渋沢栄一詳細年譜

明治8年(1875)〔 35歳 〕

最終更新日:2018年8月7日 公開日:2013年3月11日
社会の主なできごと : 4月 元老院設置/ 5月 大審院設置。ロシアと樺太・千島交換条約調印


この詳細年譜は、『渋沢栄一伝記資料』綱文を年月日順に配列したものです。(⇒凡例

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1875年
(明治8)
事 項 『伝記資料』
2月22日 【29.貿易/蚕種製造組合条例並ニ蚕種製造組合会議局】
太政官布告第三十二号を以て、新たに蚕種製造組合条例並蚕種製造組合会議局規則発布せらる。思ふに本条例規則は栄一等の起案にかかり、栄一前年来蚕種製造業者の依頼を受け尽力せる成果なり。
第14巻
p.550-p.563
【DK140064k】

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1875年
(明治8)
事 項 『伝記資料』
3月6日 【31.鉱業/足尾銅山組合】
是日栄一、大蔵卿大隈重信に書翰を送り、古河市兵衛の鉱山事業に関して依頼する所あり。
第15巻
p.365-p.366
【DK150038k】
3月27日 【08.陸運/東京鉄道組合】
是より先、麝香間同列の華族相謀り鉄道組合を組織し東京青森間に鉄道を建設せん事を計画し、其規則方法の立案を栄一及前島密に依嘱す。草案成り是日第一回会議を開く。尋いで第二回第三回会議を重ね第一次着手里程を宇都宮迄とし、建設工事方は高島嘉右衛門に依嘱せり。
第08巻
p.357-p.372
【DK080022k】

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1875年
(明治8)
事 項 『伝記資料』
4月23日 【08.陸運/東京鉄道組合】
是日第四回会議を開く。井上馨、栄一と共に之に臨席して陸羽鉄道建設の目的を変更し、新橋横浜間官設鉄道の払下を受くべき事を勧む。直に衆議之を容る。
第08巻
p.372-p.378
【DK080023k】
4月~5月 【29.貿易/蚕種製造組合条例並ニ蚕種製造組合会議局】
四月十五日蚕種製造組合会議局召集され、爾来討議を続け、該年度春蚕種製造額を約百七十四万枚と定むること、ほか内国用蚕種取扱方申合規則、外国輸出用蚕種売捌方申合規則、横浜売込問屋へ掛合廉書等二十一箇条を議決す。栄一この間指導頗る努む。
第14巻
p.563-p.596
【DK140065k】

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1875年
(明治8)
事 項 『伝記資料』
5月8日 【08.陸運/東京鉄道組合】
第五回会議に於て鉄道会社発起華族等、栄一を鉄道払下に関する総理代人に推し事務を一任せんとせしが、栄一之が受諾に先立ち、是日鉄道払下見込書を提示して協同履約を求め其盟約書を得、六月十九日始めて代価三百万円七ケ年賦上納、之に年七朱の利子にて京浜間官設鉄道を払下げられん事を太政大臣三条実美に出願す。
第08巻
p.378-p.398
【DK080024k】

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1875年
(明治8)
事 項 『伝記資料』
6月9日 【68.政治・行政/東京会議所】
栄一、当会議所の組織を改め委員を公選と為し真の民会を起さんとし、之を頭取・掛り等に諮る。議一致せるを以て、是日当会議所此儀を東京府知事大久保一翁に上申す。許されず。
第27巻
p.654-p.665
【DK270152k】
6月-- 【14.製紙/抄紙会社・製紙会社・王子製紙株式会社】
抄紙会社工場成り業務を開始す。然れども成績挙がらず、栄一苦心経営すること半歳、稍成功の域に達せるを以て十二月開業式を行ふ。此間本社を王子に移し、第一国立銀行内仮会社を東京分社と改称して、印刷・製本並に本社製紙の販売を掌らしむ。
第11巻
p.32-p.45
【DK110006k】

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1875年
(明治8)
事 項 『伝記資料』
7月11日 【01.銀行/第一国立銀行・第一銀行】
同行、八年上半季に於て業務の伝習、コルレスポンデンスの再開等営業上の発展を計り純益拾弐万円余をあぐ。是日株主総会を開催し、栄一頭取に代り此季の営業状況を報告す。
第04巻
p.156-p.168
【DK040016k】

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1875年
(明治8)
事 項 『伝記資料』
8月1日 【01.銀行/第一国立銀行・第一銀行】
曩に紙幣頭より命ぜられたる同行組織改正に関する答申案の立案を七月十一日の株主集会に於て栄一に委嘱す。是日、即ち株主臨時集会を開き栄一の立案せる資本金を百五拾万円に減ずる件外五項目より成る改正案可決せらる、尋いで栄一選ばれて取締役となり、更に取締役の会議により頭取に就任し、改正案の実行に著手す。
第04巻
p.168-p.191
【DK040017k】

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1875年
(明治8)
事 項 『伝記資料』
10月13日 【29.貿易/蚕種製造組合条例並ニ蚕種製造組合会議局】
是より先、明治四年頃より欧洲に於て養蚕術の改良に伴ひ蚕病衰退、漸次良好の蚕種を出すにいたれり。これに反して本邦の製種は逐年粗製濫造に流れ、しかも高価なるを以て、前年秋欧洲商人の持帰へりし蚕種の売捌は頗る不成績なりき。かくて是年秋、欧洲商人の来朝するもの甚だ少く、蚕種製造組合会議局の決議高を以てなほ過剰とし、品質良好なりしも価格低調を示す。依つて十月中旬より十一月上旬にわたり横浜売込問屋総代及び滞在中の荷主屡々会同し、之が対策を協議、伊太利へ直輸出することに決して、その費用の官給を蚕種製造組合会議局規則による全国蚕種取扱所一同より勧業寮に出願す。官許さず。ここに於て市価更に惨落、徒らに外商に利を得せしめ、弊前年より更に甚しかりしことあり。
是日売込問屋総代の内代表者数名、栄一を訪ひ、その考案を求む。
第14巻
p.596-p.607
【DK140066k】
10月31日 【08.陸運/東京鉄道組合】
曩に東京府へ進達せる京浜間官設鉄道払下願書に対し府知事大久保一翁より払下代価三百万円を六ケ年賦にて上納すべく之に年六朱の利子を交附する旨達せらる。然るに其趣旨前願と径庭あるを以て栄一再上申書案を草し衆議に問ひ、是日願書を呈す。之に対し利子の儀は最前の通年六朱、据置期間は願の通七ケ年賦にて聞届く旨達せらる。
第08巻
p.398-p.409
【DK080025k】

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1875年
(明治8)
事 項 『伝記資料』
11月-- 【59.実業教育/東京商法講習所】
是より先九月、森有礼、米国人教師を招聘して商法講習の私塾を興したりしが、幾許も無く清国駐箚弁理公使を拝命し、其経営に任ずる能はざるに至り、是月、之を東京会議所の管理に移す。栄一、益田孝・福地源一郎と共に其経営委員に挙げらる。翌九年五月、東京会議所は其行務を府庁に還納せしより当講習所も亦府庁の管轄となり、矢野二郎命ぜられて其所長となる。
第26巻
p.501-p.523
【DK260081k】
11月-- 【68.政治・行政/東京会議所】
是より先九月、森有礼商法講習の私塾を興せしが、頃日清国駐箚弁理公使を拝命し、其経営に任ずる能はざるを以て、栄一尽力して是日之を当会議所の管理に移さしめ、益田孝・福地源一郎と共に其経営委員となる。
第27巻
p.665
【DK270153k】

1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | -- / 凡例

1875年
(明治8)
事 項 『伝記資料』
12月14日 【08.陸運/東京鉄道組合】
是日鉄道組合第十二回会議を開き、鉄道払下に関し必要なる諸条項を議定す。乃ち同組合を東京鉄道会社と称し、政府及第一国立銀行との間に取極むべき約定書或は申合規則等議定の書類は栄一に其草案作成を托す。
第08巻
p.409-p.411
【DK080026k】
12月17日 【01.銀行/第一国立銀行・第一銀行】
八年三月八日、同行、第二・第四・第五の各国立銀行と共に連署して紙幣寮に正貨兌換制廃棄の嘆願書を提出す。紙幣頭得能良介、銀行救済の為め予備紙幣七拾壱万円の貸下げを稟議し、且つ同行にも意見を徴す。七月二十二日栄一之に対へて建策し、其結果是日に至り銀行紙幣を抵当として新紙幣四拾五万円の貸下げ通達せらる。
第04巻
p.191-p.202
【DK040018k】
12月21日 【38.社会福祉施設/東京市養育院】
是日栄一、東京会議所会頭兼行務科頭取に選挙せられ、引続き当院事務を主管す。越えて翌九年一月、栄一等其の行務を府庁へ還納せんことを図る。
第24巻
p.30-p.50
【DK240002k】
12月21日 【68.政治・行政/東京会議所】
当会議所、会議規則及び行務科章程を定めて議事と行務との分界を立てんとし、是月四日之を東京府知事に稟請し、七日認可せらる。是日栄一、選ばれて当会議所会頭兼行務科頭取となる。
第27巻
p.665-p.681
【DK270154k】
12月23日 【08.陸運/東京鉄道組合】
鉄道組合曩に官に請へる京浜間鉄道払下の聴許を得たるを以て、是日築地精養軒に祝賀の筵を催す。栄一及井上馨・前島密亦列席し、栄一答辞を述ぶ。
第08巻
p.412-p.413
【DK080027k】

1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | -- / 凡例

1875年
(明治8)
事 項 『伝記資料』
-- 【32.農・牧・林・水産業/房総漁産会社】
是より先、千葉県令柴原和、九十九里浜産出の干鰯の一手販売を為すの目的を以て県庁保護の下に当会社を設立したれども経営意の如くならず、同県出身の商人たる西村勝三に其局に当らんことを懇請す。是を以て是年勝三、栄一と謀議の上之を譲り受け事業を継承す。其後勝三、第一銀行より資金の融通を受け、本店を東京に、支店を千葉町に設け、鋭意発展に力めたれども所期の目的を達する能はず、却て数万円の前貸金を失ひ間もなく解散せり。
第15巻
p.661-p.662
【DK150085k】

「渋沢栄一詳細年譜」凡例

この詳細年譜は、『渋沢栄一伝記資料』綱文を年月日順に配列したものです。

  1. 日時、固有名等は、『渋沢栄一伝記資料』に再録された歴史的な資料に基づいています。
  2. ページ冒頭に付記した年齢は、当該年の誕生日における渋沢栄一の満年齢を示します。
  3. 身辺欄には、『渋沢栄一伝記資料』第29巻・第57巻より、家庭生活など主に栄一の身辺のできごとを要約・掲載しています。
  4. 事項欄の[ ]には、『渋沢栄一伝記資料』第1巻から第3巻の章名と、第29巻・第57巻収載「第3部 身辺」以下の章名を掲載しています。
  5. 事項欄の【 】には、『渋沢栄一伝記資料』第58巻「事業別年譜」の事業名を掲載し、事業一覧へリンクしています。