ビジネス・アーカイブズ通信(BA通信)

第24号(2009年10月30日発行)

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☆      □■□ ビジネス・アーカイブズ通信 □■□

☆       No.24 (2009年10月30日発行)

☆   発行:財団法人渋沢栄一記念財団 実業史研究情報センター

☆                         〔ISSN:1884-2666〕
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この通信では海外(主として英語圏)のビジネス・アーカイブズに関する情報をお届けします。

今号は行事情報3件、文献情報1件です。

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◆ 目次 ◆

[掲載事項の凡例とお願い]

■行事情報:スコットランド・ビジネス・アーカイブズ・カウンシル(BACS)会議
  2009年10月30日 グラスゴー(イギリス)
  ◎テーマ:「ワットからウェーブ(波)へ:スコットランドの工学の歴史を書く」

■行事情報:ビジネス・アーカイブズ・カウンシル(BAC)年次大会
  2009年11月24日 英国国立公文書館 キュー(イギリス)
  ◎大会テーマ:「良い結果を出す:ビジネス・アーカイブズに関する協力と利用」

■文献情報:ビジネス・アーカイブズ・ウェブサイト 11
  ◎インド準備銀行アーカイブズ(農業銀行大学サイト内)

■行事情報:韓国国家記録院大統領記録物寄贈特別展
  2009年10月20日〜29日 韓国国立故宮博物館企画展示室
  ◎「贈物と遺品で出会う朴正煕」

☆★ 編集部より:次号予告 ★☆

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[掲載事項の凡例]

・日本語で読みやすいものになるように、タイトルははじめに日本語訳を、続いて原文を記します。(韓国語の場合は日本語表記のみ)
・人名や固有名詞の発音が不明の場合も日本語表記を添えました。便宜的なものですので、検索等を行う場合はかならず原文を用いてください。

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[お願い]
・受信時にリンク先を示すURLが途中で改行されてしまう場合があります。お手数ですがコピー&ペーストで一行にしたものをブラウザのアドレス・バーに挿入し、リンク先をご覧ください。

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■行事情報:スコットランド・ビジネス・アーカイブズ・カウンシル(BACS)会議
        2009年10月30日 グラスゴー(イギリス)

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◎テーマ:「ワットからウェーブ(波)へ:スコットランドの工学の革新」
From Watt to waves: Scottish engineering innovation

スコットランド・ビジネス・アーカイブズ・カウンシル(BACS)の今年の大会は、「ワットからウェーブ(波)へ:スコットランドの工学の革新」と題して、グラスゴー大学スコットランド経営史センター、スコットランド・エンジニア・造船技師協会、スコットランド・アーカイブズ協議会、そしてバラスト・トラストとの共催で、10月30日に開催されます。

テーマにある「ワット」とは、ジェームズ・ワット(James Watt)と彼にちなんで名づけられた電力などの単位であるワットのことを指し、「ウェーブ」の方は産科用超音波と海洋工学で重要な役割を担う波のことを指しています。前者は産業革命期の工学のなかから生まれたものであるいっぽう、後者は最近のエンジニアリングにおける技術革新の成果といえます。いずれも今回報告されるケース・スタディに含まれるスコットランドの工学の革新事例です。

http://www.gla.ac.uk/services/archives/bacs/annualconference/

[主催]
スコットランド・ビジネス・アーカイブズ・カウンシル(BACS)
Business Archives Council of Scotland

グラスゴー大学スコットランド経営史センター
University of Glasgow Centre for Business History in Scotland

スコットランド・エンジニア・造船技師協会(IESIS)
The Institution of Engineers and Shipbuilders in Scotland

スコットランド・アーカイブズ協議会
The Scottish Council on Archives

バラスト・トラスト
Ballast Trust

[日時]
2009年10月30日 午前10時-午後4時

[会場]
Clydeport Building, Robertson Street, Glasgow

[参加費]
BACSならびにIESIS会員 25ポンド
非会員 30ポンド(BACS年会費1年分含む)

[プログラム]
◆日本語タイトル:スコットランドの工学を記録する:アグレゲート・リンド
財団、バラスト・トラスト、スコットランド経営史センターの20年間
原題:Documenting Scottish engineering: twenty years of the Aggregate/Lind Foundation, the Ballast Trust, and the Centre for Business History in Scotland
発表者1:トニー・スレイブン
発表者原文1:Tony Slaven
発表者2:レイ・ストークス
発表者原文2:Ray Stokes
発表者3:レズリー・リッチモンド
発表者原文3:Lesley Richmond
[編集部注]アグレゲート・リンド財団はBill Lindによって設立された財団で、グラスゴー大学にあるスコットランド経営史センターの設立・運営のための資金を大学に提供している。バラスト・トラストは1988年に設立された慈善財団(charitable foundation)で企業史料の救出、整理、目録作成サービスを事業としている。とくに造船、鉄道、エンジニアリング計画、図画、写真に重点的に取り組んでいる。設立以来、資料保存機関や博物館のために技術報告書を整理してきた。

■セッション日本語タイトル:伝統を確立する
セッション原題:Establishing traditions
司会者名:トニー・スレイブン
司会者名原文:Tony Slaven

◇日本語タイトル:W・J・マッコルン・ランキンとグラスゴーの「工学」関連ビジネス
原題:W J Macquorn Rankine and the business of 'engineering science' in Glasgow
発表者:ベン・マースデン
発表者原文:Ben Marsden

◇日本語タイトル:世界の工場になる
原題:Becoming the workshop of the world
発表者:マイケル・モス
発表者原文:Michael Moss

◇日本語タイトル:1930年以前の技術革新への資金供給
原題:Financing engineering innovation before 1930
発表者:アラン・キャメロン
発表者原文:Alan Cameron

■セッション日本語タイトル:黄金時代
セッション原題:Golden age
司会者名:クラウス・スタウバーマン
司会者名原文:Klaus Staubermann

◇日本語タイトル:クライドビルト:伝説を失う
原題:Clydebuilt: losing the legend
発表者:トニー・スレイブン
発表者原文:Tony Slaven
[編集部注]クライドビルトとはスコットランド海事博物館(Scottish Maritime Museum at Braehead)のこと。

◇日本語タイトル:バー&ストラウド社
原題:Barr and Stroud
発表者:スティーブン・サムブルック
発表者原文:Stephen Sambrook

◇日本語タイトル:英国アルミニウム社
原題:British Aluminium Company
発表者:アンドリュー・パーチャード
発表者原文:Andrew Perchard

■セッション日本語タイトル:新たな地平線
セッション原題:New horizons
司会者名:アラン・キャメロン
司会者名原文:Alan Cameron

◇日本語タイトル:外国投資:1945年以来の電子工学と技術
原題:Foreign investment: electronics and engineering since 1945
発表者:ダンカン・ロス
発表者原文:Duncan Ross

◇日本語タイトル:産科用超音波設計のダイナミクス
原題:The dynamics of engineering obstetric ultrasound
発表者1:マルコム・ニコルソン
発表者原文1:Malcolm Nicolson
発表者2:ジョン・フレミング
発表者原文2:John Fleming

◇日本語タイトル:海洋工学:波からの力
原題:Marine engineering: power from waves
発表者:デビッド・ケイ
発表者原文:David Kaye

[関連ページ]
BACS ウェブページ
http://www.gla.ac.uk/services/archives/bacs/

グラスゴー大学スコットランド経営史センター ウェブページ
http://www.gla.ac.uk/businesshistory/

IESIS ウェブページ
http://www.iesis.org/

スコットランド・アーカイブズ協議会
http://www.scoarch.org.uk/home

バラスト・トラスト ウェブサイト
http://theballasttrust.blogspot.com/

ビル・リンド(アグレゲート財団創始者)に関するグラスゴー大学ウェブページ
http://www.universitystory.gla.ac.uk/biography/?id=WH3036&type=P

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■行事情報:ビジネス・アーカイブズ・カウンシル(BAC)年次大会
        2009年11月24日 英国国立公文書館 キュー(イギリス)

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◎大会テーマ:「良い結果を出す:ビジネス・アーカイブズに関する協力と利用」
Delivering results: collaboration and exploitation of business archives

http://www.businessarchivescouncil.org.uk/activitiesobjectives/conference/conf2009

今年のBACの年次大会は、11月24日、英国国立公文書館で開催されます。今年発表されたビジネス・アーカイブズに関する全国的な戦略が、BACが関係各機関との協力によって策定されたことから、今年の大会テーマは「ビジネス・アーカイブズに関する協力と利用」に焦点をあてたものになりました。

ナタリー・シーニー(Natalie Ceeney)国立公文書館館長の開会講演に続いて、新たにビジネス・アーカイブズ・アドバイス・マネジャーに就任したアレックス・リッチー(Alex Ritchie)氏がビジネス・アーカイブズに対する関心を高めるための宣伝やマーケティングについて語ります。

その後、組織間の協力の事例や、ビジネス・アーカイブズの活用事例に関する報告が続く予定です。

また当日は全国的な戦略のための今後の取り組みや、ビジネス・アーカイブズが所蔵機関や研究者にどのような成果をもたらすのかも考究する予定です。

[関連ページ]
BACウェブサイト
http://www.businessarchivescouncil.org.uk/

企業史料に関する全国的な戦略(イングランド&ウェールズ)関連ページ
http://www.businessarchivescouncil.org.uk/activitiesobjectives/lobbying/

英国国立公文書館(TNA)ウェブサイト
http://www.nationalarchives.gov.uk/default.htm

TNAウェブサイト ビジネス・アーカイブズ関連ページ
http://www.nationalarchives.gov.uk/archives/advice-corporate.htm

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■文献情報:ビジネス・アーカイブズ・ウェブサイト 11

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◎インド準備銀行アーカイブズ(農業銀行大学サイト内)
The Reserve Bank of India Archives (RBIA)
http://cab.org.in/RBIArchives.aspx

国際文書館評議会企業労働アーカイブズ部会(ICA/SBL)の次の運営会議は、今年の12月5日にインド西部のプネーにある農業銀行大学関連施設で開催されます。ここには、インドの中央銀行であるインド準備銀行(本店:ムンバイ)のアーカイブズもおかれています。

インド準備銀行は1934年3月5日の「インド準備銀行法」によって設立され、翌年4月1日に営業を開始しました。インド準備銀行アーカイブズ(RBIA)は1981年8月24日に開設されたものです。当初の名称は「記録ならびに文書作成中央センター」(Central Records and Documentation Centre: CRDC)でした。CRDCそして現在のRBIAには二つの目的があるとされます。すなわち(1)非現用の永久保存記録を保管する場として機能すること、そしてもうひとつは(2)研究目的のためにインド準備銀行の中央アーカイブズとして機能することです。

◇RBIAの機能◇
http://cab.org.in/RBIArchives.aspx#FunctionsofRBIA
[1]インド準備銀行の記録物のうち、歴史的あるいは/そして法律的価値を持つ、完結後12年経過、または関連部署の中央事務所が定めた期間経過後の非現用永年保存記録の受け入れ。
[2]記録物、写真、図画を科学的に保存する。くん蒸や補修を行う。
[3]すべてのインド準備銀行の中央事務所ならびに地方事務所に対して、情報、文書の複写物、オリジナル文書、ファイル登録簿、写真などを提供するといった検索サービスを行う。
[4]書籍、報告書、日誌、マニュアル、パンフレットなどインド準備銀行が作成したすべての刊行物各3部をアーカイブズ内図書館で管理する。
[5]記録物と刊行物に関する索引や目録などのレファレンス・ツールを準備する。
[6]研究者・学生に研究施設を提供する。
[7]インド準備銀行の中央事務所ならびに地方事務所の記録の評価選別・記録管理に関して助言を行う。
[8]他のアーカイブズ機関と連携する。

◇RBIAの記録へのアクセス◇
http://cab.org.in/RBIArchives.aspx#AccesstoRecords
記録へのアクセスに関しては「インド準備銀行歴史研究規則2001」に則って提供されます。そのうちの主要な規則には次のような事項が含まれます。
[1]大学院生、研究者、インド準備銀行と他行のスタッフ、その他機関の学生は通常、記録物にアクセスできる。
[2]公記録の利用希望の場合は、所定の書式によって主任アーキビストに申請する。すべての研究者は所属機関等からの推薦状を提出する。
[3]資料利用を希望する外国人は、その目的の真正性を証明するために、所属機関からの推薦状と農業銀行大学長宛の書簡を持参する。
[4]研究者はアーカイブズ内図書館の資料を利用できるが、貸し出しは行わない。
[5]利用者は申請した資料を最新の注意を払って扱う。資料が棄損しないように注意する。
[6]所蔵資料を用いた研究成果は、発行後速やかにアーカイブズ内図書館に無料で一部贈呈すること。
[7]主任アーキビストは文書へのアクセスを拒否する権限を持つ。
[8]記録物の利用許可は公益に照らして農業銀行大学長が判断する。この規則とその解釈について異議が生じたときは、農業銀行大学長の決定が最終的なものとなる。

◇RBIAでの記録の保存◇
http://cab.org.in/RBIArchives.aspx#PreservationofRecords
記録物の保存プログラムは後に続く人々が活用できるように、情報の内容/アーカイブズ的な記録とその物理的な形態を長期にわたって保存することを目的としています。インド国内外の先進的なアーカイブズ機関が採用する、科学的な原理に基づいた、記録物保存のための体系的アプローチに沿ったものです。次のような分野を含みます。
[1]記録物の補修と修繕。
[2]適切な保存環境の提供。摂氏20度、湿度45度を常時保つ。
[3]滅菌等によって生物学的脅威から記録物を保護する。その他脱酸処理等。

[関連ページ]

インド準備銀行 ウェブサイト
http://www.rbi.org.in/scripts/AboutusDisplay.aspx

ラケシュ・モハン「インド準備銀行アーカイブズ:回顧と展望」2006年9月29日
Rakesh Mohan, 'Reserve Bank of India Archives: some reflections and the way forward'
http://rbidocs.rbi.org.in/rdocs/Speeches/PDFs/73696.pdf

マービン・グッドフレンド
「効果的な中央銀行の諸要素:理論、実践、そして歴史」(インド準備銀行アーカイブズ設立記念講演)2007年10月5日
Marvin Goodfriend,'Elements of effective central banking : theory, practice, and history' [Foundation day lecture of the Reserve Bank of India Archives]
http://rbidocs.rbi.org.in/rdocs/Speeches/PDFs/80540.pdf

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■行事情報:韓国国家記録院大統領記録物寄贈特別展

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◎「贈物と遺品で出会う朴正煕」 2009年10月20日〜29日
韓国国立故宮博物館企画展示室
http://www.pa.go.kr/usr/donation/event.html

韓国の国立公文書館にあたる国家記録院では10月20日から29日まで、国立故宮博物館企画展示室で「贈物と遺品で出会う朴正煕」展を開催しました。これは国家記録院が所蔵する大統領記録物の一部を公開する企画です。

「展示概要」によると、今回の展示は朴正煕元大統領在任中に外国要人から送られた贈物と元大統領の「体臭が染みついた遺品」を一般の国民に初めて公開するものです。今回公開される贈物と遺品は朴元大統領の遺族から寄贈されたものであり、これを通じて「寄贈」の意味を再考し、「国民的寄贈文化」を広める重要な契機にするために、今回の特別展が開催されるということです。展示は1960年代から70年代にかけて朴正煕元大統領が携わった活発な外交活動と、元大統領の簡素で素朴な生活の一面を感じさせるものであると「展示概要」は記しています。「記録物の寄贈文化」を広めるために、会場内に「大統領記録物寄贈受付所」を開設する企画もあります。

★☆...編集部より...★☆

「寄贈文化」とは耳慣れない言葉です。韓国国家記録院のサイトの「ニュース」内「言論報道」のページには『中都日報』紙(1951年創刊、本社:大田市)の2009年10月21日付記事「大統領記録物寄贈特別展と寄贈文化の普及」が全文掲載されています。この記事によると、最近民間の重要記録物を寄贈する事例が増えているということです。例えば、2008年1月に写真作家チェ・ミンシック氏は、1957年以来撮影してきた庶民の生活の様子などを記録した13万点あまりの写真を国家記録院に寄贈しました。これは同院の「民間寄贈物第1号」になりました。2009年6月にはキム・ワニ博士が、1967年から79年までの間朴正煕元大統領らとやり取りした自筆書簡103点を同院に寄贈、これは最初の大統領関連記録物の寄贈事例とされています。民間所在の重要記録物を国家記録院に寄贈してもらう、そのような行為を「寄贈文化」と呼んでいるようです。国家記録院では、今回の展示が「寄贈文化」の普及、すなわち民間所在重要記録物の公文書館への寄贈を推し進める、そのきっかけ作りになることを期待しているのです。

[関連ページ]

2009年10月21日付『中都日報』紙「大統領記録物寄贈特別展と寄贈文化の普及」
http://www.archives.go.kr/donBoardView.do?&mn=null&db=73&sk=&sv=null&ipp=10&depth1_code=8&depth2_code=3&depth3_code=1&depth4_code=0&depth5_code=0&adm=null&no=92765
http://www.joongdoilbo.co.kr/jsp/article/article_view.jsp?pq=200910200294

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[略称一覧]
ACA: Association of Canadian Archivists(カナダ・アーキビスト協会)
ARC: ARC magazine: archives - records management - conservation
(SoAが発行する月刊ニュースレター)
ASA: Australian Society of Archivists(オーストラリア・アーキビスト協会)
BAC: Business Archives Council(ビジネス・アーカイブズ・カウンシル)
BACS: Business Archives Council in Scotland
(スコットランド・ビジネス・アーカイブズ・カウンシル)
DCC: Digital Curation Center(英国デジタル・キュレーション・センター)
EDRMS: Electronic Document and Record Management System
(電子文書記録管理システム)
ERM: Electronic Record Management(電子記録管理)
ICA: International Council on Archives(国際文書館評議会)
LSE: London School of Economics and Political Science
(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス)
MLA: Museums, Libraries and Archives Council
(英国博物館、図書館、アーカイブズ評議会)
NARA: National Archives and Records Administration
(米国国立公文書館記録管理庁)
RIKAR: Research Institute of Korean Archives and Records
(韓国国家記録研究院)
RMS: Record Management System(記録管理システム)
SAA: Society of American Archivists(米国アーキビスト協会)
SBL: Section for Business and Labour Archives
(企業労働アーカイブズ部会、ICA内の部会)
SoA: Society of Archivists(イギリス・アーキビスト協会)
TNA: The National Archives(英国国立公文書館)

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☆★ 編集部より:あとがき、次号予告 ★☆

SAAのメーリングリストに、サンフランシスコ・クロニクル紙のオンライン版であるSFGateのブログに掲載された記事「私たちの図書館を破壊する:水に関するある物語」(Destroying our libraries: a water story)が転載されていました。投稿者はブログ記事の執筆者ピーター・グレイック(Peter Gleick)氏。グレイック氏は1987年に設立されたNPOである「開発、環境、安全に関する研究のための太平洋研究所」(The Pacific Institute for Studies in Development, Environment, and Security、本部:カリフォルニア州オークランド)の所長です。

この記事によると、カリフォルニア大学バークレー校にあるUCバークレー図書館水資源センター・アーカイブズ(Water Resources Center Archives: WRCA)が州の財政難のために、来年6月に閉鎖される予定だということです。グレイック氏はこれに強く反対する意見を述べています。WRCAでは20万件を超える技術報告書、1,500タイトル以上の専門的なニュースレター、200以上の手稿コレクション、地図・ビデオ5,000点以上、カリフォルニアならびに西部における水資源開発史を記録する白黒写真約25,000点、45,000点の海岸線の航空写真等を所蔵するということです。これらの大部分はインターネットでは閲覧できず、最も貴重な資料はデジタル化もまだ行われていない、と記事は指摘しています。

WRCAはカリフォルニア大学バークレー校内にありますが、その利用は大学の教職員や学生・院生のみに限られず、水に関心を持つ人がだれでも無料で利用できる施設です。水に関する資料を所蔵する機関としてWRCAは最大規模の機関であり、WRCA閉鎖が環境問題その他水資源に関する研究や実務に与える影響は計り知れない、とグレイック氏は警鐘を鳴らしています。

(参考ページ)
「私たちの図書館を破壊する:水に関するある物語」
http://www.sfgate.com/cgi-bin/blogs/gleick/detail?blogid=104&entry_id=49739

開発、環境、安全に関する研究のための太平洋研究所
http://www.pacinst.org/

UCバークレー図書館水資源センター・アーカイブズ
http://www.lib.berkeley.edu/WRCA/

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21世紀に入ってから韓国では、かつてあった分かち合い文化を回復し、「寄付文化」を広める市民運動も活発に行われています。代表的な団体である「美しい財団」はインターネットのポータルサイト(「ダウム」)を通じて、環境や福祉、教育などさまざまな分野に寄付できる仕組みをつくり、年間110億ウォン(約8億5,000万円)の寄付金を集めているとのこと。「寄贈文化」はこのような「寄付文化」への関心と遠くでつながっているのか?と考えた次第です。

(参考文献)
朴元淳「インタビュー ろうそくデモを越えて」
桔川純子「市民事業の可能性─「美しい財団」「美しい店」」
以上、川瀬俊治、文京洙編『ろうそくデモを越えて』東方出版、2009年

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次号では米国の州立公文書館長評議会(Council of State Archivists: CoSA)発行の「企業史料を救う:小規模事業所のための災害計画ガイド」他をご紹介します。2009年11月下旬配信予定です。どうぞお楽しみに。

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◆◇◆バックナンバーもご活用ください◆◇◆

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◆◇◆〈渋沢栄一記念財団からのお知らせ〉◆◇◆

□「企業史料ディレクトリ」:企業アーカイブズと企業史料の所在・概要ガイド

2008年7月22日公開いたしました。日本を代表する企業を中心とした企業アーカイブズと史料保存・学術研究機関合わせて30企業・団体・機関の概要、所蔵資料に関する情報を掲載しております。ぜひご覧ください。
http://www.shibusawa.or.jp/center/dir/index.html

□実業史研究情報センター・ブログ「情報の扉の、そのまた向こう」

「今日の栄一」「渡米実業団」「栄一情報」「栄一関連文献」「センターニュース」「今日の社史年表」「社史紹介(速報版)」「ビジネス・アーカイブズ通信(速報版)」「アーカイブズニュース」「図書館ニュース」をお届けしております。
http://d.hatena.ne.jp/tobira/

「アーカイブズニュース」では公文書等の管理に関する法律に関する動向やアーカイブズのデジタル化、資料の発見・公開に関わるニュースを随時ご紹介しております。

ブログ画面右側の「カテゴリー」にある「アーカイブズニュース」をクリックしてください。「アーカイブズニュース」として掲載した記事をまとめて一覧することができます。

・カテゴリーの紹介
http://d.hatena.ne.jp/tobira/20080203

実業史研究情報センター・ブログ「情報の扉の、そのまた向こう」はほぼ毎日更新しております。どうぞご利用ください。

□「渋沢栄一関連会社社名変遷図」

渋沢栄一がどのような会社に関わったか、それが今にどうつながっているのか、一目でわかるように業種別にまとめて変遷図にしました。現在78図掲載中です。社名索引もありますので、どうぞご覧ください。
http://www.shibusawa.or.jp/eiichi/companyname/index.html

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ビジネス・アーカイブズ通信(BA通信) No.24
2009年10月30日発行 (不定期発行)
【創刊日】2008年2月15日
【発行者】財団法人渋沢栄一記念財団実業史研究情報センター
【編集者】財団法人渋沢栄一記念財団実業史研究情報センター
      「ビジネス・アーカイブズ通信」編集部
【発行地】日本/東京都/北区
【ISSN】1884-2666
【E-Mail】
【サイト】http://www.shibusawa.or.jp/center/ba/index.html

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