ビジネス・アーカイブズ通信(BA通信)

第6号(2008年7月23日発行)

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☆      □■□ ビジネス・アーカイブズ通信 □■□

☆       No.6 (2008年7月23日発行)

☆   発行:財団法人渋沢栄一記念財団 実業史研究情報センター

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この通信では海外(主として英語圏)のビジネス・アーカイブズに関する情報をお届けします。

今号は行事情報1件です。

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├ ◆◇◆〈渋沢栄一記念財団からのお知らせ〉 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆────
│                                  
│ 企業アーカイブズと企業史料の所在と概要のガイド「企業史料ディレクトリ」を
│ 7月22日公開いたしました。ぜひご覧ください。
│                                  
│ http://www.shibusawa.or.jp/center/dir/index.html         
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◆ 目次 ◆
[掲載事項の凡例]
■行事情報:米国アーキビスト協会(SAA)第72回年次大会 8月26日-30日 サンフランシスコ
  □大会テーマ:「アーカイブズ2008:アーカイブズの革命/進化とアイデンティティ」
☆★ 編集部より:次号予告 ★☆
○奥付
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[掲載事項の凡例]
・セッション内容紹介(抜粋)では、編集部が選んだセッションのタイトル日本語訳、タイトル原文、参加者名とセッションでの役割(Chair=司会など)原文、( )内に所属等を記載します。一行解説は、プログラムをもとに編集部がまとめたものです。
・日本語で読みやすいものになるように、タイトルははじめに日本語訳を、続いて原文を記します。
・ビジネス・アーカイブズ関係のセッションを中心に、関連するウェブページ・リストを末尾に掲載しました。
・発表者名の発音が不明の場合も日本語表記を添えました。便宜的なものですので、検索等を行う場合はかならず原文を用いてください。

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■行事情報:米国アーキビスト協会(SAA)第72回年次大会
                     8月26日-30日 サンフランシスコ

Society of American Archivists' 72nd Annual Meeting

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□大会テーマ:「アーカイブズ2008:アーカイブズの革命/進化とアイデンティティ」

Archives 2008: Archival R/Evolution & Identities

5000以上の個人・団体会員からなる米国アーキビスト協会の今年の年次大会は72回目にあたります。カリフォルニア州サンフランシスコのヒルトン・サンフランシスコを会場にして8月26日から30日まで開催されます。年次大会への参加者は1500名以上と予想されています。

今期(2007‐2008)の会長はワイオミング大学アメリカ遺産センター(American Heritage Center: AHC)所長のマーク・グリーンさんです。カールトン・カレッジ、ミネソタ歴史協会でアーキビストを勤めた後に、ヘンリー・フォード博物館の研究センタープログラム長も歴任しています。グリーンさんは昨年5月に東京で開催された日米アーカイブ・セミナーの際、初来日されています。

SAA年次大会の今年のテーマは「アーカイブズ2008:アーカイブズの革命/進化とアイデンティティ」。

グリーン会長の歓迎の言葉は、「花を挿すには少々髪が足りないシニアにとっても、サマー・オブ・ラブ(アメリカのヒッピー・ムーブメントの頂点、1967年)に参加することができなかった若者にとっても、サンフランシスコは特別な町です。」という挨拶から始まります。アメリカの人々にとって、サンフランシスコは自分たちは何者で、どこにおり、これからどこに向かっていくのか("who we are, where we are, and where we're going")といった問い、すなわちアイデンティティの探求を呼び起こす町のようですね。

http://www.archivists.org/conference/sanfrancisco2008/AM08prez.asp
(マーク・グリーン会長の歓迎の言葉)

今年のSAA大会プログラムも、開催地であるサンフランシスコという町が呼び起こす問いを大会テーマの中心に据えています。プログラム委員会の説明では、「アーカイブズ2008」のために選ばれた多くのセッションの主要なテーマは「専門職のアイデンティティ(Professional identity(ies)」。

SAAは戦略的優先順位として、「技術(technologies)」「多様性(diversity)」そして「人々の関心(public awareness)」を掲げています。今大会でもこの三つの分野に関わるセッションを意図して含めたということです。技術といえばデジタル関わる諸問題、ウェブ2.0への対応などなどがあります。多様性は主にエスニック・コミュニティの記録に関わるものや、アーキビストの属性における多様性の増大などが考えられています。そしてアーカイブズへの社会的関心との関連では、従来のアーカイブズの領域を超えて、利用者や他の利害関係者との関係構築へ向けた試みなどが発表されます。
http://www.archivists.org/conference/sanfrancisco2008/AM08aboutProg.asp
(2008年大会プログラム委員会より)

「ビジネス・アーカイブズ通信」今号ではビジネス・アーカイブズに関わるセッション、注目のセッションを抜粋してご紹介することといたします。

大会プログラム
http://www.archivists.org/conference/sanfrancisco2008/08_PrelimProgram.pdf

■□■ セッション内容紹介(抜粋) ■□■

◆8月28日(木)◆

101
タイトル:バランスを理解する:リポジトリ、研究者、パブリック・ドメイン、そして法律
タイトル原文:Understanding the balance: repositories, researchers, public domain, and the law
参加者名、役割原文(所属等)1:Heather Briston, Commentator (University Libraries, University of Oregon)
参加者名、役割原文(所属等)2:Simon Frankel (Covington and Burling LLP, San Francisco)
参加者名、役割原文(所属等)3:Robert Spoo (Howard, Rice, Nemerovski, Candy, Falk and Rabkin, San Francisco)
一行解説:複写と利用に関してリポジトリと研究者の間で結ばれる契約書に含まれるリポジトリ側のニーズ、法律問題、倫理問題をどうバランスさせるか、著作権法に詳しい二人の弁護士(フランケルさん、スプーさん)が語る。

102
タイトル:「わたくしたちは目的地ではない。旅である。」ウェブ上でアーカイブズのコレクションを明らかにする
タイトル原文:"We're not the destination, we're the journey": revealing archival collections at the web's surface
参加者名、役割原文(所属等)1:Jennifer Schaffner, Chair and Commentator (RLG Programs/OCLC)
参加者名、役割原文(所属等)2:Helena Zinkham (The Library of Congress)
参加者名、役割原文(所属等)3:Lena Zentall (California Digital Library)
一行解説:所蔵資料の存在をウェブ上で知らせるために。

104
タイトル:ユア・スペース、マイ・スペース、Dスペース? 機関の電子記録のための場所を見つける
タイトル原文:YourSpace, MySpace, DSpace? Finding a place for institutional e-records
参加者名、役割原文(所属等)1:Tamar Chute, Chair (Ohio State University)
参加者名、役割原文(所属等)2:Timothy Pyatt (Duke University)
参加者名、役割原文(所属等)3:Erin O'meara (Knights Library, University of Oregon)
参加者名、役割原文(所属等)4:Nancy Deremedi (Bentley Historical Library, University of Michigan)
一行解説:機関リポジトリにアーキビストはどう関わるか? 通信、演説、出版物、教員の視聴覚ファイルといった行政記録を機関リポジトリに収納する方法を考える。

105
タイトル:調査、ベンチマーキング、ベストプラクティス:いかにして基準に達するか?
タイトル原文:Surveys, benchmarking, best practice: how do you measure up?
参加者名、役割原文(所属等)1:Beckey Haglund Tousey, Chair (Kraft Foods Inc)
参加者名、役割原文(所属等)2:Gregory S Hunter (Palmer School of Library and Information Science, Long Island University)
参加者名、役割原文(所属等)3:Ted Ryan (The Coca-Cola Company)
参加者名、役割原文(所属等)4:Francesca Pino (Banca Intesa Sanpaolo, Milan, Italy)
一行解説:ビジネス・アーキビストによるセッション。アーキビストが専門職団体や企業の経営層からデータ収集プロジェクトを任される場合、調査結果をどう評価し、伝えるか? ハンターさんの発表タイトルは「A*CENSUSデータをベンチマーキングに利用する:企業アーカイブズの事例」。A*CENSUSは2004年5月に初めて全米規模で行われたアーカイブズ専門職に関する調査です(関連ページを後掲)。コカ・コーラ社のアーキビスト、テッド・ライアンさんは「何らかの価値を引き出すためには適切な質問をしなくてはいけない」というタイトルで発表(関連ページ後掲)。そしてイタリアからの参加者ピノさんの発表は、「ヨーロッパの銀行業・金融業アーカイブズ:実践と優先順位に関するEABH調査」です。EABHとは「銀行・金融史のための欧州協議会」(European Association for Banking and Finance History e.V.)です(関連ページ後掲)。司会のタウジーさんはクラフト社のアーカイブズ部長で昨年日米アーカイブ・セミナー参加のために初来日。

107
タイトル:環太平洋地域におけるアーカイブズへの人々の関心
タイトル原文:Archival awareness along the Pacific Rim
参加者名、役割原文(所属等)1:Leslie Waggener, Chair and Commentator (American Heritage Center, University of Wyoming)
参加者名、役割原文(所属等)2:Yuko Matsuzaki (Resource Center for the History of Entrepreneurship, Shibusawa Ei'ichi Memorial Foundation, Tokyo)
参加者名、役割原文(所属等)3:Anne Lyons (National Archives of Australia)
参加者名、役割原文(所属等)4:Sangmin Lee (Korea Human Biorepository Network)
参加者名、役割原文(所属等)5:Simon F K Chu (Public Records Office of Hong Kong)
一行解説:日本、オーストラリア、韓国、香港におけるアーカイブズへの社会的関心をめぐるパネル・ディスカッション。

◆8月29日(金)◆

201
タイトル:目録2.0:目録の提示方法を再考することによって今現在利用者がいる場所で利用者と出会う
タイトル原文:Finding aids 2.0: meeting users where they are by rethinking finding aid presentation
参加者名、役割原文(所属等)1:Gordon Daines, Chair (Brigham Young University)
参加者名、役割原文(所属等)2:Cory Nimer (Brigham Young University)
参加者名、役割原文(所属等)3:Tiah Edmunson-Morton (Oregon State University Archives)
参加者名、役割原文(所属等)4:Jill Katte (Duke University Libraries)一行解説:アーカイブズのオンライン目録を、利用者のニーズに合致し、Web2.0技術を活用して設計、あるいは再設計することを考察する。

202
タイトル:ウェブ上で暴かれる秘密
タイトル原文:Secrets revealed on the web
参加者名、役割原文(所属等)1:Sara S "Sue" Hudson, Chair (The Huntington Library, San Marino, California)
参加者名、役割原文(所属等)2:Kate Colligan (Archives Service Center, University of Pittsburgh)
参加者名、役割原文(所属等)3:Lucinda Glenn (Graduate Theological Union, Berkeley, California)
参加者名、役割原文(所属等)4:Chris Burns (Bailey/Howe Library, University of Vermont)
一行解説:検死官記録、告解の記録、学生に関する記録といった機密性の高い記録は個人情報が保護されねばならない。しかし目録やコレクションがオンラインで提供される今日、プライバシーはかつてないほど危機にさらされている。アーキビストはいかに対応するかの事例報告。

203
タイトル:自分たちの手を汚す(そしてそれを楽しむ):デジタル原稿のアーカイビング事例研究
タイトル原文:Getting our hands dirty (and liking it): case studies in archiving digital manuscripts
参加者名、役割原文(所属等)1:Catherine Stollar Peters, Chair (New York State Archives)
参加者名、役割原文(所属等)2:Melissa Watterworth (Archives and Special Collections, Thomas J Dodd Research Center, University of Connecticut)
参加者名、役割原文(所属等)3:Gabriela Redwine (Harry Ransom Center, The University of Texas at Austin)
参加者名、役割原文(所属等)4:Michael Forstrom (Beinecke Rare Book and Manuscript Library, Yale University)
一行解説:ボーン・デジタル資料に伝統的なアーカイブズ理論を適用した事例報告。ノーマン・メーラーの電子記録他。

205
タイトル:過去の儀式:将来のためのマーテケィング
タイトル原文:Past rites: marketing for the future
参加者名、役割原文(所属等)1:John Treanor, Chair (Archdiocese of Chicago)
参加者名、役割原文(所属等)2:Jean Elliott (JPMorgan Chase Bank)
参加者名、役割原文(所属等)3:Edward Rider (Proctor and Gamble Company)
参加者名、役割原文(所属等)4:Jane Nokes (Scotiabank Group)
一行解説:ビジネス・アーキビストを中心としたセッション。組織はその信頼性と実績に関する認識を高めるために、自分たちの文化遺産を活かすことを学びつつある。企業は顧客と従業員の間により強力な絆を構築することによって市場でのプレゼンスを強化し、名声と敬意を高めるために、歴史を掘り起こすことさえある。マーケティングとアウトリーチに関する積極的な新しいアプローチの事例報告。JPモルガン・チェイズ銀行のエリオットさんの発表タイトルは「過去に根付く:未来を形作る」。プロクター・アンド・ギャンブル社のライダーさんの発表は「ブランドの記憶:アーカイブズ・サービスを顧客に向けてパッケージ化する」。スコシア銀行グループのノークスさんは「事業計画:経営者の賛同を得る」のタイトルで発表。司会のトレノーさんはシカゴ大司教区ジョセフ・カーディナル・バーナディン・アーカイブズ&レコード・センター(the Archdiocese of Chicago's Joseph Cardinal Bernardin Archives & Records Center)所長代理。

206
タイトル:覚えているかしら? アウトリーチの機会のために地方的・国際的な周年記念を利用する
タイトル原文:Remember when...? Using local and international anniversaries for outreach opportunities
参加者名、役割原文(所属等)1:Kathryn M Neal, Chair (The Bancroft Library, University of California, Berkeley)
参加者名、役割原文(所属等)2:Daniel Barbiero (National Academy of Science)
参加者名、役割原文(所属等)3:Susan Goldstein (San Francisco History Center, San Francisco Public Library)
参加者名、役割原文(所属等)4:Rose Roberto (Brotherton Library, University of Leeds)
一行解説:原爆投下50周年、サンフランシスコ大地震100周年、イギリスにおける奴隷貿易廃棄法案200周年といった周年記念を利用して、アーカイブズのコレクションをより広く多様な層の人々に提供する。

208
タイトル:アーカイブズと記録管理の関係に対する現代的見方
タイトル原文:Modern perspectives on the relationship between archives and records management
参加者名、役割原文(所属等)1:Alison Langmead, Chair and Commentator (Moore Ruble Yudell Architects and Planners, Santa Monica, California)
参加者名、役割原文(所属等)2:Matthew Eidson (Washington National Records Center)
参加者名、役割原文(所属等)3:Julia Hendry (Richard J Daley Library, University of Illinois at Chicago)
参加者名、役割原文(所属等)4:Tony Jahn (Marketing and Guest Insight Center, Target Archives)
一行解説:小規模企業、大企業、大学、政府アーカイブズからの参加者による、現代の職場におけるアーカイブズと記録管理の関係に関するパネルディスカッション。トニー・ジャンさんは小売り大手のターゲット社のアーキビスト。

(セッション番号なし)
タイトル:グローバル・イシュー・フォーラム:アーカイブズ倫理と社会正義:何が我々のプロフェッショナル倫理なのか?
タイトル原文:Global issues forum: archival ethics and social justice: what is our professional responsibility?
参加者名、役割原文(所属等)1:Randall C Jimerson, Moderator (Western Washington University, Chair, SAA Committee on Ethics and Professional Conduct)
参加者名、役割原文(所属等)2:Verne Harris (Head, Memory for Justice Programme, Centre of Memory and Dialogue, Nelson Mandela Foundation, Houghton, South Africa)
参加者名、役割原文(所属等)3:David A Wallace (University of Michigan)
一行解説:公的説明責任、集合的記憶への挑戦ならびに国民的・集団的アイデンティティ問題、社会正義に対する脅威、社会的多様性における不確実さ、アーカイブズ記録に埋もれて忘れられた声、等々に取り囲まれた社会において「社会正義」とは一体何を意味するのか? 政府機関、宗教団体、大学、NPO、あるいは企業アーカイブズにおける意味、専門職としてのアーキビストのアイデンティティにとっての意味はなにか? 以上のような問いを議論するセッション。

303
タイトル:三つの連邦政府機関がデジタル保存の挑戦に直面する
タイトル原文:Three federal agencies confront the challenges of digital preservation
参加者名、役割原文(所属等)1:James G Cassedy, Leader (LifeCycle Management Division, National Archives and Records Administration)
参加者名、役割原文(所属等)2:Kenneth Thibodeau (Electronic Records Archives Program, National Archives and Records Administration)
参加者名、役割原文(所属等)3:William LeFurgy (National Digital Information Infrastructure and Preservation Program, The Library of Congress)
参加者名、役割原文(所属等)4:Michael L Wash (Federal Digital System, US Government Printing Office)
一行解説:NARAの電子記録アーカイブズ(ERA)、議会図書館の全国デジタル情報基盤保存プログラム(NDIIPP)、政府印刷所の連邦デジタル・システム(FDsys)を紹介する。これらはいずれもデジタル記録の永久保存に関する取り組み。

309
タイトル:「革命が必要というのね」:アーカイブズ、博物館、図書館を一体化させる
タイトル原文:"You say you want a revolution...": combining archives, museums, and libraries
参加者名、役割原文(所属等)1:Matthew Heiss (Family and Church History Department, Church of Jesus Christ of Latter-day Saints)
参加者名、役割原文(所属等)2:Michael J Fox (Minnesota Historical Society)
参加者名、役割原文(所属等)3:Steven L Olsen (Family and Church History Department, Church of Jesus Christ of Latter-day Saints)
参加者名、役割原文(所属等)4:Michelle Doucet (Library and Archives Canada, Canada)
参加者名、役割原文(所属等)5:Rickey Erway, Commentator, Research Libraries Group
一行解説:アーカイブズ、博物館、図書館を統合した団体では何が起こっているか? 専門職の領域があいまいになり、あるいは再定義されることによってアイデンティティと作業過程は挑戦を受けている。統合を経験した組織からの報告。

◆8月29日(金)◆

401
タイトル:アーカイブズ、図書館、博物館のための21世紀データ・キュレーション
タイトル原文:21st century data curation for archives, libraries, and museums
参加者名、役割原文(所属等)1:Helen Tibbo, Chair and Commentator (School of Information and Library Science, University of North
Carolina at Chapel Hill)
参加者名、役割原文(所属等)2:Jana Bradley (School of Information Resources and Library Science, University of Arizona)
参加者名、役割原文(所属等)3:P Bryan Heidorn (National Science Foundation and University of Illinois at Urbana-Champaign)
参加者名、役割原文(所属等)4:Chris Freeland (Bioinformatics, Missouri Botanical Garden)
一行解説:デジタル・キュレーション(またはデジタル・コレクション/インフォメーション・マネジメント)はほぼ間違いなく近い将来すべての文化遺産関連機関における主要な活動になるだろう。収蔵対象がモノからデジタルファイルに移行するとき、デジタル・コレクション管理に関わるベストプラクティス(最良の実践事例)共有の可能性は大きい。

403
タイトル:デジタル革命、アーカイブズの進化:アーカイブズ的ウェブ捕捉プロジェクト
タイトル原文:Digital revolution, archival evolution: an archival web capture project
参加者名、役割原文(所属等)1:Dean Weber, Commentator(Ford Motor Company)
参加者名、役割原文(所属等)2:Reagan Moore (San Diego Supercomputer Center, University of California, San Diego)
参加者名、役割原文(所属等)3:Richard Marciano (San Diego Supercomputer Center, University of California, San Diego)
参加者名、役割原文(所属等)4:Judith Endelman (Benson Ford Research Center at The Henry Ford)
一行解説:複雑なウェブサイトを捕捉して保存するためアーキビスト、IT専門家、博物館専門家が協働して取り組んでいる模範的事例について。フォード社のウェーバーさんの発表タイトルは「デジタル・チャレンジに取り組むためにアーキビストはいかに進化すべきか」。ムーアさんの発表タイトル「デジタル保存に関するITの見方」。マルシアーノさんタイトル「アーキビストの構想をシステムの機能性に翻訳する」。ベンソン・フォード・リサーチ・センターのエンデルマンさんの発表タイトル「ウェブサイト捕捉プロジェクトを定義して資金を集める」。ベンソン・フォード・リサーチ・センターとザ・ヘンリー・フォード関連ページは後掲。

410
タイトル:電子記録と電子証拠開示手続き:ミニ・セドナ・カンファレンス・セミナー
タイトル原文:E-records and e-discovery: a mini-sedona conference seminar
参加者名、役割原文(所属等)1:Jason R Baron, Chair (National Archives and Records Administration)
参加者名、役割原文(所属等)2:Derek G Howard (Murray and Howard LLP, Oakland, California)
参加者名、役割原文(所属等)3:Charles R Ragan (Redgrave, Daley, Ragan, and Wagner LLP, San Francisco)
一行解説:訴訟の際の証拠開示手続き過程に与える電子記録の影響を議論する。ザ・セドナ・カンファレンス(TSC)は反トラスト法、複雑な訴訟、知的財産権の分野における法律と政策前進をめざす研究教育機関(関連ページ後掲)。

◆8月30日(土)◆

507
タイトル:非‐記録:進化しているのか?
タイトル原文:The non-record: is it evolving?
参加者名、役割原文(所属等)1:Michael L Miller, Chair (Lockheed Martin Corporation)
参加者名、役割原文(所属等)2:L Reynolds Cahoon (Lockheed Martin Corporation)
一行解説:記録、情報、知識の伝統的な境目があいまいになりつつある。アーキビストが組織のデジタル記録を評価選別するさい何を考慮すべきか。ロッキード・マーティン社のミラーさんの報告は「ホリスティック(全体的な)環境において作成された記録を評価選別する」。同じく同社のカフーンさんの発表タイトルは「ホリスティックな環境において記録を作成する」。

603
タイトル:ゴミか宝か?収蔵品の売却経験とデジタル化が意味するもの
タイトル原文:Trash or treasure? Experiences with deaccessioning and the implications of digitization
参加者名、役割原文(所属等)1:Todd Daniels-Howell, Chair (Indiana University- Purdue University Indianapolis)
参加者名、役割原文(所属等)2:Margery N Sly (Presbyterian Historical Society, Presbyterian Church USA)
参加者名、役割原文(所属等)3:Karen M Benedict (Winthrop Group)
参加者名、役割原文(所属等)4:Laura Uglean (American Heritage Center, University of Wyoming)
一行解説:収蔵品の再評価と売却はコレクション管理の一部であると多くのアーキビストは考えるが、実際には難しい仕事である。デジタル化は再評価や売却を容易にするのか。カレン・ベネディクトさんは本通信1号、2号でご紹介した『倫理とアーカイブズ専門職─手引きと事例研究』の著者。

604
タイトル:変わりゆく実務とアーカイブズの倫理:技術のインパクト
タイトル原文:Archival ethics with changing practices: the impact of technology
参加者名、役割原文(所属等)1:Shawn San Roman, Chair (Credit Union National Association)
参加者名、役割原文(所属等)2:Katie Shilton (University of California, Los Angels)
参加者名、役割原文(所属等)3:Lisa Hooper (Indiana University Bloomington)
参加者名、役割原文(所属等)4:Erik Moore (Academic Health Center, University of Minnesota)
一行解説:技術の変化に応じてアーキビスト倫理は見直される必要がある。紙資料と限定されたアクセスに根ざした旧来の倫理基準は、オン・デマンド、多様なフォーマットを前提とする今日の世界が必要とする倫理に適合しない。今日の技術に見合ったアーキビスト倫理を考える。

606
タイトル:機関アーカイブズにおいて多様性を現実のものとする:いかにしてそれに到達するのか?
タイトル原文:Achieving diversity in institutional archives: how do we get there?
参加者名、役割原文(所属等)1:Brenda S Banks, Chair (Archives Consultant)
参加者名、役割原文(所属等)2:Maria R Estorino (Cuban Heritage Collection, University of Miami Libraries)
参加者名、役割原文(所属等)3:Jamal Booker (The Coca-Cola Company)
参加者名、役割原文(所属等)4:Elizabeth W Adkins, Commentator (Ford Motor Company)
一行解説:昨年のSAA大会での会長演説でフォード社のアドキンスさんはアーカイブズの世界における多様性を強調した(関連ページ後掲)。この呼びかけにどのように応じるべきか。

705
タイトル:デジタル寄贈者:電子環境における契約、権利、そして寄贈者との関係
タイトル原文:Digital donors: agreements, rights, and donor relations in the electronic environment
参加者名、役割原文(所属等)1:Robert Spindler, Chair (Archives and Special Collections, Arizona State University Libraries)
参加者名、役割原文(所属等)2:Patricia Galloway (School of Information, University of Texas at Austin)
参加者名、役割原文(所属等)3:Menzi Behrnd-Klodt (Klodt and Associates)
一行解説:ボーン・デジタル・コレクションやデジタル派生物のための権利管理に関するセッション。

706
タイトル:アクセスに関する倫理:ひとつのサイズがすべてのサイズに合うのか?
タイトル原文:The ethics of access: does one size fit all?
参加者名、役割原文(所属等)1:Susan Davis, Leader
参加者名、役割原文(所属等)2:Lynn Eaton (Duke University)
参加者名、役割原文(所属等)3:Sahr Conway-Lanz (Nixon Presidential Library)
参加者名、役割原文(所属等)4:Hal Keiner (Appalachian State University)
一行解説:イートンさんはデューク大学で企業史料を扱うアーキビスト。企業アーカイブズ、大学アーカイブズ、そして政府のアーカイブズにおいてそれぞれSAA倫理規定のアクセス条項に抵触しうる可能性を論じる。SAA倫理規定関連ページは後掲。

[関連ページ]

米国アーキビスト協会(SAA)HOME
http://www.archivists.org/

SAAについてのページ
http://www.archivists.org/about/

ワイオミング大学アメリカ遺産センター サイトHOME
http://ahc.uwyo.edu/

日米アーカイブ・セミナー案内書
http://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bn/pdf/annai0320a.pdf

日米アーカイブ・セミナー eパブリケーション
http://www.archivists.org/publications/epubs/accesstoarchives/index.asp

コカ・コーラ社アーキビスト テッド・ライアン氏による記事
http://www.archivists.org/saagroups/bas/features/coke_article.asp

コカ・コーラ社のラテンアメリカにおける事業100周年関連出版物
http://www.archivists.org/saagroups/bas/docs/Coke%20LA.pdf

SAA A*CENSUS調査に関するページ
http://www.archivists.org/a-census/

銀行・金融史のための欧州協議会サイト
http://www.eabh.info/start1.html

ベンソン・フォード・リサーチ・センター
http://www.hfmgv.org/research/index.aspx

ザ・ヘンリー・フォード サイトHOME
http://www.hfmgv.org/

ザ・セドナ・カンファレンス サイトHOME
http://www.thesedonaconference.org/

SAA 2007年大会エリザベス・アドキンス会長演説
http://archivists.metapress.com/content/lv370048r7875175/fulltext.pdf

SAA アーキビスト倫理規定
http://www.archivists.org/governance/handbook/app_ethics.asp

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☆★ 編集部より:あとがき、次号予告 ★☆

これまでBA通信では網羅的に行事情報をお伝えしてきました。今号はセッションごとの簡単な解説もつけようということから、選択的にセッションをご紹介してみました。いかがだったでしょうか。

さて今週は4年に一度のICA(国際文書館評議会)大会がクアラルンプールで開催中です。日本からも多くのアーカイブズ関係者が参加している模様です。アーカイブズの理論と実践に関する最近の動向を摂取するとともに、日本からの情報発信にも期待したいと思います。また、普段は接することの少ない地域や国々のアーキビストの方々との直接的な交流によって、新たな発見や友情の芽生えがありますように。

次号はSAA大会の続き他を予定しております。7月下旬配信予定です。どうぞお楽しみに。
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◆◇◆〈渋沢栄一記念財団からのお知らせ〉◆◇◆

□実業史研究情報センター・ブログ「情報の扉の、そのまた向こう」ほぼ毎日更新しております。
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「今日の栄一」「栄一情報」「栄一関連文献」「センターニュース」「今日の社史年表」「社史紹介(速報版)」「アーカイブズニュース」「図書館ニュース」をお届けしております。

「アーカイブズニュース」では政府の「公文書管理の在り方等に関する有識者会議」の動向やアーカイブズのデジタル化、資料の発見・公開に関わるニュースを適時ご紹介しております。

ブログ画面右側の「カテゴリー」にある「アーカイブズニュース」をクリックしてください。「アーカイブズニュース」として掲載した記事を一覧することができます。どうぞご利用ください。

・カテゴリーの紹介
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□「渋沢栄一関連会社社名変遷図」公開中です。
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渋沢栄一は生涯に500近い会社に関わったといわれています。どのような会社があったか、それが今にどうつながっているのか、一目でわかるように業種別にまとめて変遷図にしたものです。こちらもどうぞご覧ください。

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ビジネス・アーカイブズ通信(BA通信) No.6
2008年7月23日発行 (不定期発行)
【創刊日】2008年2月15日
【発行者】財団法人渋沢栄一記念財団実業史研究情報センター
【編集者】財団法人渋沢栄一記念財団実業史研究情報センター
      「ビジネス・アーカイブズ通信」編集部
【発行地】日本/東京都/北区
【E-Mail】
【サイト】http://www.shibusawa.or.jp/center/ba/index.html

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2007- All Rights Reserved.

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