ジョージア州アトランタ)
Coca-Cola Archives, Atlanta, Georgia

[参加者]
エリザベス・アドキンス(フォード・モーター社) Elizabeth Adkins, Ford Motor Company
ブルース・ブリューマー(カーギル) Bruce Bruemmer, Cargill
キャスリーン・コリンズ(バンク・オブ・アメリカ) Kathleen Collins, Bank of America
フィル・ムーニー(コカ・コーラ社) Phil Mooney, Coca-Cola Company
ニコル・ペルシンスキー(マイクロソフト社) Nicole Pelsinsky, Microsoft Corporation
エド・ライダー(プロクター&ギャンブル) Ed Rider, Procter & Gamble
レズリー・サイモン(シグナ) Leslie Simon, CIGNA
デボラ・スカッグス(フランク・ラッセル社) Deborah Skaggs, Frank Russell Company
ベッキ―・ハグランド・タウジー(クラフトフーズ) Becky Haglund Tousey, Kraft Foods

※部分参加のゲスト
デイビッド・カーマイケル(ジョージア州アーカイブズ歴史局局長)
David Carmicheal, Director of the Georgia Department for Archives and History

[テーマ]
(1)チェックイン/最新情報 Check-in/update

(2)コンテンツ管理:理論と実践 Content management: theory and practice

(3)ウェブ・コンテンツを特定し保管するためにInterwoven(編集者注:現在はヒューレット・パッカードのコンテンツ管理システムの商品名)を利用する
Using Interwoven to identify and retain Web content

(4)アーカイブズと記録管理に対する企業的解決:州政府のコンテクスト
Enterprise solutions to archives and records management: the state
government context

(5)あるメディア資産管理システム A media asset management system

(6)ウェブ・ポータルとしてPlumtree(編集者注:現在はオラクルの商品名)を利用する
Using Plumtree for Web portals

(7)パートナーシップを築き推進派を育成する Building partnerships and cultivating champions

(8)電子記録を評価選別し、受け入れ、処理の準備をする
Appraising, accessioning, and preparing to process electronic records

(9)レファレンス統計を記録し報告する Recording and reporting reference statistics

(10)非公式な給与調査 Informal salary survey


■□■ 第6回(2003年) ■□■
http://www.hunterinformation.com/caf_2003.htm

[日時]
2003年6月26~27日 June 26-27, 2003

[会場]
カーギル社(ミネソタ州ウェイザタ)
Cargill Incorporated, Wayzata, Minnesota

[参加者]
エリザベス・アドキンス(フォード・モーター社) Elizabeth Adkins, Ford Motor Company
ローリー・バンドゥッチ(Gap) Laurie Banducci, The Gap
ミミ・ボーリング(ランダム・ハウス) Mimi Bowling, Random House
ブルース・ブリューマー(カーギル) Bruce Bruemmer, Cargill
キャスリーン・コリンズ(バンク・オブ・アメリカ) Kathleen Collins, Bank of America
フィル・ムーニー(コカ・コーラ社) Phil Mooney, Coca-Cola Company
ジェーン・ノークス(スコシア銀行) Jane Nokes, Scotia Bank
ニコル・ペルシンスキー(マイクロソフト社) Nicole Pelsinsky, Microsoft Corporation
エド・ライダー(プロクター&ギャンブル) Ed Rider, Procter & Gamble
デボラ・スカッグス(フランク・ラッセル社) Deborah Skaggs, Frank Russell Company
ベッキー・ハグランド・タウジー(クラフトフーズ) Becky Haglund Tousey, Kraft Foods

※電話会議による参加
ポール・ラーサウィッツ(IBM) Paul Lasewicz (IBM)
レズリー・サイモン(シグナ) Leslie Simon of CIGNA

[テーマ]
(1)グローバル・アーカイブズの提案を発展させる Developing a global archives proposal

(2)アーカイブズにおける生産性 Productivity in archives

(3)ITイニシアティブ:Eメールのアーカイビング(保存)とインスタントメッセージのやり取り
IT initiatives: e-mail archiving and instant messaging

(4)アウトソーシングの良い点と悪い点 Outsourcing pros and cons

(5)電子記録のためのメタデータ Metadata for electronic records

(6)アーカイブズ・チームのためにe-Groups(編集者注:Eメールのリスト管理ウェブサイト)のソフトウェアを利用する
Using e-Groups software for archival teams

(7)アーカイブズ・コレクションにおける著作権とtalent rights(編集者注:Screen Actors Guild(映画俳優組合)が管理する権利(ただし、映画俳優組合は2012年に米国テレビ・ラジオ芸能人組合と合併し組織と名称が変わりました。この権利がどのような変更を受けたかは不明です)
Copyright and talent rights in archival collections

(8)歴史的事実に関するデータベースをデザインする Designing an historical facts database

(9)ポリシー・ステートメントに根拠を与える Authorizing policy statements

(10)ビジネス・アーカイブズをベンチマークする Benchmarking business archives

(11)業務プロセスマッピング Business process mapping

(12)非公式調査:給与とスタッフサイズ Informal survey: salaries and staff sizes

(13)来年のためのアイデア Ideas for next year


■□■ 第7回(2004年) ■□■
http://www.hunterinformation.com/caf_2004.htm

[日時]
2004年6月24~25日 June 24-25, 2004

[会場]
Gap、バンク・オブ・アメリカ(カリフォルニア州サンフランシスコ)
Gap, Inc. and Bank of America, San Francisco, CA

[参加者]
エリザベス・アドキンス(フォード・モーター社) Elizabeth Adkins, Ford Motor Company
ローリー・バンドゥッチ(Gap) Laurie Banducci, Gap, Inc.
ブルース・ブリューマー(カーギル) Bruce Bruemmer, Cargill
キャスリーン・コリンズ(バンク・オブ・アメリカ) Kathleen Collins, Bank of America
ポール・ラーサウィッツ(IBM) Paul Lasewicz, IBM
フィル・ムーニー(コカ・コーラ社) Phil Mooney, Coca-Cola Company
ジェーン・ノークス(スコシア銀行グループ) Jane Nokes, Scotiabank Group
ニコル・ペルシンスキー(マイクロソフト社) Nicole Pelsinsky, Microsoft Corporation
エド・ライダー(プロクター&ギャンブル) Ed Rider, Procter & Gamble
レズリー・サイモン(シグナ) Leslie Simon, CIGNA
デボラ・スカッグス(ラッセル投資グループ) Deborah Skaggs, Russell Investment Group
ベッキ―・ハグランド・タウジー(クラフトフーズ) Becky Haglund Tousey, Kraft Foods

[テーマ]
(1)スポンサーと顧客行事 Sponsorships and client events
★範囲と規模 Scope and scale
★一つのチーム、一つのゴール One team, one goal
★何を持ってくるか What you bring to the table
★関与レベルとレイヤー(層) Involvement levels and layers
★会社とアーカイブズにとっての見返り Payback for corporations and archives

(2)会社史出版:教訓 Publishing corporate histories: lessons learned

(3)(アーカイブズの)ミッション・ステートメントと収集ポリシー Mission statements and collecting/acquisition policies

(4)周年記念:プロジェクト管理 Anniversaries: project management

(5)グローバル・アーカイブズの取り組み Global archives initiatives

(6)コンプライアンス Compliance

(7)変化を生き抜き成功する Surviving and thriving on change

(8)オーラル・ヒストリーにおけるプライバシー問題 Privacy issues in oral histories

(9)非公式な給与調査 Informal salary survey

(10)来年のためのアイデア Ideas for next year


■□■ 第8回(2005年) ■□■
http://www.hunterinformation.com/CAF%202005.pdf

[日時]
2005年5月18~20日 May 18-20, 2005

[会場]
フォード・モーター社アーカイブズ(ミシガン州ディアボーン)
Ford Motor Company Archives, Dearborn, MI

[参加者]
エリザベス・アドキンス(フォード・モーター社) Elizabeth Adkins, Ford Motor Company
ローリー・バンドゥッチ(Gap) Laurie Banducci, Gap Inc.
ブルース・ブリューマー(カーギル) Bruce Bruemmer, Cargill
ジャン・エリオット(JPモルガン・チェイス) Jean Elliott, JP Morgan Chase
ポール・ラーサウィッツ(IBM) Paul Lasewicz, IBM
フィル・ムーニー(コカ・コーラ社) Phil Mooney, Coca-Cola Company
エド・ライダー(プロクター&ギャンブル) Ed Rider, Procter & Gamble
デボラ・スカッグス(ラッセル投資グループ) Deborah Skaggs, Russell Investment Group
ベッキ―・ハグランド・タウジー(クラフトフーズ) Becky Haglund Tousey, Kraft Foods
ディーン・ウェバー(フォード・モーター社) Dean Weber, Ford Motor Company

[テーマ]
(1)変化し続ける組織の中で重要であり続ける Maintaining relevance in a changing organization

(2)ウェブ編集会議 Web editorial boards

(3)文化資産のためのグローバル・ツール・キット Global tool kit for cultural assets

(4)アーカイブズと記録管理を統合する Integrating archives and records management

(5)周年記念イメージの展開 Anniversary image delivery

(6)アーカイブズの変化:移転と合併 Archival change: relocations and mergers

(7)電子メール管理 E-mail management

(8)アーカイブズと資産管理 Archives and asset management

(9)社内宣伝 Internal publicity


■□■ 第9回(2006年) ■□■
http://www.hunterinformation.com/CAF%202006.pdf

[日時]
2006年5月10~12日 May 10-12, 2006

[会場]
JPモルガン・チェイス・カンファレンス・センター(ニューヨーク州ニューヨーク)
JP Morgan Chase Conference Center, New York, NY

[参加者]
エリザベス・アドキンス(フォード・モーター社) Elizabeth Adkins, Ford Motor Company
ローリー・バンドュッチ(Gap) Laurie Banducci, Gap Inc.
ブルース・ブリューマー(カーギル) Bruce Bruemmer, Cargill
ジャン・エリオット(JPモルガン・チェイス) Jean Elliott, JP Morgan Chase
ポール・ラーサウィッツ(IBM) Paul Lasewicz, IBM
フィル・ムーニー(コカ・コーラ社) Phil Mooney, Coca-Cola Company
ジェーン・ノークス(スコシア銀行) Jane Nokes, Scotia Bank
エド・ライダー(プロクター&ギャンブル) Ed Rider, Procter & Gamble
ベッキ―・ハグランド・タウジー(クラフトフーズ) Becky Haglund Tousey, Kraft Foods

[テーマ]
(1)記録管理:アウトリーチと実行のよいところ、わるいところ、醜いところ
Records management: the good, bad, and ugly of outreach and enforcement

(2)社内の北米以外の歴史アーカイブズを管理する Managing non-North American historical archives within the corporation

(3)ビジネス・アーカイブズに倫理綱領は必要か? Do we need a Code of Ethics for business archives?

(4)アウトリーチ:あなたの価値を事業部門に対して証明する Outreach: proving your value to lines of business

(5)「迷子」記録に対する権利を主張する Asserting rights to "strayed" records

(6)ウェブサイトのキャプチャ(保存) Web site capture

(7)コレクション管理システムと出所維持 Collection management systems and maintaining provenance

(8)新しい事業構造を支援する:フランチャイジングと国際化
Supporting new business structures: franchising and internationalization

(9)戦略的資産としてのオーラル・ヒストリー Oral history as a strategic asset

(10)非公式な給与調査 Informal salary survey


■□■ 第10回(2007年) ■□■
http://www.hunterinformation.com/CAF%202007.pdf

[日時]
2007年6月28~29日 June 28-29, 2007

[会場]
フォード・モーター社グローバル情報管理部(ミシガン州ディアボーン)
Ford Motor Company's Global Information Management department, Dearborn, Michigan

[参加者]
エリザベス・アドキンス(フォード・モーター社) Elizabeth Adkins, Ford Motor Company
ブルース・ブリューマー(カーギル) Bruce Bruemmer, Cargill[今回の書記]
ジャン・エリオット(JPモルガン・チェイス) Jean Elliot, JP Morgan Chase
フィル・ムーニー(コカ・コーラ社) Phil Mooney, The Coca-Cola Company
ベッキ―・ハグランド・タウジー(クラフトフーズ) Becky Haglund Tousey, Kraft Foods

※電話会議による部分参加
ディーン・ウェバー(フォード・モーター社) Dean Weber
ローリー・バンドュッチ(Gap)Laurie Banducci of Gap Inc.

[テーマ]
(1)経営合理化に対応する Responding to downsizing
★経営合理化のスタッフ数への影響 Impact of downsizing on staffing
★経営合理化の記録管理への影響 Impact of downsizing on records management
★経営合理化のアーカイブズ記録への影響 Impact of downsizing on archival records

(2)引継計画とスタッフの専門性向上 Succession planning and professional development of staff

(3)アーカイブズのスペース計画と引っ越し Archives space planning and moving

(4)アーカイブズ・データベースの実演 Archives database demonstration

(5)会社の歴史コレクションを利用したマーケティングの機会
Marketing opportunities using a corporate history collection

(6)組織内の位置変化 Shifting organizational placement

(7)アーカイブズへのアクセスに関する日米会議 Japan/U.S. Conference on Access to Records

(8)危機にさらされるビジュアルな遺産 Visual legacy at risk

(9)プライバシーと個人データ保護 Privacy and personal data security

(10)新しい「ワールド・オブ・コカ・コーラ」に関するプレゼンテーション
Presentation on the "New World of Coca-Cola"
(編集者注:「ワールド・オブ・コカ・コーラ」はアトランタにあるコカ・コーラ社の企業博物館)


■□■ 第11回(2008年) ■□■
http://www.hunterinformation.com/CAF%202008.pdf

[日時]
2008年5月15~16日 May 15-16, 2008

[会場]
スコシア銀行(カナダ、オンタリオ州トロント)
Scotiabank, Toronto. ON

[参加者]
エリザベス・アドキンス(フォード・モーター社) Elizabeth Adkins, Ford Motor Company
ローリー・バンドュッチ(Gap) Laurie Banducci Klip, Gap Inc.
ブルース・ブリューマー(カーギル) Bruce Bruemmer, Cargill
マイク・バリントン(マクドナルド) Mike Bullington, McDonald's
ポール・ラーサウィッツ(IBM) Paul Lasewicz, IBM
フィル・ムーニー(コカ・コーラ社) Phil Mooney, Coca-Cola Company
ジェーン・ノークス(スコシア銀行) Jane Nokes, Scotiabank
ゴード・ラブチャック(ロイヤル・バンク・オブ・カナダ) Gord Rabchuk, Royal Bank of Canada
エド・ライダー(プロクター&ギャンブル) Ed Rider, Procter & Gamble
コラド・サントロ(スコシア銀行) Corrado Santoro, Scotiabank
ベッキ―・ハグランド・タウジー(クラフトフーズ) Becky Haglund Tousey, Kraft Foods

※電話会議による部分参加
ディーン・ウェバー(フォード・モーター社アーカイブズ)
Dean Weber of the Ford Motor Company Archives

[テーマ]
(1)プロジェクト管理 Project management

(2)ウェブ・キャプチャ(保存) Web capture

(3)周年記念計画 Anniversary planning

(4)認知度を高めるためにメディア広報とともに働く
Working with media relations to increase visibility

(5)ブランドの記憶 Brand memory

(6)バーチャルなアーカイブズを構築する Building a virtual archives

(7)アーカイブズのグローバル化 Globalizing archives

(8)涙なしのブログ作成 Blogging without tears

(9)情報管理戦略 Information management strategy

(10)アーカイブズの位置づけを分類するために人事とともに働く
Working with human resources to classify archival positions


■□■ 第12回(2009年) ■□■
http://www.hunterinformation.com/CAF%202009a.pdf

[日時]
2009年4月30日~5月1日 April 30-May 1, 2009

[会場]
IBMラーニング・センター(ニューヨーク州アーモンク)
IBM Learning Center, 20 Old Post Road, Armonk, NY 10504

[参加者]
エリザベス・アドキンス(元フォード・モーター社) Elizabeth Adkins, formerly with Ford Motor Company
メンズィ・ベルン=クロット(アメリカン・ガール) Menzi Behrnd-Klodt, American Girl
マイク・バリントン(マクドナルド社) Mike Bullington, McDonald's Corporation
ブルース・ブリューマー(カーギル) Bruce Bruemmer, Cargill
ポール・ラーサウィッツ(IBM) Paul Lasewicz, IBM
エド・ライダー(プロクター&ギャンブル) Ed Rider, Procter & Gamble
ベッキ―・ハグランド・タウジー(クラフトフーズ) Becky Haglund Tousey, Kraft Foods
ディーン・ウェバー(フォード・モーター社) Dean Weber, Ford Motor Company

[テーマ]
(1)アーカイブズと周年記念祝い Archives and anniversary celebrations

(2)世界規模の会合でアーカイブズを売り込む Marketing archives at a world-wide meeting

(3)SAAの上級ビジネス・アーカイブズ・ワークショップの可能性
Possible SAA advanced business archives workshop

(4)縮こまっている経済状況におけるアーカイブズのための戦略
Strategies for archives in a hunkering-down environment

(5)Media BinとStellentを利用したデジタル資産管理(編集者注:Media Binはヒューレット・パッカード社のデジタル資産管理に関する商品、Stellentはオラクル社のコンテンツ管理用商品)
Digital asset management using Media Bin and Stellent

(6)ウェブ・キャプチャ(保存) Web capture

(7)グローバル・ブランドに対するアーカイブズの支援 Archives support to global brands

(8)リーガル・リリース Legal releases

(9)電子記録短期集中トレーニング講座 Electronic records boot camp

(10)マイクロソフトSharePointとMOSSを利用したグローバル・アーカイブズ
Global archives using Microsoft SharePoint and MOSS


■□■ 第13回(2010年) ■□■
http://www.hunterinformation.com/CAF%202010.pdf

[日時]
2010年6月 June 2010

[会場]
プロクター&ギャンブル社(オハイオ州シンシナティ)
Procter & Gamble, Cincinnati, Ohio

[参加者]
(記載なし)

[テーマ]
(1)マーケティングとアーカイブズの同盟 Alliance between marketing and archives

(2)企業を外側と内側から記録する Documenting business from outside and inside
★イングランド&ウェールズの戦略 England & Wales strategy
★イングランド&ウェールズの恩恵 England & Wales benefits
★スコットランドの戦略 Scottish strategy
★戦術 Tactics
★スコットランドSWOT分析 Scottish SWOT analysis
★米国の視点からの「弱点」 "Soft spots" from a U.S. perspective
★米国の戦略? 考察/疑問 An American strategy? some thoughts/questions
(編集者注:SWOTとは「長所」(Strength)、「弱点」(Weakness)、「機会」(Opportunities)、「脅威」(Threats)のことです。イギリスとウェールズのビジネス・アーカイブズのためのナショナル・ストラテジーについては「ビジネス・アーカイブズ通信」13号(2009年1月26日発行)http://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bn/20090126.html 、同20号(同年7月16日発行)http://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bn/20090716.html を、スコットランドの同様のナショナル・ストラテジーについては同33号(2010年9月29日発行)参照のこと。)

(3)複数のレポジトリー(資料収集保存利用機関)のインターフェースを統合する Integrating interfaces across repositories

(4)企業の都市伝説 Corporate Etymythology
(編集者注:事実に基づかない、あるいは典拠がはっきりしないのに会社の歴史やブランドの歴史としてまことしやかに流布しているストーリーのこと)

(5)アーカイブズにある大量のビデオに関する解決策を見つける
Finding solutions to the gobs of video in the archives

(6)企業買収とアーカイブズの統合 Corporate acquisitions and archival integration

(7)展示デザイナーとともに働く Working with exhibit designers


★☆★...編集部より...★☆★

【企業内アーカイブズとIT】

日本国内で、アーカイブズ、図書館に関わることが多いITの専門家の方とお話しする機会がありました。そこでの話によると、CAFで米国の大手企業のアーキビストたちが10数年前から議論してきたデジタル資産管理(Digital Asset Management)・コンテンツ管理(Content Management)の問題は、日本ではもっぱらシステム管理者の業務として進められている、といいます。その理由は簡単で「企業アーキビストがいないからでしょう」とのことでした。

現用記録の管理からアーカイブズ管理までをシームレスにつなぐレコードキーピングが必要であることは、アーカイブズ学関係者の間では現在共通認識になっていると思います。しかし日本企業の場合は、現用文書の管理を統括するレコードマネジメントが導入されている組織は少なく、専門の担当者(レコードマネージャー)も不在ですから、資料室や社史編纂室といったアーカイブズ的な部署は社内各部で作成された紙またはデジタルに記録された資料を「収集」することによってアーカイブズを構築してきました。一方、文書や図面、画像の作成がデジタルに移行して以来、これらのボーンデジタルな情報資源の管理を誰かがどこかで行っているはずなのですが、その担当者と企業内アーカイブズの連携の糸口がみえない状態が続いてきたように思います。

1990年代から2000年代にかけてビジネス環境がほぼ全面的にデジタル化したことは、世界各国の企業アーカイブズとアーキビストの仕事に大きな影響を与えています。アーカイブズの設置が1997年とドイツの大手企業の中では後発に当たるフォルクスワーゲン(VW)社のアーキビスト、ウルリケ・グツマン氏は2004年の講演の中で、VW社アーカイブズが社内IT部門との連携強化を進めてきたことを強調しています。
http://www.staatsarchiv.sg.ch/home/auds/08/_jcr_content/Par/downloadlist_2/DownloadListPar/download_3.ocFile/Text%20Gutzmann.pdf
(ハンブルグ州公文書館「デジタルを管理する:デジタル・アーカイビング」Digitales Verwalten - digitales Archivierenシンポジウムでのウルリケ・グツマン講演「フォルクスワーゲン社歴史部企業アーカイブズにおけるデジタルデータ」2004年4月)
Ulrike Gutzmann, Digitale Daten im Unternehmensarchiv in der Historischen Kommunikation der Volkswagen AG
http://www.staatsarchiv.sg.ch/home/auds/08/_jcr_content

「現用記録管理=レコードマネジメントの確立とそのアーカイブズへの接続に加え、"アーカイブズがもっとIT部門と近づくことが必要"」─同時期のヨーロッパの動向とも併せて、CAFでの議論を追ってきて感じることです。

しかし、一方では「デジタル資産管理(Digital Asset Management)・コンテンツ管理(Content Management)はレコードマネジメント(記録管理)とどのような関係にあるのか?」という疑問も当然生じてくるでしょう。この点に関しては第12回目のMS SharePointに関わる議題他で検討されています。


【歴史上最も記録が残っていない時代...?】

今から5年前である2009年の第11回目の会合で、あるアーキビストが次のように語っています。

「すでに作成されてしまった電子記録を回収するのに十分な時間はない。1995年から2010年はわれわれの歴史の中で最も記録が残っていない時代になるかもしれない。われわれが必要とするのは、文書(ドキュメント)作成のその時点でメタデータとコンテクストを付与するのみならず、それをマニュアルでではなく自動的に行うようなシステムである。短期的なアプローチは(プレスリリースをマニュアルで集めるような)戦略的な保存とオーラル・ヒストリーである」

There isn't enough time to recover e-records already produced. From 1995 to 2010 may turn out to be the most undocumented period in our history. We need a system that not only assigns metadata and context at the creation of a document, but does so automatically rather than manually. The short-term approach is strategic preservation (like getting press releases manually) and oral history.

次号以降、何回かにわけてCAFでの議論の中身を見ていきたいと思います。

=================================

■文献情報:『ビジネス・アーカイブズ』 108号 2014年5月

=================================

ロンドンに本部があるビジネス・アーカイブズ・カウンシルが発行する定期刊行物『ビジネス・アーカイブズ』の最新号目次情報をお届けします。『ビジネス・アーカイブズ』は年2回、5月と11月に発行されます。

1987年までは『ビジネス・アーカイブズ』(原題:Business Archives)のタイトルで年に2回発行されていました。その年から、5月に発行される号が『ビジネス・アーカイブズ 理念と実践』(原題:Business Archives Principles and Practice)、11月に発行される号が『ビジネス・アーカイブズ 原資料と歴史』(原題:Business Archives Sources and History)とされ、『理念と実践』がビジネス・アーカイブズ資料の管理や活用といった側面を、『原資料と歴史』がビジネス・アーカイブズを資料として利用した歴史研究、あるいは資料紹介に関する論説を掲載していました。この二つのタイトルは、2011年5月発行の102号から『ビジネス・アーカイブズ』のタイトルに再び統合されています。

◎『ビジネス・アーカイブズ』108号 2014年5月
Business Archives
Number 108
May 2014
ISSN 0007-6538

編集者:マリアム・ヤミン Mariam Yamin
書評編集者1:ララ・ウェッブ Lara Webb
書評編集者2:ロイ・エドワーズ Roy Edwards
発行者:ビジネス・アーカイブズ・カウンシル Business Archives Council
慈善団体登録番号:CHARITY NO. 313336

[論説]

◆日本語タイトル:安らかに眠らせて:英国海軍艦船エジンバラ号とその金の積み荷
原題:Let her rest in peace: HMS Edinburgh and her cargo of gold
著者名:ミシェル・ブラッグ
著者名原文:Michelle Blagg
所属等:キングス・カレッジ・ロンドン 現代英国史研究所
所属等原文:Institute for Contemporary British History, King's College London
ページ:1-12
一行解説:4.5トンの金地金を積載したまま1942年にドイツのUボートからの攻撃で沈没した英国海軍艦艇エジンバラ号の金塊引き揚げをめぐる研究。英国国立公文書館所蔵の貿易産業省記録、外務省記録、イングランド銀行アーカイブ、ロスチャイルド・アーカイブ所蔵記録を用いている。

◆日本語タイトル:アイルランドの商業銀行の発展とそのアーカイブズに対する現在の危機の影響
原題:The development of the Irish commercial banks and the impact of the current crisis on their archives
著者名:オーイン・ドレア
著者名原文:Eoin Drea
所属等:ユニバーシティ・カレッジ・コーク 歴史学部
所属等原文:Department of History, University College Cork
ページ:13-28
一行解説:アイルランドの金融機関は生来的にプロテスタント系であり、連合王国(イギリス)寄りという性格を持つ。このような金融機関が、アイルランド共和国独立によって被った影響を明らかにする。またアイルランドの金融システムが2008年の金融危機まで一貫して高いレベルの継続性を確保してきたことを示す。さらに2008年の危機によって、三大主要銀行であるアイルランド銀行、アライド・アイリッシュ銀行、アルスター銀行のアーカイブズでは、専門アーキビストを置かなくなるなど利用上の悪影響が出ている。

◆日本語タイトル:ニュー・コネクションズ:BTデジタル・アーカイブズ・プロジェクト
原題:New Connections: the BT digital archives project
著者名:デイビッド・ヘイ
著者名原文:David Hay
所属等:BTアーカイブズ
所属等原文:BT Archives
ページ:29-52
一行解説:BTは160年以上を持つ情報通信会社。本稿は2011年から2013年にかけて行われた、BTアーカイブズ、コベントリー大学、英国国立公文書館による所蔵資料のデジタル化共同プロジェクト「ニュー・コネクション」を解説するものである。プロジェクト資金は約100万ポンド(約1億7000万円)でJISC(英国情報システム合同委員会)から提供された。デジタル化の対象は3つのカテゴリーからなる。(1)1900年から1975年の写真画像、(2)1878年から1981年作成の調査研究報告書、(3)1940年代から1980年代までのポリシー、通信類。デジタル化された資料はオンラインで提供され、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスによって自由に利用できる。
(編集者注:デジタル化によって公開する資料の範囲を1980年代までに設定しているのは、作成後30年で公開という英国の公文書管理・公開制度の考え方に準じたものと考えられます。BTが国有化されていた1984年までの記録は公文書です。)

◆日本語タイトル:バラスト・トラスト:産業技術記録を理解する
原題:Ballast Trust: understanding technical records
著者名1:キアラ・キング
著者名原文1:Kiara King
所属等1:バラスト・トラスト
所属等原文1:Ballast Trust
著者名2:アンソニー・スレイブン
著者名原文2:Anthony Slaven
所属等2:バラスト・トラスト
所属等原文2:Ballast Trust
ページ:53-62
一行解説:1987年にビル・リンドによってスコットランドで設立されたバラスト・トラストの歴史と現状を解説。バラスト・トラストはスコットランドの造船業をはじめとする産業技術関係の記録の収集、保存、目録化、公開事業に特化したユニークな存在。2007年に創立者リンドが亡くなり、2009年に初めてプロフェショナルなアーキビスト(キアラ・キング)が採用された。このほか2名のアシスタント・アーキビストとボランティアのチームで取り組んでいる。他にいくつかの資料所蔵機関と連携しているという理由から、目録はEAD-XMLフォーマットで作成、ソフトウェアはオープンソースであるArchivist's Toolkitを利用している。ビジネス・アーカイブズのためのナショナル・ストラテジーにも積極的に関与している。TwitterやFlickerを用いて、バラスト・トラストとビジネス・アーカイブズに対する社会的関心の向上にも熱心に取り組んでいる。

◆日本語タイトル:ビジネス・アーカイブズ危機管理チームの働き
原題:The work of the Business Archives Crisis Management Team
著者名:アレックス・リッチー
著者名原文:Alex Ritchie
所属等:英国国立公文書館
所属等原文:The National Archives
ページ:63-72
一行解説:著者は英国国立公文書館のビジネス・アーカイブズ・アドバイス・マネジャー。2009年に開始された「ビジネス・アーカイブズのためのナショナル・ストラテジー(イングランドとウェールズ)」で提起されたビジネス・アーカイブズに関わる危機管理チームのこれまでの取り組みの方法と事例を報告する。現在散逸が懸念されているのは建築・建設関係と小売り関係のビジネスである。取り組みのポイントは、破産管財人等との連携を追求すること、企業倒産等によって残された資料の引き受け先を確保すること、合併や買収によって社内のアーカイブズの扱いが変わる可能性があること。また、これまで記録を管理していた企業内アーカイブズ部門が経済状況の悪化によって廃止されてしまった例などがあることも報告されており、危機管理チームはこのような観点からもモニターを続けていく必要がある。


[書評]

[1]
著者:ジェシカ・ラッチャー=フェルドマン
著者名原文:Jessica Lacheer-Feldman
タイトル:アーカイブズと専門コレクション図書館での展示
原題:Exhibits in Archives and Special Collections Libraries
その他書誌情報:Society of American Archivists, 2013, 200p, ISBN 978-1-931666-64-0, $69.95
評者:レイチェル・ミューア
評者名原文:Rachael Muir
評者所属等:イングランド銀行アーカイブ
評者所属等原文:Bank of England Archive
ページ:85-87
WorldCatレコード:
https://www.worldcat.org/title/exhibits-in-archives-and-special-collections-libraries/oclc/852763635&referer=brief_results
版元サイト内紹介ページ:
http://saa.archivists.org/store/exhibits-in-archives-and-special-collections-libraries-pdf/3696/

[2]
編者:タニヤ・ゼイニッシュ=ベルチャー
編者名原文:Tanya Zanish-Belcher (ed)
タイトル:女性アーカイブズ考
原題:Perspectives on women's archives
その他書誌情報:Society of American Archivists, 2013, 502p, ISBN 978-1-931666-47-3, $69.95
評者:ケイト・マーフィー
評者名原文:Kate Murphy
評者所属等:ボーンマス大学
評者所属等原文:Bournemouth University
ページ:88-89
WorldCatレコード:
https://www.worldcat.org/title/perspectives-on-womens-archives/oclc/852958056&referer=brief_results
版元サイト内紹介ページ:
http://saa.archivists.org/store/perspectives-on-womens-archives/3334/


[2013年1月-12月新規発行参考書目録](73-84ページ)省略
Select bibliography of new publications Jan-Dec 2013

編纂・編集担当:マリアム・ヤミン
Compilied and edited by Mariam Yamin


★☆★...編集部より...★☆★

1931年に設立されたBACは今年創立80周年にあたります。今年の年次会合は80周年を記念して、11月13日(木)にロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで開催予定です。

テーマ:「望ましい人を入れるのか?:ビジネス・アーカイブズへのアクセスに関する考え方に挑戦する」
Let the Right One In? - Challenging Perceptions of Access to Business Archives

グループ討議、事例発表、実務上の助言提供、80周年記念レセプションなどが予定されています。費用は9月30日までの申し込みは70ポンド、それ以降は会員80ポンド、非会員100ポンドです。 詳しくは下記URLを参照してください。
http://www.businessarchivescouncil.org.uk/activitiesobjectives/conference/2014conf


[関連ページ]
ビジネス・アーカイブズ・カウンシル
http://www.businessarchivescouncil.org.uk/


*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

[略称一覧]
ACA: Association of Canadian Archivists(カナダ・アーキビスト協会)
ARA: Archives and Records Association(アーカイブズとレコード協会)
ARC: ARC magazine: archives - records management - conservation
(SoAが発行する月刊ニュースレター)
ASA: Australian Society of Archivists(オーストラリア・アーキビスト協会)
BAC: Business Archives Council(ビジネス・アーカイブズ・カウンシル)
BACS: Business Archives Council in Scotland
(スコットランド・ビジネス・アーカイブズ・カウンシル)
BAS: Business Archives Section
(ビジネス・アーカイブズ部会:SAA内の部会)
CITRA: International Conference of the Round Table on Archives
(アーカイブズに関する国際円卓会議:ICAの年次会議)
CoSA:Council of State Archivists(米国・州文書館長評議会)
DCC: Digital Curation Center(英国デジタル・キュレーション・センター)
EDRMS:Electronic Document and Record Management System
(電子文書記録管理システム)
ERM:Electronic Record Management(電子記録管理)
ICA: International Council on Archives(国際文書館評議会)
LSE: London School of Economics and Political Science
(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス)
MLA: Museums, Libraries and Archives Council
(英国 博物館、図書館、アーカイブズ評議会)
NAGARA: National Association of Government Archives and Records Administrators
(米国・全国政府アーカイブズ記録管理者協会)
NARA: National Archives and Records Administration
(米国 国立公文書館記録管理庁)
RIKAR: Research Institute of Korean Archives and Records
(韓国国家記録研究院)
RMS:Record Management System(記録管理システム)
SAA: Society of American Archivists(米国アーキビスト協会)
SBL: Section for Business and Labour Archives
(企業労働アーカイブズ部会、ICA内の部会)
SoA: Society of Archivists(イギリス・アーキビスト協会)
TNA: The National Archives(英国国立公文書館)

*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

☆★ 編集部より:あとがき、次号予告 ★☆

編集部の失敗談です。

アーカイブズ関係の学会で報告する機会がありました。発表ではアメリカの企業アーカイブズがどれくらいアーカイブズ機能をアウトソーシングしているのか、またアメリカの企業アーキビストの仕事は具体的にどのようなものかを示すため、日ごろよく利用している情報を資料として添付することにしました。前者に関しては、本文でも言及した「アメリカとカナダにおける団体アーカイブズ・ディレクトリ」を参照すればわかります。ただし、このディレクトリ(リスト)は随時更新可能です。つまり情報が固定されていません。学会での報告は後日学会誌に掲載されると聞きました。会誌には参照したページのURLを典拠として記載し、「2014年○月○日アクセス」とすればとりあえずは「可」です。しかしできれば後から検証可能な情報(固定化したもので「記録」=recordと呼べるもの)がよいと思います。そこでインターネット・アーカイブ http://archive.org/web/ にアクセスして、それほど遠くない日付で当該ページが保存されているか調べてみました。

同アーカイブのトップページ中央にあるWayback Machineの検索窓に、企業名がA-Bで始まるページのURL
http://www2.archivists.org/groups/business-archives-section/directory-of-corporate-archives-in-the-united-states-and-canada-a-b

を貼り付けて検索してみたところ、インターネット・アーカイブのクローラ(ウェブページ収集プログラム)は2013年12月16日にこのページをキャプチャ(保存)しているのが分かりました。保存されているページは、
http://web.archive.org/web/20131216124800/http://www2.archivists.org/groups/business-archives-section/directory-of-corporate-archives-in-the-united-states-and-canada-a-b

です。同様に、企業名C-D、E-F、G-H、I-K、L-M、N-O、P-R、S-T、U-V、W-Zそれぞれの2013年12月16日のページがWayback Machineに保存されていることが分かり、そのページを特定できました。これらのページの情報を使ってアウトソーシングの状況をまとめました。これらのページは、現在SAAサイトで随時更新されている元のページとは違って内容が固定されています。

いっぽうアメリカの企業アーキビストの仕事に関しては、SAAのメーリングリストに投稿される求人情報を手掛かりにすることにしました。今年2月7日にIBM社用の求人サイトに掲載された同社アーキビストの求人広告に関して、同メーリングリストに投稿された記事があります。
http://forums.archivists.org/read/messages?id=120204#120204
(上のURLはメーリングリストへの投稿記事のアーカイブです)

この記事を編集部が受け取った2月15日時点、そして学会報告を行った4月末時点でも、記事内のリンク先
https://jobs3.netmedia1.com/cp/faces/job_summary?job_id=CHQ-0632652
にはIBM社の企業アーキビストの求人内容の記載がありました。現在このページにアクセスすると、Job not found or currently not published.という表示にたどり着きます。

この「BA通信」52号を作成中に、インターネット・アーカイブでこのページを検索しましたが、Wayback Machineに保存されていませんでした。これはある程度予想していたことです。しかし、「失敗した!」と思ったのは、(そしてこちらのほうが重要なのですが、)このページが存在している間にインターネット・アーカイブのWayback Machineにこのページをキャプチャするよう指示することが可能であったことを知った時です。インターネット・アーカイブのWayback Machineを検索して、そのページがまだ保存されたことがない場合下のような文章が現れます。


Hrm.
(ふん)

Wayback Machine doesn't have that page archived.
(ウェイバック・マシーンはそのページをアーカイブ(保存)してません。)

This page is available on the web!
(このページはいまウェブ上にあります!)

Help make the Wayback Machine more complete!
(ウェイバック・マシーンをもっと完璧なものにするのを手伝って!)

Save this url in the Wayback Machine
(このURLをウェイバック・マシーンに保存しなさい)


この機能を利用しておかなかったのは編集部の失敗でした。(以上のことから、たとえ「アメリカとカナダにおける団体アーカイブズ・ディレクトリ」がまだWayback Machineに保存されていなくても、後に参照してもらうために自分で保存を指定して、そのページの情報を基に資料を作っておけば大丈夫、であることもわかりました。)

さて、参考のために手元に保存してある資料から本年2月のIBM社アーキビストの求人広告の一部をご紹介しましょう。

---------------------------------------
勤務分野 マーケティング&コミュニケーション
ジョブ分類 マーケティング&コミュニケーション
業務ユニット マーケティング
ジョブ役割 IBMブランド・システム専門職

責任(Responsibilities):
-プロフェッショナルなレベルで、紙媒体記録、画像、AV、モノ資料、デジタル資料を含む大規模な、複数個所にわたる企業アーカイブズを管理する。
-多様な技能セットをもつ有資格の契約者チームを管理し、IBMの国内組織の記録担当者との直接的ではない関係(dotted line relationships)を管理する。
-アーカイブズのコンテンツと技能をハイレベルな業務過程(high-level business processes)に統合する方法を見つけ出し、遂行する。
-IBMの戦略的目標を支える正確かつ真正、そして信頼性が保障される社内外向けIBM歴史コンテンツを調査、執筆、編集すること。
-アーカイブズ用ITアプリケーションを管理運用する。これはアーカイブズのウェブサイト、デジタル・アセット・マネジメントシステム、共同チームアプリケーションを含む。
-IBMの組織、法律・会計・戦略マネジメントを記録したものを持続可能なフォーマットで集める。
-ベンダーとの関係を管理する。

必要条件(Required Qualifications):
-歴史学または図書館学/アーカイブズ学の大学院レベルの学位
-分散管理型のアーカイブズ・コレクションで働いた経験
-主題ベースのタクソノミー(分類)とデジタル・アセット・マネジメントシステムの利用経験
-マネジメント経験

望ましい条件(Preferred Qualifications):
-情報技術産業に関する知識
-ウェブとソーシャルメディアコンテンツの作成とマネジメントの経験
-デジタル・レコードキーピングの経験
-アーカイブズまたは歴史関係著作

必須要件(Required)
-修士号
-企業アーカイブズで最低8年の勤務経験
-年間勤務の1割の出張が可能
-英語:流暢
---------------------------------------

職務の責任範囲の中に、「デジタル・アセット・マネジメントシステムの管理運用」が、必要条件として「タクソノミー、デジタル・アセット・マネジメントシステム」の経験も含まれており、DAMの理解は必須と思われます。

☆~~~☆~~~☆~~~☆~~~☆~~~☆~~~☆

次号は2014年7月下旬発行予定です。どうぞお楽しみに。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆◇◆バックナンバーもご活用ください◆◇◆

http://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bn/index.html

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆◇◆配信停止をご希望の方は次のメールアドレスまでご連絡ください◆◇◆

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

◆◇◆〈渋沢栄一記念財団からのお知らせ〉◆◇◆

□「渋沢社史データベース」(略称:SSD) NEW!!
当財団実業史研究情報センターでは、2014年4月23日に「渋沢社史データベース」を公開しました。
http://shashi.shibusawa.or.jp

SSDは渋沢栄一が関係した会社の社史を中心に、社史の目次・索引・年表・資料編を検索することができるサイトです。今回は第1弾として約1,000冊の社史から抽出した約140万件のデータを搭載、2015年に第2弾として約500冊分を追加し、全部で約220万件のデータを搭載する予定です。データベースをさまざまな視点から紐解いて、経済活動や研究調査にご活用ください。


■『渋沢栄一を知る事典』(東京堂出版、2012)

2012年10月19日に公益財団法人渋沢栄一記念財団編『渋沢栄一を知る事典』が刊行されました。本書は渋沢栄一の事績を網羅的に解説した初めての事典となります。第1部では栄一の生涯と活動を100の項目に分けてわかりやすく紹介し、第2部では栄一をより深く理解するための資料と情報をまとめました。

なお、実業史研究情報センターでは、項目の執筆のほか第2部「資料からみた渋沢栄一」の編集を担当いたしました。ご高覧いただければ幸いです。
http://d.hatena.ne.jp/tobira/20121102/1351818423


□「企業史料ディレクトリ」:企業アーカイブズと企業史料の所在・概要ガイド

日本を代表する企業を中心とした企業アーカイブズと史料保存・学術研究機関合わせて30企業・団体・機関の概要、所蔵資料に関する情報を掲載しております。ぜひご覧ください。(2008年7月22日公開)
http://www.shibusawa.or.jp/center/dir/index.html


□実業史研究情報センター・ブログ「情報の扉の、そのまた向こう」

渋沢栄一、社史を始めとする実業史、アーカイブズや図書館に関連する情報をご紹介しています。文化資源に関わる東日本大震災と復興についての情報は「震災関連」カテゴリーに集約しています。
http://d.hatena.ne.jp/tobira/

「アーカイブズニュース」では公文書管理法に関する動向やアーカイブズのデジタル化、資料の発見・公開に関わるニュースを随時ご紹介しております。ブログ画面右側の「カテゴリー」にある「アーカイブズニュース」をクリックしてください。「アーカイブズニュース」として掲載した記事をまとめて一覧することができます。

・主なカテゴリーの紹介
http://d.hatena.ne.jp/tobira/20080203


□「社史に見る災害と復興」

2011年3月の東日本大震災に際し実業史研究情報センターでは、センター・ブログに「社史に見る災害と復興」というカテゴリーを新設しました。そこでは現在構築中の「社史索引データベースプロジェクト」の蓄積データを検索し、「災害と復興」に関する記事を含む社史について紹介しています。
http://goo.gl/WUE3b

災害の中で特に関東大震災についての社史記述をまとめたものが2012年12月にピッツバーグ大学図書館発行の電子ジャーナル「社史」に掲載されましたのでご紹介します。

The Great Kanto Earthquake as Seen in Shashi / Yuriko Kadokura
(社史に見る関東大震災 / 門倉百合子)
〔Shashi: the Journal of Japanese Business and Company History〕
http://shashi.pitt.edu/ojs/index.php/shashi/article/view/7

実業史研究情報センター・ブログ「情報の扉の、そのまた向こう」はほぼ毎日更新しております。どうぞご利用ください。


□「渋沢栄一関連会社社名変遷図」

渋沢栄一がどのような会社に関わったか、それが今にどうつながっているのか、一目でわかるように業種別にまとめて変遷図にしました。現在122図掲載中です。社名索引もありますので、どうぞご覧ください。またセンター・ブログのカテゴリー「社名変遷図紹介」も併せてご覧ください。なお上記『渋沢栄一を知る事典』第2部には、この社名変遷図のうち100図を掲載してあります。
http://www.shibusawa.or.jp/eiichi/companyname/index.html

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
★渋沢栄一記念財団は2010年9月1日に「公益財団法人」になりました★

***********************************

ビジネス・アーカイブズ通信(BA通信) No.52
2014年7月15日発行 (不定期発行)
【創刊日】2008年2月15日
【発行者】公益財団法人渋沢栄一記念財団実業史研究情報センター
【編集者】公益財団法人渋沢栄一記念財団実業史研究情報センター
      「ビジネス・アーカイブズ通信」編集部
【発行地】日本/東京都/北区
【ISSN】1884-2666
【E-Mail】
【サイト】http://www.shibusawa.or.jp/center/ba/index.html

***********************************

Copyright (C)
公益財団法人渋沢栄一記念財団
2007- All Rights Reserved.

***********************************

一覧へ戻る